2015.09.27
From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・ティアップ・サンドウエッジ・ショット」
というお話をさせていただきます。
ショットのベースを作るには最高のドリルです。
しかも、練習場では、まあまあいいショットが出るのに、
コースに行くと、どうもダフリやトップが多いというあなたには、
必見のドリルとなっています。
練習の方法
やり方は単に、練習場で、ティーを一番高くして、
その上のボールを、サンドウエッジで
クリーンヒットさせるだけのドリルです。
ティーを高くすることで、サンドウエッジのシャフトの長さでも、
ミドルアイアンぐらいの前傾角となり、
通常ショットに近い体の動きになります。
ところが、そのドリルには、妙にいろいろご利益があり、
トーナメントのトッププロから一般の方まで、
絶対にやるべき練習となっています。
練習場での問題点
練習場のマットだと、ボールに上から入って下に抜けて、
ボールの先にターフをとるようなダウンブローでのショットは、
マットにヘッドが当たり、打ちにくいです。
その点、ティーアップしておくと、
適正なダウンブローでクリーンヒットしたときは、
本当に気持ちよく打ち抜けて、ゴルフが楽しくなります。
また、ティーアップ=簡単、と考えてしまい、
そんな簡単なショットは練習してもしかたないと思っては、
もったいないですね。
ちょっと五感を使うと、実は
「ティーアップ=簡単」
ということにはならないことがわかります。
また、練習場で、マットの上のボールを打っていると、
実は、ちょっとだけダフった方が、
ボールはいい感じで飛んでくれます。それが、最大の問題です。
理由は、滑りの良いマットからだと、ちょいヒールダフリでは、
ヒール側が抵抗を受けて遅くなることで、
フェースが閉じてきてボールが捕まり、強めのボールが打ち出され、
それを良いショットだと勘違いするからです。
練習場で打っていて、アイアンのドローが出たと、
喜んでいる場合ではなかったりします。
まぐれもまぐれ、実はいいショットでのドローではなく、
ちょいヒールダフリだったということもあります。
そのため、少しトウ・アップして構えて、
ちょいヒールダフリを一生懸命打とうとするはめになります。
それだと、コースでは、本当にダフリになりやすいです。
さらに、ヒールダフリでちょうどよく捕まるボールを打っていたということは、
ヒールがダフらなかったら、フェースが開いてボールヒットした、
弱々しいスライスだったかもしれません。
ま、綺麗なストレートだったかもしれませんが。
ということで、ダフっていて、さらに勢いのない、
へたをするとスライスとなる練習を、一生懸命にやっていることになります。
クラブのヘッドは、誰でもほんのちょっとだけ
トウアップにして、セットします。
極端にトウアップにする方もいますが、
少なくともヒールアップをノーマルショットにしている人は皆無です。
トウ側を少し浮かせてセットアップするトウアップの理由はいろいろあります。
第一は、セットアップの時よりボールヒットでは、腕が伸びて、
手元が少しだけ上に浮いてトウが下がる(トウダウンがある)からです。
その分だけトウアップしているなら適正なトウアップです。
ところが、練習場のマットの上での練習が多い方は、例のちょいフェース開きで降りてきて、
軽いヒールダフリでヒットでフェース閉じだと、よさそうなボールが出ることを、
本能でわかっていて、ボールヒットでも、少しトウアップでヒットさせたいからです。
いつも芝の上で練習しているトーナメントプロなら、
多少ダフっても、フェースが閉じて、ダフって飛距離が落ちる分をカバーしてくれるということもあります。
しかし、本当に才能のあるプレーヤーは、練習でもほとんどダフることがないので、
そんな必要はなく、トウアップをしていたとしても、
その程度はボールヒットでのトウダウン分ぐらいです。
また、トウ側を少し上にあげてセットアップしていると、
フェースのヒール寄りにボールヒットしやすくなります。
そのままボールヒットすると、ボールの外側にヘッドの重心があり、
ボールヒットで少し当たり負けしてフェースは閉じる方向で、
ボールはつかまりますが、引っかかりにくくなります。
引っかかりにくいというのは、ギア効果のおかげです。
ギア効果は、ヘッドが回転すると、ヘッドとボールは
ギアが咬み合っているような動きとなり、ボールにはヘッドの逆回転がかかることです。
ヒール寄りヒットでは、ヘッドはほんの少し左回転するので、
ボールにはわずかに右回転がかかり、ちょとだけスライス寄りになります。
用語としては、ヒールスライスと言います。
ただし、これは、軌道に対してヘッドがまっすぐにあたった場合ですから、
最終的にボールにどっち方向の回転がかかるかは、
ボールヒットでのフェースの向きとギア効果の合算の結果となります。
いずれにしても、ヒール寄りヒットでのギア効果で、多少左へまがりにくくなります。
ヒールダフリでフェースが閉じて左回転がかかった分を、
少しは減らしてくれます。
ということで、ほんのすこしのヒールダフリなら、ボールは捕まった感じがして、
ボールはそれほどひどく引っかかって左にそれほど行きにくく、
ある意味、気持ちのいいボールが出ます。
ま、微妙なことの合算ですから、ダフリの程度、フェースの閉じ具合、
ボールの当たる位置、ヘッドの軌道、ヘッドの加速度のわずかな違いで、
ボールライトは変わります。
このいろいろなことの微妙な関係は、マットの上のボールを打つ場合だけではなく、
ダフリの影響以外は、ティーアップでも同じです。
ですから、ダフリの影響を取り除いたティアップでの、
たかがサンドウエッジで、力感8割でショットするという、
一見簡単に見えるショットでも、一定のボールを打ち続けるということは、
かなり難しいことになります。
とても、飽きるなんて言っている場合ではない練習となります。
さらに、ティーを高くして短いシャフトですから、
強めのトウアップをした状態となり、フェースは左を向きます。
このちょっとフェースが左を向いた状態で、左に引っ掛けないように打つためには、
前腕を左へねじる動きは絶対に禁物です。
そうなると、下半身をしっかり使いきって、体で打つショットである、
上半身を下半身に連動させる動きが必要になります。
この動きは、コースでついつい縮こまりがちなスイングを、
ゆったり大きくしてくれることになります。
それなら、フェースの動きはなめらかになり、ひっかけにくくなります。
それだけで、不意のボールの曲がりは、減らしてくれます。
なとなど、ティーアップ・サンドウエッジ・ショットには、まだまだ魅力がたっぷりです。
SWティーアップでは何が起きる
SWティーアップで打つと、ちょっとダフっても、
ティーに当たる嫌な音がします。
トップすれば、普通のトップと同じように、
上にあがらないでボールが高速に飛んで行く、
コントロールが如何にも効いていないボールになります。
そして、うまくクリーンