2016.10.09
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・前腕をねじろうとする動きはエネルギーの無駄使い」
というお話をさせていただきます。
ボールヒットに向かっては前腕を左にねじって
フェースを閉じるようにと言われることがあります。
しかし、前腕を力でねじる動きはエネルギーの無駄使いであり、
かつ、コントロール性が低下してしまいます。
体の骨格の仕組みを利用すれば、
前腕は意識して力でねじる動きは必要ありません。
上半身の動きの抜粋
バックスイングからダウンスイングにかけての上半身の動きは
実はかなりシンプルでいいです。
右肘とコックを曲げることでトップ。
曲げた右肘とコックが遠心力で伸ばされ、
体の回転でヘッドが置いていかれる力で上半身がしならされて
右手甲側に折れるヒンジができて、
ヒンジが解放されながらボールヒットです。
前傾しているとなんだか複雑に見えますが、
実は上半身の動きはシンプルです。
試しに真っ直ぐに立って、上半身の動きだけやってみます。
「図・まっすぐに立って上半身だけの動き」を添付しました。
この図を見ながら、あなたご自身を鏡やガラスに写して、
動きを確認してみてください。
絶対に
「え、こんなに腕の動きってシンプルでよかったんだ」
と実感していただけます。
そして、フェースは自然に骨格の構造で開いてあがり、
閉じながら降りてくることがわかります。
真っ直ぐに立って、普通にグリップして、
シャフトが水平になるように体の前で支えます。
実際の前傾したセットアップではシャフトは
おへその高さで左股関節前を向くようにします。
しかしまっすぐに立ってやってみる場合はわかりやすくするために、
シャフトは水平にしておへその少し下を向けておきます。
ヘッドは右にも左にも倒れていないで、フェースが水平方向を向いていて、
一番下の溝が自分から見て垂直に見えるように向けておきます。
これがヘッドが軌道を向いている形です。
両腕にクラブを支える力以外に力が入っていなければ、両手の前後差分、
シャフトが右斜め前に出るので、グリップエンドは左股関節前を向きます。
右肘は右肘の内側である右肘のえくぼを上に向けるようにしておきます。
右肘えくぼを上に向けておくことで、
右肘は本来の位置より右に外れにくくなります。
そこからコックと右肘を曲げて行ってみます。
コックを先に曲げていってそれから少し遅れて右肘を曲げるようにすると、
ヘッドの重さを感じやすくて滑らかに軌道をたどりやすくなります。
コックと右肘を曲げると、フェースは開きながらあがり、
左肩をリラクスさせておけば左肩甲骨は体の正面方向へスライドされてきて
左サイドに張りのある理想のトップとなります。
左肩甲骨を体の正面方向へスライドするほどコックが深く作られます。
実は、コックは手首を曲げて作るだけではなかったのです。
ダウンスイングではコックと右腕が遠心力で伸ばされ、
クラブが下に降りてきます。
右手首をリラックスさせて、体が左へ回転していることを想定して、
ヘッドが体の右方向に置いて行かれるようにします。
ヘッドを体の右方向へ落としながら
さらに左肩甲骨を体の正面方向へスライドさせると、
コックは右手甲側へ折れるヒンジに変わっていきます。
トップで左腕が右方向へ伸びるので、右肘は左腕の動きで
体の右側へ持っていかれていますが、左腕が元のところに戻るに連れて
右肘も自然に体の正面方向に戻ります。
ここで、バックスイング開始で手元を体に対して力で右方向へ動かさないで、
左腕の動きに連動して手元が体の右方向へ自然に動いていることが大切です。
右腕は切り返しに向かって右肘を曲げることと、
切り返しでクラブが押してくることを支えること以外は、
自らは力を出さないでヘッドと左腕の動きに従ってしなるようにします。
そして、右肘を支点として、右上腕が回転しながら、手元が右へ動くので、
右腕がしなってパワーを溜められた形になります。
ダウンスイングでの胸から下では、右肘とコックが伸ばされる動きだけで、
フェースは閉じながら元の軌道の向きに戻ってきます。
手元が腰の高さに降りてきたら、ヘッドは軌道を向き、
左肩甲骨のスライドとヒンジだけが残っています。
左肩甲骨のスライドとヒンジがリリースされてきて、
ヒンジはまだ残った状態でボールヒットです。
フェースは前腕を力でねじらなくても、
骨格の構造で自然に開いてあがり、閉じながら降りてきます。
そこに、力での余計なフェースの開閉は行う必要はありません。
正しく、右肘とコックを曲げてそれが伸ばされる動きを行えば、
後は骨格の構造で勝手にフェースが開いて閉じるだけに任せることが大切です。
ボールヒットで働く力
ヘッドにはシャフトに対してオフセットがあり、
体が回転するとフェースは開かされる方向に力がかかります。
右腕は、そのヘッドが開かされる力に対抗できる準備が必要となります。
ヒトの腕の筋肉の構造から、腕が伸びる動きでは
右前腕を左にねじる力も同時に発生することになります。
