From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・あなたの脳は支配されている」
というお話です。
こんなことを言うと怖いと感じるかもしれませんね。
ですが、人の自然な行動は、嫌なことは避けようとし
気持ちいいと感じる事をやろうとします。
「そんなの当たり前」とあなたもお思いの事でしょう。
しかし実は、あなたの実際の生活の中で、
この事実を十分に活用されていない場合が多いのです。
では、どうすればいいのか?
こんな基本的な人の動作原理を、
うまくゴルフのプレーに活用できる、極意をお伝えします。
ノルマ練習での例
行動経済学的には、目の前の利益(ある意味、快感)を
追求する傾向があります。
将来より大きな快感を得られるとしても、
どうしても目先に捕らわれた行動をしてしまいます。
私は、特にショートゲームではノルマを設定して
それをクリアできたらご褒美、できなかったら鞭(?)
というやり方をよくやります。
例えば、1個のボールを10ヤード前後などから
「2パット以内ホール・イン連続何回」というノルマを設定した練習です。
30分以内でうまく達成できる確率が
60%~80%に設定して行う場合が、最も効果があります。
そして達成できた時は、おやつを食べることができます。
ダメだった時は、おやつなしでスクワット30回とか。
(足を肩幅よりも少し広げて、膝をできるだけ動かさないで、
股関節を曲げ伸ばしして、腰を上下させる)
こんな具合で、ある意味「快感」と「苦痛」を結果に連動させます。
単に集中しなければ、達成できない、などと考えるのではなく、
結果を単純に、人の快楽と苦痛に連動させることを繰り返すのです。
たまたまかもしれませんが、集中できた時に、快感を連動させます。
そうすることで、快感を得たい体が、集中できるための何かを学ぶわけです。
集中できるための、理論とか理由などはある意味どうでもよくて、
うまく出来た時に、快感を連動させることを繰り返すだけで、
人はうまくできる方法を身につけることができます。
うまくできなかった事に苦痛を結びつけて練習することで、
正しく動けなかった動きをやらないように学習してくれます。
この単純な「快感と苦痛の原理」で練習を結び付けることで、
総合的に最高の効率で、正しい体の使い方を学ぶことができるのです。
ポジティブな言葉使い
コーチングで使う言葉は、
できる限りポジティブな事を選んで使います。
それは、ポジティブな言葉の方が気持ちよく練習でき、
リラックスと緊張をうまく織り交ぜることができます。
例えば、スライスがなかなか直らない場合、グリップの左手親指の位置が
シャフトの真ん中よりも親指の幅半分ぐらい右にある、
正しいノーマルグリップの状態よりも、真ん中に寄り過ぎている場合が多いですね。
この場合、直していただくための助言として
「少しストロング寄りにして、クラブフェースがスクエアに
なりやすいところに、左手親指を置きましょう。」
というのが、ポジティブな言い方で、いいのです。
別の言い方として、ネガティブな印象を与える言い方としては、
「そんなウイークグリップではだめです。
それじゃ腕をねじらなければスクエアにならないので、
もっとストロング寄りにしてください。」
となります。
どちらが、気持ちよく本来のグリップにできそうな気がしますか。
気持よく直すか、不快感を抱きながら直すかでは、
同じ直すにしても、心の向き方が全然違ったものになります。
当然、気持よく直す方が全身全霊で良い方向に向かおうとしてくれます。
他にも例えば、打ち出し後方から見て、
セットアップで、シャフトの付け根と肩を結んだライン
(シャフトライン)を設定します。
トップでもそのシャフトラインよりも、上に手やクラブがはみ出していないと、
トップに向かって、腕のムダな力でクラブを押し上げていなかったことになります。
そこで、トップでシャフトラインよりも上にクラブなどが
はみ出していた場合の言い方として、ポジティブな言い方としては
「シャフトラインの下にクラブや手が収まっているようにしましょう。
そうすれば、腕のムダな力は入りません。」
となります。
ネガティブな言い方だと
「シャフトラインの上にクラブがはみ出しているので、
腕が無駄に上にあげようとする力を使っています。」
です。
悪い状態をポジティブな言い方で100%言い切ることは、
かなり慎重に考えて言わないと、なかなか言えないものです。
また、簡素に言えるはずの事も、なんだか遠りな言い方になってしまって、
余計にわかりにくくなることもあります。
ですから、すべてをポジティブな言い方にすることまでは、
必要ないとしても、全体として、ポジティブになっていれば、良しとします。
特に、チェックリストなどのリスト項目をできるだけ簡素にして、
わかりやすくする場合「~していない」とかの文章の方が、
むしろわかりやすい場合もありますね。
ほんわかした言葉
普段、ついつい口に出してしまう、不快になってしまう言葉をリストアップして、
それに対して、別の言い方で気持ちが楽になる、
ほんわかした言葉に言い換えた、リストを作ってみてもいいですね。
ゴルフでは、
・またダフった => 下半身の動きに元気がないな
・OBだ => 曲がりすぎたかも
・池ポチャだ => 今の実力だと逆玉でそうなることもあるか
などなど、あなたご自身が、普段失敗した時などに、
ついつい言ってしまっている言葉を書き出してみます。
そして、それに対して、それぞれの場を和らげるような
言い回しを考えておいてください。
当然、プレーの時に、そのほんわかした言葉を思い出しましょう。
