2013.11.10
From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
先週のETGAからのプレゼントにはたくさんの方にご応募いただきました。
どうもありがとうございます。
当選は商品の発送を持ってかえさせていただきます。
あらかじめご了承ください。
さて今回は「技」(スキル)の分野の話で、
「踏めているってどういうこと?」と題して話してみたいと思います。
前回は「体」ということで、
足裏での地面の捉え方の話をさせていただきました。
今回は「技」という観点で「踏む」ということをご一緒に考えてみましょう。
まず、話の前提として、、、
空中でジタバタしてもクラブをしっかり振ることはできませんよね?
しっかり地面を両脚で捉えて地面との力のやり取りを行なってこそ、
持てるパワーを存分に発揮できることになります。
しっかり地面を踏みしめることができるかどうかが、
飛距離のみならずコントロールショットにとっても大切になります。
しかし、ちゃんと地面を踏めている人は、意外と少ないのです。
今回は、地面をちゃんと踏む事ができることを目指して、
いろいろお話してみたいと思います。
踏めるための要素
踏むということは簡単なように見えますが、
ちゃんと踏むためにはしっかりとした意識が必要なのです。
例えば両脚で立てと言われると、普通の人なら簡単に立っていられます。
しかし、それを片脚で立つようにとなると、少し難しくなり、
あまり長い時間は立っていられません。
「そんなの当たり前じゃないか」そんなふうに思う人もいるかもしれませんが、
これは一体、なぜなのでしょうか?
片脚で立つのが難しい理由。それは重心の位置が揺らいでいて、
無意識にいろいろ筋肉を動かして、バランスを脚の裏に集めていいるのです。
しかし、その筋肉が疲れてくると、だんだん使えなくなってきて、
仕方なく意識的に他の筋肉を使ってバランスを取ろうとします。
それも疲れてくるとうまく働かなくなり、
ついにはバランスを保持できなくなるということです。
しかし実は、踏みやすいところに乗っていれば、
筋肉もあまり使わずにすむため、長い時間バランスをとりやすくなります。
バランスを保持できないということは、
もうしっかり地面を踏めなくなっているということです。
倒れてしまったり、片脚立ちの限界に達して、
上げている方の脚を床について体を支え直すということになります。
踏めているというのは、踏みやすいところに向かって
真っ直ぐに力をかけている状態のことを言います。
踏みやすいところを正確に踏んで、初めてしっかり踏めたと言えるのです。
力の大きさというより、正確性が重要で、うまく踏めているときは
自分では頑張っている感じではありません。
自然に地面に自分のエネルギーを100%伝えている感じです。
この100%伝わっているということがものすごく大切な事で、
地面を押したらその押した力が、100%自分に返ってくるという感じでしょうか。
踏むための基本的動作
よく「体重移動」という言葉が使われます。
しかし、踏むということは単に体重を移動させるということではありません。
右脚で踏みなさいとい言われて、右に体重を移動させようとすると、
だいたい移動しすぎて地面を真っ直ぐ踏めなくなります。
というか、地面をしっかり踏むには難しい体勢になってしまうことが多いのです。
この事はスウェーと言われますが、テークバックで右脚が右サイドに流れたり、
ダウンスイングで左膝が打ち出し方向に流れたりすることですね。
このように地面をまっすぐに踏めない状態があると、
地面とエネルギーのやり取りを効率よくできなくなります。
したがって、100%のパワーを地面に伝えることができません。
テークバックで体が右にターンすると、背骨の前側にある内蔵は重いため、
向いた方向に重心が移ります。
それだけで、ほぼ十分に右に体重は移動出来ています。
それ以上に右に動こうとすると、右へ動きすぎて、
右脚で地面を踏みにくくなってしまいます。
そこで踏むためには、地面を押し付けるようにすることです。
押し付けるためには、荷重がかかっている状態で、
脚を伸ばす動作を行えば、地面を強く踏むことができます。
スイングではどうやって踏むのか
ここまでお話したことで、踏むということの基本的なことが
わかっていただけたかと思います。
いったん体が横に流れてしまうと、しっかり踏める最適なポジションに
戻ることは難しくなり、たくさん練習しなければうまく打てなくなります。
さらに、体の前後への移動も問題となります。
足裏の最も踏みやすい所にピンポイントで荷重し続けることで、
無駄な力を使わないで、地面と100%に近づく効率でエネルギーをやりとりできます。
実は最適な点に向かって正確に荷重(かじゅう)ができると、
足裏全体で地面を踏みしめているように感じます。
親指の付け根、小指、踵の3点で、全体としては拇指球の少し後ろぐらいに
荷重の中心を持って行く感じでしょうか。
最適なポイントは個人差がありますので、
もう少しつま先寄りだったり、踵寄りの場合も有ります。
拇指球の少し後ろあたりに荷重して強く地面を踏みしめつづけると、
最終的には体が地面から浮いて、踵側から空中に浮いて来ます。
ドライバーショットで左踵が浮いているような格好となります。
決してつま先に荷重しているのではなく、
