『リセプター』って聞いたことあります?

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2014.11.10
koga

From:古賀公治
尼崎テクノランドより、、、

こんにちは、ティーチングプロの古賀公治です。

さて今日のテーマは、

 「上達のカギは『リセプター』」

ということで、お話ししたいと思います。

今回は以前読みました書籍「正しいゴルフの習い方」から、
「リセプター」についてご紹介したいと思います。

私たちの脳が見るものを見る前に決めている

先週のこのメールでは、分解写真のような形で
プリショット・ルーティーンについてレッスンをしました。

(参考)
「プリショット・ルーティーンを一定にする」

http://g-live.info/click/141103_nikkan/

こうした分解写真、あるいはプログラム教材となっているDVDは
決して少ない情報量ではありません。

そして実は私たち人間は、全部見ているようでいて
限られた情報にしかアクセスできていないものです。

あなたもご存知のように、人間の視覚や聴覚は、
自分に向けられた情報に反応しているのではなく、
事前に、脳が見るもの聞くものを選択しているのです。

つまり私たちは、見たいものを見たいように、
聞きたいことを聞きたいように聞いているのです。

だから、たとえ目の前にあっても、見えないものは見えない。

分解写真もDVDも目の前のプロのスイングも、
見えているけど見ていない。

言わば「オープンシークレット」。
開かれた秘密のようなものなんですね。

言葉に対する解釈が違えば…

同じことが、インストラクターの使う言葉に対しても言えます。

インストラクターは簡単に、

 「体重を移動して」

 「ボディーターンだよ」

 「前傾を保って」

 「手を返して、でも返しすぎないで、自然に返るのに任せて」

などと言います。

ですがインストラクターの使う言葉の意味、解釈、体験と、
習う側のそれとの間には明らかに隔たりがあります。

相手の言葉を、相手が意図したとおりに受け取るには、
その言葉に対して相手と同じイメージを持っている、
すなわち、同じ「解釈」をしている必要があるのです。

この状態を「リセプター」がある、と言います。

「リセプター(受容体)」というのは、もともとは生物学の用語で、
生物が外界や体内から何らかの刺激を受け取り、
情報として利用できるように変換する仕組みを言います。

ですがここでは、インストラクターの言葉を受け取るうえでの
前提となる知識や体験のたとえ(比喩)として使っています。

 「体重をもっと移動して」

 「グリップはゆるめに」

 「土台をしっかり」

 「振り抜いて」

ゴルフでもテニスでも、最初、誰かに教えてもらうと、
たいていこのようなことを言われます。

あるいは逆に、あなたが初心者の方に教えてあげる場合も同様でしょう。

けれども「リンゴ」と言われて、自分は赤いリンゴをイメージしたとしても、
相手は食べかけの黄色いリンゴをイメージしているのかもしれません。

人それぞれ、いろいろなリンゴをイメージするわけです。

人は言葉そのものに反応しているのではなく、
言葉に対する自分なりの「意味」や「解釈」に反応するのです。

「いくら言われてもわからない」のカラクリ

ですから、

 「体重をもっと移動して」

 「グリップはゆるめに」

 「土台はしっかり」

 「振り抜いて」

という言葉に対するインストラクターの意味、解釈、体験と、
習う側の、体重移動、グリップに対する、意味、解釈との問には
文字通り深い溝かあるのです。

だから、それを伝える側は、習う側にそれらの言葉に対して
自分と同じ「リセプター」があるかどうかを確認する必要があります。

「リセプター」がなければ、
どんなに簡単な情報でも受け取ることはできません。
アンテナのついていないテレビになってしまいます。

情報を受け取るためには、「リセプター」のあることが条件なのです。

ほかのスポーツをやっていた人には、
ゴルフスイングのメカニズムが理解しやすいものです。

それは全くスポーツをやったことのない人よりも、
そこで用いられる言葉に対する「リセプター」があるからです。

多くの方が、中々上達しないのはここに問題があります。

週刊誌や一般のレッスンDVDでは一部的な事柄が述べられていて、
スイング全体の一連の動きが中々伝わらないからです。

また、ご自身が問題と思っていることより、
重要な事柄があるのにそこを意識できずに練習するので、
いつまでたっても問題が解決しないのです。

私のDVDプログラムでは、同じ事柄を何度も、
表現方法を変え説明しているのはその為です。

古賀が何度も同じことを言っていることは、
ご自身ができていない点であると、
まずは問題意識を持って頂くことが非常に大切なのです。

今日はこんなところにしておきます。

もし疑問については、コメントいただだいたものから
お答えできる範囲で順次お返事を書いています。

画像付きでないと説明が難しいものについては
お答えできないことがあることをご承知ください。

なお、お読みになった方は、そちらについても再度コメントをいただけると
「既読」かどうかが私から見てもわかるのでありがたいです。

それでは、今日はこのへんで。

<本日のオススメ>
日本でも1、2を争う飛ばしのプロを教えるETGAツアーコーチが公開する
「飛びをスコアにつなげる極意」とは?

http://g-live.info/click/lala1411/

*本邦初公開!

