From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・フィニッシュ&フィニッシュドリル」
というお話をさせていただきます。
ゴルフスイングにおける、
下半身を使い切る感じをつかむドリルです。
使う道具は何もありませんから、
いつでもどこでもやってみることができます。
では、手順についてご説明しますので、
まず初めに、こちらをご覧下さい。。。
スイングでの下半身の重要さ
図を見ていただければ、全体の雰囲気もおわかりいただけます。
よく手打ちだとか言われてしまったりすることがあります。
手打ちということは下半身が使えないで、
腕の動きを主体としてクラブを振り回してしまうことです。
手先は器用なので、何でもできてしまいます。
ああしたい、こうしたいという意志が、すぐに伝わるのも手です。
ところが、腕から先は、一般的には下半身にくらべ筋力は弱いですね。
階段だって、脚を使って登っているときはさほど苦労することはなくても、
だれかに脚を持ってもらって逆立ち状態で腕の力で登ろうとしたら、
これは一段も登れないかもです。それほど腕の力は弱いのです。
どうにでも動かせるけれど、力は弱いというのが手です。
ゴルフは正確性と効率良いパワーの発揮が必要なスポーツです。
そんなパワーを無駄なく使う必要があるのに、
強い筋力とパワーを備えた下半身を使い切れないなんて、
もったいないですね。
また、器用な手が動こうとすることで、
下半身の動きが封じ込められてしまいます。
手が先に動き始めてしまうと、
下半身は何もできなくなってしまうのです。
逆に、下半身が先に動き始めて、
それに上半身、腕、手が連動すれば、
下半身は清々と能力を発揮できます。
例えば、社長は会社全体のことを考えて、
従業員が気持よく働けるようにしてあげることで、
メンバーは持てる能力を存分に発揮できて、結局は会社全体が活気あふれ、
利益も出るようになるということと同じです。
あなたがあなたご自身の体全体のことをしっかり意識して、
下半身が動きたいようにさせてあげることが、全身で正確に動けて
あなたが今お持ちのパワー出し切るための極意となります。
下半身はタイミングで先行して、パワーでも優位になればいいのです。
下半身が使えると、体全体はしなって、そのしなりが戻ることで、
正確性とパワーの両方を手にいれることができます。
また、下半身の筋肉は一般的には大きな筋肉が多いです。
そして、大きな筋肉は、器用には動きにくいとしても、
一度覚えた動きは、どんなに緊張した場面でも、いつもと同じように動けます。
手先は、普段何でもないときは、頭で考えたことが、
すぐにできてしまいますが、緊張すると、動けなくなります。
ですから、下半身に基本的な動きをしっかり定着させておけば、
どんな状況でも、いつもと同じように動けるのです。
バックスイング開始でも、下半身から動き始めることで、
ここにしかあがらないというところに、腕とクラブをあげてくることができます。
上半身が何もしないで固定されていたとして、
バックスイングで下半身をしっかり使って、
腰を右に45度程度まで回転させてみましょう。
そうすると、シャフトはほぼ水平で手元が
だいたい腰の高さあたりまで動いてくれます。
これは、まさにプロでお金を稼ぐために最も重要といわれる、
腰から下の動きであるビジネスゾーンのトップです。
下半身だけしっかり動かせば、
ほぼ理想的なビジネスゾーンのトップとなります。
ま、ここで本の少しだけ手首が親指側に折れる手首のコックをいれて、
ヘッドが真っ直ぐに打ち出し後方へ引かれるようにすると、
完璧なビジネスゾーンのトップです。
バックスイング開始で、腕の力でクラブを体に対して
右に外れる方向などに動かしていては、腰から上の動きがバラバラになり、
ダウンスイングやボールヒットに向かって、クラブが高速に動くときに、
さまざなま調整をしなければならなくなります。
さらに、ビジネスゾーンのトップまでヘッドが正しく動いてくれれば、
