2013.10.13
From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
片山晋呉プロが先週、5年ぶりに優勝しました。
「コカ・コーラ東海クラッシック2013」で
3人のプレーオフの結果の優勝、、、それはそれは歓喜あふれる出来事です。
しかも、、、3人のうちの一人は江連忠ゴルフアカデミーの契約プロである
星野英正プロ。そして、もう一人は、片山晋呉プロが教えている富山聡プロ。
結果として、江連忠ゴルフアカデミーに関連するプロが、
お互いに切磋琢磨した結果をぶつけあったという感じでした。
さて、パター練習について、片山晋呉プロが最近やっているベースとなる
練習について話をさせていただこうと思います。
ボールを遠くまで飛ばすドライバーショットも魅力的ですが、
やっぱりスコアをつくるのはショートゲーム。
楽しい週末ゴルフでも、プロの厳しい接戦の中でも、
歓喜の中心にいられるかどうかを分けるのは、
やはりショートゲームの積み上げによるスコアです。
「ドライバー・イズ・ショー、パット・イズ・マネー」
と言われる所以ですね。
パターの基本とは?
パターでまず絶対できなければならないことは、、、
・打ち出したい方向にできるだけ正確に打ち出すこと
・転がりの良いボールを打つこと。
この2つがよくなれば、後のことは「本能」がうまくやってくれます。
本能と言うと、なんだか煙にまかれたような気がするかもしれません。
ですが、右脳や小脳に分担させるということです。
訓練されたことは意識には上らなくとも、無意識下でできることになります。
また、打ち出し方向と転がりがよければ、右脳や小脳の働きが最大に生かされ、
みるみるパターがうまくなってしまいます。
パターは才能と諦めるのではなく、
正しいストロークでしっかり練習すればどなたでもうまくなれるのです。
1~2mのパッティング練習の重要性
打ち出し方向を決めるのは、実はパターヘッドの軌道よりも、
パターフェースの向きなのです。
フェースの向きで80~90%打ち出し方向が決まってしまいます。
基本的に、ボールがフェースにくっついている時間が長いクラブほど、
クラブヘッドの軌道方向にボールが飛び出すのです。
たとえば、ドライバーではそれが顕著です。
ところがパターではヘッドスピードが遅いために、
パターヘッドにボールがくっついている時間はゴルフのスイングの中で最も短いのです。
そのために、軌道よりも、フェースの向きに大きく影響を受けます。
つまり、1~2mのパッティングをバシバシ決めるためには、
パターフェースの向きをしかりコントロールしなければならないということです。
そのためには、体に緩みがあったり、パターを手で捻ったりこねたりしないように
体でパターを振るようにしなければ、安定したフェースの向きは得られません。
ということは、1~2mのパッティング練習で、
パッティングの基本的な体の使い方が習得できるということなのです。
そして、距離感やライン読みについては、ストロークのやり方というよりも、
距離を合わせるという調整力や経験の問題となります。
ですから、まずは、パッティングの基本的な体の動きを手に入れて、
それから、その正しい動きで正しい経験を積むことが、
パター練習の基本的な歩むべき道と成るのです。
距離感は基本的ストロークができているほど、効率よく身につきます。
なぜかと言いますと、、、
・打ち方がバラバラ
・打ち出し方向のズレがある
・スライスライン、フックライン、そして真っ直ぐなラインで
打つ度に距離感が狂っている
そんな状態では、肝心の距離感が身につくはずはないですよね。
たとえば、思った方向よりも少し右に打ち出していると、
スライスラインではグリーンが早く感じて、しかも切れやすく感じます。
逆にフックラインでは遅く感じ切れにくく感じてしまいます。
こんなことでは、距離感や、ボールが転がる本当のラインを
見定めることすらあやふやなものになってしまいます。
ですので、距離合わせとは無関係な、打ち出し方向精度だけを
できるだけ正確に、安定したものにする練習を徹底的にやってください。
練習としてはつまらないかもしれませんが、
この練習はパッティンググリーンではなくても十分効果的な練習となります。
家の中でも良い練習ができるということなのです。
パターマットのホールのまわりにガムテープや紙などを使って、
ホールの大きさを小さくして、1~2mで練習するだけでもいいのです。
打ち出し精度を高くする鍛錬をコツコツとやってみてください。
いつの間にか、ラウンドでのパッティングが見違えるように良くなっていることに気づくでしょう。
片山晋呉プロお気に入りのパター練習とは?
