2017.05.07
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・ボールヒットでの腰と胸の向き」
というお話をさせていただきます。
ボールヒットで、腰と胸は
どんな向きを向いていることが最良なのか。
それは、ズバリ言って、腰も胸も
左に45度程度ターンした辺りでボールヒットすることです。
ただし、ボールヒットでは左肩甲骨はまだしなっていて、
胸の方向にスライドしていて、胸の向きより下を向いています。
これが、下半身と上半身の捻転差としてのしなりです。
と、本題に入る前に
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では、話を戻します。
復習・ボールヒット
もう一度確認しますが、ボールヒットでは、
外見として左肩は胸の方向よりも下を向いています。
この胸の向きと左肩の方向にずれがあることが、重要です。
なぜかというと、それが、まさに上半身のしなりが
まだ完全にリリースされていない証拠だからです。
当然、体の柔軟性や可動域によって、
ボールヒットでの腰の回転は45度まで行かないとか、
さらにもっと大きな角度ということもあります。
しかし、この45度程度を意識すると良いです。
腰と胸が45度程度回転の理由
ゴルフのスイングでは、下半身で上半身をしならせます。
ところが、腰が左に45度程度ターンした辺りから、
下半身の回転力が弱まり始めます。
そうすると、上半身は勝手にリリースし始めます。
この腰がどの程度回転したところで上半身のリリースが勝手に始まるのかは、
先ほど少しお話したように、体の柔軟性や可動域に依存します。
通常なら45度程度腰が左へターンした辺りで、
下半身のパワーがピークとなります。
そうすると、そこからは腰の回転力が落ちてくることに連動して、
上半身のしなり戻ろうとする力が勝ることで、
上半身が勝手にリリースされ始めます。
さて、腰がだいたい45度程度左に回転してきた辺りで、
自動的に上半身のしなりは急激に戻り始めます。
その自然なしなり戻りに任せることで、ボールヒットに向かっては、
クラブが早すぎもせず、遅すぎもしないで、
正しい安定したタイミングでリリースされることができます。
ゴルフでは下半身の動きで骨盤から上の体幹が回転することで、
上半身、中でも特に左肩甲骨を胸の方向にスライドします。
さらに、それに連動する右手甲側に折れるヒンジや、
右腕などをしならせてボールヒットに向かいます。
ですから、体幹の動きが止まれば、
上半身のしなりは急激にリリースされ、その先の腕とクラブが鋭く振られます。
今お話した下半身と上半身の捻転差としてのしなりも含め、まとめると、
腰を45度程度ターンさせたあたりでボールヒットする理由は次の3つです。
(1)左肩甲骨のしなり
(2)下半身パワーのピーク
(3)上半身が上昇を始める
そして、(2)(3)により体幹が急停止することで、
上半身のリリースが始まり、
それによって、さらに体幹の回転は減速されます。
そうするとさらに上半身は急激に開放されます。
では、また。
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お察しの通り、この図について詳しく説明すると
それなりに長い話になるのですが、
興味のある方のために、図にあげた3つについて
ひとつづつ見てみることにします。
というわけで、続きをどうぞ。
(1)左肩甲骨のしなり
(1)左肩甲骨のしなり、について見てみましょう。
腰が回転した分だけ胸も回転させます。
ところが、胸は腰に連動して回転しますが、
左肩甲骨は背中の後ろで、体の前側である胸の方向へスライドします。
まさに、腰と左肩が45度程度の回転角度の差が、
上半身の捻転としての左肩甲骨の胸の方向へのスライドとなっています。
ボールヒットで腰や胸は45度ぐらい左に回転していても、
左肩は胸よりは下を向いていて、これが、左肩甲骨のスライドの表れです。
体幹は一枚の厚みのある板
そして、骨盤から胸にかけての体幹は、
一枚の厚みのある板とイメージします。
イメージとしては、一枚の硬い板の上に肩甲骨が乗っていて、
硬い板の上で肩甲骨がスライドすることが上半身のしなりです。
うまく体をコントロールする極意は、
体幹を安定させて、四肢を独立して自由に動かすことです。
4本の腕と脚が、体幹に対してそれぞれ、勝手に動けるようにします。
そうすることで、勝手ということとは裏腹ですが、