3点荷重で拇指球の少し後ろ位が荷重ポイントとなるように強く踏んだ結果、
足首がリリースされて、踵から浮いて来るのですね。
前回にお話しした「板乗りショット」で、しっかり拇指球の少し後ろあたりに
荷重してショットした後に、まだ板の上に乗っていられる。。。
これはつまり、たとえ足が中に浮いたとしても、
重心は板の垂直線上に残っているということですね。
例えば悪い例では、テークバックで右の踵側に乗ってしまったり、
ボールヒット直前で左の踵側に乗ってしまうと、うまく地面を踏めなくなります。
これだと、拇指球側に荷重できていないんですね。
また、ダウンスイングで右膝が体の前に出過ぎてしまうと、つま先側に重心が移動してしまい、
やはり拇指球のちょっと後ろぐらいにコンスタントに荷重できなくなってしまいます。
踏むための脚の動き
ここで、地面を踏むためにやってみていただきたい脚の動きがあります。
ひとつは、テークバックで右膝を伸ばすようにして
右後ろポケット方向へ右のお尻を押し込みます。
この動きで、テークバックで右脚で地面をしっかり踏む事がわかってきます。
上体が右へ向くことで右足の裏に重心が移動して来ると同時に、
右脚を伸ばすようにして地面を押し付けるんです。
もう一つ、ボールヒットに向かって左膝を伸ばすようにして
左後ろポケット方向に左のお尻を押し込む動きです。
膝をほとんど伸ばさないでも、それなりにうまく踏める人はいますが、
短い時間で踏み込む必要があり、タイミングは難しくなります。
また、テークバックで右股関節をしっかり使った右後ろポケット方向への押し込みができると、
その反射運動で、ボールヒットに向かって左サイドもうまく動けます。
テークバックの動きを正しく意識できるだけて、
スイング全体を通じて、下半身の動きが良くなるんです。
再び板乗りショットの勧め
前回ご紹介したドリルですが、板乗り(平均台)ショットをやってみると、
うまく踏めているかどうかすぐに分かります。
いい所に乗り続けてスイングできないと、板の上から落ちてしまいます。
一人で練習していても、うまく踏めているのかどうかが簡単にわかります。
地面に立っている時は、足裏3点の三角形の中のどこかに荷重されていれば
立っていることができます。
しかし、幅の狭い板の上では、板の幅の中に荷重ポイントを収めなければなりません。
それだけ、荷重ポイントが安定化されている必要があるのです。
本来、足の裏のどこに荷重の中心が来るのかは、足裏より上の動き、
特に股関節の動きで、前後左右への重心の動きをコントロールした結果です。
ですから、膝から上の動きが悪くて足裏に力づくでの荷重コントロールをさせてしまっていると、
この板乗りショットですぐにわかってしまうんですね。
足裏より上の動きを良くして、足裏は一点で支えられていても、
バランスをくずさないというのが理想です。
これも以前にお話ししたかもしれませんが、3点荷重で足の親指を上に上げるようにすることで、
拇指球で踏みやすくなるというお話をしました。
同じように板乗りショットでも、足の親指を上に上げるようにすると、
拇指球がしっかりするので、踏みやすくなります。
慣れないうちはやりにくいかもしれませんが、
やっているうちに、コツがわかってきます。
ちなみに、台としての板の上では、つま先も踵も台からはみ出しています。
ですから、足の指を使って踏むことはできません。
そして、普通なら踵側に重心が移動しても強い踵の力で
無理に重心を戻すことができますが、板からはずれた踵は役立たずとなります。
何はともあれ、8cm~5cmぐらいの幅の板の上に乗って、
落ちないようにしてボールを打ってみてください。
踏むってこうゆう事かという感じが、言葉ではなく、
体の感覚として理解できることと思います。
踏めることの重要性を実感した瞬間
ゴルフとは少し離れたお話になってしまい恐縮なのですが、実際の私の経験で、
いつまでも記憶に残っている驚きの経験を、おまけで簡単に話させていただこうと思います。
以前、アルペンスキーのトレーニングのために、夏場はインラインスケート
(タイヤが縦に4つ真っ直ぐに並んだもの)でスキーのように坂道で練習していました。
しかし、雨が降ると横にスリップして、
とてもまともにターンなどできなくなってしまうのです。
車などでも、雨の日は滑りやすいですね。
ところが、ふとインラインスケートでしっかり踏みつけた状態でコントロールすると、
ほとんど横滑りしないということに気づいたんです。
しっかり踏むというのは、上から真っ直ぐにインラインスケートに圧力を掛ける感じで、
地面からの圧力を100%受け止め続ける様にするんです。
このように、圧力をタイヤに対して真っ直ぐにかけていると、
なんと楽々ターンをコントロールできて、路面が乾いた状態と同じぐらいに、
斜面を滑り降りることが出来たんです。
重く荷重されたものをコントロールするようにしたことで、新しい世界が見えてきたんですね。
逆に、しっかり押せていない状態でコントロールしようとしても、
空蹴りといいますか、自分の動作がうまく地面に伝わらないんです。
「なるほど、これが踏めているという状態なのか!」
初めて体で理解することができた瞬間でした。
極端に言えば、地面をしっかり踏まなければ、小手先のことをやっても、
大した効果はないという感じでしようか。
では、また。