ちなみに、ETGAで開発したパターの驚きの練習器具があります。
e-Putt Gateというのですが、
ボールの打ち出し方向精度を確かめるのに最高に便利なのです。
そして、このe-PuttGateは特許も取得しています。
実はこのe-Putt Gateを片山プロに見せたところ、一発で気に入っていただき、
お渡ししてから約1年、毎日欠かせない練習として打ち出し方向精度の確認をされています。
「e-Putt Gateを使いはじめてから、ここ4年の中で
パターの調子が一番良い感じになってきた!」
片山プロからはそのような評価もいただいていますし、
実際に数字でもそれが現れています。
JGTOの公式発表記録の平均パットを見ると、
2008年 1.7834
2009年 1.8018
2010年 1.7894
2011年 1.7892
2012年 1.7623
2013年 1.7560
となっています。
※パーオン以下での平均パット数、アプローチショットをした場合は勘定に入れない
※2013年は7月までの数字
これは本人の感触とも一致していて、
まさにe-Putt Gateを使い始めて数字の上でも上昇傾向になっています。
そして、今回優勝した「コカ・コーラ東海クラッシック2013」3日目では、
平均パット数1.500という、素晴らしい数字を叩きだしています。
e-Putt Gateの意外な効能
e-Putt Gateは打ち出し方向だけを良くする様に見えますが、
実はボールの転がりも抜群に良くなるのです。
それはなぜかと言いますと、ボールの打ち出し方向の精度をよくしようとすると
パターヘッドの動きを安定させなければなりません。
そして、そのためには緩みがないようにすることを自然に体が覚えてくれます。
ということは、パターヘッドがボールに当たる位置が安定してきます。
ばらついているうちはどこに当てようなどと考えることもできません。
ですが、いつも同じような所に当たり始めると、
人は自然に転がりのいいところを探るようになるのです。
そして、いつの間にかボールの転がりも良くなっています。
また、ボールヒッティングポイントが安定すると、
方向性と転がりの良さとその安定性により
ストロークに対してボールの到達距離が安定してくることになります。
ということは、距離感も安定するということなのです。
なんだか不思議に思われるかもしれませんが、
「風が吹くと桶屋が儲かる」的なこじつけではなく、当然の結果なのです。
さらに驚きのボールの転がりの良さへの効果
そしてさらに驚くことに、e-Putt Gateは正しいボール位置を発見させてくれます。
うまい人のパターヘッドは低く引かれて、低く出ます。
しかし、e-PuttGateのボール設置穴に置いて、
ストロークした場合にパターヘッドがゲートに当たるようだと。。。
手で無理やり低く出しすぎているか、ボール位置が真ん中に寄り過ぎて、
最適にアッパー軌道でボールヒットしていないことになるのです。
パッティングランキングで1位になったこともある、
「パターの名手」と言われる岩田寛プロが、e-PuttGateを最初に見た時に
「ゲートに当たりそうな気がする」と言いました。
しかし、実際にボールを打ってみたらまったく当たらず、
「この高さって最高にいいですね」と言ってくださいました。
実は当初、片山晋呉プロのボール位置は最適なところよりも少し内側寄りだったため、
一番最初にe-PuttGateのボールを置く位置にボールを設定してストロークした時、
ゲートにパターヘッドが当たったのです。
そこで、ゲートに当たらないように少しボール位置を左足寄りにしたところ、
低く出してもゲートに当たらなくなり、ボールの転がりが抜群に良くなったのです。
実は、片山晋呉プロにとっては、
方向性よりも、このボール位置を正しくしてくれたことで、
ボールの転がりが良くなった事の方が効果があったと言えます。
こうして、簡単な練習でパターの基本中の基本がいつの間にか身についてしまう、、、
片山晋呉プロがすぐに飛びついて使いつづけてくれている理由がわかる気がします。
距離感合わせは無視してもいい!?
