2015.10.11
From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・コーチが陥る罠、~してはダメ、と言ってしまう」
というお話をさせていただきます。
コーチといっしょに、楽しく練習できると、
上達も早くなります。
ところが、コーチも人間。
わかっていても陥りやすい行動があります。
どんな行動なのか見てみましょう。
これをアマチュアの方が知っておくことは、
間違いなく上達のヒントになります。
コーチが陥りやすい罠、そのトップ5は、次の5つです。
コーチが陥りやすい罠、トップ5
(1) 新しいネタをすぐに伝えようとする
(2) ~してはダメ、と言ってしまう
(3) 断定的な言い方ができない
(4) 多くのことを伝えすぎてしまう
(5) 自分が偉くなった気がしてしまう
今回は(2)
「~してはダメと、言ってしまう」
について、暴露します。
「~してはダメ、と言ってしまう」
これも、コーチとしては、常に注意して、
話をしなければならないことです。
否定的な言葉は、それを聞かされた人を委縮させてしまいます。
脳科学的にも、悪い材料しか出てきません。
脳は、興味がわくことがあると、元気がでてきます。
否定されると、興味はそれてしまいます。
ですから、~はダメという言い方ではなく、
同じことを表現するとしても、~しましょうと言うことにします。
例えば怖そうなインストラクターだと、
「なんでグリップをウィークにするんだ。
そんなフェースが右を向いたグリップでは、
スライスがいつまでたっても直るわけないだろ。」
といいそうですね。そのかわり、次のように言います。
「グリップがウィークすぎです。
こうやってストロング方向へ変えて、
ノーマルなグリップにしたら、スライスとおさらばです。」
という具合です。
同じ様なことを言っているのに、
聞かれたあなたはどうお感じでしょうか。
絶対、気持ちは違うし、動きまで変わってしまいます。
当然、ポジティブな言い方をされたら、前向きな気持ちになって、
よし、やってみようという気持ちになりますね。
でも、ネガティブな言い方をされたら、俺ってやっぱ鈍感で、
どうしようもない運動音痴なんだとか、思ったりもしてしまうものです。
言い方というのは恐ろしいものです。
普段から自分を見つめる
普段の生活でも、ネガティブな言い回しは、
周りに影響を与えてしまいます。
つい、口から言葉が出てしまいます。
どんな言い方をしたら、周りの人達にどう影響するか、
なんてことを考えながら言葉を発することはありません。
つい言ってしまう、ネガティブな言い回しは、
あなたご自身から一歩離れて、ご自分を見つめることで、反省できます。
そして、自分を見つめなおすことを繰り返し、
一度は言ってしまったネガティブな言い方を、
心の中でポジティブな言い回しに言い換えてみます。
そして、前に進める言い方をしているご自分を見つめ直してみます。
こういった言い換えの作業を繰り返していれば、
だんだんポジティブな言い方ができるようになってきます。
自分自身を、あたかも外から映像を見ているように観ることができるのは、
人間にだけ与えられた能力だとも言われています。
そのような素晴らしい能力は使い切りたいものです。
なんで。。。と言ってしまうと最悪
ところで、誰かが誰かを教えている時
「なんで。。。しないのか」などの言い方をすることがあります。
これは、ネガティブどころではない、ある意味、最悪です。
なんで、と言った瞬間に、そのことについてお互いに議論して、
解決法を探る意志がないということになります。
ネガティブというだけではなく、
一緒に議論してお互いに知恵を出し合って前に進むことを、
シャットアウトしてしまう、怖い言葉がこの
「なんで。。。しないのか」
という言い方です。
これは、言葉のやりとりの中で、
すでに上下関係ができてしまいます。
そうなると、対等に話をできません。
前に進めそうなアイディアがあったとしても、
萎縮してしまい、言えなくなってしまいます。
自ら考えを発展させるための語りかけ
ことわざで「3人寄れば文珠の知恵」があります。
一人では解決できないことも、二人なら、より良いアイディアが浮かぶし、
3人なら、なおさらより広い知識と経験から、
良い打開策を打ち出すことができます。
ところが、そのためには、お互いが対等で、
自由に思いついたことを言える雰囲気が大切です。
叱る、と言われる言い方があります。
「さっさと。。。しなさい」とか、
強制的に行動を則す言い方があります。命令とも言えます。
命令では、言われた人はアイディアなど
考える余地はなくなってしまいます。
自分の考えは無視され、ただ言われたことに、
従うだけのお人形さんにされてしまいます。
もっと具体的には
「さっさとスマホをやめて勉強しなさい。」
とかではまずい結果となります。
強制的にやらされては、脳は喜ぶはずはありません。
本当は、勉強したくなる状況を作ってあげることが第一です。
将来どうなりたいのか、そのためには、
どんなことをしなければならないのかを、
しっかり自覚できるためのきっかけを一緒に見つけます。
何か知りたくなるような働きかけとして、例えば理科の勉強なら、
「最近、水素燃料とか言われて、水素で車が走るみたいだけど、
水素って、どうやって効率良く作っているんだろう。
そして、それはガソリンよりも将来割安になるのだろうか」
と問いかけるなど、なんだか勉強してみたくなるようにしてあげます。
ゴルフなら、勘違いしそうなことの本質を伝えて、
え、そんなことだったんだと、脳がもっと知りたくなるような働きかけをします。
動きを修正する場合も、こう直したらどんなメリットがあって、
そのメリットはなぜメリットとして効いてくるのか、徹底的に説明します。
そして、脳が一旦納得したら、ものすごく興味が湧いてきます。
そうなったらしめたものです。
後は、勝手にこうしたらもっとやりやすくなるかもしれないとか、
あなたご自身の感覚で、修正できるためのコツを探り始めます。
そして、さらに疑問に思うことが出てきたりします。
そんな時に、さっと確認できる、本なりDVDや、
コーチがいると、それらを最高に効果的に使うことができます。
コーチは、考えるためのベースとなる知識をあなたに一通り提供したら、
あなたご自身が、自問自答を始めるまでじっと待ちます。
そして、あなたが疑問を解決することや、
間違った道に踏み外しすぎないか見守り、
助けを求められたら手を差し伸べます。
自問自答できるために、ベースとなる良い材料とか知識を、
いかに提供できるのかが、
コーチが肝に銘じて考え続けるべき、大切なことです。
あなたご自身で考えを巡らせはじめたら、
サンド・ウエッジで15yキャリーさせる、一見つまらなそうな練習でも、
一日中、体力が尽きるまで練習できるものです。
脳が、ひとつのことに没頭できる時間は、本当に楽しい時間となります。
そして、それがゾーンと呼ばれる、なんとも言えない不思議な、
ものすごく集中できる心と身体(からだ)の状態に入ることができるための、
コツともなっています。
同じことを伝えるとしても、言い方や働きかけによって、
全然違った結果となるから、驚きです。
では、また。
追伸
私が今年発売した「大森睦弘の3step Swing Master Program」が
現在キャンペーンをしているそうです。
・どうしたらもっと上手くなるかわからない
・スコアが頭打ちで、実力をキープするだけ必死だ
・ミスの無くすためのゴルフで精一杯だ
そのように思っている方はぜひ一度、
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