From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・右手と左手、結局どっちが大事?」
についてお話してみたいと思います。
今回は「体」というか「体&技」という感じで、
だいぶ技術的な話も入っています。
「左腕は命綱、右手はパワー」とも言われます。
また「左手主導」とか、「いや右手だ」という議論も、
決着を見たという雰囲気もありません。
今回は、あなたに考えていただける材料を提供します。
そして、体の仕組みとしてはどうなんだろうか、
という点についてお話します。
また、ついでながらショットの理想形としての右手(右腕)、
左手(左腕)についても、追記させていただいています。
ですので、それも参考に
考えを巡らせていただけたらと思います。
片手打ちショットでの状況
アプローチショットで、新しく契約してアカデミーに入って来た
女子プロなどに、左手片手、右手片手を必ずやってもらいます。
ところが、ほぼ100%、左片手のショットが、なかなかうまく打てません。
右手片手はまあまあ打てます。
しかし、左手片手は、しばらく黙って見ていても、
うまくクリーンヒットしてこないのです。
男子プロなどでは、左右、どちらの片手も、
まあまあ、すぐに打てるようになります。
この片手打ちが、両手と同じように打ててくると最高なのです。
しかし、かなり難しい事なので、一般の方のレッスンでは、
めったにやっていただく事はありません。
本当は、やっていただきたくて、しょうがないドリルなのですが。
片山晋呉プロが言うには、いきなり右手片手の30ヤードぐらいの
アプローチショットをやって、クリーンヒットできなければ、
男子プロとしては大成できないという実感があるようです。
左右の手首の筋力の差
ところで、この左右の差は何か。
それは、第一には、前腕の筋力の差です。
あなたはたぶん、左右の利き腕の違いだろうと、
すかさずお思いの事でしょう。
でも、そうではなく、やはり、筋力の差の方が大きいのです。
手首を、手の平側に折る方向に動かす時に出せる力と、
手の甲側に折る場合では違いがあります。
「どっちが強い?」という事では、
人によっては異なるという事もあるとは言え、
一般的には手の平側に折る力の方が強いのです。
ちょっと手首の力づくで操作しようとした場合、
力の強い、手の平側に折るような操作の時の方が、
力を出して操作しやすいという事になります。
そのため、右手片手はまあまあできて、
左手片手はなかなできないという状況になります。
ほとんどの方は、片手打ちをやり始めた最初の頃は、
かなりごまかしてショットしてしまいます。
プロでもそうです。
ご自分から手首をリリースしているんですね。
そんなごまかしのためには、
意識して筋肉を使わなければならないのです。
「え、筋肉って、意識しないで使われる事ってあるのですか?」
という疑問も、おありの事と思います。
でも、意識しないで動いてしまう筋肉の活動というものがあるのです。
その事について、少し後でお話します。
片手打ちがうまくできる様になる瞬間
無理矢理とか、ごまかしではなく、
自然な手首のリリースにまかせる事ができるようになると、
左の手の甲側に折る操作での力も強く出せる様になります。
それによって、左の力が弱すぎるという問題はあまり見られなくなり、
どちらの片手でやっても、クリーンヒットの確率が同じぐらいになってきます。
手打ちで、手首を自らコネてショットしようとしているうちは、
なかなかクリーンヒットできません。
ま、それは、両手でのショットでも言える事ではあるのですが。
片手では、より顕著に現れます。
ボールに高速にヘッドが当たる瞬間は、
ノーコントロールでもうまく当たるような体の動かし方に
なっていなければならないのです。
そこには、意思の力ではなく、
動かされてしまっている、強い力が必要なのです。
キャリーが10~30ヤード程度のアプローチショットであっても、
しっかり下半身を使って、下半身から順番に動いて、
最後に手首がリリースされるように打てるようになってくると、
クリーンヒットの確率がグンっとアップします。
それは、意識して出す力の大きさと、無意識というか、
体の仕組みから出てしまう力では、その大きさにかなり違いがあるからです。
筋肉は縮めようとして意識で縮める事で発揮できる力の強さに対して、
倍ぐらい強い力を出せる動き方があります。
それは、筋肉が引き伸ばされて、
自動的に収縮してしまうという現象によって発揮される力です。
※この仕組みの詳しい内容とか、それをゴルフのスイングに
どうやってつなげて行ったらいいのかなどについては、
発売させていただいているDVD「脱・力み」の中で、
詳しくお話させていただいています。
ですので、ここではそういった現象があるとさせてください。
この、引き伸ばされる事で自動的に収縮してしまう力を、
うまくスイングに使える様になる事で、倍ぐらいの力を出せるのです。