先ほど、打ち出し方向を良くすることで、
距離感が合ってくるというお話をさせていただきました。
片山晋呉プロも、ストロークの練習では、距離感はあまり意識しないと言います。
気落ちの良いリズムと打感を求めながら、
ひたすら打ち出し方向の精度を上げることに専念すると言っています。
このことからも、グリーンの上でなくても、
お家の中などでの方向精度の練習をじっくり行うときの、練習の方法が見えてきます。
何か壁に当ててもいいのですから、パターマットすらなくても、
1mでなくても、50cmもあれば、かなりいい練習ができるのです。
「ゲート通し」がなかなかうまくならない方へ
e-PuttGateで思ったようにゲートをボールがクリアしない場合は、
ストローク中にグリッププレッシャーが変化しすぎている可能性が高いです。
そのような状況ですと、パターを無理やり力ずくで振り回していることになります。
まずはグリッププレッシャーができるだけ変化しないようにストロークしてみてください。
それができれば、パターヘッドの軌道とかを強制的に制限するよりも、
ずっとご自分の体の本来の動きに合ったストロークとなります。
そうすると、いつの間にかゲートをクリアできるようになっています。
また、テークバックで右肩を上に上げ、
ダウンでは左肩を上に上げるようなイメージでストロークすると、
自然な軌道が手に入ることが多いですので、試してみてください。
実際、梶川剛奨プロにこの感覚を伝えたところ、
明らかにゲート通過確率が上がったと言っていました。
パッティングのセットアップでの手の位置
今回の原稿は、かなりの長文になってしまいました。。。
ですが長文ついでにもう少しだけ(笑)。
先日いただいた私へのご質問の中に、
「パッティングのセットアップでの手の位置について悩んでいる」
という内容の質問がありました。
(こちらで質問を募集しておりました)
https://jp.surveymonkey.com/s/2VCTF2K
今回のパッティングの話題に乗じての回答では、
ついでのようになってしまって、中途半端かとも思ったのですが。。。
しかし、一番お悩みの点について、
お答えできるタイミングで答えさせていただくことが、
真摯な向き合い方と思い、、、つい手がすべって書いてしまいました(笑)。
ズバリ、通常の(ロングシャフトではない)パターでは、
手の位置はショットと同じ「左股関節の前」です。
こんなに断定的に言い切ってしまっていいのかと思われている方も
もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
パッティングには、かなりいろいろなスタイルがあり、
ご自分のスタイルが固まれば、それなりに上手くできてしまうのが、
パッティングというものでもあるのです。
ロングシャフトのパターも、ある意味独特の打ち方になります。
しかし、根本的なところから考えてみると、
やはり最適な打ち抜き方が見えてきます。どういうことかというと、、、
第一に、ボールにパターヘッドは、
少しアッパー軌道でヒットさせてることで、転がりが良くなります。
ということは、セットアップでパターヘッドの最下点より、
少し先にボールを置きます。
そして、パターヘッドもそれに合わせて最下点よりも少し先にセットします。
第二に、右手が左手よりも下に入ってグリップしますので、
セットアップでは左肩が少し上がっていた方が、
ボールヒットの時のパターの位置に対して、
ご自分が入っていった時は、最も自然な形になりますね。
そして、その方がボールを後ろから覗きこむような感じが得られるので、
方向性や距離感が合いやすくなります。
この第一の点と第二の点の両方が満足できる手の位置となると、
セットアップでの手の位置は、左股関節の前になるというわけです。
以上、ご回答になったでしょうか?
今回は片山プロの優勝の喜びがあったということで、
調子に乗ってたくさん書いてしまいました。
では、また。
追伸:
片山晋呉プロを復活に導いたパター上達器具とは?
http://obara-daijiro.com/product/e-putt2/
*ゴルフライブ分は先日完売。ですが、ETGAの在庫を急遽「30個限定」で販売します!