単に右腕が伸びる動きだけで、右腕はフェースが開く力を
しっかり支えるだけの力を出すことができます。
自ら、右前腕を左にねじろうとしなくても、
右腕が自然にしなり戻って伸びてくることに任せることで、
十分ヘッドのオフセットによる右へねじられる力に対抗することができます。
それ以上のことを意識して自ら力で行うことは無駄な動きとなり、
タイミングやフェースの方向性を悪くするエネルギーに使われるだけとなります。
ボールヒットに向かってしなり戻る
また、ボールヒットに向かって自ら力を出して右腕を伸ばそうなどとはしません。
さらに、右手甲側に折れたヒンジを力でリリースしようとは絶対行いません。
しなった右腕がしなり戻ることに任せるだけです。
切り返しから上半身では左肩甲骨が体の正面方向へスライドすることと、
右上腕が右に回転する形でしなります。
この左肩甲骨と右上腕のしなりが上半身のしなりの大きな要素です。
右肩甲骨は体の後ろ側へスライドされて、やはりしなりとなります。
しかし、左肩甲骨に比べると右肩甲骨のスライドは少なく、
やはり左肩甲骨のスライドをまずは強く意識することが大切です。
体幹である腰から胸までの間は、
実はしならせるというよりもしっかり安定させて、
下半身のパワーを肩甲骨から先に伝えるようにします。
体幹はあたかもでんでん太鼓の柄から太鼓の部分のイメージです。
しなり戻るタイミング
上半身がしなってそれが戻るタイミングは、
下半身の動きが勝手に決めてくれます。
フィニッシュに向かって下半身はフルターンで
腰が打ち出し方向を向くまでターンさせます。
そして、下半身が正しく動いた場合に回転のパワーが最大となるのは、
だいたい左に45度程度まで回転したあたりです。
腰が左にどれぐらい回転したら回転のパワーのピークになるのかは、
それぞれの人により色々です。
平均的にはだいたい45度左に腰が回転したあたりとなります。
下半身の回転力が下がり始めると、
それまで下半身の力で上半身がしならされていたものが、
一気にリリースされ始めます。
そうすると腰は上半身の回転の反作用を受けて、
左に回転しようとしている力とは真反対の力を受けることになります。
この上半身のリリースの力は半端なくすごいので、
下半身はまだまだ回転しようとしているのに、
ほとんど下半身の動きは停止してしまうぐらいの力を受けることになります。
そうです、一瞬腰の回転が止まってしまう感じです。
そして、その瞬間にヘッドは強烈にボールを打ち抜きます。
こんなにも本来は強烈にしなり戻る上半身の動きの中に、
自らの力で前腕を左にねじってフェースの向きを
セットアップの向きに一致させるなんて、人間業では到底無理です。
ですから、前腕をねじろうとすればするほど、
ボールヒットでのフェースの向きは狂いやすくなります。
そして、前腕を左に自らの力でねじろうとするエネルギーは
無駄に消えていってしまいます。
ボールの打ち出し方向を決めるもの
ところで、ボールが飛び出す方向である打ち出し方向を決める要素は
ボールヒットでのフェースの向きがかなり大きなウエイトを占めています。
アイアン、ドライバー、パターではフェースの向きに
それぞれだいたい75%、80%、90%依存してボールは飛び出します。
実は、軌道の方向にはそれほど依存しないのです。
フェースの向きにより多く依存することは、
ボールが歪んでその歪みが戻ることが大きな要因です。
ですから、ボールヒットでいかに正確に打ち出したい方向へ
フェースを向けるかがものすごく重要となります。
ま、そのためには、まずは打ち出したい方向に
セットアップできっちりとフェースを向けておくことが基本ですが。
ただし、軌道はフェースの向きに影響を与えます。
場合によりけりですが、アウトサイドインのカット軌道では
フェースは閉じやすくなります。
そして、軌道の割にフェースが閉じなければボールは
左に出て右に曲がる典型的な引っ掛けスライスとなります。
いずれにしてもボールヒットは高速
いずれにしても、ボールヒット近辺では、
ヘッドスピードは最高速度に達しようとしている瞬間です。
そんなヘッドが高速に動いている時に、
フェースを意識的に力でコントロールするなんてことは
難しいに決まっています。
そういえば、車でカーブを曲がるとき、まずは減速して、
コーナーの出口が見えたらアクセルを踏んで加速ですね。
ゴルフのスイングでも車と同じで、
ダウンスイング開始ではゆっくりインパクトの軌道に乗せて、
良い軌道に乗ったら一気に加速です。
そして、加速中に意識で何かをコントロールすることが少ないほど、
再現性が高く、目一杯パワーを出せる体の使い方となります。
ゴルフでもトップからはスローイン・ファーストアウトのイメージです。
そして、ヘッドの加速前にあとは
アクセルを目一杯踏むだけの準備ができていて、
前腕をねじる意識がなくても良いスイングをしたいものです。
では、また。
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