From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・力みにつながる大きな勘違い~トップでの捻転差」
についてお話してみたいと思います。
飛ばすためには、下半身と上半身の捻転差
を大きく作れるほどいいと言われています。
それは確かに正解です。
ところが、その捻転差の作り方に、大きな勘違いが
歴史的に続いていて、それが「力み」につながっているのです。
それは「トップで大きな捻転差を作らなければならない」という考え方です。
実は、テークバック開始からボールヒット直前までの、
どこかで捻転差が最大になっていればいいのです。
では、どこで作るのがいいのかというと。。。?
捻転差をつくるタイミング
トップからダウンスイングの途中で、
上半身と下半身の捻転差が最大になる様にすればいいのです。
トップまでは超リラックス。
そして、気持ちよく、大きくゆったりしたトップを作ります。
トップに向かって、腰を固定しないで、
しっかり右にターンさせて行っていいのです。
スーっとテークバックして行って、ギューとダウンしてきて、
ズバ~ンとボールヒットという感じです。
ギューっと上げて、よいしょと振るのではないのです。
スー、ギュー、ズバ~ンです。
チャー、シュー、メンというのもありでしたね。
おそらくチャーで力む方はゼロだと思います。
スイング中、苦しくなるところというのは、ダウン開始して、
グリップが胸の高さぐらいになった所から腰の高さまで降りてくるあたりです。
ここで、上半身が最高に捻られ、
ものすごくたくさんのエネルギーが溜められるのです。
できればやりたい事
究極的には、トップに向かって、まだクラブヘッドが動いている間に、
下半身でダウンスイングの動きを先行させます。
そうすると、自分から上半身が力んで捻転差を作らなくても、クラブの慣性モーメント
(動く物を止めようとすると、動いている方向と反対の方向に力がかかる)
と下半身の先行動作で、楽々捻転差ができてしまいます。
上半身でねじりあげるような動きは必要ないのです。
トップは楽々、その後ギューンでズバ~ンです。
トップに向かって、クラブヘッドが動いているうちに
下半身を先行動作させるというのが難しいとお感じなら、
トップで止まってからでもいいです。
上半身からではなく、下半身から動き始めれば、いいのです。
とはいえ「そんな、簡単に言わないで」と
おっしゃっている声が聞こえてきそうです。
下半身先行のための技
下半身先行と上半身をリラックスできて、
年齢とか体の硬さに関係なく、楽々トップを作れて、
ダウンスイングで大きな捻転差も作れる最高のテクニック。。。
それは、ヒールアップです。
ヒールアップって、あなたは高齢者になって、
体が硬くてしょうがなく、テークバックで左踵が浮いてしまうという、
ある意味、できばやらない方がいいと思ってみえませんか。
そんな事はないのです。
ヒールアップ、この言葉はご存じの事と思いますが、
一応、簡単に説明させていただきます。
ヒールアップとは、テークバックする時に、
左の踵が上に浮いて、トップを迎える形になる事です。
本来のヒールアップは、トップに向かって腰が右にターンしてきて、
それにつられれ、左脚が右方向に引っ張られ、左踵が浮きます。
左サイド全体、左肩から左腰、
そして、左膝、左踵のラインがテークバックで張りを保ち、
そこに緩みが無い様になっていればOKです。
そうすれば、ダウンスイングの時に左踵を落とす事で、
左サイド全体が、左踵に引っ張られるようにして、
左足から順番に左に動いて、腰が左にターンします。
そして、腰から左肩にかけて引っ張られるようにして、
上半身が自然に捻じられる様になります。
このように、正しくヒールダウンすれば、
下半身の先行動作として、非常に有効に使えるのです。
さらにいい事に、ヒールダウンで、
左膝はセットアップの所に自動的に戻ってくれます。
そうすると、両膝の間が広がって、しっかり両脚で地面をつかんだ形になります。
その形ができれば、両脚で地面を踏みしめて、
下半身でパワーを出して、それを上半身に伝えて、
腕を振り、クラブを動かす事ができます。
それによって、ダウンスイング開始で上半身は簡単に捻じられてくれます。
ところが、ヒールアップが単に左踵をトップに向かって、
ヒョイとあげればいいと勘違いをされている場合が非常に多いのです。
ヒョイあげヒールアップでは、左サイドに張りがないまま、
