From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・歩ければゴルフはできる」
についてお話します。
普通に歩ける可動域と筋力があれば、ゴルフはできます。
少なくとも、シングルプレーヤーまでは大丈夫です。ゴルフというのは、そんなすばらしいスポーツなのです。
また、レッスンしていて、トップが浅いとか、きついという方に、ゆっくりシャドースイングをやってもらうと、
普通にいいトップまで楽にあがる場合がほとんどなのです。
普段、いかに、無駄な力を使って、スイングしているのかがわかります。
一般的な感覚として、あなたもお感じのことなのですが、
無駄な動きが多いほど、本来は必要のない筋力が要求されます。
悪い動きをカバーするために、とりあえず筋力を鍛えて対応という状況は多いですね。
無いよりはあった方がいいに決まっていますが
また、可動域が大きいことのメリットは、疲れにくい、怪我をしにくい、飛距離を出しやすい(250ヤード以上)。。。等々いろいろあります。
実際に可動域は、おろそかにはできませんが、ゴルフでは、絶対的なものではありません。(ただし、怪我に関しては、可動域がありすぎて故障する場合もあります)
特に、可動域や筋力は、無いよりは有った方が、上達は早くなります。
また、18ホールまわった時の疲れ方や、傾斜地での処理も楽になります。
とはいえ、可動域や筋力がある人に、楽々スコアで勝つこともできるというのが、ゴルフの本質かもしれません。
また、関節を安定化させる筋肉は、筋肉の強さそのものはそれほど強くはなく、そんなに太いわけではないのです。
でも、しっかり使われていないと、関節の動きが不安定となり、無駄な動きが増えてしまいます。
でも、普段の生活で正しく使えていればいいのです。
関節を安定化させる筋肉は、普段から正しく使えるようにしておくことが、そのままゴルフにも役立ちます。(そのための体操をゴルフライブから発売のDVD「JSNX」でご紹介しています)
少なくとも、バリバリにウエイトトレーニングで最大筋力をアップする前に、関節を安定させて、普段の生活で正しい動きができるようにすることが大切です。
動きを見て盗む
スイングそのものについて、トッププレーヤーの動きに、体を優しく使ってあげるための、いろいろなヒントがあります。
トッププレーヤーであっても、みんながみんな、特別に広い可動域を使ってスイングしたり、べらぼうな筋力を付けているわけではありません。
あなたも、彼らのスイングをYouTubeなどで探して、よく観察して、盗めるところは盗んでください。
といいうことで、あなたも、彼らの良い点を盗みやすいように、ちょいと解説を付けさせていただきます。
トッププレーヤーの動きの例
私は、サム・スニードのスイングが大好きです。
彼はPGAツアー通算82勝で1位(2位がタイガーで79勝)、メジャー7勝、その他のツアーも含めると165勝、ツアー最年長記録52歳10ケ月と8日という、驚きの記録を残しています。
しかも、70歳を過ぎても、かなりリズムよくスイングしていますから、驚きです。
そして、これがすごいのですが、80歳になっても、毎日楽しくラウンドしたという話もある様です。
サム・スニードのスイング映像で、私が好きな映像はこれです。
特に、正面から見たスイングが大好きです。
トップがすごくリラックスできていて、ゆったり大きなトップです。
オーバースイングだという方もみえますが、サム・スニードはトップでゆるんでいるわけではないので、まったく問題ありません。
そして、ダウンスイング開始が、下半身からはっきりと行われて、しっかり両足で地面をとらえるように、両膝の間が広がっています。
まさに、トップからいきなり上半身から振るのではなく、下半身からゆったり動かしています。
両足で地面をつかんで、下半身を目いっぱい使って、そのエネルギーを無駄なく上半身、腕、シャフト、ヘッドへと伝えている様子を感じることができます。
そして、もう一人ご紹介しておきたい人がいます。
マスターズチャンピオンのルイ・ウーストハイゼンは、ちょっとまじめなスイングです。
彼の動きは正確で、私がイメージしている動きを、かなりばっちりやってくれています。(当然、誰でも必ず問題は抱えているものですが)
ルイ・ウーストハイゼンは、時々左サイドでしっかり地面を踏めなかったり、セットアップで膝がからだの正面方向に出過ぎて、膝を使いすぎたりする問題があって、そえほど安定した成績は出せていませんが、かなり惜しいです。
でも、調子のいいときの彼の左サイドは、最高にいいんです。
