From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
今回は、
「心・気持ちと動きのジレンマを乗り越える」
ということについて、お話しようと思います。
まずはじめに「気持ちと動きのジレンマ」というのは、
やろうとすることと、実際の体の動きが真逆になる現象の事です。
これは、生活やスポーツの中の、いろいろなところで発生する現象です。
さて突然ですが、あなたの初恋は何歳でしたか?
頭ではわかっているのに。。。
好きな人には、声をかけることができなくなる、
そんな経験、あなたも経験はありませんか。
わたしも、初恋の頃のことを思い出すと、
そんな不思議な自分の行動を思い起こす事ができます。
いずれにしても、行動が真逆になってしまうという事は、
頭ではわかっているつもりでも、
なかなか乗り越える事ができないのも事実です。
例えば、ゴルフで言うと次の様な事です。
(1)飛ばしたい時程、上半身に力が入ってしまう
(2)トップからいきなり目いっぱい振りに行く
(3)絶妙なタッチを出したい時程、足が止まって手先だけになる
(4)ダウンスイングで右膝が体の正面に出る
(5)練習はほとんどがフルショット
(6)調子がいい時程、勝ちを狙って動きまでおかしくなる
などなど、リストアップしたらページがいっぱいになってしまうので、
これぐらいで止めておきます。
では、この中のいくつか、もう少し詳しい中身を見てみましょう。
飛ばしたい時程、上半身に力が入ってしまう
本当は、飛ばしたい時ほど、上半身はリラックスさせて、
上半身の筋肉と腱を、しなやかに使えるようにすることで、
あなたの能力なりの飛距離を出せます。
しかし、実際のショットの場面になると、上半身、
特に腕に力がはいり、トップからの動きのリズムも早くなってしまいます。
こうなると、上半身の筋肉は十分に伸ばされなくなり、
エネルギーを上半身に蓄積することが不十分となります。
下半身のエネルギーを、出来る限り上半身に蓄積して、
それを一気に開放させることが飛ばしには重要なんです。
引き伸ばす力が同じなら、柔軟性のあるものほど、
たくさんエネルギーを貯めることが出来ます。
ジャンプ力がものすごくあるカンガルーの腱は、細くて長いんです。
細くて長いものは、大きく伸びる事ができて、
たくさんエネルギーを蓄積出来ますから、
カンガルーのジャンプ力の凄さを理解できます。
ということは、上半身は極力しなやかに保つべきなのです。
トップでは、テークバックの勢いで動いているクラブと、
下半身の動きで、その間の上半身(実際には左肩甲骨)が
十分に引き伸ばされるようにします。
ところが、人は腕をしっかり振ろうとして、
上半身全体に余計な力がはいってしまい、結果として
上半身が固まって、気持よく振れなくなってしまうのです。
気持ちでは飛ばしたい、しかし、その気持ばかりが優先されてしまうと、
ついつい単なる「力み」となるだけで、飛ばなくなってしまう。
ということですね。
トップで、肩を静かにその場に置いておくような、
冷静さが欲しいんです。
あ、そう言えば、今回は「技」ではなく「心」のお話でした。
ちょっと脱線し過ぎてしまいましたね。
調子がいい時程、勝ちを狙って動きまでおかしくなる
ラウンド前、ドライブレンジのウオーミングアップで、
妙に調子が良くて「これなら行ける」と思ってコースに出たものの、
スコアがまとまらない、なんて事ありませんか。
コンペなどの前に、しっかり練習してきて準備は万全、
そう思って出てみたら、なんだかボロボロだったとか。
以前のコラムで、二日酔いの日に、妙にスコアがまとまる事がある
というお話をしたことがありますが、これはその真逆となります。
二日酔いでは、頭が痛かったり胃が気持ち悪かったり。
そのため、特に上半身の力づくでは振れないため、
上半身がリラックスというか、力を自分からは入れられないんですね。
そうすると、自ずと下半身が動かざるを得なくなります。
結果として、ショットやアプローチなどがいい感じになるのです。
しかし、調子が良くて、練習も十分積んできたと思うと、
結果を出したいという気持ちがどんどん出てきます。
それが、上半身の「力み」を産んでしまいます。
私も選手をコーチングしていて、
試合に送り出す直前、大切な一言を考えます。
多少調子が悪そうでも、褒めまくって送り出すとか。
調子が良いとき、そんなに褒めないで、ちょとしたチェックポイント、
ここだけは気をつけてと言って、送り出すとか。
などなど、調子と心のバランスをうまくとれるような、
そんな一言が大切になります。
コーチと選手という関係ではなくても、あなた自身の中で
このような体やショットなどの調子と心のバランスを整える、
そんな一言があるといいですね。例えば、、
体やショットの調子がいいなと感じた時は、
「下半身にだけ意識を落として歩いてみよう。」とか。
これは、ショットの時に、何かスイングのチェックポイントを
考えるのではなく、ショットとショットの間の歩いている時に意識する事です。
下半身に意識を集中することで、ショットやアプローチでも、
下半身をしっかり使って、調子のいい状態をキープして、
ラウンドできるための呪文でもあります。
調子が悪いと感じた時は、「ナスがママ、キュウリがパパ?」
要するに、無理に何かしようとしないで、起きたことを受け入れる。
そんな心持でプレーしようと心に決めるとか。それとも、
「俺のパターは最高、今日はたまたま入らないし、
タッチも合わない見たいだけど、
グリーンに慣れていないだけで、そのうちに合ってくる。」
など、かなり過激といいますか強引なようで、
しかし、結果を受け入れ、結果を待つというような呪文も有ります。
パターでも、入らない時に無理にねじ込もうとしても駄目な場合もあり、
調子の悪さを上乗りするような事にもなります。
パターも入ることを待つ、ぐらいの気持ちで坦々とプレーするようにします。
ま、こんな感じでいろいろ呪文の例はありますが、
是非あなたご自身の調子に合わせて、
「ご自分に言い聞かせる一言」
を、ラウンド前には用意しましょう。
そしてその一言を信じてプレーするようにしてみてください。
心静かにプレーできる事、間違いなしです。
では、また。
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大森コーチこんにちは。
私も「よし、やってやろう」という場面(特にショートホール)で上半身が力み、
上半身の動き出しが早く、腰が左の“壁”に当たる前に振ってしまい引っ掛けて
低めのフックってのが多いです。。
つい先日もショートホールで引っ掛けてOB、続けて3打目をまた引っ掛けて左の急な崖。。。
スコアが良かったので「よ~しっ」と思ってしまい、正に心と体のジレンマでした。
そういう時こそリラックスですね。心がけます。
リラックスとうことについて、ひとつ。「上半身はリラックス、下半身は目一杯。」という感じが重要なんです。特に、引掛けが出るという事は、下半身の動きまで弱々しくなってしまった結果とも言えます。下半身さえ目一杯動いてくれれば、引っ掛ける確率は、かなり減ります。まずは、練習場でやってみてください。「上半身はリラックス、下半身は目一杯。」絶対何か感じるものがあると思います。