ひたすらやり続ける堀奈津佳の強さ

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2013.07.07
omori

From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、

こんにちは、このコラムでお話させていただくことになった大森睦弘です。

ご紹介があったかもしれませんが、これから日刊メールマガジン「Golf Live」で
記事を書かせていただきますので、よろしくお願いいたします。

もしかしたら、この「Golf Live」で紹介されているDVDにも出演しているので、
あなたも私のことをすでにご存知かもしれません。

とはいえ、初めてこの「Golf Live」の舞台に上がるわけですので、
自己紹介がてら、私のゴルフとの出会いについて書かせていただきます。

ゴルフとの出会い

私とゴルフの出会いは、実はかなり不健全なスタートでした。

ゴルフ以外のスポーツをやっていた私からしたら、
ゴルフは「おやじの遊び」にしか見えなかったのです(失礼!)。

しかし、一度やってみたら驚きだったことを今でも覚えています。

すべてのスポーツに必要なことを、どんなレベルの方にでも体験させてくれる、
すばらしいスポーツだと心底感じたのです。

そして、ふと気づくと、エンジニアからゴルフの世界にどっぷりつかり、
趣味も仕事もすべてがゴルフの生活となっていました。

私はプロを目指した人の目線というより、
普通の方からゴルフを見た時に、感じることや、
疑問に思うことを解き明かして行きたいと思います。

話題を「心」「技」「体」というノリで、
それぞれわたしのこれまでの経験で心に残っていることを取り上げてみます。

主にみなさんのご意見や最近の出来事などに関連させて
お話を用意したいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

堀奈津佳プロの素顔。。。

第1回目の今日は「心」の話題として、

「ひたすらやり続ける強さ」

について話してみたいと思います。

2011年の頃の毎日の出来事なのですが、私は毎朝、
江連忠ゴルフアカデミー(通称、ETGA)のバンカーで
バンカーアプローチをやるように決めて毎日やっていました。

そして、その隣にいつもいたのが、先週、国内女子の
「アース・モンダミンカップ」で優勝した堀奈津佳でした。

彼女は今ではプロになり、すでに今季のレギュラーツアー2勝目をあげています。

この優勝にちなんで、今回は堀奈津佳の一面をご紹介しながら、
やり続けることのすごさをお伝えしたいと思っています。

単純なことをやりつづける心の力

なっちゃん(堀奈津佳プロ)は、言われた事はとにかくひたすら続けます。

なっちゃんの専属コーチは中島敏雅プロですが、
敏雅さんも、なっちゃんに何かやるように言う時は、
こっちも真剣になってしまうと言っています。

選手というのは常に真剣なものですが、
どんな練習でも、自分に合っていないと思ったら
やらなくなってしまうこともあります。

それで、コーチはいろいろやらせてみて、
合っているやり方をさぐるような場合もあるのです。

医者が患者にいろいろ抗生物質とかを投与して、
どれが効くかを試すようなやり方ですね。

しかし、なっちゃんに対しては「やらせてみる」ということは通用しないのです。
なぜかというと、本当は自分に合っていなくてもやりつづけてしまうから。

「バカ正直」という言葉がありますが、
そんなひたむきな様子が、なっちゃんにはぴったりの言葉です。

実はココからが重要なのですが、、、

やるように言われた事があまりにも単純だと、飽きてしまうことが多くて、
それを自分には向いていないとやめてしまう人がほとんどだということです。

しかし、なっちゃんの辞書には「飽きる」という言葉はありません。
見ていると、どんどん基本的な動きが身について来るのが分かります。

そして何も考えなくても体が勝手に動いてくれるまでやり続け、
体に定着してからも、さらに忘れないようにやり続けます。

ジャンボ尾崎さんの名言で、

「ショートゲームの練習にやり過ぎはない」

という言葉があります。

パッティングやアプローチなどはなかなか長い時間集中して
続けられない人がほとんどですが、
やった人にはそれなりに結果が付いてくるというものです。

どんくさいやつほど基本がうまくなる

「練習場でちょっと出来たは、出来たことにはならない」

「練習で80%以上の確率で出来たとしても、
 試合では20%も出来ないことが多い」

プロの世界ではそんなことも言われます。

それは練習とは違う状況ということで、
足場やさらには緊張の度合いが全く別物ということもあります。

試合の中でも80%以上の確率で使えるようになるためには、

「練習ではもう簡単にできてしまうので、やることが飽きてしまった。。。」

そんな段階に来てから、さらにどれだけ練習を続けられるかということなのです。

誰でも頭の中では練習すればいいことは理解しているつもりでも、
飽きてからも単純な練習を続けられるためには「強い心」が必要なのです。

実際、ゴルフ以外でも意外と運動神経が悪そうな人が、
結局はうまくなるという例はたくさんあります。

実はなっちゃんも、いろいろ運動をさせてみると、
意外と体の動かし方は不器用です。

やり始めはなかなかうまくいかないので、
悔しくてやり続けてしまうということもあるのかもしれません。

誰でも続けられる練習とは?