それがコンスタントにできていないのが、本当に残念です。
是非、サム・スニードの左サイドの使い方をまねたらと思います。
また、ボールヒットで、 時々左ひじを少し抜いて、フェースの向きを安定させようとするテクニックを使う事もあります。
杉原プロも同じ様な使い方で安定したボールを打ち出していました。
また、トップで、左肘が少し曲がる時もあります。
しかし、スイング全体の流れとして、体に無理がなく、非常に素直な体の使い方で、すばらしいショットを放っています。
この二人のスイングを見ているだけで、私はこれ以上何も言わなくても、今回お伝えしたいことが、あなたにも伝わる気がします。
共通していい点は、下半身から動いてテークバックして、常に下半身が先に動いて、それに上半身が連動している点です。
しかも、テークバックでの下半身の使い方としては、右後ろポケット方向へ、右のお尻を押し込むようにしながら、右脚をしっかり伸ばして、下半身の動きを目いっぱい使っている事です。
この動きによって、上半身に無理なストレスがかからないトップができています。
歩ける体でスイングするための要点
今ある体で、彼らの動きに少しでも近づける、そのために、心得ておきたいいくつかのことがあります。
その中でも、すぐにでもやってみるといいことをまとめてみました。
(1) スパイクレスシューズ
(2) 下半身から始動のテークバック
(3) ヒールアップ
スパイクレスシューズ
練習場では、スパイクレスか、特にいいのはバレーボールシューズとかがいいです。
なぜかというと、左足を地面(マットなど)に対して、適度にターンさせやすいからです。
本当は、コースでもお勧めです。
実は、左サイドをしっかい使いたい場合に、一番問題となるのが、左股関節の内旋可動域なのです。
しかし、それは、可動域を改善しなくても、ほとんど問題なくうまくできる方法があるのです。
ちょっとした事だけなのですが、それをやるかやらないかだけで、スイングとしては、まったく別のものになってしまうといっても過言ではありません。
それは、左足の母指球の少し後ろあたりで、地面を踏むことです。
ちょっと話がそれます。
走る時は当然ですが、歩く時も、踵で地面を蹴る人はいません。
必ず、母指球あたりを使って地面を踏みつけて脚を伸ばして地面にパワーを伝えます。
ゴルフでも、脚をしっかり使って地面にパワーを伝えたいので、歩いたり走ったりする時と同じように、母指球のあたりで地面を踏むといいのです。
でも、踵にドスンと乗っかって、ボールヒットを迎える方も多いんですね。
それは、もったいない、それでは、持っている体力を使いきれません。
踵が付いたまま歩いたり走ったりしているようなものです。
試しに踵に乗ったまま歩いてみてください。こんな状態でゴルフをしていたら、体力なんて使い切れませんね。
さて、話を戻します。
母指球近辺で地面を押すと、もう一つの御利益があるのです。
それは、足が地面に対して楽々ターンしてくれる事です。
母指球あたりで地面を踏むと、設置面積は小さくなります。
そうすると、足が地面に対して、抵抗が少なくターンできます。
この足がターンに対して固まらないで、回転するように滑る動きによって、左股関節の内旋可動域が、歩く程度あれば、十分体を使い切ったスイングができるのです。
そこで、この動きが行いやすいために、左足はスパイクレスの方が、わたしはお勧めです。
これには、賛否両論があるとは思います。
確かに、スパイクを履くことで、飛距離は5~10ヤードは伸びるとも言われます。
でも、それは、正しくスイングした場合、理想的に左股関節もしっかり捻転させて地面を踏めた場合です。
しかし、体が硬くなって、左股関節の可動域が足りない場合は、左足を固定するためのスパイクは、逆効果となります。
また、スパイクじゃないと横に滑ってしまうという方。
それは、踏み方が悪いからなのです。
一旦地面をまっすぐに踏んでから操作すれば、横滑りはしにくいのです。
また、傾斜地ではスパイクがあった方が確かに有利です。
斜面がきついほど、下半身をより固定して、飛距離を落とし、上半身だけでスイングするからです。
そして、次に打ちやすいフェアウエイにちょこんと出すなどの選択となります。でも、そんな状況は多くはありません。
下半身から始動のテークバック
テークバック開始を、腕の動きで行うと、どうしても腕が自然な位置で収まったトップとならず、ほぼ確実に右肘が体の正面からはずれる動きが出てしまいます。
右肘が体の正面からはずれる程度が大きいほど、手首のコックの動きが素直に使えず、クラブは上に上がりにくくなります。
それを、カバーするために、腕の力とか、上半身の捻じれを使って、トップまであげなければならなくなってしまいます。
