2015.11.29
From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・上半身はねじり続けてボールヒット」
というお話をさせていただきます。
あなたは、ボールヒットに向かって、
一懸命筋肉をご自分から縮めようとしていませんか。
特に、ダウンスイングで上半身を左にひねるとか、
左肩を左に回すとか、肘から先の前腕を左に振るようにしながら、
前腕を左にねじっているとか。
「ねじり続けてボールヒット、それって、何?」
なんて言っているあなたには必見です。
本来の感覚
ゴルフを始めたばかりの時に、この感覚を知ることで、
無駄な努力を大きく削減することができます。
クラブを持ったその日から、
このねじり続けてボールヒットの体験ができれば、
スイングに関して余計なことで悩むことは激減です。
そして、なんだか伸び悩んでいるあなたにも、
ちょっとした刺激になることまちがいなしです。
スイングの本来の感覚としては、ねじり続けてボールヒットです。
ねじられて強くなった上半身を、下半身でしっかり回転させ、
その先にある腕とクラブをバッチリ振り切ります。
そのためには、濡れた雑巾を絞るように、上半身をねじり続けます。
下半身とクラブの間にある体を、絞った雑巾のようなイメージで、
ねじり続けてボールヒットです。
感覚と実際の体の動きの違い
「ねじり続けたら、クラブは振られないでしょ。」
と思いますよね。
でも、それは違うのです。
感覚としては、ねじり続けてボールヒットです。
でも、外見はねじり続けているようには見えません。
そこに、大きな誤解が発生しています。
両手で輪ゴムの端を持って、伸ばしてきて、片方の手を離すと、
ゴムは勝手に縮んで、それまで手で伸ばすことで
ゴムに溜まったエネルギーを、一気に吐き出すことができます。
また、筋肉は、伸ばすと勝手に縮もうとする性質があります。
ゴムも、筋肉もあなたの意識とは関係なく、勝手に縮もうとします。
ところが、ほとんどの方は、クラブを振るためには、意識して体を捻るなり、
腕を振って、その先のクラブを振らなければと感じています。
実は、この勝手に縮む動きが、すごいエネルギーをやさしく集めて、
それを一気に解放させてくれます。
先ほどの、輪ゴムでも、ゆっくり伸ばして、ぱっと手を離すだけで、
ゴムは反対側の手が痛いぐらい強力に、元の長さに戻ります。
こんなすごい力を、あなたの体で、クラブを持って、感じてみませんか。
いきなりフルショットではわからない
フルショットでは、なかなかわかりません。
それは、フルショットは、多くのノイズに溢れているからです。
フルショットでは、ボールに当てること、
クラブを振ることが、意識の中で爆発しています。
その心のノイズは、神様があなたはもちろん、だれにでも与えてくれた、
体の中で起きている、勝手に縮もうとする、魔法の動きを封じ込んでいます。
フルショットでのノイズとは、振ろうとする気持ちや、
ボールに当てなければという気持ちだけではありません。
例えば、500円玉をそのまま手のひらに乗せたら、
その重さはわかります。
しかし、何か重い物、例えば、ノートパソコンでもしいいですが、
重い物を手のひらに乗せて、その上に500円球を乗せても、
500円球の重さを感じることはできません。
ノートパソコンの重さがノイズとなり、
500円球の重さを感じなくさせています。
フルショットでは、大きな力を、あなたご自身から出して、
クラブを振ろうとしています。
そんな大きな力が最初にあると、
勝手に縮もうとする力が発生しようとしても、感じにくくなります。
勝手に縮もうとする力は、筋肉や腱を伸ばすことではじめて発生します。
ところが、自ら先に筋肉を縮めてしまうと、筋肉はたいして伸ばせず、
勝手に縮もうとする力もほとんど発生しなくなります。
そして、勝手に縮もうとする力が発生できたとしても、
大きな力になっていないので、自ら筋肉を縮めようとする
力のノイズに打ち消されて、感じることができないでいます。
本当は、勝手に縮もうとするエネルギーは、しっかり溜めれば、
あなたご自身が、自ら筋肉を縮めようとするエネルギーよりも、
大きなエネルギーとなれるのに、もったいないことです。
ただし、筋肉を自ら縮めても、筋肉につながった腱が伸ばされれば、
腱をゴムのように使ってエネルギーを溜めて吐き出すことはできます。
