2019.07.28
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「振るんじゃない、しならせる」
というお話をさせていただきます(ビデオ&おまけあり)。
コーチングさせていただいていて、いつも思うことがあります。
それは、グリップがそもそも
力でクラブを振るための形のゴルファーばかりだなと。
どういうことか?
(続きはビデオにて)
振るんじゃない、しならせる
パソコンでご覧頂いている方は、字幕を出して見られるようになりました。
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(おまけ付き)
今回のメールマガジンの内容をPDFでもご覧になれます。
こちらからクリックしてダウンロードして下さい。
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グリップで分かる力ずくのスイング
グーに近い形のグリップのゴルファーは非常に多いです。
グリップがウィークだと言う問題を抱えていて、
それに気づかないでいるゴルファーは
全体の95%とする統計もあります。
そして、グリップがウィークだと手の形はグーに近くなります。
そこで、本当に上手くなりたいと思って
私のところに来ていただいているお客様には、
まずはグリップの大切さをお伝えして、
正しいグリップを手に入れてもらっています。
そうすると、返ってくるのが
「こんなグリップじゃクラブが振れない」です。
力でクラブを振っている弊害
まさに正しいグリップでは、
お客様が今まで無理やり力ずくでクラブを振っていた動きは
できなくなります。
そして、グリップを修正して
最初に打ったドライバーショットでは、ほぼ左に引っ掛けます。
なぜなら、ウィークなグリップでは
遠心力で腕が引っ張られると、フェースが開くからです。
そうなると、ボールヒットに向かって前腕を左に捻る力を使うなどで、
ヘッドをセットアップの向きまで戻す作業が必要です。
そんなショットを続けていると、
そのうちにボールヒットに向かって前腕を左に捻る動きは
小脳に定着して意識すらされない動きになります。
箸を持つとか車を運転するように、
小脳に定着した動きは大脳では感知されません。
グリップを正しくして前腕を捻る力を入れなくてもよくなったにも関わらず、
小脳からの命令でフェースを閉じているために左へボールが飛んでいきます。
そこで、本気でフェースを開きながら
ボールヒットするつもりになってショットしていただくと、
ほとんどのゴルファーではボールが真っ直ぐに飛び出すようになります。
ちょっとグリップのことで話が長くなりましたが、
力ずくでクラブを振ろうとすることの弊害は飛距離だけではなく
グリップにまでも影響を与えています。
そして、無理やり力で振る動きで、
スイング全体が悪い方向へどんどん流れてしまいます。
しならせたい
何れにしてもクラブを力で振ろうとしても、
良いことはひとつもありません。
クラブは力ずくで振るのではなく、
体とシャフトをしならせてそのしなり戻りを利用してヘッドを走らせることで
ボールを飛ばすことが本来のスイングです。
力で振ることは、弓で言うなら矢を手で力ずくで投げることと同じです。
弓はしならせて、手をポンと離すことで
しなり戻りを使って矢を精度良く遠くまで飛ばします。
まさにゴルフでも弓と同じイメージで、
体とシャフトをしならせたいものです。
しなりを使ったスイングを手に入れる
フルショットばかりやっていては、
しなりを使ったスイングは手に入りません。
誰だって、飛ばしたいと思うと
最初は手の力でクラブを振り回そうとするものですし、
それが一番飛ぶ気がするからです。
それならば、振る気が起きないショットで練習すれば
良いと思いませんか。
例えばサンド・ウェッジで15y程度キャリーさせるショット
(SW15yC)とか。
これなら飛ばそうとしないわけですから、
力ずくでの動きは封印しやすいです。
しかし、普段のショットでトップからいきなり力で振りにいって、
全くしなりを使えていないゴルファーでは
SW15yCですらトップから力を出しにいっています。
そもそも力を出して振る動作は上半身の力ですから、
それを封印できれば素早くしなりを習得できそうだと思いませんか。
左右の母指球の少し後ろの間隔としてのスタンスの幅を腰の幅程度にセットして、
その幅の中で脚を使えるだけ使ってサンド・ウェッジでショットしてみます。
そうすると、本来トップから上半身をしならせているなら
15y程度しかキャリーしません。
SW15yCがしなりを作る練習になる理由
SW15yC程度の動きの速さでは
体の仕組みからの自動的なしなり戻りがほとんど発生しないために、
上半身で振りにいかなければ15y程度のキャリーとなります。
筋肉には長さに反応するセンサーが入っていて、
筋肉は伸されるとそのセンサーからの信号が脊髄に到達して
脊髄からは対応する筋肉を縮める信号が発信されます。
