2015.08.30
From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・下半身の動きって、こんなにシンプル」
というお話をさせていただきます。
スイング全体を一度に見てしまうと、複雑に見えてしまいます。
特に前傾してクラブを振る姿勢を、外から見ていると、
かなり複雑で、すごいスピードの中で、どうやったらうまくクラブを振れて、
ボールの芯を打ち抜けるかと悩んでしまいませんか。
でも、下半身だけの動きを見てみると、
そんな複雑でもないことに気づきます。
実は、ちょっと前に「技・天動説と地動説」で、
上半身の動きに注目してお話したので、
今回はその下半身版と考えていいただけたらわかりやすいかもです。
下半身は強い
※以前のメール「技・天動説と地動説」はこちら
↓ ↓ ↓
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下半身がうまい具合に動いてくれれば、ゴルフはすごく楽になります。
まず、力の強さが下半身は上半身に比べて断然強いです。
ま、上半身を徹底的に鍛えているなら、
それも逆転ということもあるかもしれませんが。
下半身は、立っていたら、四六時中、重い上半身を支え続けています。
それだけで、筋肉は鍛えられ、スイングに使われるのを待ち遠しくしています。
特に、階段を登る動きは、ゴルフスイングで使うほとんどの筋肉を使います。
下半身は王様、上半身は家来
わたしは、よく「下半身は王様、上半身は家来」などと言ったりします。
「下半身は目一杯、上半身はリラックス」という言い方も好きです。
下半身が動いて、上半身がそれに従うように動くことが、
最高のゴルフスイングを生み出すからです。
リズム良いスイングのためには、下半身の動きに、
上半身が連動することが絶対です。
その関係は、ダウンスイングは当然です。
しかし、テークバック開始から、下半身が先導して動き始めることが、
その後のスイングのすべてを決めます。
出だしで、手でひょいとクラブをあげていたら、
トップでの切り替えしからダウン全体でも、
手が先、脚が止まるスイングになってしまいます。
また、下半身が傾いたら、上半身もそっちの方へ倒れます。
下半身がよからぬ動きをしたら、上半身はその悪い動きを、
消しにまわらなければなりません。
下半身がまっとうで、正しい道を歩んでくれるなら、
上半身は、本来行うべき仕事に専念できます。
ある意味、下半身は会社の社長や上司で、
上半身は社員という感じでもあります。
王様や社長さんには、正しい方向づけをして、いただきたいものです。
骨盤は傾ける
上半身は骨盤の上に、ちょこんと乗っているだけです。
そこで、骨盤がどう動いてくれたら、最高にいいのか、見てみましょう。
ゴルフでは、上半身は前に倒れています。前傾姿勢ですね。
この前傾を背中を前に曲げて作っていると、
スイング中に背中の曲げ方をいろいろコントロールしなければならなくなります。
上半身は、背骨を中心に、左右にターンする動きなら、
上半身では気持ちよくエネルギーを貯めることができて、
その貯まったエネルギーを清々とリリースできます。
ということは、前傾姿勢は、骨盤が前傾して、
上半身は前傾した骨盤の傾きに従って前に倒れているようにすれば、
上半身は最高のパフォーマンスを出すことができるということになります。
骨盤を前傾させるというのは、簡単な動きです。
普段、歩いて、脚を前に出していますが、その時に股関節は前に曲げられます。
それと同じで、股関節を前に曲げれば、すんなり前傾ができます。
—– 図1・股関節を曲げて骨盤を前傾 —–
また、普段歩いたり、階段を登るなど、
股関節の角度は微妙に調整できる能力が使われているので、
股関節を曲げる角度の調整は、かなり精度よく、狙った角度に設定できます。
骨盤をターンさせる
ゴルフスイングでは、テークバックでは右にターンして、
ダウンスイング、ボールヒットに向かって左にターンします。
そこで、下半身をターンさせるという、
そんなこと簡単とも言われそうな動きを、ちょっと詳しく見てみましょう。
真っ直ぐに立って、脚を肩幅程度に開きます。
そこから腰を右にターンさせてみます。
おへそが右を向いてしっまうまで、しっかりターンしてみます。
さて、どうやって右にターンしましたか。
ここが肝心です。
右後ろポケット方向へ、右のお尻を押し込み始めることをきっかけとして動くと、
