2015.08.09
From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・ゴルフ天動説と地動説」
というお話をさせていただきます。
なんのこっちゃ、ですね。
天動説は、我々の周りを天空がまわっているとする説。
地動説とは自分たちが動いているとする説です。
見る基準点をどこに置くかで、
世界観がまったく逆になってしまいます。
しかも、天動説では、多くの勘違いが発生して、
いろいろな点でつじつまが合わなくなっているのに、
それをなんとか説明しきろうとして、多くの労力が消え去っていきました。
実は、ゴルフのスイングでも、同じことが起きています。
また、なんじゃそれはですね。
ゴルフスイングを複雑に見せていること
暑い暑い夏は、お家の中などで、たまにはゆっくり体を動かして、
今一度あなたのスイングを見つめ直してみませんか。
ゴルフというのは、体を斜めにして、回転してクラブを振り回します。
この斜めになるということが、実は曲者です。
その斜めになった軸の周りを、ヘッドがぐるぐるまわることを、
外から見ていると、本当に複雑きわまりない動きに見えます。
そして、テークバックでは、ここにあげようとか、
ダウンではどこにシャフトがはいってきて、
フェースの向きはどうのこうのとなります。
斜めになっている上半身の回転軸に対して、腕が上下して、
さらに腕の先の手首が折れたりします。
さらには、腕や手首が捻じれたりするスイングもあります。
ちょっとイメージしただけで、なんとも複雑で、
どうやったら究極の動きができるようになるのか、
想像すらできない気がしてきませんか。
見る起点を変えてみる
でも、少し視点というか、見る起点を変えてみます。
外から見るのではなく、上半身の軸に対する動きと、
下半身に対する上半身の動きに、分割してみます。
そうすると、実は、ゴルフのスイングは、
非常にシンプルな動きに見えてきます。
上半身だけの動き
まずは、上半身だけに注目してみます。
そのためには、真っ直ぐに立って、
スイングしてみればわかりやすくなります。
肩幅程度に両脚を開いて、
クラブを普通にグリップしてクラブを両手で支えます。
そこから、一旦両腕を上にあげて、ゆっくり降ろしてきます。
腕が体に触って、体で腕を支えられている感じのところまで降ろしてきます。
そこから、シャフトが水平になるように、手首のコックを少し入れます。
普通に前傾してセットアップして、上半身を動かさないまま、
そこから体を起こして、真っ直ぐに立っても、同じ形になったら最高です。
このとき、右肘の内側であるえくぼが、
上を向いているようにします。
ちょうど右肘が真下を向く感じです。
そして、もう一点、着目していただきたいところがあります。
ストレートボールを打つなら、ボールヒットでフェースは軌道の方向を向いています。
ヘッドの下の端である、リーディングエッジを見れば、
軌道に対するフェースの向きがわかります。
リーディングエッジはフェースの向きに直角です。
と言うことは、真っ直ぐ立ったら、ヘッドのリーディングエッジである下の端は垂直になります。
そして、両腕は、クラブが下に落ちたり、ヘッドが倒れない程度の、
ぎりぎりクラブを支えるだけの力で、クラブを支えます。
この状態から、右肘を曲げ、手首を親指側に折るコックを入れていきます。
左腕は真っ直ぐ伸ばしたままにしてください。
右肘とコックが深くなるにつれ、
クラブは上にあがり、ヘッドも大きく動きます。
そして、左サイドに張りが感じるあたりになると、
手元とクラブは右肩の斜め上あたりにあがっています。
これが、理想のトップでの上半身の形です。
右肘と手首のコックを曲げただけで、理想の動きができています。
これ以上何も足さず、何も引きません。
これだけの動きをきっちり行えばいいのです。
上半身の動きをもう少し詳しく見ると
さて、ここでもう少しクラブの動きを中心に見てみましょう。
真っ直ぐ立って、右肘とコックを曲げるだけの動きを行いながら、
ヘッドのリーディングエッジに注目してください。
リーディングエッジは右に傾いていますね。
これは軌道に対してフェースが開いていることを示します。
右肘と手首のコックを曲げて行って、ヘッドが斜め上にあがるにつれて、
フェースは少しずつ開きながらあがります。
そして、右肘とコックをもどしてくると、
フェースは閉じながら降りてきて、もとの向きに収まります。
このヘッドが降りて来る時に、フェースが閉じてきて、
元の向きに戻る動きが、本来のフェースターンです。
このフェースの動きによって、ボールは適正に捕まります。
腕とかはねじろうとしていません。
それなのに、フェースは開いてあがり、閉じて降りてきます。
右肘と手首のコックを曲げ、それを元に戻す。
たったこれだけの動きで十分です。
この動きを通常の前傾した状態で、下半身もターンする様子を、外から見ていると、
難しい動きで、クラブをコントロールしているように見えてしまいます。
下半身に対する上半身の動き
上半身に対して、腕の動きが見えてきたところで、
次は、下半身に対する上半身の動きを見てみます。
一言で言えば、上半身は骨盤の上に、ちょこんと乗って、
あなたが行おうとする動きは、下半身のターンに同調して、先ほどの右肘と手首の動きをしていればいいです。
え、それだけ?
