From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
今回は、お腹を凹(へこ)ませることについて話してみたいと思います。
ところで、お腹を凹ませるって、一体何のためだと思われますか?
ちなみに多くのプロスポーツでは、運動中にお腹を凹めて
安定させることの有用性が認められているのをご存知ですか?
ご存じの方も多いかもしれませんが、実際に多くのトレーナーが、
この動作を練習メニューの中に取り入れるようになっています。
横文字ではドローインと言われたりしますね。
ブレーシングという言い方もあります。
ドローインはかなりしっかりお腹を凹め、胸で呼吸する事に対して、
ブレーシングでは、横隔膜呼吸といいますか、
お腹と胸を一緒に膨らませたり凹めたりして呼吸します。
ブレーシングの方が、動きの激しいスポーツ向き、
ドローインでは、比較的コンパクトな動きに有効かと感じています。
ゴルフでは、ドローインはショートゲームなどの正確性が必要な時効果があり、
ブレーシングはドライバーなどの飛ばす時に有効だと感じています。
ショートゲームはスコアに直結することから、良い成績をだすためにドローインは、
絶対取り入れるべき体の使い方となります。
さらに、お腹を凹めるだけですので、どなたでもやろうとすればできることです。
パターやアプローチショットの時、スイング開始前にお腹を凹めてみてください。
やらない場合よりも正確にヒットできるようになります。
パターでは方向性や転がりが良くなりますし、
ショットでは距離感や方向性が良くなります。
お腹を凹めるとなぜ効果があるのか?
では、どうしてお腹を凹めるといいのでしょうか?
それは、人の体の真ん中に走っている脊椎の構造を見ることで理解出来ます。
脊椎はお腹の後ろ側の腰椎と胸の後ろ側の胸椎では、構造が異なっています。
そして、その構造の違いから、お腹の後ろ側である腰のすぐ上の方は
あまりねじれない構造なのです。
ですから、この部分はできるだけ安定させて体を使った方が、
より正確で高いパフォーマンスを出すことができるようになっているのです。
そして、腰痛の改善のためには、腹筋を鍛えろと言われたりします。
しかし実は、海でかっこ良く見せるためのお腹の真ん中の6つに割れた腹筋
(いわゆる腹直筋)を鍛えるよりも、、、
お腹の周りの腹筋(腹横筋、腹斜筋、骨盤底筋)を鍛えるようが
腰椎を安定化できて、腰痛防止に効果的なのです。
なので、単に体を前に曲げるような運動で腹筋を鍛えるというよりも、
お腹を凹ませる動きをやった方が、腰痛には効果があるというわけです。
そういえば、100万部以上売れたとか言うお腹を凹ませる体操がありましたね(笑)。
正確なパッティングのために
腰椎よりも上の方にある脊椎では、すこしはねじれる構造となっています。
胸の後ろの背骨である胸椎は腰椎よりはねじりやすく、
ある程度動かすことでパフォーマンスを発揮出来ます。
さらには、肩関節が乗っかっている肩甲骨は、
体に対して浮いている形となっていて、かろうじて鎖骨で体とつながっています。
ということで、非常に動かし易い構造となっているのです。
ですから、胸から上の方は固定するのではなく、
ねじりやスライドさせて動かすといいのです。
パターでは、胸から下がびくともしないようにしてストロークすることで、
動く部分が少なく、よりシンプルにストロークできます。
単純な動きだとブレが少なくなるので、
パターヘッドの向きがブレなくなることで、方向性が良くなります。
つまり、パターヘッドの一定の所にボールが当たりやすくなるのです。
そうすると、転がりのいいところにボールを当てられるようになってきます。
ショットでは、下半身の動きが肩甲骨にダイレクトに伝わるようになり、
下半身のパワーが発揮しやすくなります。
お腹の凹ませ方
ちなみに、お腹の凹ませ方については、特に難しく考える必要はありません。
お腹を凹めて肋骨の下のラインが出っ張るようにします。
腹横筋、腹斜筋というお腹の周りの筋肉を収縮させるのですが、
お腹の周りにコルセットを巻いたように、
自分の力でコルセット装着時と同じようにすればいいのです。
パッティングやショットのセットアップルーティーンの最後当たりで、
お腹をギュギュギュと凹ませて、肋骨の下が浮き出る様にしてみましょう。
決して大げさな話ではなく、、、たったこれだけで、
ショートゲームに一筋の光がさしてくる感じがすることと思います。
以上、少しでも参考になってくれればうれしいです。
では、また。