左踵を上にあげてしまう方が多く、
ヒールアップの恩恵を受けにくくなってしまいます。
ヒールアップがなんだかうまくできないという方は、
トップから左膝をセットアップの所に戻そうとする事だけでもいいです。
トップからは、下半身のちょっとした先行動作があれば、
スイングは劇的に良くなるものです。
トップは超リラックス
トップまでは、腰から上に関しては、セットアップでの形から
右肘の曲げと、手首のコックを入れる事で、
クラブが上がるだけで、ほとんどセットアップのままの感じでトップまで迎えます。
また、トップに向かって力みがないほど、ゆったりした大きなトップが作れます。
そのゆったり大きくという事が重要で、その後に、しっかり上半身を捻転させて、
パワーを目一杯上半身に詰め込むための準備となるのです。
そしてダウンスイングでの下半身と上半身の真逆方向の動きにより、
トップからダウンスイングを行う途中で、上半身は目一杯捻られます。
テークバックで腰を右にしっかりターンさせる事で、
トップでは、上半身はリラックスした状態のままです。
ヒールアップしないとしても、テークバックで左膝を固定するのではなく、
腰が右にターンするにつれて、
左膝も右方向へ腰のターンした分だけシフトしてくれていいのです。
左膝をがんばって、固定させたテークバックは必要ありません。
反対素振りの勧め
実は、フォロースルーの形が左打ちのトップと同じなのです。
「え?それって、何?」と思われるかもしれませんね。
逆に言うと、左素振りをやったときのフォローの感じが、
右打ちでのトップに向かう感じなのです。
但し、正しい体の使い方でスイングした場合、
という但し書きが付いてしまいますが。
ポイントは、通常の右打ちスイングで、
ボールヒットに向かって左脚をしっかり伸ばしながら、
左お尻を左後ろポケット方向へ押し込むように左脚が動いている事です。
左後ろポケット、わかりますね。
その他の事は考えなくても、左後ろポケットを強く意識して、
その方向へお尻を押し込むように、
ひたすらその事を意識してボールヒットさせてください。
形とか考えなくてもいいです。
とにかく、ひたすら左後ろポケットです。
そうすると、腰は、地面に対して斜め回転して、
背骨の軸を中心に、クルンとターンしやすくなります。
そして、ボールヒット前後での上半身の前傾角を維持しやすく、
結果として、フォローが素直になります。
それによって、自然なフォローとなり、
変な力みがはいらないフォローの終盤を迎えます。
トップへ向かう感じが、このフォローの感じと、
同じ様にできればいいのです。
そこで左素振りを、右後ろポケット方向へ
お尻をしっかり押し込むようにしてやってみてください。
その時のフォローの感じが、右打ちでのトップの感じなのです。
フォローでだんだん力む方はいませんね。
だんだんリラックスしてフィニッシュです。
それと同じように、力む事なくトップを迎え、
そこから、または、その直前からのダウンスイング開始動作によって、
上半身をしっかり捻転させて、エネルギーを目一杯溜めるのです。
チーピンが出たら左素振り
チーピン、左に出てさらに左に曲がるボールです。
朝一のティーショットなどで出やすく、ある意味、一番打ちたくないボールです。
これは、トップから上半身が突っ込み、
さらに、腕を返してヘッドがターンしすぎて、
アウトサイド・イン軌道で、かつ、フェース閉じ過ぎという状態です。
こんなボールを打ってしまった後は、しょげている場合ではありません。
すかさず、左素振りを徹底的にやります。最低でも10回は振ってください。
さらにお勧めは、朝一のティーショットの前には、
左素振りをしっかりやっておく事です。
そうすれば、チーピンで悲しくなる事もだんぜん少なくなります。
なんせ、チーピンは浅くて早いトップが原因ですから。
左素振りで、大きくゆったりフォローをとる様に、
下半身をしっかり動かし、それに上半身がついて来る感じで、
リラックスして振りましょう。
絶対、いい一日が始まります。
では、また。
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大森コーチへ
『スーッととテークバックしてぎゅーとダウンしてきてズバーンとボールヒットする』
フルスイングでトライしてみましたがなかなか上手くいきません。
この感覚をつかむにはアプローチショットから初めて少しずつ大きなスイングに結びつけて
いけば良いのでしょうか?