これを「伸張反射」と言います。
ところが「伸張反射」は筋肉が速く長く伸されるほど強くなるため、
SW15yC程度の速度ではしなり戻りがほとんど発生しません。
そのため、自ら意識的に力を出しにいかなければ、
いくら下半身をがんばっても15y程度のキャリーとなります。
このことを上手く利用したのがSW15yC練習です。
SW15yCが力で振りにいかないで、
上半身のしなりを作る練習になる理由が理解できたでしょうか。
さらに、フィニッシュしておへそを振り出し方向に向ける腰をフルターンさせて
次のことをチェックすれば、正しいSW15yCの動きであることを確認できます。
(1)右肘が伸びきっていない
(2)右手のひらが左45度ぐらいを向いている
右肘が伸びきるということは、
力で肘を伸ばしてクラブを振っている証拠となります。
右手のひらが振り出し方向の左90度まで向いてしまうゴルファーは多いですが、
これではボールヒットに向かって右手甲側へ折れるヒンジを
力で解放したことになります。
フィニッシュで腰をフルターンさせて
これらのふたつのことをチェックするだけで、
正しくしならせることができたのか判定できますからやってみましょう。
そして、腕や手首のリリースを行うと
前腕を左に捻る動きも同時に発生しますから、
前腕を捻る必要のない正しいグリップならボールは左へ飛んでしまいます。
自動的なリリースがほとんど発生しないはずのSW15yCだから
できるチェックですので、それより飛ばそうとしたときは
チェックしても無意味です。
SW15yCでボールが落ちるまで、左足の上に左脚一本で静かに立って、
腰のフルターンなどのこれらのチェックポイントを確認しましょう。
そして、できていなかったら、しっかりできている形を作ってから
フィニッシュの形を解くようにしましょう。
そうすれば、ひとりで練習していても
だんだん正しくしならせる動きが身に付いてきます。
しなり戻りを習得する
しならせることができてきたら、
次はしなり戻りを使ってボールヒットすることを習得する準備が
できたことになります。
そこで登場するのがサンド・ウェッジで50y打つショット(SW50y)です。
SW50yはしなりとしなり戻りの両方の習得には、
最高に効率の良い練習となります。
サンド・ウェッジで50y打ちながら、ダウンスイングの序盤で
手首が親指側に折れるコックを深くしようとしてみましょう。
SW50yでのトップはだいたいシャフトが垂直前後になります。
その楽なトップから、コックをとにかく深くしようとすれば良いです。
シャフトが垂直だと、
トップから手元とクラブを真下に落とそうとすることで
コックを入れやすいものです。
また、ダウンスイング序盤でコックを深くするコツは、
セットアップからずっと左肩をリラックスさせることです。
コックは単に手首が親指側へ折れることではありません。
右腕が支点となって右手親指側に手首を折っていくと、
グリップエンド側は左肩から遠くへ離れていきます。
左手をグリップに引っ掛けておけば、
左腕が引っ張られることになります。
左腕が引っ張られた結果、
左肩甲骨が胸の方向へスライドする形でしなります。
このようにコックは、左肩甲骨のしなりに直結しています。
コックを深くすることは、上半身で最も大きくしならせたい
左肩甲骨周りをしならせることになります。
これはSW15yCでも同じですが、
SW50yで行うとよりはっきり体に感じることができます。
そして、SW50yでは左肩甲骨はかなり大きくスライドするので、
そのしなり戻りを感じやすくなります。
また、SW50yぐらいのスピードになると、
しならされた左肩甲骨周りの筋肉では「伸張反射」が明確に発生します。
そのため、ボールヒットに向かって下半身のパワーを上半身で発生した
「伸張反射」でのしなり戻りのパワーが超えたところで
一気にしなり戻りが発生します。
これがまさに体の仕組みに任せた自然なしなり戻りを使ったスイングです。
まずはSW15yCで上半身をしならせ、
自らは絶対にしなりを力で戻さないことを徹底してやってみましょう。
そして、SW15yCでフィニッシュの形が上手くできてきたら、
SW50yで自然なしなり戻りに任せたショットをたくさん打ってみましょう。
特にボールヒットに向かって左足母指球の少し後ろで地面を踏みながら、
左脚を長くすることで左のお尻を左後ろポケット方向へ押し込みながら
両腿をキュッと締めます。
同時に左肩はトップに置いてくるつもりにします。
SW50yなら腰は鋭く左にターンしながらも
ヘッドが置いていかれることで、下半身とヘッドで挟まれた上半身は
素早く大きく伸されることで大きな「伸張反射」が発生します。
上半身はリラックスした中、
左肩甲骨などの上半身でしならされた部分が勝手にしなり戻ることで、
知らないうちにヘッドがボールを打ち抜いている感覚を味わうことができます。
では、また。
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