2017.01.26
From:徳嵩力一
千葉のクラブ工房より、、、
こんにちは。プロクラブフィッターの
徳嵩力一(とくたけ・かついち)です。
今日なんですが、あなたに
「クラブ、値段が高いのはそれなりにいいの?」
という話をしたいと思います。
あなたもすでにご存知のこととは思いますが、
ゴルフクラブというのも、いわゆる「ピンキリ」です。
高い、安いというのは、確実に存在します。
ですがズバリ、高いからといって
それがすぐに結果に結びつくかといえば、そうではありません。
高いものには、高いなりの理由がある
読者の方から、このような質問をいただいています。
> クラブ選択に当たって重要なことはなんですか?
> 値段が高いのはそれなりにいいのでしょうか?
まず、冒頭にも書いたように、
高いには高いなりの理由があります。
・他よりも高価な素材を使っていたり
・製造方法、工程に手間がかかっていたり
・手作業のため、製品のばらつきがなかったり
こうした理由で生産量が少なければ、
その値段も必然的に高くなります。
とはいえ、だからといってあなたに合う、万人に合うかどうか
というのは別問題なのは言うまでもありません。
ちなみに自分はもちろん、お客様に合ったものを
できるだけコストを抑えて手に入ればこれほどいいことはないと思って、
日々フィッティングしています。
そのほうが、最終的にはお客様にも喜んでいただけると信じているので。
「予算◯◯万円以内で…」
ちなみに、フィッティングにいらっしゃるお客様には
現状の悩みや目標を事前に必ずヒアリングしています。
そしてそれと同時に、近日中にクラブを変える意志があるかも
そのヒアリング時に質問させていただいています。
誤解しないでいただきたいのですが、
この質問時に「変えない」と答えたからといって
フィッティングを受けられないわけではありません。
あくまでも参考として、聞かせていただいています。
そして、変えたいとお答えになった方には、
今のクラブを見ながら、どんなご提案ができるかということで
複数の提案をさせていただくわけです。
ですが、その時にたまにいらっしゃるのが
そのヒアリング時に、こんなふうにおっしゃる方です。
「予算、◯◯万円以内で」
もちろん、ゴルフに使えるお金に制限があるのもわかりますので、
そのようにおっしゃるお気持ちは、とてもよくわかります。
しかしながら、これは大変申し上げにくいのですが、
フィッティングを受ける際には、この「予算」というのが、
どうしても足かせになってしまうんですね。
もちろん「予算10万円」と言われても、
現状お持ちのクラブと、スイングの状況によっては
10万か、それよりも安い値段でのご提案が可能な場合もあります。
人によっては、グリップとシャフトを数本交換するだけで
スコアの結果が出たという方も、いらっしゃいますし、
ウェッジを数本変えるだけでスイングがよくなって
スコアがよくなったという方もいます。
予算内に収まらない時どうするか?
ですがそれはあくまで結果でしかないので、
クラブがてんでバラバラという場合には、
その「予算内」に収めることができないことも多いのです。
ここで、単にクラブを売りたいということであれば、
お客様から「10万円」という予算を聞いているわけですから、
素直に10万以内に収まる提案をすればいいわけです。
こうした時、10万円分のクラブを売るのが、
商売的には正解といえば正解、なのかもしれません。
ですが、自分はそうしたスタンスの仕事はしていません。
なぜなら、金額で帳尻を合わせるフィッティングというのは
お客様の求める望ましい結果を生まないことが多いからです。
すべてに問題があるのに、その一部を変えたとしても
結果が出るかというと、微妙なところです。
それは今までここでお話をしている内容を
ある程度聞いていらっしゃるゴルファーの方であれば、
何となく予想が付くのではないかと思います。
「自分、不器用ですから…」
もし、予算を言われて、その予算内の提案が難しい時、
自分はどうしているかというと。。。
本当に申し訳ないのですが、
お客様からお聞きした予算をいったん横に置いておいて、
予算を超えた金額のご提案をさせていただいています。
「え、徳嵩さん。さすがにそれはお客様の希望を無視した、
ちょっとあまりなやり方なんじゃないでしょうか?」
初めに申し上げておきたいのは、
自分は初めから予算を無視したご提案をありきで
フィッティングをしているわけではありません。
無理なご提案ばかりをしているわけではなく、
お客様からお聞きした予算内でのご提案ができそうであれば、
自分も最優先で、そちらの予算内のご提案を優先しています。
たとえば、あまりゴルフに頻繁に行かれない方であれば
提案したクラブの中でも優先順位を付けて、
その一部だけを入れ替えるご提案することもあります。
クラブの一部分だけを入れ替える選択は
他のクラブに影響が出てしまうので避けたいところなのですが、
頻繁にゴルフに行かない方であれば、優先順位の高い一部を
ひとまず入れ替えて、後日改めて他のクラブも入れ替える、
というチョイスもあるということです。
ですが、頻繁にゴルフに行く方で、一部の交換ではどうしても
改善が難しいと判断したごく一部のお客さまには、
提案をお見せしながら、真摯に以下のようなお話をしています。
・申し訳ございませんが、現状のクラブとお客様の状況では
希望の予算内でお客様の希望にかなうご提案をすることは難しいです。
・ですが、お客様の現状のクラブセッティングですと、
これこれこうした問題が生じているのではないでしょうか?
・そうした問題をクラブで解消したいと願うのであれば、
予算内に収まる提案ではなく、このようなご提案になります。
・勘違いしないでいただきたいのは、これは私たちの基準で見た結果であって、
他のところで診断を受けた場合、別の診断結果が出るかもしれません。
・しかしながら、他店で出たその結果をもとにクラブを購入されても
お客様の目標を実現できるかどうかは、私たちは保証できません。
ここまでの突き放した言い方になることはまれですが、
このようなことを真摯にお話しするようにしています。
予算で帳尻を合わせても、結果が出ないことは目に見えていて、
それはお互いにとってハッピーじゃなければ。。。
こうした伝えにくいことも伝えるのが
最大限のサービスなのかなと思って、やっています。
せっかく時間とお金をかけて
フィッティングに来てくださっているわけですから。
おかげで周りからは「商売が下手だ」と言われています。
でも、結果が出ないフィッティングをするのは嫌なので。
このようにお伝えすると、初めはびっくりされる方もいますが、
その理由をきちんと話すと、納得していただけることがほとんどです。
高倉健さんじゃありませんが、
まさに「自分、不器用ですから」という感じです(笑)。
ちなみに、このようにお話しすると、
その時はそのままお帰りになるのですが、
2~3ヶ月ほど経ってから、
「徳嵩さん、この前ご提案いただいたクラブですが、
あれからいろいろ考えて、やっぱりお願いできませんか?」
あとになってこうしたお話をいただくことも少なくありません。
ありがたいことです。
私たちが提供するのは、ゴルフの上達が期待できる
ゴルフクラブをあなたにご提案することです。
そこを第一の目的に置くと、どうしてもこうした
「不器用な」ご提案になってしまうということ。。。
これをお読みのあなたにほんの少しでもご理解いただけたのなら、
これほどありがたいことはありません。
それでは、また次回。
徳嵩力一
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