今回のトップのリラックス感のためには、トップは大きくして練習したいので、力感を8割とか、5割ぐらいに落として、ショットしてみてくださ。ただし、下半身はしっかり動かし、フィニッシュではフルターン(腰が打ち出し方向を向いている)です。ふり幅は同じで、力感だけ落とすという感じです。
大森コーチへ
ありがとうございました、
早速練習場でトライしてみます。
力みからどのように脱却できるか、とっても楽しみにしています。
大森様
いつも興味深く読ませていただいております。
ゴルフスイングについて様々なWEBサイトがありますが、その多くは、感覚的な説明とパーツパーツの細かい話が中心なので、全体の流れや、なぜそのような動作が必要なのかが理解できません。
大森様の説明は、極めて明快な理論が基本になっているので、私には非常に分かりやすく、自分の練習でも注意すべきポイントが分かり非常に役に立っています。
今日の「トップでの捻転差」での説明は、私のこれまでの誤解をまさに解いてくれました。早速練習場で試してみましたが、うまくいきそうな感じです。これからも宜しくお願い致します。
バックスイング
以前より気楽にバックスイングからトップ
ジュニアなどを見ていると、何も言わないで、ドリルだけ指示した方がいいかもと思う事が多いのです。というのは、彼ら彼女たちは、まだ野生の本能を残しているからなのです。目的がはっきりしていれば、できてしまうのです。
ところが、大人になってくると、どうやってやっていたのかがわかからなくなって、突然、調子を落とす場合も多いのです。特に、ショートゲームですね。
そんなジュニアから、大人に成長しようとしている時に、彼ら彼女たちが、それまで自然に出来てしまったいた事を、理論的背景として説明してあげることで、ある程度は元に戻せます。
プロ選手も、素質と慣性でプロにはなったけれど、それからがなかなか伸び悩むという事も多いんですね。なんせ、だいたいは成人前にプロになるので。プロは、ものすごい難関を通過しいるにも関わらずなのです。
本能で出来てしまうという事がなかなかできない、大人になってからゴルフを始めた方はどうか。やはり、理論的に明確になっている事で、今やっていることが何のためなのかなど、頭で理解できることで、練習のモチベーションなどもアップでき、良い結果が出ると実感しています。
まずは、頭で理解、そして、簡単な練習で体でも覚えるという感じでしょうか。その方が、大人には向いている様です。
慣性モーメントで捻転差をつくれるように練習しておりますが、タイミングの取り方が難しいですね。本日のブログも参考にさせて頂き頑張りたいと思います。
自分では、上半身に力みがないように意識しているつもりなのですが、トップのちょっと前に、左肩甲骨と右肘でクラブを上に押し上げてしまう癖があり、オーバースイングで、シャフトクロスとなり、悩んでおりましす。
意識すべきポイントや改善するためのドリル等教えて頂けるとありがたいです。
早くなおしてより、少しでも良いスイングを身に付けたいです。よろしくお願い致します。
「左肩甲骨と右肘でクラブを上に押し上げてしまう癖があり、オーバースイングで、シャフトクロス」に関して、どうしても手で振ろうという気持ちがあると、その準備動作として、バックスイングでも手でクラブを振りあげようとしてしまうものなのです。特に、右肘が動き過ぎて、シャフトクロスです。
修正のためのドリルですね。
アカデミーでは、300種類ぐらいのドリルを作って、それぞれの動画を撮影し、説明を付け足し、多くのレッスンで使われてきました。
しかし、わたしが実感している、これ以上のドリルはない、すべての事が集約されていて、特別な道具もいらない、いろいろな問題に最高の効果があるドリルは、2つ。それは、ゆっくりシャドースイング&15ヤードキャリーショットです。
今回のトップに向かって、クラブを押し上げてしまう問題も、ボールを打とうとしていては、なかなか修正できるものではありません。
この問題の修正のためにも、ゆっくり時間をかけて、シャドースイングをする中で、今回のコラムの中で説明させていただいた動きを、行おうとしてみてください。「トップは超リラックス」「ヒールアップ」などの内容を、あなたなりに理解しながら、ゆっくりシャドーを、まずはやってみる事です。