しかし、筋肉を自ら縮めようとする力だけで腱を引き伸ばしても、
最高のパフォーマンスは出せません。
本当なら、勝手に縮もうとする力の方が、
自ら縮めようとして出す力よりも大きいのですから。
勝手に縮もうとする力をゴルフスイングで実感
そこで、まずは、勝手に縮もうとする力の存在を、
ゴルフのスイングで実感してみます。
ティーアップしたボールを、サンドウエッジで
15yキャリーさせる動きの中で、実感することができます。
普通にティアップしたボールを、
サンドウエッジを使ってショットして、15y先に落とします。
この時のトップは、シャフトは地面とほぼ水平で、腰の高さぐらいになります。
体力の差とかあったとしても、だいたいこれぐらいのトップの高さで、
下半身をしっかり使って上半身が余計な動きをしなければ、
ロフトが58度前後であるサンドウエッジでショットすると、15yぐらいキャリーします。
スタンス幅は40cm前後が目安です。
このスタンス幅の中で、下半身がしっかり動いて、
上半身が下半身の力を受けて動くだけなら、15yキャリーです。
スタンスが狭いことで、下半身は目一杯がんばって動いても、
出せるパワーは小さくなります。
このスタンス幅でも、上半身で振りに行くと、
シャフトが水平となるトップだとしても、15y以上キャリーしてしまいます。
さてここで、勝手に縮もうとする力を実感できるために一工夫をします。
このSW15yキャリーのトップで、
シャフトをその場にできるだけ長く置いたままにしようとしながら、
下半身をターンさせて、ショットしてみます。
シャフトをその場に保持しようとするコツは、手首と肩をリラックスさせることです。
シャフトが水平になるトップに向かって、手首と肩をリラクスさせ、
ダウンスイングでは、手首と肩をリラックスさせたまま下半身を動かして、
左腰と左肩の間にある筋肉を引き伸ばします。
そして、クラブが完全にトップに収まるちょっと前ぐらいで、
下半身を先行してターンを開始できると、
左腰と左肩の間にある筋肉を引き伸ばされる感じが、さらにわかりやすくなります。
ダウンスイングで、左肩に対して、あなたからは全く力を入れないことを
しっかり意識することがポイントになります。
この、左腰と左肩の間にある筋肉を、下半身の動きで引き伸ばす感じが重要です。
下半身の左ターンで、左腰と左肩の間にある筋肉が引き伸ばされながら、
ボールヒットに向かい、まだ左腰と左肩の間にある筋肉が、
引き伸ばされている感じがあるうちにボールヒットです。
また、トップからクラブに何も力を加えなければクラブは下に落ちてきます。
その下に落ちるクラブの重さで、左腕は下に引っ張られ、
左腰と左肩の間にある筋肉が引き伸ばされることに、重力がプラスされます。
前腕や肩に力が入っていないほど、重く感じ、
クラブが下に落ちる重力を感じやすくなります。
前腕や肩に力を自ら入れていると、クラブが軽く感じられ、
その場にクラブを置いておくことや、クラブが重力で落とされることを感じることはできません。
打とうとしている距離は、15yキャリーですから、
ボールは飛ばそうとする必要はありませんね。
下半身はフィニッシュで腰が打ち出し方向を向いた、フルターンです。
腰はしっかり回転させてしまったほうが、上半身がねじられる、
左腰と左肩の間にある筋肉が引き伸ばされる感じがわかりやすくなります。
クラブには重さがあり、その重さを動かそうとするには力が必要です。
これをクラブの慣性モーメントと言います。
何かを動かすとか、動いている方向を変えるためには、力が必要ですね。
そのクラブの動きの方向を変えることと、下半身の動きによって、
クラブと下半身の間にある上半身が引き伸ばされます。
伸ばされる場所を意識
実は、上半身というように、大雑把に考えるよりも、
どこが引き伸ばされるのかを、もっと具体的にイメージした方がやりやすいです。
上半身の中で、一番引き伸ばされるのは、左肩甲骨の後ろ側の筋肉と腱です。
左肩甲骨の後ろ側の筋肉と腱が引き伸ばされると、
左肩甲骨は体の正面方向へスライドしてきます。
この動きがわかりにくいなら、試しに、次のことをやってみます。
左肩甲骨のスライド体験
椅子に座って、背中を背もたれに付けた状態にします。
そこから、背中を背もたれから離れないようにして、
左腕を体の正面方向へ突き出す動きを行います。
