From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・絶対あそこに打たないショット」
というお話をさせていただきます。
コースに出ると、絶対打ってはいけない場所というものがあります。
OBはもちろん、深いラフ、池やクリーク、受けグリーンの奥とかもそうです。
ま、受けグリーンの奥は、絶対というほどのものではないとしても、
打ち込みたくはないです。
ラフからの下りのグリーンへのアプローチは、
難しいショットですから。
この様な、そこに打ち込んだら最低1打は食われてしまう様な所。
そんな場所には、勝負の分かれ目でもない限り、
1打余分に使ってでも、入れない方がいいという場合だってあります。
そこで、今回は、絶対打ち込みたくないところに
行かない作戦について、お話します。
逃げるために曲げる
そのための武器としては、
・ボールを曲げる
・距離を落とす
・ボールをできるだけ低く出す
などになりますが、
これらの武器の使い方を、伝授させていただきます。
まず、曲げる事に関する原則があります。
(1) ゴルフで一番難しいボールは、ストレートボールです。
右か左のどちらかに曲げると決めて、曲げる方が、簡単です。
(2) ターゲットに近づくボールは安心できる。
ストレートを打つことが難しいのですから、どっちかに曲げるつもりで、
安全な方向に曲げた方がどっちかというと、危なくないです。
ターゲットに近づくというのは、ま、当たり前のようですが、
曲がり方に関して、ターゲットから離れて行く方向に
曲がらないようにするという事です。
ターゲットから離れるというのは、例えば、
「ターゲットの右に出て右に曲がるボール」
「左から風で、ターゲット方向に出て、右に曲がるボール」
等々、いろいろあります。
風の場合は、風にぶつけた方が、
近づき方がゆっくりで、最も安心できます。
左からの風なら、ターゲットの右に出て、左に曲がるボールを打つと、
ターゲット近くになって、ゆっくり左のターゲットに近づくので、
見ていて落ちどころもわかりやすいですね。
風に乗せると、落ち際で急激に曲がってゆくので、
ボールが落ちるのを見ていると、ちょいと不安になります。
飛距離は伸ばせても、曲がりのコントロールは難しいです。
グリーンを狙う場合は、落ちてからの転がりも多いので、
距離コントロールは難しくなります。
右の池を避ける例
さて、ここで、打ち込みたくない場所の状況として、
例えば、少し長めのミドル。
ティーグランドから見て、コースの右側に、
コースに沿ってずっと池があり、
フェアウェイも右に傾斜していたとします。
少し距離があるということは、2オンのためには、
ティーショットはドライバーを選択しなければ、
2オンはできないような距離のホールという設定です。
ま、ミドルであっても、2オンはあきらめて、
3オン狙いという作戦とかもありますが、
ここは、そんな消極的すぎるゴルフでは、勝てないような状況。
あと1打落としたら、絶対絶命という状況だとします。
という事で、ドライバーでそこそこ飛ばしながら、
絶対右サイドの池に入らないように打ちたいわけです。
あなたなら、どうしますか。
100をまだ切った事がなく、フックなんて打った事がないという方や、
シングルの方まで、いろいろな技量の方がみえますので、
最適な答えは一つではありません。
一番オーソドックスなやり方。
それは、池の方向を向いて、右から左に曲がるフックを打つ事です。
ちなみに、ドローというのは、ほとんど真っ直ぐに飛んで行って、
ボールの落ち際で少し左に曲がるボール。
ターゲットを狙うフックは、打ち出しからターゲットの右に出て、
曲がりながらターゲットに戻ってくるボールです。
インテンショナルフック、意図的に曲げるフックは、
フェースの向きはターゲット方向で、
ターゲットに右側に仮想のターゲットを設定します。
で、そこに足元、腰、肩のラインを向けて、
本気でその仮想のターゲットに打つつもりでショットします。
そうすると、スイングが正しければ、ボールはターゲットの右側に出て、
左に曲がりながら、ターゲットに戻ってきます。
ですから、右サイドの池と右へ流れる傾斜を考えると、
右を向いてフックを打つという事になります。
でも、もし、フックがかからなかったらアウトで、池にまっしぐらです。
または右にプッシュで、池よりさらに右に行って、
セーフという事もあるかもしれません。
ま、ラッキーもあるとしても、逆球だけは厳禁です。
さて、スイングが正しくできない場合、
たとえは、フックなんて打った事がない、という方なら、
どうしたらいいのか。
まさか、そんな方に、いきなりインテンショナルフックを