そうすれば、ここはこうした方がいいかもしれない、など、いろいろ疑問も湧いて来て、いろいろ考えながらやってみるという、好循環が始まります。
そして、ヒントとして、トップで、上半身にできるだけ無駄な力が入っていないようにするには、どうしたらいいのか。下半身をしっかり右ターンさせて、上半身はその骨盤の上にちょこんと乗っかっていればいい。そんな感じをつかめたらいいですね。始動は下半身から動いて、それに上半身が付いてくる感じをつかめたら、一歩前進です。
そして、それができれば、悪い方向には転がりにくく、考えれば考えるほど、前に進める様な新たな発見ができます。
シャドーは難しい、なぜなら、普段どうやってスイングしているかわからないから。という方も、実は多いのですが、まずは、やってみて、悩んで、そして、こうかな、ああかなというように、あなたご自身で考えをめぐらす時間を少しでも多くできれば、それでいいのです。
そして、こうかもしれないと、半確信に迫ったところで、コーチに、これでいいでしょうか。と尋ねてみる。というパターンが最良なのです。
シャドーがどうしても、わからないという場合、本気でボールを打つつもりでテークバックし、トップで一旦止めます。そして、もし、理想とかけ離れていたら、理想とお考えのトップの形を作って、そこから振るという事でも、まあ、悪くはないですね。例えば、シャフトクロスをターゲットに真っ直ぐにとりあえず直してみるとかですね。
大森先生
解り易く、親身なご回答ありがとうございました。
自分では意識していないつもりでも、まだ、手で振ろうという気持ちがあるのですね。
まず、手で振ろうとする気持ちを無くすことから始めます。
『下半身をしっかり右ターンさせて、上半身はその骨盤の上にちょこんと乗っかっていればいい』という感じがつかめるように『ゆっくりシャドースイング』&『15ヤードキャリーショット』で、あせらず、時間をかけて修正していきたいと思います。
仰る通り、自分なりに理解しながらやり始めると、いろいろ疑問も湧き、更にいろいろ考えなが練習するという(好?)循環となり、新たな発見もあり楽しく練習できますね。
『ショット基礎アプローチ』で、25~30ヤードのキャリーはある程度打てるようになってきたと思うのですが、『15ヤードキャリーショット』で、ゆったり下半身をつかい、全体のリズムを遅くするように意識して練習しておりますが、ダフリやトップのミスが多く出て、上手く打てません。
『15ヤードキャリーショット』が効果的なドリルとなるようにヒント等を教えて頂けると助かります。
お忙しい中、何度も申し訳ございません。
よろしくお願い致します。
15ヤードキャリーでのクリーンヒットのコツは、腰をフルターンさせる事です。そうすれば、手は動かせないというか、手で振ろうとしたら飛びすぎてしまいます。特に、ヒンジ(右手甲側に折れる事)ホールドです。
腰がフルターンすれば、背骨の前側にある重い内臓が、左に向いて、体重は自然に左である、ボールの先(ボール位置によりますが)に移動してくれます。そうすれば、クリーンヒットの確率は確実にアップします。
リズムはゆったり、下半身はしっかりです。
やはり、手で振ろうとしていることが原因なのですね。
腰をフルターンさせる事、ヒンジホールド、リズムゆったりを意識して練習に励みます。
ありがとうございました。
そういえば、特に、トップに向かって、手でクラブを上に押し上げようとしている方へ。
ゆっくりシャドースイングする時、通常のクラブとは違うものを使うと面白いのです。重い物、例えばバットとか。長い物、例えば150cmぐらいの長さとか。逆に、物凄く軽い物、30cmの物差し、90cmの細目の板など。
手でテークバックして、手であげていると、これらの重さや長さの違いでテークバックがバラバラになってしまうのです。
ところが、下半身を使って、下半身から先に動き始めてテークバックできたら、どれを使おうとも、正しいトップが作れます。
ですから、いろいろなものを使って、ゆっくりシャドーやてみましょう。問題点を増幅してくれますので、直しやすくなります。
特に、逆素振りでは、重い物か長い物を使った方が、今回のトップでリラックスの感じはわかりやすいですね。