腰から上では、そこまでのヘッドの動きを感じて、
その軌道に沿って上半身がヘッドの動きをサポートすれば、
フルショットでの最高のトップとなります。
ということは、下半身にこのビジネスゾーンのトップまでの動きを覚えこませれば、
再現性の高いスイングが手に入るということです。
また、トップに向かう切り返しからダウンスイングにおいて、
下半身が先行して動き始めれば、上半身は下半身の力を受けてしなります。
じっくり力を受けてしなったものは、
しなり戻りで大きなパワーを集中的に発揮することができます。
そうです、上半身はしなって、それが戻る動きに徹することができれば、
鋭い正確性と強烈にエネルギーを一点に集めることができるのです。
そういった意味で、下半身をまずはしっかり使い切る動きを行ってみることは、
下半身の良い学習となります。
なんせ、下半身は普段のショットでは、上半身の勝手な動きに邪魔されて、
本来の能力が発揮できない状態にさせられているわけですから。
たまには、下半身に清々と本来のスイングでの動きをさせてあげたいものです。
ドリルの動きの詳細
今回お伝えしたいフィニッシュ&フィニッシュドリルでの、
それぞれのポジションでの詳細をお伝えしておきます。
(1)スタートポジション
両腕を胸の前で組んで、両脚を広げて立ち、両股関節を少し入れて、
両足とも母指球の少し後ろで地面をとらえます。
ドライバーショットのときぐらい、
股関節を曲げることで骨盤を前傾させておくといいです。
そして、両脚でしっかり地面を踏んでいる感じを強く意識します。
母指球の少し後ろあたりで地面を踏んでいることを感じます。
股関節を入れて骨盤を前傾させ、母指球の少し後ろあたりで地面を踏むことを、
いい加減にしていては、その後の動作でうまく地面と
パワーをやりとりすることはできません。
また、両腕を胸の前で組むことで、上半身、特に腕でクラブを振るとか、
何かしようとする動作を殺すことができます。
ま、今回のドリルではクラブも持ちませんから、
クラブを振ろうなどという気持ちも起きるはずはないのですが。
でも、腕を自由にさせておくと、腕で振るような動きを行ってしまったりするので、
やはり胸の前で腕を組んで、腕の動きを、まずは封印することで、
下半身に意識を向けることができます。
(2)左打ちのフィニッシュ
右脚は真っすぐ伸ばして、右足の上に静かに立って、
腰は右を向いてしまうフルターンをおこないます。
これは、あたかも左打ちを行っているときのフィニッシュの形になります。
この形にもっていくために、右足の母指球の少し後ろあたりを中心に
地面を踏みながら右脚を伸ばして行く動きを使って、
右足の上に静かに立っているようにします。
ところで、左打ちのフィニッシュは右打ちのトップにかなり近い形です。
確かに、実際の右打ちのトップでは、前傾しているとか、
腰はフルターンになっていないとかあります。
しかし、下半身がしっかり動いている点や、
肩の向きが振り出し方向とは直角になっているなど、
トップでできていて欲しいかなりの項目が、
この左打ちのフィニッシュでは起きています。
(3)中間ポジション
両股関節を深めに入れ、両脚で地面をとらえ、
あたかも両脚ジャンプする形をイメージします。
動きがスイングに直結するためのコツとしては、
膝から下である脛(すね)をあまり体の前に倒さないで、
両股関節を強く意識して、股関節を曲げる動きで重心を落とすことです。
ここで、フィニッシュの形から腰を回そうと思わないで、
両脚で地面を踏もうとすることだけを考えることが、
この中間ポジションを正しくつくるためにかなり重要です。
この時に、やはり、両足の母指球の少し後ろで意識的に
地面をとらえるようにすることが大切です。
ここで、踵側に体重を乗せてしまうと、
脚は動けなくなってしまいます。
あくまでも、母指球の少し後ろで地面とコンタクトする感じにすることで、
バランスを保持しやすく、脚の動きのエネルギーを100%地面に伝えることができます。
この中間ポジションは、トップに向かう切り返しで、下半身を先行動作させて、
