From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・場所記憶を逆手にとって練習」
というお話をさせていただきます。
脳の面白い仕組みを活用して、日頃の練習を
より効果的なものにすることについてお伝えします。
さて、よく練習場に行かれる方は、
ほぼいつも同じ打席で打つことが多いですね。
そして、いつもと同じクラブからショットを始めて
同じ順番でクラブを変えてショット練習します。
もしかして、そんなあなたは
スコアの壁にぶつかっていませんか?
練習場の打席をなどを時々変える
実は、練習場の打席をいつも決まったところにしていると、
あなたが知らないうちに脳は新しいことに挑戦しようと
しにくくなってしまいます。
また、コースのメンバーになっていて、
いつも同じコースだけでラウンドしていませんか。
それもスコアの壁にぶつかる要因の一つとなります。
実際、ゴルフは一期一会ですので、今打った状況と
全く同じ状況にはもう一生出会うこともないなどと言われます。
一番ティーのドライバーショットが前回まわったときと
同じところに行ったとしても、前回とはすでに芝の状況も変化して、
同じセカンドショットにはなりません。
しかし、同じ場所に居るということが、脳を飽きさせてしまいます。
そのため、ラウンドを重ねても
いっこうにスコアが改善されない日々がやってくるのです。
場所細胞
脳の中には場所に関連させて脳の活動を関連付ける仕組みがあります。
場所細胞という部分が場所に関連させる役割を担っています。
場所細胞は短期記憶や記憶するべきことかどうかの判断を行う
海馬という部分にある脳神経細胞です。
海馬は親指ほどの大きさの組織ですが、
結構重要なことを一手に引き受けています。
具体的には、今いる場所によって、
場所細胞のその場所に対応する部分が活動を活発にします。
そして、場所細胞は一旦特定の場所に関連付けられると、
その関係は変わることがありません。
また、ラットを使った実験で場所細胞が場所ということに関して
他の記憶などと関連づけていることが分かっています。
特定の場所をラットが通過すると音を出す仕組みを作っておいて、
その経路をラットに通過させて音を聴かせるようにしておきます。
そうすると、その同じ音を聞かせただけで、
ラットのその音を聞いた場所に対応する場所細胞が活動するのです。
このように場所細胞により、その特定の場所での脳の活動が
固定されるというと言い過ぎですが、かなり変化を望まない状況になります。
動物にとっては、この場所にきたら餌があるとか、
生きていくための都合の良い仕組みとして場所細胞が
存在するようになったとも言えます。
しかし、あまりにも場所細胞におんぶに抱っこでは、脳を甘えさせるというか、
楽をさせることになり、脳は進化を妨げる要因になってしまいます。
脳が喜ぶとき
脳が喜ぶときというのは、何かわくわくした気持ちが湧きてきたときです。
いつもとは違う何かに出くわしたときも脳は喜びます。
例えば、毎日散歩しているとします。
そこで毎日同じ道を歩いていては脳は喜びを感じません。
そこで、歩く経路を変えてみます。
たったそれだけで、脳は何か新しいことに対応しようとして活発に動き始めます。
そして、脳は変化しようとします。
それは、あなたが新しいことに挑戦しようとしたことに対して、
脳があなたをフルサポートしようとしていることの現れでもあります。
心はどこにある
ところで、心はどこにあるのでしょうか。
脳でしょうか、いや、心臓でしょうか。
そういえば、心臓移植すると、心臓を提供された人が、
心臓を提供してくれた人の記憶を再生することがあると聞いたことがあります。
この信憑性はなんとも言えないのですが、そんなこともあるのかもしれません。
記憶と心は別物とはいえ、関連がないはずはありません。
とはいえ、最新の脳科学をもってしても、
記憶とは脳をどのように変化させているのかはまだ分かっていません。
脳神経細胞同士のつながりの変化が記憶だと思ったりしますが、
それだけでは説明できないようです。
また、脳を入れ替えたら心も入れ替わるのでしょうか。
なんだか怪しいお話になってきましたので、ここでちょっと軌道修正して、
心はどこにあるのかをもう少しだけ考えてみます。
脳科学的には、脳はあなたの心を忠実にサポートしてくれるものであって、
心ではないと言えます。
心が望む方向に脳は変化しようとします。
そして、脳はヒトが亡くなるまで変化を続けることができます。
心がわくわくすることに一生懸命になっているなら、
脳はいくらでもいつまでも変化できます。
しかし、心がわくわくすることに目を背けてしまったら、
脳神経細胞の結合は増えてくれません。
ところで脳では一定ペースで細胞が死んでいます。
それは、新たな結合を生むために
その結合回路のためのスペースを空けているのです。
この仕組みを管理された細胞の自殺として、
アポトーシスと言います。
ここで、わくわくしなくなったら結合回路が増えない分、
脳全体としては小さくなって行ってしまいます。
そんな死んでいく細胞の塊の中に心は存在するのでしょうか。
私は存在しないと思っています。
いずれにしても、どこにあるかわからない心ですが、
心をわくわくする状態にして、心の指令で脳を積極的に
使うようにすればいいのです。
そうすれば、脳はどんどん脳神経同士をつなぐ神経回路を増やして、
あなたの心の望む脳に変化します。
具体的にどうすればいいのか
では、具体的にはどうすればいいのかというと、
次の3つを実行してください。
(1)いつもと同じ行動に安住しようとしない
(2)変化を楽しむ
(3)いつまでも変われると心から信じる
さらに具体的には、練習場で練習するときも、
わざと同じ打席ではないところで打ってみる。
コースのメンバーになっていたとしても、
他のコースにも積極的に行ってプレーしてみる。
先ほどお話に出したように、お散歩の経路をいろいろ変えてみる。
右手で行っていたことを左手でやってみる。
両手でショットしていたことを、片手でやってみる。
いつもマットの上から打っていたショットを、
ティーアップしてやってみる。
前向きで歩くだけではなく、横歩きや後ろ向き歩きをやってみる。
時々は新しいクラブなどの試打とかに行ってみる。
要は、先ほどお話して場所細胞で行動まで決まってしまっていることを、
場所を変えることで決まった行動や景色に変化をつけてみるのです。
これらのことはなんだかスコアとは全く関係ないようなことばかりに
お感じのことと思います。
そうだとしても、これらのことが脳を活性化してくれて、
アポトーシスで自殺までしてスペースを空けてくれた空間に、
新たな神経細胞同士の結合を増やすようにしてください。
そうすれば、スコアだってよくならないはずはありません。
では、また。
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