右肩は動いていないのに、左肩が斜め前に動いて、
左腕は突き出すことができます。
これが、左肩甲骨のスライドです。
普段、何気なく肩とか言っていますが、
肩は肩甲骨の上に肩関節が乗るという構造です。
腕を動かすときは、肩甲骨と肩関節の複雑な関係で、
腕がいろいろな方向へ動くことができます。
肩甲骨が動かなくなって、その代償動作を肩関節が行っていると、
肩関節周りの筋肉や腱には、必要以上の負荷がかかり、
疲労が蓄積して、拘縮(筋肉が凝り固まる)したり、ひどい場合は断裂することもあります。
これが、四十肩、五十肩といわれる肩が動かないとか痛くなる主な原因です。
肩甲骨は忘れられがちですが、実は、働き者だったのです。
左肩甲骨のゴルフでの動き
さて、この左肩甲骨の動きを、ゴルフの動きで確認してみます。
真っ直ぐに立って、クラブを持って普通にグリップして、
シャフトが水平になるように体の前で支えてみます。
ヘッドは右にも左にも倒れていないで、
フェースが水平方向を向くようにします。
グリップエンドは左股関節前を向くのが自然です。
両腕に余計な力が入っていなければ、
グリップエンドは左股関節前を向きます。
その状態で、左肩甲骨を体の正面方向へスライドさせると、
右手首を完全にリラックスさせておけば、右手は右手甲側へ折れてきます。
ちなみに、右肘は、右肘の内側が上を向くようにしておくと、
右肘が体の前から外れにくくなり、右肘を支点として、右上腕が回転しながら、
手元が右へ動くので、右手首の動きは、よりはっきりした動きになります。
SWの15yキャリーでなんとなくわかったら
SW15yキャリーでなんとなく、引き伸ばされた体が勝手に戻ってくることがわかったら、
振り幅とかスタンスを広げ、下半身は目一杯使い、飛ばす距離をだんだん遠くしてみます。
何ヤード先までねじり続けてボールヒットができますか。
サンドウエッジのフルショットでの80yとかぐらいまで、できたでしょうか。
さらには、他のクラブ、当然ドライバーショットでも試してみたくなりますね。
できそうな気がしたら、ドライバーのフルショットでもやってみましょう。
今までねじり続けてボールヒットできていなかったなら、
それまで味わったことのない、体で打っている感じとか、
体のパワーがボールへがっちり伝わる感じが、あなたにもやってきます。
SWの15yキャリーでもわかりにくいなら
15yキャリーでもわかりにくいようでしたら、
もっと短い距離でやってみてもいいです。
要するに、さらにノイズを減らした状況を作って、
その静かな状況の中で、左腰と左肩の間が引き伸ばされることを感じます。
例えば、ティアップして5yキャリー。
バックスイングの高さは腰より下になります。
リズムも15yキャリーよりゆったりになります。
しかし、バックスイングして、トップは低いとしても、
そのトップの高さで、できるだけヘッドをその場に置いておくようにして、
下半身をフルターンさせます。
下半身はまあまあゆっくり動いてもいいですが、
フルターンさせるようにしっかり動くほど、下半身とヘッドの引っ張り合いは感じやすくなります。
腰をフルターンさせようとすれば、ゆったり動いたとしても、
まあまあ下半身はしっかり動いてくれます。
下半身が動いて、左肩と手首をリラックスさせておけば、
左肩甲骨はスライドしてきます。
この左肩甲骨がスライドさせられる、ほんのわずかなスライド量であっても、
スライドさせられることを感じることができたら最高です。
また、ヘッドをその場に置いておくとか、シャフトとヘッドをできるだけ
あなたご自身からは動かそうとしないという動作をやってみるには、
SWはヘッドが重いので、わかりやすいクラブです。
心と体のノイズを減らし、本来の動きを感じやすくして、
ねじり続けてボールヒットする感じ、是非、体験してみましょう。
では、また。
追伸
先週はパター上達練習器具でしたが、今週は私の教材
「あなたの年齢をむしろチャンスに変えてしまう方法」
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・年齢を重ねたら絶対にやったほうがいいこと
・年齢を重ねたらやっても問題ないこと
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明日(11/30)までなので、お早めにどうぞ