はい、それだけでいいです。
それ以上のことをやろうとしたり、やってしまうと、
難しくなるだけで、良いことは一つもありません。
下半身と上半身の捻転差が、飛ばすために大切なのでは?
フェースを開いたまま、アウトサイド・イン軌道でボールヒットしたら、
スライスになるから、軌道を真っ直ぐにしないといけない?
などなど、上半身の動きの問題と考えられそうなことを、数え上げると、
きりがないぐらいというか、きりがありません。
先ほどお話した、腕と手首の動きはそのままでいいです。
それに、下半身の動きに、上半身がちょっとだけ遅れてついて来るだけです。
それ以上のことを付け足すと、いきなりスイングは難しくなるばかりか、
パワーも出せなくなります。
ダウンではちょっとだけ何かが起きます
トップに行くまでは、それほどスピードも速くありません。
ですから、真っ直ぐに立って、ゆっくり右肘と手首のコックを作る動きでトップまで到達します。
ただし、ダウンスイングでは、体の動きが速くなります。
そうなると、腕とクラブは置いて行かれそうになります。
トップからいきなり下半身で回ろうとするほど、
置いていかれる感じは強くなります。
腕とクラブが置き去りになると、即、振り遅れです。
振り遅れでは、クラブがあばれ、
とんでもなくいろいろなことをやらないと、ボールにすら当たりません。
振り遅れ撲滅作戦
ということで、ダウンで振り遅れることを防ぐ対策が必要になります。
第一は、ダウン開始でいきなり力で下半身を回そうとしない事です。
トップからは、腕とクラブが下に落ちて来ることを感じる
「間」を少しだけ作ります。
そうすることで、自動的に両脇が自然に締まり、
右肘などが体からはずれにくくなります。
第二は、手首をしなやかに保つことです。
手首に力を入れていると、
重いクラブで腕全体が下半身の動きから遅れてしまいます。
ところが、手首を柔らかくしておくと、ヘッドだけが置いて行かれます。
ヘッドは遅く動きますが、腕は体について動いてくれます。
そうすると、腕とクラブが下に降りて来るにつれ、
右手甲側へ折れるヒンジができてきます。
右肘と手首のコックはだんだん伸びて来て、
クラブは下にさがってきますが、ヒンジはだんだん深く入ります。
ヘッドはどんどん振り遅れがいい
さて、ここで、ヒンジが深くなる様子を、
もうすこし丁寧に見てみます。
なんと、ヒンジはいくら深くなっても、
フェースはずっと軌道に対して真っ直ぐ向いたままです。
コックでは、コックが深くなるほど、フェースは軌道に対して開きました。
ところが、ヒンジでは、軌道と仲良しで、いつも軌道の向きを向いています。
手首をタメるとボールは飛ぶけど、曲がる。と思われることは多いのです。
それは、コックをボールヒットぎりぎりまでタメていると、
ボールヒット間際でフェースの向きが軌道に対して急激に変化するために、
ボールが曲がりやすくなるということです。
しかし、ヒンジはいくらタメても、ボールが曲がる原因にはなりません。
このコックとヒンジを明確に区別して、スイングすることが、
飛距離と方向性の両方をゲットするためのキーポイントです。
ダウンでは、左肩と手首の力を抜いて、ヘッドだけ遅らせてヒンジをタメます。
そのヒンジのタメで、エネルギーがたくさん蓄積されてた体を、
ボールヒットに向かってリリースします。
スイングはシンプルなのです
ちょっと視点を変えてみると、
見える世界が変わってきませんでしたか。
あっちから見たらわかりにくいことも、
こっちから見たら、意外と単純なことだったと言うことです。
今回の上半身の動きは、短い物差しをクラブに見立てて、シャドースイングしてみてください。
実際にこうかな、ああかなと、動いてみると、新たな発見があるかもです。
では、また。