2013.12.15
From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
今回は
「アマチュアでもできるイメージトレーニング」
についてお話をさせていただこうと思います。が、、、
その前に、あなたに質問です。
アマチュアに「イメージトレーニング」なんていらないんじゃないの?
あなたはそんなふうに思ってしまっていませんか?
もちろん、イメージトレーニングは(よく「イメトレ」なんて言いますね)
一流選手になってからこそ、効果がハッキリ現れるものだと言えるでしょう。
しかし、特にパッテイングでは、入って欲しい場面でパターが入らないと
勢いに乗れず、ショットにも影響してしまいますよね?
パッティングに関する「ある統計」
やはり統計を取りやすいからなのでしょうが、パッティングというのは、
いろいろな距離での入る確率というのが算出されています。
たとえば「全米プロゴルフ選手権」(USPGA)の試合の数字ですと
2mのパットの入る確率は「約50%前後」という結果が出ています。
しかし、2mといったら、気持ち的には外したくはない距離ですよね?
とはいえ、プロでも半分しか入らないんですね。
実際にコースのセッティングは米国のプロの試合は
かなり難しい設定になっているという影響もあるでしょう。
技量とコース状況で、結果は大きく変化してしまいますが、
ある程度参考になる数字だと思います。
パッティングのイメージビデオ制作の依頼
今年(2013年)の宮崎合宿で、
片山晋呉プロと合流していろいろ練習した時の事です。
その帰り際、私は晋呉さんにこんなことを言われました。
「自分のパッティングの入るイメージがわく動画を作って欲しい」
晋呉さんは去年(2012年)の夏ごろから、e-PuttGateという
ボールの20cmぐらい先にあるゲートを通すという
パッティングの練習器具を使って練習をしています。
晋呉さんにはこのe-PuttGateを今でも使っていただいていて、
一般の販売でもかなりの好評をいただいています。
しかし、晋呉さんはさらにもっとパッティングの数字を良くしようと、
まだまだ追求しつづけているんですね。
まあ、パッティングはスコアに直結するから、当然と言えば当然なのですが。
2013年12月13日現在の、晋呉さんの平均パッティングランキングは3位です。
数字は「1.7495」。トップの谷原秀人プロは「1.7345」で、その差は「約0.86%」です。
1%でこの数字が上がれば、トップになれるというレベルなんですね。
実は、私はこれまでに梶川剛獎プロの練習に付き合っている中で、
パッティングイメージ動画作りは数多くこなしてきていました。
梶川さんとは、ずっと入るパッティングを見続けたら、
実際に入るようになってくるんじゃないかということで、
いろいろなパターンで試して来ていました。
それで梶川さん向けには、こんな感じがピッタリはまるというものが出来上がり、
いつも見てもらっています。
そこで、晋呉さん向けとしては、まずは上りの真っ直ぐ3m程度のラインに、
ボコボコ入る3分ぐらいの動画を作成しました。
ちょうど宮崎合宿で撮り貯めした映像の中に
イメージ通りのいいものがあったので、それを使いました。
BGMは何がいい?
BGMは、梶川さんの場合は梶川さん自身がお好きな音楽を入れました。
音楽に関しては、心理学的・脳科学的にはバロックがいいとか、
静かな環境音がいいとか、いろいろ言われています。
要するに脳波の中のアルファー波が多く出るものがリラックスできて、いいとか。
作業効率アップにはシーター波が多く出るものがいいとかなどです。
しかし、私がいろいろなイメージトレーニングビデオを作ってみて感じるのは、
「自分が好きだと思う音楽がいい」というのが結論です。
また、実際にアルファー波とかが多く出るためには、
いい音で聞かなければ出ないとも言われています。
ですから、どんな音楽がいいとかあったとしても、
しょぼい音質で聞いていては、アルファー波は増えないということのようです。
片山晋呉プロが毎日見る「イメージ動画」とは?
というわけで、私が梶川さんで試した経験をもとに、
晋呉さん用には一応アルファーが出やすいと言われる音楽を入れてみました。
作って欲しいと言われてから、実は5本ぐらい作り、
晋呉さんに送っては反応を確認するという作業を続けました。
結局、晋呉さん用はかなりシンプルな仕上がりとなっています。
上りの2m程度を9回連続して入れる、ホール側から撮影した映像。
時間は約1分30秒、最高にリラックスできる音楽を入れています。
これを、毎晩寝る前に必ず見てから、
そのまま眠りにつくという使い方をやってもらっています。
晋呉さんの場合はいろいろ作った結果、この形に収まったのでした。
しかも最近は朝起きたすぐと、夜寝る直前の2回になったそうです。
下りよりも上の映像がいいと思ったのは、
しっかり打っているイメージができやすいからです。
また、絶対入れたい距離ということで、
2mぐらいということになりました。
統計的には50%としても、
実際にはサンデーバックナインでの優勝争いではもっと違った値となります。
特に2009年ごろのタイガーウッズのサンデーバックナイン
(プロのトーナメントの最終日=日曜日の10番から18番のこと)
でのパッティングの豹変ぶりは、凄まじいものがあったという印象があります。
外し頃の距離をバンバン入れてくるんですから。
統計数字とはかけ離れた何かが起きていると思うよりしかないような感じです。
いずれにしてもパターが入らなければ、勝てない世界ですね。
当然、4~5mの距離も入れたいことは入れたいのですが、
統計上入らなくてもしかたのない距離と言えます。
それを無理にねじ込もうとして、距離感がなく強めに打ちすぎて
2m以上オーバーして、結局3パット、、、
そんな最悪の事態は絶対に避けたいですね。
入れるつもりだけど、それに対しては絶対的な期待はしないという距離は、
無理やり入るイメージを作り過ぎない方がいいと私は思っています。
イメージ動画には、ちょっとだけ乗せるぐらいで止めておいた方がいいですね。
また、実際に連続して入れた場面を収録しました。
何と言いましょうか、入れるという気迫まで伝わってくると思ったし、
実際、見ていると映像からも伝わる気がしてきます。
しかも、連続入れノルマ練習ですので、
ストロークも実際の試合の緊張する場面と同じようになってきます。
そこで、バンバン入るイメージができることが、
最高にいい結果を生んでくれます。
実はあなたにも簡単に作れます
最近の家庭用ビデオには簡単に編集ができるツールが付いてきています。
そして、コンピュータにも動画編集用のツールが付いてきます。
Macなら「iMovie(アイムービー)」、
Windows7なら「Windows Liveムービーメーカー」などですね。
ビデオカメラなどは、お孫さんやお子さんたちを撮影するために、
すでにお持ちの場合も多いかと思います。
家のパターマットでいいですので、
ボール側からご自分の全身が映るようにしておいて、撮影します。
そこで、連続9球入れるというノルマを設定して、
クリアできた映像を使います。
「9球なんか簡単だ」と言う方は、達成確率が60%ぐらいの球数でやって、
実際にクリアした時の、最後の9球などを使うといいかと思います。
それをスマートフォンなどに保存するなどできれば、
毎日電車の中で見たり、夜寝る前などにも見ることができます。
それができれば、あなたの中で確実に何かが変わるはずです。
でも実は、、、この映像をえらい苦労して作った事で、
パッティングへの思い入れが大きく変わって、それで練習するようになったという、
副次的な効果のほうが大きかったりするのかもしれませんが(笑)。
ともあれ、あなたもイメージビデオ、作ってみませんか?
では、また。