逆説的に言うと、一般的には「器用貧乏」などと言われることも
その一つの現われかもしれません。

器用な人はちょっとやるだけでできてしまうので、
やり続けるためには、「強い心」がなければ続かない。

運動が小脳に完全にプログラムされて、さらにそれが消えないぐらいまで
練習をつづける、、、そこまでできない人のほうが、はるかに多いのです。

だから緊張する場面では、体が自動的に動けず、
本来の自分を取り戻せないで成果を出せないということになります。

しかし、不器用な人では、すぐに諦める場合もありますが、
負けん気の強い人だと、できるまでやり続け、
できなくなる不安でさらにやり続けるという感じでしょうか。

ところで、、、誰でも続けられる練習とは、どんな練習でしょうか?

ずばり言って、どなたでもとにかくやっていただきたい練習がいくつかあります。

第一は、パター。

しかも1m程度の距離でいいので、狙ったところにできるだけ
正確にボールを転がす練習です。

第二は、10~20ヤードのアプローチ。

練習場では1球いくらとか言われると、フルショット、しかもドライバーの方が
同じ1球でもお得感があり、なかなかアプローチ練習などできないのが現状です。

しかし、いい方法があります。

それは、家の中でパターを使ってアプローチショットの振り幅のショットを行なって、
ボールを柔らかいものに当てる練習です。

使わなくなったパターで十分ですので、やってみてください。
結構いい練習になります。

しかし、こうした練習は飽きやすいので、
飽きないためにはノルマを設定するようにしましょう。

大体達成確率が60%ぐらいのノルマにするのがいいと思います。
あまりにも難し過ぎるノルマだと、逆にやる気が無くなってしまいます。

こういう練習には、ちょうどいいノルマを設定できると、
飽きるなんて言ってられないで、毎日楽しむことができます。

今日は初回ということもあってか、
ちょっと力が入り過ぎて、文章が長くなってしまいました。。。

ですが、これからもこのような感じで書いていきますので、
どうぞよろしくお願いします。

では、また。

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大森 睦弘
大学卒業後、世界でも有数な大手電機メーカーに勤務。社内の中央研究所や外部機関の客員研究員(東京大学)など、研究開発に従事。その類まれな分析力と強靭なメンタルは、ビジネスでの成功だけにとどまらず、スポーツでも発揮。国民体育大会アルペンスキーで優勝など、その競技力と長年の指導実績から、神奈川県アルペンスキーコーチとしても活躍。 その後、会社を早期退職し、ゴルフのインストラクターを養成するコースを卒業。卒業と同時に、コーチとして、プロ、ジュニアや一般の方々へのコーチング、ツアーキャディーなど、幅広い層に対するコーチングを行った。特にメンタルテストで「トップアスリートとして通用するレベル」と診断され、その強いメンタルを作りあげた経験を元に、メンタル面のサポートも行う。 現在、フリーのコーチとして独立。一般の方の本当の気持ちになって、どんなことでもとことん説明するなど、今まで納得できなかったと言われたことにも、やさしく解説することを信条としている。さらに、分析能力の高さを生かしてコーチングの仕事に従事するかたわら「ゴルフでのからだの使い方」をやさしく紐解くことで、ゴルフを普及させる活動を行なっている。
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大森 睦弘

大森 睦弘 について

大学卒業後、世界でも有数な大手電機メーカーに勤務。社内の中央研究所や外部機関の客員研究員(東京大学)など、研究開発に従事。その類まれな分析力と強靭なメンタルは、ビジネスでの成功だけにとどまらず、スポーツでも発揮。国民体育大会アルペンスキーで優勝など、その競技力と長年の指導実績から、神奈川県アルペンスキーコーチとしても活躍。 その後、会社を早期退職し、ゴルフのインストラクターを養成するコースを卒業。卒業と同時に、コーチとして、プロ、ジュニアや一般の方々へのコーチング、ツアーキャディーなど、幅広い層に対するコーチングを行った。特にメンタルテストで「トップアスリートとして通用するレベル」と診断され、その強いメンタルを作りあげた経験を元に、メンタル面のサポートも行う。 現在、フリーのコーチとして独立。一般の方の本当の気持ちになって、どんなことでもとことん説明するなど、今まで納得できなかったと言われたことにも、やさしく解説することを信条としている。さらに、分析能力の高さを生かしてコーチングの仕事に従事するかたわら「ゴルフでのからだの使い方」をやさしく紐解くことで、ゴルフを普及させる活動を行なっている。