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古賀公治
レッスンプロとして26年間に指導した生徒は延べ15万人、指導時間38,000時間以上。多くのクラブチャンピオンを輩出するなど、アマチュアゴルファーの名指南役として活躍。父は元関西プロゴルフ協会会長として、JGTO初代代表の島田幸作氏や賞金女王3回の大迫たつ子氏を指導した古賀春之輔。主に関西を拠点にレッスン活動を行なう。やり方を一方的に押し付ける指導ではなく、アマチュアの立場に立った理路整然かつ懇切丁寧な指導は、レッスンを受けるアマチュアゴルファーからは絶大な信頼と支持を得ており「カリスマインストラクターの通訳役」とも呼ばれる。2014年6月よりゴルフライブの講師としての活動を開始。
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カテゴリー: メルマガ | 投稿日: | 投稿者:
古賀公治

古賀公治 について

レッスンプロとして26年間に指導した生徒は延べ15万人、指導時間38,000時間以上。多くのクラブチャンピオンを輩出するなど、アマチュアゴルファーの名指南役として活躍。父は元関西プロゴルフ協会会長として、JGTO初代代表の島田幸作氏や賞金女王3回の大迫たつ子氏を指導した古賀春之輔。主に関西を拠点にレッスン活動を行なう。やり方を一方的に押し付ける指導ではなく、アマチュアの立場に立った理路整然かつ懇切丁寧な指導は、レッスンを受けるアマチュアゴルファーからは絶大な信頼と支持を得ており「カリスマインストラクターの通訳役」とも呼ばれる。2014年6月よりゴルフライブの講師としての活動を開始。

 

『リセプター』って聞いたことあります?」への13件のフィードバック

  1. 田中 弘泉

    私も常々そう言うことを感じていました。

    ゴルフの動きが初めてな人間に対して、教える側の表現の乏しさ・・・・。
    言われていることが理解できなくて当然だと思います。

    対機説法でお願いしたいものです。

    返信
  2. 古賀公治古賀公治 投稿作成者

    >市坪さん

    何よりのお言葉ありがとうございます。
    DVDでは対面で確認できないので、色々な表現で説明する必要があると思っています。
    何度も繰り返しご覧いただくと、新たな発見がきっとあるはずです。頑張ってください。

    >千葉さん

    教える側はきちんと伝わっているか確認する責任がありますね!

    >坪井さん

    ありがとうございます。坪井さんがおっしゃるのは、教わる側としてですかね???

    返信
  3. 花山初男

    人にものを伝えるって、本当に大変な事だと思います。

    返信
    1. 古賀公治古賀公治 投稿作成者

      花山さん

      大変ですが、それが出来たときの達成感は格別です。
      やりがいを感じる瞬間です。

      返信
  4. 芝刈り名人

    古賀プロへ

    受容体=受容することが出来る仕組み・・・懐かしい言葉を聞くことが出来ました。
    仕事をしていた時に、チームのメンバーの意見や考え方が自分のそれと必ずしも一致
    しなくても、聞く価値があると感じたり一理あるな~と思ったときに心の扉を開いて
    相手の言わんとすることを理解しようとメンバーに奨めていましたが、いま逆の立場
    で古賀プロの教えやドリルを受容させて貰っています。
    古賀プロの素晴らしい所は、ご自分の体験に基づきアマチュアのスイングを治す事は
    難しく労力のいるものだということを痛感され、それをレッスンに活かしている点です。
    そのうえで、様々な角度から正しいインパクトをするためにアドバイスを下さったり
    各種ドリルを関連する形で教えておられるのは素晴らしいことだと思います。

    正直に申し上げて、そんなプロのDVDを見てもすごく大切なパートを聞き飛ばして
    しまい何回か見た後に『アッ,そうだったのか』と気付かされるところが数多くあり
    再度ゴルフの難しさを痛感しているところです。
    今日も練習場で気付いた事がありました。
    自分では出来ているつもりだったのですが、右手のグリップの左手の親指を包み込む
    位置が生命線から1センチほど離れた処で握っていた為右手が効きすぎるグリップに
    なっていました(左への引っ掛けボールの一因?)。
    生命線に沿ってグリップし打球したところ致命傷になる左への引っ掛けボールは相当
    改善することが出来ました。
    夕食後5つの直線のDVDを見ましたが、やはり見ているようで見逃している場面が
    数多くありました・・・漠然とではなく絞り込んでDVDを見直します。