骨盤全体は、右脚の上に乗って、しっかりフルターンできます。
右にターンしたら、一番楽に立っていられるポジションを探します。
ゴルフのスイングでは右へはフルターンはしないので、
それほど右股関節が詰まるという感じにはなりません。
しかし、今回はフルターンですから、右脚の股関節が詰まるようでしたら、
ターンする前に、あらかじめ、足裏を右に回して
股関節が詰まらない程度動かしておいてもいいです。
右脚一本で、脚の骨格を真っ直ぐ使って、力をできるだけ使わないで、
立っていられるポジションを探してください。
右脚は真っ直ぐに伸びて、右のお尻側に少し倒れていれば正解です。
—– 図2・真っ直ぐに立って右にフルターン—–
次に、反対向きにターンしてみます。
左におへそを向けるようにして、今行った動きを、反対方向へ行います。
特に、左のおしりを、左後ろポケット方向へ、
押し込む動きを意識してください。
おへそが左に完全に向き終わると同時に、左脚は真っ直ぐに伸びていて、
左後ろポケット方向へ少し倒れています。
—– 図3・真っ直ぐに立って左にフルターン—–
左股関節に詰まり感があるようでしたら、ターンする前に、
左足のつま先を左へ回して、左股関節が楽になるようにしてあげておいてもいいです。
この左右の動きを連続してやってみてください。
何か発見しませんでしたか。
ターンの中間で重心を落とす
腰が正面を向いたとき、少し重心を落として、
股関節と膝が少し曲がっていた方が、楽々左右往復ターンができます。
イメージとしては、正面を向いた時、両股関節だけちょっと入れて、
重心をほんの少しだけさげて、両脚を楽にさせてあげる感じで十分です。
—– 図4・真っ直ぐに立ってターンの中間点—–
ターンするとき、お尻を後ろポケット方向へ押し込むイメージがなくて、
単に腰を回そうとすると、膝は体の正面方向に出てきます。
そうなると、出だしだけは腰が回せる気がしますが、
途中からは、いくらがんばっても、体力を消耗するだけで、
腰がフルターンまでしてくれません。
腰のターンに前傾をプラスしてゴルフスイング
ここまで、できたら、先ほどの、骨盤の前傾と腰のターンを合体させてみます。
骨盤は前傾した軸に従って、斜め回転させることで、上半身は楽に使えます。
ということで、骨盤を斜め回転させる動きを行います。
まず、真っ直ぐに立って、両脚を肩幅程度開きます。
そこから、両股関節を少し曲げて、膝はあまり正面方向へ出さないようにしながら、
骨盤を前傾させます。前傾させる角度のイメージは、お好きなクラブを持った時の感じでいいです。
ここから腰を斜め回転させます。
右にターンするゴルフのテークバックでは、
右のお尻を、右後ろポケット方向へ押し込むようにします。
今度は、骨盤全体を前傾させていますので、
右後ろポケットは、右斜め上を向いています。
ですから、右のお尻を右斜め上に向かって押し込んでいくことになります。
右脚を伸ばしながら、右足の母指球の少し後ろぐらいで、
空き缶を踏み潰すようなイメージで、右脚を伸ばしながら、
右のお尻を右後ろポケット方向へ押し込んでいきます。
ここで、よくあるご質問として、
脚を伸ばしたら、上に伸び上るのでは。と聞かれます。
答えは、右のお尻は右斜め上、左サイドは左斜め下に向かって動き、
背骨を中心として、ターンするだけで、背骨の高さは変化しません。となります。
どれぐらい斜めになるかは、骨盤の前傾角次第です。
前傾角が深いほど、右の腰は上の方向へあがり、左の腰は下の方向へ動きます。
特に、テークバックで右脚を伸ばすことには抵抗をお感じの場合が多いです。
単に、真っ直ぐ上に伸ばして、腰がターンしないと、
上半身が左、ようするに、打ち出し方向へ倒れて突っ込む形になります。
背骨を意識して、右サイドは右斜め上、左サイドは左斜め下に動いて、
骨盤が、背骨を中心に斜めにターンするようにします。
これができれば、テークバックで骨盤が右に斜め回転して、
上半身には、余計な力がかからず、リラックスしたままトップに向かえます。
なんせ、上半身は骨盤の上に、ちょこんと乗っていればいいのですから。
ゴルフでのテークバックでは、腰はフルターンまでは動かさず、45度ぐらいまでです。
そして、左脚は、腰が右にターンする動きについてくるだけで、
蹴ったり、自ら右にシフトさせようとする力を出したりはしません。
そうすると、45度あたりで、腰のターンは止まります。
—– 図5・骨盤前傾で右ターン—–
ダウンスイングでは、骨盤を左に斜めターンさせます。