 

ひたすらやり続ける堀奈津佳の強さ」への11件のフィードバック

  1. シェルティ

    小原さんのビジネスゾーンの本購入して、練習場に行っても7~8割はpwなどショートアイアン、腰から腰をアプローチ練習してます。まだ3週間位なので以前とさほど変化は感じませんが、精進しますのでよろしくお願いします。

    返信
  2. 岩井 義隆 

    ありがとうございます。
    練習場ではおっしゃる通りアプローチはそこそこにドライバーの練習になってしまうことが多いです、思い返せばいつもグリーン周りやパターでスコアを落としています。
    これからはレッスンを受けることが出来るので楽しみにしています。
    どうか宜しくお願い致します。

    返信
  3. 山本 治美

    大変参考になりました
    大森先生の理論考え方など今後も勉強して少しでもゴルフを楽しく
     スコアーの向上に努力したいと思います、今後ともよろしく
    ご指導お願いします。
     ちなみに私六甲国際のメンバーですのでお目にかかる機会があれば
    幸甚です。

    返信
  4. Ojingorufa

    大変参考になりました。
    中国・上海で読まさせていただきました。
    中国(3ヶ月)と、日本(2か月)を行ったり来たりしていますが、中国の楽しみは、週末のゴルフの練習ぐらいです。私の行っている練習場は、2階席まで含めると80打席あります。お客は、日本人35%、中国人50%、その他白人15%げらいですね。料金は高く、打席は一時間130元(約2,100円)します。(日本では、150球/1,200円の練習場へ)

    そこで考えたのが、グリーンの練習場。(言葉の壁があって、申し込み方法が分からなったけど、何とかクリアー)今まで、1.5時間(3,000円強)の打席練習を、1時間打席練習、SWは30~50Y~70Yだけの練習として、後は、グリーンの練習場(1,200円/回)で、パター(1m位を延々+8~20Yのロングパット)と寄せ(10~20YをSWとPで)を、3時間ほどやっています。(上海は熱く、コースに出たと同じぐらいヘロヘロになります)しかし、面白いです。何時間(体力がないので無理ですが)やっても飽きません。コースで寄せワンができると、本当に気持ちがいいことを知ってますから。

    大森さんの言葉を見て、又、やる気が出てきました。

    堀奈津江プロは、まだ、テレビでは見れていませんがYahooニュースでしっかりとチェックしています。可愛いからもともとファンでしたが、今回の記事を見て、益々、応援をしたくなりました。
    今週は残念ながら予選落ちでしたが、毎週毎週予選を通過して、もっともっと人気が出るといいですね。(今年は、女子も男子も日本人プロの活躍が目立って面白いですね)

    これからも、参考になる記事を楽しみにしています。

    GOLF大好きOJINより

    返信
  5.  竹下 一郎

    大変参考になりました。
    自分もアプローチが下手でコースで、いつも失敗を繰り返して反省をしていますが、練習の時はその反省を生かしきれず、コースで良く使用するアイアン(9I,6I)とドライバーを気持ち良く振り回しています。
    練習場からの帰りがけに、ショートアプローチを練習しなかった事を思い出し、次回は必ずやろうと思いながら、何時も次回回しになってしまうものです。
    ・・・気持ち良い感触だけを追い求め、本当の練習はしていなかったと思いました。
    これからは、練習場に行く前に、練習メニューを記入して持参し、鈍臭いと思っていた練習を
    必ずやっていくようにします。
    堀奈津佳のファンとししても負けないように、練習のノルマを決めてから練習に行くようにします。
    今日は本当にプロでも泥臭い練習をしている事をしり、練習のやり方に気づかされました。
    本当に有り難うございました。

    返信
  6. 竹島栄敏

    大森さま

    大変良く分かります。
    プロの方は何時も 「プロは」とか「アマチュアの方」とかという言葉が多く、
    それが上から目線に感じられてとても読みずらくて不快な思いをしていました。