下半身の動きで上半身をしならせるということができます。
骨盤から胸にかけての体幹は、一枚の硬い板のイメージ、
そんなばかなとお思いかもしれません。
しかし、体幹が一枚の硬い板となるイメージは、
体をしならせて使う体のコントロール&パワーのためには、
本当に重要な感覚です。
特に、ボールヒットに向かっては、下半身の動きで上半身、
その中でも特に左肩甲骨を胸の方向へスライドさせるように
下半身と上半身を役割分担させます。
そのために、体幹が一枚の硬い板のイメージが重要となります。
ボールヒットに向かって左脚を伸ばしながら、体の左サイドを伸ばします。
あたかも、上から押された左肩と体幹の間を引き伸ばすイメージです。
(2)下半身パワーのピーク
(2)下半身パワーのピーク、について見てみましょう。
以前、右ふくらはぎへの負担が大きいというお話をしたことがあります。
そこでは、下半身のパワーのピークということだけをお伝えしていました。
今回は、そのときお話したことをもう一度復習も含めて説明させていただき、
さらに、他のリリース要因について付け加えて見てみましょう。
トップに向かう切り返しから、重力を使って
ヘッドがトップに向かって動いている方向とは真逆の方向へ、
下半身がゆっくり先行動作を始めます。
そうすると、腰が左にターンしてきて、上半身はしなり始めます。
そして、一旦両脚で地面を捉えたなら、そこからは両脚で地面を蹴ることで、
腰が高速に左にターンしてきます。
そこから、ボールヒットに向かって、
ますます下半身が上半身をしならせることで、
下半身と上半身の捻転差が大きくなってきます。
ところが、腰がだいたい45度程度左に回転してきた辺りで、
腰の回転速度は急に遅くなり始めます。
この腰の回転の急減速に関しては、私のDVD
「ショット基礎アプローチ?The Reborn」の中でもお話させていただいていますので、
その中からの抜粋も織り交ぜてお話します。
ご購入していただいているなら、動画でも見ていただければと思います。
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まずは腰の回転について。
腰はダウンスイングで左に回転してきて、左に45度程度回転してきたら、
腰はまだまだおへそが打ち出し方向を向くフルターンまで回転はできます。
しかし、それまでの回転速度よりは遅くなってきます。
それは、股関節の曲がり具合を見てもわかります。
股関節が一番深く入るのは、
ダウンスイングしてきて少し重心を落としてきた辺りです。
そして、骨盤はセットアップでの前傾角度を保ったまま
トップからボールヒットまで回転することで、
上半身は下半身の回転で大きくしならされます。
ボールヒットに向かって骨盤の前傾角度を維持して背骨を中心に
斜め回転させる動きは、主に左脚を縦に蹴る動きで右脚はそれに追従します。
そして、左股関節はある程度曲げて入れたままで骨盤の前傾角度を保ちますが、
左膝と左股関節を伸ばす動きで骨盤をターンさせていきます。
ところが、膝も股関節もある程度伸びてくると、
それ以上伸ばしても伸ばす角度の変化に対して、
脚の長さが長くなる程度は少なくなってきます。
そして、腰が45度ぐらい左にターンした辺りが、
下半身が腰をターンさせるパワーのピークとなります。
パワーですから力と移動距離の掛け算となります。
下半身のパワーの源は股関節を伸ばす動きですが、
この股関節を伸ばしていった時に最大のパワーを出せるポイントがあります。
それは股関節が伸びきる少し手前です。
股関節が伸びれば伸びるほど、伸ばす力の大きさは大きくなりますが、
股関節を伸ばしたことで脚が長くなる長さがだんだん少なくなります。
そのため、「力 x 移動距離」のピークは、
股関節が伸びきる少し手前になります。
いずれにしても、このような股関節のパワーのピークを過ぎると、
腰の回転速度をさらに加速させるほどパワーは出せず、
腰の回転は急激に減速し始めることになります。
ようするに、腰をフルターンさせるつもりでも、
腰は左に45度程度ターンした辺りからは、
腰が斜め左へ回転する速度は減速してきます。
(3)上半身が上昇を始める
その他にも上半身をしならせるパワーが小さくなる要因がありますので、
順に見てみましょう。
そこで、(3)上半身が上昇を始める、について見てみましょう。
腰から上のお腹周りはお腹を凹めるなどして、
できるだけねじれないようにするほど、下半身のパワーを上半身のしなりに反映でき、
腰の回転に体幹の回転は直結します。