打ってくださいとも言えません。
まず、ターゲットはどこにするかと言うと、
池が右で傾斜も右ですから、フェアウェイ左サイドですね。
ま、ピン位置にもよりますが、まずは、池を避けることが先決です。
100をまだ切っていない方なら、
こんな状況では、3オン狙いがおすすめです。
しかし、状況として、あと2ホールを残して、
2打オーバを以上打たなければ、99で、初の100切り。
しかも、最終ホールは難易度が最高で、まずパーは無理。
となると、このホールではパーにはしておかないと、
100切りはまた別の機会となりそう。
こんな状況としたら、次の作戦をやってみましょう。
セットアップで行う事。
グリップを短め(ー1~2cm)に握って、
少しハンドダウン(手首のコックを少し深くして、手元を下にさげる事)し、
少しボールから離れ(2cmぐらい)ます。
ターゲットはフェアウェイ左サイドのつもりで、そこに向きます。
グリップを短めに握る事で、少しだけ(10y以内)飛距離は落ちますが、
ヘッドの当てたいところに当たりやすくなります。
また、振り遅れしにくいので、プシュアウトの確率も減ります。
ハンドダウンにより、フェースは左を向くので、
ボールはつかまりやすくなり、
普段のスライスよりはスライスしにくくなります。
しかし、普段からハンドダウンでスライスをごまかしていたりすると、
ハンドダウン過ぎて、ボールにうまくあたらないかもしれません。
ボールから離れることで、ヘッドのトウ寄りにヒットしやすくなります。
トウ寄りに当たると、ギア効果(ボールがフェース面でつぶれている間に、
ヘッドの回転方向とは反対方向に回転がかかる事)が出ます。
そのため、ヘッドの芯よりトウ側にヒットすると、
ヘッドは当たり負けして右回転するので、
ボールには左回転であるフック回転がかかります。
(最近の大型ヘッドではこの傾向は小さくなりますが)
スイングはまったく変えなくても、
セットアップでこれだけ左に曲がりやすい要素を並べてたら、
それらの事をやらないよりは、何ヤードかでも右に行きません。
というか、右に行く確率はかなり下がります。
スイングで変えるところとして、もし、やるとするなら、
フォローを高く出す事です。
フォローが高いと、軌道はインサイドアウト傾向になりますので、
打ち出し方向は右方向に傾きますが、
ボールにはフック回転がかかり、左に曲がりやすくなります。
いつものアウトサイド・インのカット軌道が、
多少ストレートに近くなり、スライスの程度は少しは緩和されます。
ま、難しい事は考えないで、
セットアップだけでも、チェックしてみてください。
左の池を避ける例
池と傾斜が反対で、今度は左サイドに絶対打ちたくない場合。
左防ぎと言います。
やはり、インテンショナルにスライスを打てないとしたら、
やるべき事は、次の作戦となります。
ま、普段どうりスライスを打てばいいので、
何も考えないでフェアウェイセンター狙いという作戦です。
もし、普段、そんなにスライスが出ないようでしたら、
先ほどの右防ぎのほぼ反対をやります。
セットアップでは、グリップを短め(ー1~2cmこれは先ほどと同じ)に握ります。
そして少しハンドアップ(手首のコックを少し浅くして、手元を上にあげる事)し、
少しボールに近づき(2cmぐらい)ます。
ターゲットはフェアウェイセンター(今度は端ではなくセンター)
のつもりで、そこに向きます。
フェアウェイセンターにするのは、
フックよりはスライスの方が出やすいからです。
グリップを短めに握るのは、先ほどと同じで、
ヘッドの当てたいところにできるだけ正確にヒットさせるためです。
ハンドアップすると、フェース面は右を向きますので、
ボールがつかまりにくく、スライスしやすくなります。
ボールに近づくと、ヘッドのヒール寄りにヒットしやすくなり、
やはりギヤ効果で、今度は反対回転のスライス回転がかかります。
本当は、インテンショナルにフェースと体の向き調整した
セットアップにしたいところです。
ですが普段のセットアップで、足元、腰、肩のラインが正しくセット
できていないのに、インテンショナルにセットアップしようとしても、
そんなに簡単には曲がりません。
でも、グリップ短めとか、ハンドアップやダウン、ボールとの距離なら、
セットアップの変化としては、違和感が少ない変化ですので、
どんなスイングの方でも、対応しやすいのです。
そして、左防ぎの場合、
実は、もう一つやっていただかなければならない事があります。
引っかけフック防止です。
引っかけフックは、トップから上半身が打ち出し方向に突っ込んで、
軌道が左方向になり、さらにフェースが急激に閉じて、