    長い間会社で労務管理、品質管理をやってきましたので人を動かすことの大切さを
    よく理解しています。
    どんなに立派なことを言っても、それを聞く人が 「なるほどそうか、それじゃ 
    やってみよう」と感じ 言われたからやるのではなく 自分の意志でやることに
    ならなければ絶対に成果は出ません。
    起業はお金を従業員に払いながら育てているのです。
    今までの先生方は お金を逆に貰いながら、「何故言ったとおり練習しないのか」とか
    「何故言う事を守らないのか」 というふうに 教えられる人の方への責任転嫁や押しつけ
    が目立ち実に不快です。
    自分が悪いとは夢にも思っていないのでしょう。
    教えられる人から信じられるような人格を備え、そして説得力があれば、何も言わなくても皆
    自分の意志で練習するようになりますから飽きも来ません。
    教える前に自分を磨けと徹底して言われてきましたので人に教え、育てるにはこれが一番大切
    なことと信じています。
    つまりは子供を育てる親と同じで、尊敬され、信じられるような普段の行いや言動が子供を
    育てるのですから。お父さんの言うことは本当だ、お母さんの言うことを守ろうと。

    掘選手を教えている人は、堀選手から信じられている人であることは間違い有りません。

    そんな意味で 大森さんの文章は気負いが無くて大変読み安いです。
    今後も淡々と語って頂ければと願ってもいてそして楽しみにしています。
    どうか「生徒さん」とか「プロはこうする」、「アマチュアは」などという上から目線の
    言葉は使わないで下さい。お願いします。

    返信
  7. 津田靖久

    始めまして。大森先生の「脱力」のDVDを入手し、繰り返し拝見しています。これ迄判らないまま何となくスイングしてきた、体の各部の動かし方、その量とタイミングなどがよく分かり、とても参考になります。そこで一つご質問:「脱力」のDVDでは、TOPからINPACT迄のダウンスイングの過程で、頭部が沈み込むのを容認/推奨しているように見受けられます。「模範演技」に登場するプロも、皆さん頭部を沈み込ませて打っています。(頭部が背景に対して、明らかに下方に動いています。)私がこれを真似したら、酷いダフリになってしまいそうで、これだけは真似していません。頭部を沈み込ませることのメリッは何か、沈み込ませてもダフらない「是正処置」はどのように行われているのか、お教え願えませんでしょうか?

    返信
  8. トニー シミズ 

    大森様

    とても大切な練習でのサジェスチョンをいただき、ありがとうございます。

    66歳でも筋力は人並み以上にありますが、体の柔軟性は人並み以下、ドライバーの飛距離は
    170ヤード程度で、安定して飛ばせる4番アイアンの方が飛ぶ位です。ロングとショート以
    外は、ボギーオン狙いになっています。

    平均スコアは95程度ですが、50ヤード未満のショットがしっかり出来る時は、ひょっとし
    てと思わせます。

    ショートゲームとパターが如何に大事か理解しているつもりですが、なかなか・・・です。

    これからもメルマガでのご指導、宜しくお願いいたします。

    返信
  9. ルーカス祐子

    確かに、おっしゃる通りですね。私の周りでも、ゴルフを50歳、60歳から始めた、もしくは
    若くても、特に運動神経がよい訳ではないと言う方が、ロウハンデイキャップだったりします。

    そういう方々は、まず、自己流ではじめて、変な癖がつき、それを直す必要がないようにと本当に初めてクラブを握った最初の日からレッスンを受けていらっしゃいますね。やはり、う、うまいとおもわせる方は、気合いの入れ方と、もうレッスンはこのくらいでよいのでは?という誘惑に負けず、コースデビューまでひたすら、これでもかと練習される気力、根気のある方ばかりで感心させられます。普通でしたら、一日でも早くコースに出たいというのが人情ですよね?

    これからも、興味深く読ませていただきます。祐

    返信
  10. 加藤健治

    スコアが悪い日は、職業がゴルフでなくて本当に良かった、と心底思います。
    握りなどゲームで負けた時は、一切お金のかかる練習場には行かないので、その分だと思うようにしています。なんだか消極的ですが、プライベートで行くゴルフはほとんどないので、同伴者が楽しくプレーされるように心がけるのが第一。そして第二にいいスコアがでるように考えながら、練習場に行かない分、色々試しながらプレーしてます。何が言いたいかと申しますと、自宅で毎日、パターの練習とタオル素振りだけをやってます。時間とお金をかけないで継続できることを続けるようにしてます。2年ほど継続のおかげでダボペースだったのが、平均96に進歩し、ベストは41-39の81に進化。波は当然あっても職業ではないし。しかし悔しいので、パターとタオル素振りを自宅で続けます。

    返信

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