    返信
    1. 古賀公治古賀公治 投稿作成者

      芝刈り名人さん

      いつもご投稿ありがとうございます。
      ゴルフは同じ事を聞いても、その時のレベルや、自分がテーマにしているか否か
      で全く聞こえ方が違ってきます。レッスンしている私も同様で、自分のDVDを見て気付くことも多々あります。

      ノーベル賞を取られた先生がおっしゃっていましたが

      「どんなことでも、興味を持ったことは少し頭を突っ込んでおく」

      そうすることで、その情報に近いことが目の前を通った時
      「このことは、あのことと関連するのでは?」
      と気づきが得られるが、もし頭を突っ込んでいなければ、大切な情報が目の前に起こっても、何も気付かす通過してしまうと。

      是非何度もご覧いただき、まずはご自身の引き出しを多くしてください。

      返信
      1. 芝刈り名人

        古賀プロへ

        古賀プロの励ましの一言で勇気をもらい、目標達成に向けて
        実のある練習に打ち込むことが出来ます。

        本当に感謝、素晴らしい先生に出会えて幸せです。

        返信
  5. 片岡慶子

    相手が同じリセプターで理解出来たかどうかは、どこで判断するのですか?ゴルフは何度もクラブをふってもまったく同じスイングは再現不可能なのでは?

    返信
    1. 古賀公治古賀公治 投稿作成者

      片岡さん

      大人になってゴルフを始めた方を指導するには、まず理屈を知っていただくこと、つまり左脳の分野になりますが、これが今回述べました同じリセプターを持っているかどうかがポイントとなります。

      そのために、我々コーチに必要なことは、たくさんの引き出しを持って生徒さんに気づいてもらえる様、声かけすることにつきます。どの表現をした時に生徒さんの理解力が上がったかを確認するのです。

      そして左脳の知識を実際に動きとして出来るようにするためには、生徒さんなりのイメージを構築できるように指導しなければなりません。つまり右脳の分野です。

      そのためにドリルを使います。

      おっしゃる様に毎回同じスイングをすることは不可能です。トッププロといえども1ラウンドで納得できるショットは2回くらいですし、ゴルフというのはミスを最小限に抑えるというゲームですから。

      返信
  6. 板橋信夫

    67歳の男性です。今年の9月以降に84,89,88,99,86、89.107、99とベストスコアが出たかと思うとワーストも出ました。パソコンでのレッスンをしていて多少成果が出てきたのかなと思っていた矢先にまた元に戻ったような感じになり、悩んでおります。           11月初めまで25回ラウンドしています。(過去、年間30回、平均アベは97ぐらいでした。)

    返信
    1. 古賀公治古賀公治 投稿作成者

      板橋さん

      ゴルフは、練習時間とレベルアップが下の様に比例するのではなく、気付きがあった時に、レベルアップします。

      つまり、練習において、大切なのは、何でも鵜呑みに練習するのではなく、自分なりに気付きが生まれる様に練習することが大切になります。

      頑張ってください!

      返信
  7. 金谷泰三郎

    古賀先生へ
    リセプターの件よく理解できます。最近理解できつつあるのが体重を両母子球に乗せるということです。セットアップ時股関節から前傾姿勢を取ることはできるようになってきたのですが、母子球に体重を乗せることはDVDより理解できても、ラウンド中、練習ではしていないことがおきます。ボールと体の距離が母子球に乗せた時と乗せないときでは微妙に変化が置き、ショットが不安定性になります。グリップ、股関節からの前傾姿勢、体重の置き場所などDVDで何度も確認していながらできません。いつでもできるように練習中です。それと一つ質問があります。レザー光線の件ですが、レーザー光線を意識すると縦振りのイメージが起きてきます。しかし、腕に力を入れず胸とクラブを同調させようとすると円運動になってしまうと思うのですが、どこが理解不足なでしょうか。

    返信
    1. 古賀公治古賀公治 投稿作成者

      金谷さん

      アドレスで止まらず、軽く足踏みをすることで毎回正しい位置に重心を置くことができるようになります。つまり前回お話ししましたプリショットルーチンの練習が必要です。

      スイングを理解する上で一番大切なのがクラブの動きです。DVDでは色々なポジションでの手のヘッドの位置や向きを確認できるドリルをご紹介していますね。

      そしてそのクラブの動きを得るための肘の動きもご紹介しています。

      その肘の動きを得るために肩をどのように回転させればいいか、その肩の回転を得るためには股関節をどの方向に引けばいいかを知るためのドリルがレーザー光線ドリルであるわけです。

      まずはヘッドの動きを考え実践してください。いきなり大きくすると難しいので、まずは最小形とハーフスイングの繋がりを考えて練習することがポイントです。

      返信

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