From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
今回は、
「体・持てる筋力最大利用の鍵」
について話してみたいと思います。
筋肉って、使い方で出せる力が50%も違うって、
あなたはご存知でしたか?
筋肉の話なので、ちょっと難しい感じる方も
一部にいらっしゃるかもしれません。
ですが、もしわかりにくいところがあれば、
そこは軽く読み飛ばすような感じでもわかるように書きました。
ですので、どうぞ肩の力を抜いてお読み下さい。
筋肉の収縮は大きく3種類
筋肉の収縮の仕方には、大きく別けて3種類有ります。
「等尺性収縮」「短縮性収縮」「伸張性収縮」です。
しかし、これらの収縮のしかたで発揮できる筋力は同じではないのです。
わかりやすくするために例をあげますと、
片手で肘を曲げながら、重りを上に持ち上げる場合の例でみてみます。
◇a.「等尺性」
⇒ 腕の前側の筋肉の長さが変わらず、重りがその場から動かない時の動きです。
◇b.「短縮性」
⇒ 腕の前側の筋肉を縮めて収縮させて、重りを上に上げるために肘を曲げてゆく動きです。
◇c.「伸張性」
⇒ 腕の前側の筋肉が引き伸ばされながら、肘が伸びて重りを下に下ろしてゆく動きです。
(注)肘の曲げ伸ばしではなく、腕の前側の筋肉の伸び縮みに注目です。
これらの動きの中で、最も力を発揮できるのが、
重りを下ろしてゆく時の、腕の前側の筋肉の動きである
「伸張性収縮」なのです。
たとえば、ウエイトトレーニングで8回ぐらいしか上げられない重量を、
限界の8回まで、上げて下ろしてをします。
限界に達してから、そこからさらに他の人の補助で
少し上に上げる様な助けを行って、上まで上げます。
そこから、ゆっくり重りを下げる動作を行ったりします。
この時の筋肉の使い方が「伸張性収縮」です。
伸張性収縮+αのパワー
もう、これ以上は上げられないというところから伸張性収縮を使えば、
まだまだ重りを支えて、スピードをコントロールしながら
ゆっくり下ろす事が出来るのです。
あなたも、こんなことを実感したことがあるのではないでしょうか。
なんと、この筋力の差が、短縮性収縮に比べて50%も重い物でも、
ゆっくり下ろす事ができるという事が、現実の現象として起きているのです。
こんなに差があるなら、できるだけ伸張性収縮を活用したくなりますね。
そしてさらに伸長性収縮では、伸ばされる速度が早いと、
筋肉の中にあるセンサーが「筋肉が切れるかもしれない」と感じて、
脊椎反射で、伸ばされた筋肉を勝手に縮めようとします。
それが、さらに引き伸ばされた筋肉をより強く収縮させます。
脳で考えての動きではなく脊椎反射ですので、
意識していないのに、強烈に収縮しようとしてくれるのです。
頑張った気がしない動きなんです。
この引き伸ばされた筋肉が収縮する一連の動きは
「伸張短縮サイクル」と言われ、筋肉が最も大きなパワーを
発揮できるための、要となっています。
ゴルフスイングにどう応用するか?
ではゴルフのスイングの中で、どうやったら
「伸張短縮サイクル」を使えるようになるのか。
それは、特に、トップからダウンスイングに入るところですね。
ここが勝負の分かれ目になります。
トップにはいるやいなや、
いきなり上半身を左にターンさせるような動きを行ったり、
腕でクラブを振り回すような動きが短縮性収縮での動きになります。
そして、この動きがトップからいきなり振りに行くことで、
軌道がアウトサイド・インになって、
ボールがスライスする大きな原因でもあるのです。
ボールをクラブで叩きに行く強い気持ちが、
このような動きをさせてしまいます。
ボールを引きつけてから全力パワーを出すような、
そんな力の集め方ができると、いいんです。
「伸張短縮サイクル」を使えるためには、
クラブヘッドがトップに向かって動いている間に、
下半身を先行動作させて、上半身の捻転を更に強くするようにします。
この動きが、比較的簡単に「伸張短縮サイクル」を誘発させてくれます。
簡単な方法としては、クラブヘッドがトップに向かっている事を感じながら、
左膝を打ち出し方向に少しスライドさせるようにしてみます。
それだけの動きですが、その動きによって左サイド全体に張りが出来、
体の左サイドの筋肉群が引き伸ばされて来ます。
筋肉が引き伸ばされると、意識でも縮めようとしますので、
ある意味、自然に「伸張短縮サイクル」が発生してくれます。
ついでながら、左膝先行動作を行うとトップから一旦両股関節が入って、
あたかもジャンプする前動作の様に、重心が下に落ちてきます。
そうなれば、両足を素直に使いやすい体勢となるので、
上半身よりも下半身が勝ったスイングができやすくなります。
強大な下半身のパワーを使えると、飛距離アップにつながりますね。
更に、手首の使い方でも「伸張短縮サイクル」が効いてきます。
それはボールヒットに向かって、ご自身から手首をリリースしようとすると、
短縮性収縮的な動作となり、最大パワーは発揮できません。
ボールヒットまで、手首はリリースさせないつもりで、
勝手にリリースされるまで我慢するんです。
手首を柔らかくして緊張させないでいると、トップからダウンスイング、
ボールヒットに向かって、左手首の甲側と、右手首の手の平側の筋群が
引き伸ばされて、「伸張短縮サイクル」が発生します。
リリースを限りなく我慢すれば、そこには「伸張短縮サイクル」が発生して、
強大なパワーが発揮されます。
そこで、手首が固くなっていたり、ご自分から手首をリリースさせようとすると、
そもそも伸びないとか、短縮性収縮的な使い方となり、
50%増しの筋力が使えなくなってしまいます。
飛ばしたい時ほど、上半身はリラックス、下半身は目一杯振りちぎる。
これが、筋力の使い方から見た、飛ばしの極意なんです。
ちょっと、理論的な話になりすぎてしまいました。
こんな筋肉の仕組みを頭に入れながら、
秋の夜長、どんなスイングイメージがいいのか、
じっくり考えてみるのもいいのではないでしょうか。
今日あたりから夕方になって、ちょいと秋風を感じ、
こんな話題を思いついてしまいました。
では、また。
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