豚もおだてりゃ木に登る
豚だって、おだててると、できないように見える
木にまで登ってしまうということです。
いつもバカだバカだと言われつづけていたら、
本当にバカになってしまう。
いい子、あたまがいい子と言われつづけたら、
それなりにあたまの良い子に育ってくれる。
というのも、まんざら嘘でもないのではないでしょうか。
私達の行動は、「ことば」によって、大きな影響を受けています。
明確な良い言葉を使うことで、からだの使い方、頭の使い方、
そして、生き方そのものにも、良い影響を与えます。
豚が木に登るぐらい、困難も打破してくれる、
あなたにぴったりな言葉を見つけましょう。
それは、目標設定です。
目標は出来る限り明確に、そして、ワクワク感をたよりに設定します。
ワクワクする事は、心が嬉しいこと、快感を感じる事ですね。
目標は、まず、そのワクワク感じることは何か、
を探ることから始めます。
そして、ワクワク感じることが見つかったら、
それをポジティブな言葉に置き換えます。
そして、断定的な短い文章に、期限を設定して、大目標とします。
例えば、「3年以内にベストで100を切る」など。
そしてそのための、さらに具体的な達成ポイントをリストアップします。
例えば、「1年以内に3パットを1ランドで4回以内にする」
そうすると、さらにそれを達成するための、日々の行動目標などが見えてきます。
例えば、「毎日会社に行く前に、パターマットにボールを100回沈める」とかですね。
これらの、大目標と各達成ポイントを紙に書いて、あなたが毎日見えるところ、
できれば、家族全員が見えるところに貼り出します。
この目標の文字、文章を繰り返し繰り返し見続けることで、
あなたの全身の細胞に、この言葉が浸透してきます。
そして、全身全霊を尽くして、この目標を達成する方向に動き始めます。
そして、目先の快感ではなく、将来を見た行動が行える様になるのです。
設定したひとつづつのステップとしての段階的目標は、
辛いこともあるかもしれません。
しかし、将来のあなたの姿が明確になっていて、
そのときのしあわせなあなたの姿を想像することで、
目先の苦労も、平気で実行に移す事ができます。
行動経済学の目先の利益に囚われがちになるという原理を、
この作戦で打ち破るんです。
いつもあなたご自身に問いかける
目標設定は、最大の問いかけの結果、あなたが見出した、
こうしてゆけばしあわせになるという、具体的行動指針です。
そんな目標設定以外でも、あながご自身にいつも問いかける事が、
人生をご自分で切り開く原動力となります。
「必要は発明の母」という名言を残したエジソンですが、
必要性という問いかけがあるおかげで、
脳がめちゃくちゃ頑張って答えを出そうとする。
そんな、脳が本来持っている特性をうまく利用して
どんどん良い発明を生み出したということですね。
まずは、人生といったあまりにも大それたことではなくても、
ゴルフのプレーで考えてみましょう。
例えば、ドライバーで左に出て右に大きく曲がるスライスばかりでて、
なかなか直らない場合。
「どうしてスライスが出るんだろうか?」
とご自分に問いかけるようにします。そうすると
「真逆の球である、右にでて左に曲がるフックを打つには
どうしたらいいんだろうか。」
などの問いかけも出てきて、
ご自分で考えながら、前に進む事が始まります。
そうすると、
「このグリップは正しいのだろうか?」
とか、さらに部分的な事に関する疑問が出てきて、
「左手の親指の位置はどこが、一番いいのだろうか?」
「左手の人差し指と親指でできるVの字の付け根は、
密着していた方がいいのか?」
「左手Vの字の向きは、どこを向いていたらいいのか?」
などなど、どんどんいろいろな問いかけが、
ご自分の中で湧き出てきます。
そんな瞬間が、脳が最大に活性化するチャンスです。
そんなチャンスを作りチャンスを利用して、最大に脳を働かせる。
これで、今まで悩んできたことにも、光が射してきます。
OBを打ってしまった、池ぽちゃ、大ダフリで
10ヤードぐらいしか前に進めなかった。
などなど、怒りのようなものが、
あながご自身にこみ上げてくる事がありますね。
というか、1回のラウンドで、
何回か怒り爆発の場面に繰り返し遭遇してしまうのがゴルフであり、
またスーパーショットが出てしまうのもゴルフです。
怒りや、スーパープレーでの興奮を、
良いプレーにいかにつなげられるかというのもゴルフの醍醐味であり、
それを克服できた時の快感は、計り知れないものがあります。
怒りがこみ上げて来た時、
「どうして池に入ったんだろうか?」
と自分に質問します。
あたかも、あながご自身を第三者的に見つめるきっかけとします。
そうすると、
「池を越える確率が低いはずのクラブで打ったから、
入る確率が高かったわけで、クラブ選択が間違っていた。」
などの答えがでてきたりします。
または、
「池を避けようとして、池に向かって飛び出して、
フェアウェイに向かって曲がるボールを
打とうとしたのに、曲がり足りなかった」
とか。そうすれば、
「もっと練習所で、ボールを思った方向に
曲げる練習をするようにしよう」
などの、次への練習課題が出てきます。
あなたご自身に問いかけ、それにあなたご自身で答えを
見つけようとする行動が、あなたの脳を最大に活性化してくれます。
そして冷静に考えて行動し、気持ちのいい言葉を見つけ、
言葉によって、どんな状況をも快感につなげることで、
さらに脳が目一杯働くようになります。
では、また。
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