左斜めターンで、左右が入れ替わり、右脚の打ち出し方向への蹴りを追加します。
—– 図6・骨盤前傾で左ターン—–
両腿を引き締める
左ターンでは、両腿をキュッと引きつけて締めて、
左右の脚の蹴りのパワーを強めます。
両腿を引き締める動きには、重要な理由があります。
太腿の骨は、骨盤に真っ直ぐ下からつながっているわけではありません。
Lの字になって、横から骨盤につながっています。
そのため、脚を蹴ろうとして、お尻の筋肉を収縮させただけでは、
脚が横に倒れて、真っ直ぐに蹴ることができません。
脚を体の後ろ側に、真っ直ぐ蹴るためには、
両腿をキュッと引き締める動きが必要です。
逆に、両腿をキュッと締める動きをしようとするだけで、
お尻の筋肉も反応して、脚をお尻側へ伸ばす動きが発生します。
ボールヒットに向かって、両腿を締め、打ち出し後方から見ていたら、
腿の間に隙間が見えないようにします。
両腿を引き締める感じがつかみにくい場合は、
左膝の裏に、右膝を押し込むようにしてみてもいいです。
この動きで、両腿は、がっちりくっつこうとしてくれます。
—– 図7・打ち出し後方からの腿の密着具合NG—–
—– 図8・打ち出し後方からの腿の密着具合OK—–
両腿を締めると、右膝はターンするにつれて、
打ち出し方向へ真っ直ぐに動きます。
脚を楽々伸ばしてパワーを発揮するためのコツ
フィニッシュに向かって、左股関節が詰まるようでしたら、
左足の母指球の少し後ろあたりを中心にして、
左足の踵を滑らせながら回してもいいです。
母指球のちょっと後ろに乗りながらターンしようとすれば、
母指球のちょっと後ろを軸として、足の踵側が、必要なだけずれながら
フィニッシュに向けて腰がターンしてくれます。
これは、飛距離はもちろん方向性も重要なドラコンチャンピオンでは、
ほぼ100%現れる動きです。
ですから、安心して、左の踵を浮かしながら、踵をずらせていいです。
ボールヒット前にまだ左脚で地面を踏み始める前に、
左踵をずらせてから左脚で地面を踏んでいるドラコンチャンピオンもいるぐらいですし。
アイアンであっても、ドライバーほど踵が浮いたりまではしないとしても、
ボールヒットに向かって、踵への圧力は激減します。
特に、ジュニア時代は腕の力がない分を、下半身でカバーしょうとして、
左踵が浮くことが、才能の証でもあります。
これができる子供たちは、将来、良い成績を出しやすいですね。
今、LPGAで活躍している堀琴音プロのジュニア時代を振り返ってみると、
アイアンショットでも、典型的に左踵が浮くショットをしています。
2014世界ジュニアで優勝した杉原大河選手も同じで、
さらに左サイドの使い方はめちゃくちゃしっかりしています。
これは、そうするように言わなくても、
才能のある子供たちは、勝手にそう動いています。
スパイクだとずれにくいのですが、ボールヒットに向かってしっかり
左足母指球の少し後ろあたりで踏んで、左脚で地面を蹴ると、
ボールヒットした後は、左足の裏の圧力、特に踵側の圧力が下がって、ずれてくれます。
もし、踵に乗っていると、左脚は打ち出しと反対方向へ倒れて、
地面をしっかり踏めなくなります。
これを、左脚スピンアウトと呼びます。
スピンアウトでは、脚が止まり、気持ちよく振りきることはできません。
足裏のどこに荷重するかで、
地面をしっかり踏めるかどうかが決まってしまいます。
しっかり、母指球の少し後ろを意識してください。
最高の下半身に上半身を乗せる
最高のゴルフスイングをするときの、
下半身の動き、見えてきましたね。
両腕を胸の前で組んで、下半身の動きだけを、やってみると、
本来の下半身の動きを、より感じやすくなります。
上半身だけ、下半身だけの動きを分けてやってみましょう。
上半身と下半身を同時に動かす、通常のゴルフスイングが、
よりシンプルで簡単に見えてきます。
そして、下半身と上半身の本来の役割分担もわかってきましたね。
では、また。
追伸:
この度、私のレッスン会が開催されることになりました。
日程は9月10日(木)・9月11日(金)・9月12日(土)
それぞれ5名を募集中です。
ショット基礎アプローチのレッスンもありますし、
スイング理論のミニ授業も行います。
ぜひいらしてください。
↓
http://g-live.info/click/oole1509pdf/
追追伸:
明日から、
私のちょっと大きいプロジェクトが始まります。
メールが行くと思いますので、
楽しみにしていてくださいね。