そうすると、左手片手打ちでの、手の甲側へ折ろうとする
弱い力も倍増されて、か弱い?女子選手達でも、
左手片手アプローチショットで、うまくクリーンヒットできるようになります。
やっぱ、右手はパワー
ショットの時に、手首のヒンジ(右手甲側に折れる事)を
リリースさせる力は、右手の平側へ折る動きの筋肉と、
左手甲側へ折る動きをする筋肉の共同作業となります。
しかし、手の平側へ折る力の方が、甲側へ折る力よりも
強い場合がほとんどなので、手首のヒンジのリリースには、
手の平側に折る動きとなる右手の力がかなり重要となります。
そんな事もあり、右手はパワーと言われるのです。
自然に収縮してしまう力を左手のみならず、
右手にも出させてあげられたら、
想像できないようなパワーを発揮できます。
手首のヒンジとコック
ところで、手首の曲げる方向に対して、
ヒンジに対してコックという言葉を使って、使い分けています。
コックは親指側に折れる事です。
ヒンジの手の甲、手の平側に折れるという方向に対して、
コックは直角方向に折れる事になります。
ところが、コックはトップから胸の高さあたりまでが最大で、
それより下に降りてくるにしたがって、コックの量は減ってきます。
その代わりヒンジは、胸の高さから腰の高さあたりにかけて
だんだん大きくなり、腰の高さあたりからリリースが始まります。
そして、ボールヒットでもまだ少しヒンジは残っています。
そして、セットアップの時よりも、
まだリリースされ切らないところでボールヒットです。
胸の高さから腰の高さにかけて、コックがヒンジに変換されます。
ですから、コックが深く維持されながらダウンしてきたほど、
ヒンジも深く作る事ができます。
そうなんです、コックが深ければ、ヒンジも深くなり、
そのリリースされるパワーも大きく、
しっかり強くボールを打ち抜く事ができます。
また、ヒンジはヘッドの軌道に対して平行な動きで、
ヒンジの角度の変化では軌道に対するフェースの向きは変化しません。
しかし、コックは軌道に対して直角で、
しかも、コックが入るほどヒンジとは異なり、
フェースの向きは軌道に対して開いてきます。
ヒンジがリリースされる時に、
軌道に対してフェースの向きは変化しないのです。
ところが、コックでは、リリースされる時に、
フェースの向きがどんどん変化してしまいます。
コックからヒンジへの変換は、手首をリラックスさせておけば、
何も考えなくても、体のターンでヘッドが置いて行かれる方向に
力を受ける事で、自然に変換されてしまいます。
また、ある意味驚きなのですが、
実際には、手首のコックは意識される方は多いのですが、
ヒンジに関しては「何?」という感じです。
本当に、ヒンジを意識されている方は少なく、
プロでも、意識していないで、
感性でうまく使っているというケースが多いのです。
ところが、コックとヒンジは、軌道面に対するフェースの変化に対しては、
まったく別物として機能しますので、
ヒンジを意識できた方が、方向性の面でかなり有利なのです。
右肘について
右肘は、セットアップでは、えくぼ(肘の内側)が体の正面方向を向くように、
少しゆったりさせておきます。
ここで、右肘が突っ張っていては、
スイング中、右腕でかなり無駄な努力をしてしまう事になります。
右肘に余裕がないという事は、自らの意思による力で
右腕を動かしやすい状態です。
右肘に余裕があれば、しなやかが筋肉が引っ張られて、
自然に出させられる強力な力で右腕を使う事ができます。
そしてボールヒットでも、右肘はまだ少し曲がっている様にします。
要するに、ボールヒットで、右腕はまさにリリースの最中であり、
まだリリースされ切っていないという事です。
それによって、ヘッドが加速している最中にボールヒットできるのです。
そして、強く、当たり負けしないでボールを打ち抜けます。
左手は?
左腕は、紐です。
スイング中、セットアップからボールヒットまで、
左腕の長さは変化させないほど、スイングは簡単になります。
左腕は命綱なのです。
緩めたり、離したりしたら、即死?
ここで、左腕を緩めるというのは、
左手グリップがずれる事を言います。
ずれる事を緩むと表現するのは、
ちょっと無理やりなのですが、許してください。
ところが、グリップがずれる事は、
グリップを強く握るわけではないのですが、
多くの問題を発生してしまいます。
特に、テークバック開始や、トップで握り直す方が時々みえますが、
その悪癖?だけは、即刻なんとしてでもやらないようにしなければなりません。
左肘の曲がりに関しては、緩むとは言いません。
実際、左肘が曲がったとしても、左腕の肘の外側に
張りを保つことができますので、緩んでいるわけではないのです。
で、どうなの?
さて、右手(右腕)、左手(左腕)に関しての、
いろいろな情報をお伝えしました。
あなたは、どうお考えになりますでしょうか。
では、また。
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