また、背骨の前側には重い内臓があるので、
その内臓の重さの影響は想像以上に大きいです。
さらに、腕の重さは体重の6%程度が平均的ですから、
体重70kgだと約4kg、両手では約8kgもの重さがあります。
8kgといえば4リットル入り焼酎のペットボトル2個分ですから、
かなりの重さです。
普段は慣れてしまっていてこの重さには鈍感になっています。
ところが、ゴルフのスイングでは
内臓や腕が背骨の前側にある形でスイングするので、
実際にはその影響はものすごく大きなものとなります。
そこでこの重い内臓と腕の動きを見てみます。
ゴルフのスイングを見ると、バックスングでは体幹が右に回転する分、
頭の高さは一定でも、お腹も胸も両腕も右上にあがってきています。
その右上にあがった背骨の前側の部分はダウンスイングでは
一番低いポジションに向かって落ちてくることで、
体幹の左回転が加速される方向にエネルギーをプラスしてくれます。
そして、ダウンスイングでは上半身がしならされて、
クラブや左肩や前腕は遅れてついてきます。
そうなると、胸が真下に向いたところから、
少し左にターンした辺りが全身の重心が一番低い位置になります。
そこから体幹が左にターンするほど、
重心は左斜め上にあがり始めることになります。
また、左斜め上にターンすればするほど、
より体の前側を上にあげる角度が急になり、
体幹の減速率は大きくなります。
しかも、ボールヒットに向かってリリースが始まると、
右腕も伸びてきて手元は体から離れてきます。
そうすると、回転のしにくさである慣性モーメントが大きくなり、
体幹はより回転できなくなります。
スケートのスピンで両手を広げるほと回転速度が落ちることと同じです。
ということで腰が左に45度程度回転したところでは、
つぎの3つことのトリプルパンチで、体幹は急減速します。
(1)腰を回転させる原動力である脚を長く伸ばす動きの減速
(2)背骨の前側を上に持ちあげること
(3)慣性モーメントの急増
結果としての自然なリリース
一旦、体幹の回転力が落ちると、
上半身の急激なリリースが勝手に始まります。
体幹の回転でしならされていた上半身のしなりとして、
左肩甲骨のスライドや右手甲側へ折れるヒンジや、
右腕のしなりは、急激にリリースされます。
さらに、上半身のしなりのリリースによって、クラブまで連動して振られ、
そのリリースされる反対方向への力が体幹にかかってきます。
そうすると体幹はさらに回転速度が遅くなり、一瞬止まるところまできます。
そして、さらに上半身は急激にリリースされてきます。
結果として、シャフトがしなり戻ってきて
クラブヘッドまでリリースされながらボールヒットに向かいます。
腰が左に45度程度ターンしたとき、肩から先の腕とクラブが鞭のように
ヘッドから遠い順に急激にリリースされてボールヒットして
ヘッドがボールを打ち抜きます。
ただしボールヒットでは上半身のしなりは
まだ完全にはリリースされていないで、まだまだリリースの最中です。
特に、上半身でも左肩甲骨とそれに連動する右手甲側へ折れるヒンジは、
セットアップよりも深く入った状態でボールヒットします。
胸の向きは腰の回転なりに左に回転していますが、
左肩は胸が向いたところよりも下に向いてます。
これは左肩甲骨が胸の方向へスライドしているからです。
体験してみよう
これらの動きを確認する一番良い方法は、
一回のスイングを20秒以上かけたゆっくりシャドースイングです。
ボールヒットでは胸ではなく左肩をできるだけ下に向けようとすることで、
上半身は下半身の動きでしならせられることは重要です。
左脚を長くしながら母指球の少し後ろで地面を踏みながら
左のお尻を左お尻ポケット方向へ押し込む動きで、
左サイドに張りを作ろうとします。
そして、体の左サイドに張りを感じてボールヒットしようとしたら、
腰と胸は左に45度ぐらいターンしています。
さあ、机の前から離れて、クラブは持たなくてもよいので、
ゆっくりシャドースイングやってみましょう。
ゆっくり動けば、本来あるべき体の使い方が納得できます。
ちなみに、ここで紹介したボールヒットの動きは、
私が開催しているワンデーレッスン会でもレッスンをしています。
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これで、今日は本当のおしまいです。
では、また。
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