ダウンスイングに向かわせる時の動きを強調した動作となります。
まさに両脚で地面をしっかり踏んで、
いつでも大きな力を地面に伝えることができる体勢を強くイメージします。
(4)右打ちのフィニッシュ
左脚は真っすぐ伸ばして、左足の上に静かに立って、
腰は左を向いてしまうフルターンを行います。
これは、まさに通常ショットのフィニッシュですから、
わかりやすいですね。
左足の母指球の少し後ろあたりを中心に地面を踏みながら、
左脚を伸ばして行く動きを使って、左足の上に静かに立っているようにします。
この(1)~(4)の動きはゆったり行います。
それぞれのポジションに3秒ぐらいかけて行うといいです。
逆に、各ポジションに1分ぐらいかけて行ってみても、
かなりきついですが、得るものは多いです。
それは、やってみればわかります。
何セット行うとかは特にはありません。
ただし、行うタイミングを決めて実施するといいですね。
例えば、練習場に行って、クラブを打席の横に置いたら、
まずはこのドリルを行うとかです。
スイングに使う下半身全体をくまなく使うことができますから、
準備運動としても使えます。
腰をフルターンさせるための神経系に刺激を与えることもできます。
また、練習を終えたときの、整理体操に使ってもいいです。
左右同じように動くので、
ショットで偏りがちな体のバランスを取り戻すことができます。
下半身を使い切る
下半身を使い切るということは、
フィニッシュでおへそが振り出し方向を向いてしまうまで、
しっかり腰を回すことになります。
イメージとしては、下半身を完全にリリースするという感じです。
下半身はボールヒットに向かって目一杯使い、
ボールヒット中にさらに上半身にパワーを伝え続けて、
ボールヒットが終わっても、まだ上半身を回転させようとします。
まさに、ヘッドが加速中にボールヒットです。
加速中ということは、まだまだヘッドスピードが早くなるところで
ボールに当たるということです。
え、これって、パワーの無駄?
なんて思ったりしますね。
しかし、そうではないのです。
ボールはいくら軽いと言っても、
止まっているボールに毎秒40mものスピードでヘッドが衝突します。
ボールに当たった瞬間に、ヘッドの速度は落ちることになります。
ボールヒットで、ヘッドスピードをできるだけ維持できるためには、
ヘッドはまだ加速している最中にヒットさせたいのです。
また、上半身では、ボールヒットに向かって、
筋肉と腱が元の長さに戻ろうとして、上半身の各パーツは勝手にリリースされ始めます。
上半身とクラブが左回転するように、急激に振られることになります。
そうなると、反作用で下半身は右へ回転させられる大きな力を受けます。
その上半身からの力を下半身でしっかり受け止められないと、
上半身がリリースされるパワーを効率良くクラブに伝えることはできません。
そのため、ボールヒットに向かって、
下半身はまだまだ左へ回転しょうとし続けることが大切です。
このボールヒットで回転し続けるということは、ボールヒット後も、
さらに腰を左へ回してしまおうとすることで、可能となります。
外見上は、ボールヒットに向かう上半身のリリースで、
下半身の左回転は抑えられることで、ボールヒットで、
あたかも腰の回転が止まるようにも見えます。
しかし、ボールヒットに向かって、下半身で力を出すことをやめてしまっては、
ヘッドを加速させるパワーは弱まります。
下半身はあくまでも、上半身からの大きな力を受けて、
止められてしまうということです。
あくまでも、止められているだけで、
まだまだ腰は左へ回転しようとして踏ん張ることが大切です。
いずれにしても、下半身が使われなさすぎるということが現実です。
あなたの持てる能力を使い切るためにも、
眠っている下半身を目覚めさせてあげましょう。
では、また。
追伸
先週もご案内しましたが、
2/17(水)に、私のレッスン会があります。
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