From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
今回は「両股をギュッとでお尻が目覚める」について、
お話ししてみたいと思います。
ズバリ、ダウンスイングがはじまって、
グリップが胸のあたりまで降りてきたところで、ボールヒットに向かって
「両股とお尻をギュッと引き締める」
ようにしてみてください。あなたのゴルフが目覚めます。
「え、どういうことですか?」
実はこれ、ものすごいパワフルな方法なんです。
脚の動きの重要性
ゴルフのスイングをいろいろ見させて頂いていて、多くの方に
かなり根本的な問題があると感じていることが、いくつかあります。
その一つが「下半身の使い方がまずい」ということ。
下半身のまずい使い方を上半身でカバーしょうとすることで、
いろいろな弊害が発生しているということです。
実は、両膝を地面などに着いて、膝の動きを殺してショットしても、
上半身の力だけで250ヤードは飛ばせるという人もいます。
この事実を知ると、
「じゃあ、足なんか50ヤード分ぐらいしか貢献していないのかな」
ということになりますが。。。
しかし、両膝を着いても股関節は動かせます。
では、お尻を着いてショットしたらどうでしょうか。
そうしたらいきなり100ヤードも飛ばせなくなってしまいます。
ということは、、、
股関節の動きが100ヤード分は貢献しているのでしょうか?
もちろんこれらはあくまで単純な数字上の計算ですので、
正解とは言えません。
なぜなら、膝やお尻を着いたら、
うまくボールに当てることが難しくなるからです。
そんなことやったことない人が初めてやったら、
うまく当てることすら難しいのです。
これは単にエネルギー発生の問題ではなく、当て方の問題となるので、
股関節が100ヤードとか、言うことは出来ません。
とはいえ、股関節の動きを殺した瞬間に、
飛距離は極端に落ちることは間違いないのです。
ということで、やっぱり股関節をしっかり使わなければ、
パワーのみならず、うまくボールヒットすることも難しいということですね。
股関節をうまく使うには?
ということで、下半身で特にうまく使っていただきたいところは
どこかと言いますと、、、はい、答えは見えていますね。
そうです。「股関節」です。
ゴルフの動きでは、股関節の伸展(曲げて股関節を伸ばす事)でエネルギーを出します。
また、股関節伸展のコントロールで、体をうまくターンできます。
しかし、ほとんどの方は、この股関節というところをまったく意識していないのです。
非常にもったいないといいますか、これは上達を遅くしている点でもあります。
腰から下全体を一塊と考えて、腰をどう回すとか、ここでは回さないとか、
悩んでいる事が多いことは事実だと感じています。
股関節というのは、丸くくぼんだ腰の骨に、先端が丸い脚の骨が繋がった構造です。
そのため、可動域はもともとは大きな構造です。
肩関節も同じような構造で、動かせる範囲は他の関節と比べて格段に大きく、
しかもいろいろな方向に動かせるはずなのです。
しかし、これはあくまで「はず」でしかなく、
実際にそのように正しく使われているかと言うと、普段では意識すらされず、
一部の範囲でしか使われていないことが多いのです。
股関節を目覚めさせる簡単な運動
そこで、あなたの股関節を目覚めさせるべく、
股関節をしっかり動かす運動を一つ伝授したいと思います。
座布団の上など、やわらかいマットのようなものの上に、両膝で立ちます。
このことで、膝から下の動きが殺されます。
そして、胸の前で両腕を組んで、股関節から前傾してみてください。
あたかも、ゴルフのスイングをするぐらいの角度まで、前傾してみます。
この状態から股関節の動きを意識して、上半身を左右にターンさせてみてください。
この運動では、ひざの動きなどが殺されて、
純粋に両股関節の動きだけで上半身を動かさなければならない状況となります。
そのため、両股関節をしっかり意識して動かすようにしなければ、動けないのです。
やってみるとわかりますが、やり始めはなんだかぎこちなく、
なかなか動かしづらいと思います。
しかし、しばらくやっていると、往復で20~30ターンぐらいでしょうか。
なんだか、上半身がしっかりターン出来てきます。
実は、ゴルフでも同じような事が起きています。
股関節をしっかり動かさないでいると、
◇上半身がうまくターンできず、そのため膝の複雑な動きを使ったり
◇腕の動きでクラブを振り回そうとしてしまう
ということになるのです。
膝が悪い動きをしていたら、ボールヒットからフォローにかけて
右後方から見ていると、両脚の間に隙間が見えます。
一度、どなたかにチェックしていただくか、
鏡とかカメラで確認してみるといいです。
股関節伸展に貢献する筋肉
さて、もう一歩踏み入れて、筋肉のお話もさせてください。
難しく感じる方でも大丈夫です。
股関節の伸展(伸ばし広げること)に関係する筋肉は、
直接的にはお尻の後ろ側にある大殿筋(だいでんきん)です。
腿(もも)の後ろ側のハムストリングも股関節を伸ばすときに収縮しますが、
ハムストリングが収縮すると、膝も曲がります。
ハムストリングは走る時などはものすごく重要な筋肉なのですが、
ゴルフのスイングとしては、大殿筋が最も重要となります。
「それなら大殿筋を一生懸命収縮されるようにすればいいのか?」
ということなのですが、実は意識としては、そうではないのです。
大殿筋が収縮して股関節を伸ばすことに貢献できるためには、
脚の内転筋群(ないてんきんぐん)もいっしょにがんばってくれなければ、
大殿筋は働くことができません。
内転筋群というのは、脚が外に開くことを抑えてくれる動きをします。
もし内転筋群がなかったら、大殿筋が収縮しても脚が外に開いてしまい、
股関節が体の後ろ側に向かって伸びてはくれないのです。
では、どうすればいいのか?
ボールヒットに向かって、両股をギュッと引き締めるようにして、
くっつける意識を持ちます。
脚を伸ばそうとか考えるのではなく、
両股をくっつけることだけを一生懸命やろうとしてみてください。
まずは、先ほどやっていただいた、
座布団などのクッションの上に両膝を着いて、
前傾した姿勢から上半身をターンさせる動きをやってみます。
しかし、今度は左右往復ではなく、ゴルフのスイングをするイメージで、
テークバックして、トップ、そしてダウンスイングという感じで動いてみます。
そして、ダウンスイングの時に、
両股を絞り込むように強く意識してみてください。
両股の絞込と同時に、両股関節が伸びて、上半身が鋭くターン出来ます。
実際には両膝が床などで固定された状態ですので、
両股距離が近づくというほど外見上の変化は見えにくいのですが、
筋肉の働き方が全然違ってきます。
同じ動きを、ゴルフクラブを持って、やってみましょう。
なんだか、下半身が水を得た魚のように、元気に動いてくれることと思います。
え、そうなったらどうなるの?
それは、、、あなたが実際にやってみてください。
きっと、その効果を実感できると思いますよ。
では、また。