試しに、真っ直ぐに立って、上半身だけトップの形を作ってみます。
その時、右肘を外側にはみ出すようにしてあげてみてください。
体の外に大きく外れるほど、腕が上にあがった割には、クラブ、特にヘッドは上にあがってきてくれません。
右肘が、セットアップの時から右方向である体の外側にずれないで、まっすぐ上にあがってくれれば、手首のコックが有効に使えて、ヘッドが簡単に上にあがってくれます。
このテークバック開始で、腕が余計な動きをしないためにも、テークバックの始動は、下半身です。
特に、右股関節を右後ろポケット方向へ押し込む動きをすることで、十分にクラブは右に振られます。
ヘッドが動き出せたら、後はそのヘッドの重さにつられて、右ひじや手首のコックができてくれば、クラブは良いトップに収まります。
そうすれば、腕でクラブを動かそうとしなくてもいいのです。
ヒールアップ
ヒールアップについては、いままで何回かご説明させていただいていますので、その時の文章を引用させていただきます。
—– 引用 「技・力みにつながる大きな勘違い」 —–
ヒールアップとは、テークバックする時に、左の踵が上に浮いて、トップを迎える形になる事です。
本来のヒールアップは、トップに向かって、腰が右にターンしてきて、それにつられれ、左脚が右方向に引っ張られ、左踵が浮きます。左サイド全体、左肩から左腰、そして、左膝、左踵のラインがテークバックで張りを保ち、そこに緩みが無い様になっていればOKです。
そうすれば、ダウンスイングの時に、左踵を落とす事で、左サイド全体が、左踵に引っ張られるようにして、左足から順番に左に動いて、腰が左にターンします。そして、腰から左肩にかけて引っ張られるようにして、上半身が自然に捻じられる様になります。
—– 引用 ここまで —–
このヒールアップによって、トップが楽になり、大きなトップを、可動域にあまり関係なく作れます。
あまり関係ないと言ったのは、ちょっとは関係するからです。
トップに向かって腰を右にターンさせてゆくと、右股関節が詰まって、滑らかにターンできないと感じられる方もみえます。
この場合は、左サイドの様に、足を滑らせてターンすることはやってはいけません。
右足は固定です。
ただし、右股関節がきついとお感じの方のほとんどは、右後ろポケット方向へ右のお尻をしっかり押し込んでいません。
サム・スニードや、ルイ・ウーストハイゼンの様に、右脚を伸ばしながら、しっかり右後ろポケット方向へ右のお尻を押し込めると、意外と可動域はいらないことがわかります。
それでも、まだ右の股関節が詰まるようでしたら、右足を少し踵寄りに引いた、足元だけクローズ、腰と肩のラインは打ち出し方向という構えにします。
この構えをするだけで、右へのターンは楽になります。
ゴルフで稼動域があるとありがたい部分
一応、ご参考までに、ゴルフスイングの理想を追ったときに、稼動域があるといい部分は次のところです。
(1) 肩甲骨
(2) 左手親指
(3) 股関節伸展(後ろに蹴る方向)
(4) 右股関節内旋
(5) 左股関節内旋
(6) 首の廻旋
肩甲骨は、本来はかなりスライドする構造で、それを取り巻く筋肉群もかなり強力なものが多いので、この肩甲骨の可動域が大きいほど、楽に飛ばせる体となります。
左手親指は深いコックを楽に作れるから有利です。
股関節伸展(後ろに蹴る方向)は大きく蹴ることができるほど、パワーは出しやすくなります。
そのためには、腸腰筋(腿と骨盤や腰の上を結ぶ筋群)をしなやかにします。
特に年齢とともに腸腰筋は硬くなりやすいので、体を後ろに反らせる体操などは、無理の無い範囲でやるといいです。
左右股関節の内旋は、あればあるほど、下半身のターンは滑らかで、理想的な動きとなります。
しかし、今回ご説明させていただいたように、硬い股関節を回避する作戦がありますので、まあまあ大丈夫です。
首は滑らかに回った方が、テークバックでボールを両目でとらえやすいので、有利です。
ボールは凝視するのではなく、ぼんやりと見ていたいのですが、ヒットするまでは、見失いたくはないのです。
ま、アニカ・ソレンスタムのようにルックアップで、ボールヒットの時はすでに打ち出し方向を向いているという打ち方もありますが。
それなりに難しい技術です。
という感じで、筋力はもちろん、柔軟性などもあればあったなりに有利に使う事ができます。
とはいえ、なければないなりになんとかなるのもゴルフの醍醐味かもしれません。
では、また。
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