左に出て左に曲がるボールです。
原因は、主に、下半身に元気がなかった事になります。
これを防止するためには、下半身を目一杯使い、
上半身はリラックスさせます。
下半身の動きさえ緩慢にならなければ、上半身は左に突っ込みにくいのです。
ハザードが目の前にあると、どうしてもスイングは思いっきりできません。
しかし、左にハザードがあるときは、
下半身は目一杯使うことを、肝に銘じて覚えておいてください。
とにかく、ストレートは難しいボールなので、
必ずどっちかに曲げるつもりでショットしてください。
その方が、どっちに曲がるかわからないよりは、
安全な方向に曲がり過ぎたとしても、その方がいいのです。
また、しっかり、どっちに曲げるか決めてショットする事で、
ターゲットと弾道がイメージしやすくなり、
スイングのイメージもはっきりします。
そうすれば、たとえ失敗しても、どうしてうまく曲がらなかったのかなど、
反省材料とする事ができます。
距離を落とす
これは、レイアップですね。
ハザードまで絶対に届かないクラブでショットするだけです。
でも、これがなかなかできないというのが、世の常、人の常です。
そして、レイアップを選択しても中途半端、
というケースがものすごく多いのも事実です。
レイアップの原則は、
確実に届かないクラブを選択する事に尽きます。
短めと決めたら、クラブも体も心も短めです。
短いとはいえ、ちょっとでも飛ばしておきたいなんて、考えてはいけません。
それから、ハザードまでの距離を正確に測る事も忘れないでください。
そして、レイアップは単に距離を落とすという事ではなく、
次に打ちやすいところに運ぶという事ですから、
フェアウェイのできるだけ平らな所に止まる事を計算して、打ちましょう。
また、次のショットでグリーンを狙うなら、
グリーンセンターに狙いやすい位置という事も考慮します。
「グリーンセンター? え、ピンじゃないの?」
とお思いの事と思いますが、グリーンセンターです。
ハンディがゼロ以下になるまでは、100ヤード以上あるところからは、
ピンは無視して、グリーンセンターを狙います。
あえて言うなら、もし転がったら、
ピンの方向に近づくかも程度にしておきます。
例えば、ピンがグリーンの右サイドぎりぎりにあるなら、
左からフェードやスライスで、グリーンセンターを狙います。
そうすると、グリーンセンターで止まらなかったボールは、
さらに右に転がり、ピンに近づくというラッキーな飛び方をしてくれることもあります。
ピンが右にあるのに、右からのフックやドロー狙いでは、
ピンに近いところにキャリーさせなければなりません。
そして、転がったら、ピンからどんどん離れてしまいます。
なので、ラッキーがほとんどゼロになってしまいます。
できるだけ低いボールを打つ
ダフリとトップに曲がりなし、とも言われます。
ティーショットでドライバーを使う場合、
プッシュアウト・スライスが一番OBになりやすいボールです。
これを防止する最大の作戦が、
トップさせて低いボールを出すつもりで打つ事です。
え、トップでは、ちょろだってなるかも。
というイメージが頭をよぎる事でしょう。
しかし、ちょろは打ちあげようとして、スクイ打ちとなり、
下から上に向かう軌道が極端になりすぎて、ボールの頭をかすめて、
ちょろちょろ転がるボールになってしまいます。
トップさせて低くボールを出そうとすると、
絶対打ちあげようとはしません。
ですから、よほどの事がないかぎり、ちょろにはなりません。
安心して、トップさせてフォローを低く出すイメージでショットしてください。
ほとんどの方が、トップさせるつもりで打った方が、
曲がりにくく、そこそこ飛んでしまうボールが出ます。
これは、騙されたと思って、実際に勇気を持って、
やってみる事しかないのですが、
とにかく、朝一のティーショットなどで、特にお勧めです。
「絶対あそこに打たない」ためには、ここでお話したことを、
コースでいきなり使うのではなく、練習場でやってみておくことが大切です。
練習場では、ひたすら真っ直ぐなボールを打つのではなく、
時々でもいいので、コースをイメージして、どっちに曲げようとか、考えてください。
実際に、曲げたい方向に曲がらなかったとしてもいいのです。
曲げようとする事がいい練習になります。
スライス打ちの方が、左に曲げようとしても、
そんなに簡単には安定して左には曲がりません。
しかし、右に曲がる程度が抑えられるだけでも、
十分、右サイドのハザードを避けるための戦略に取り入れることはできるのです。
では、また。
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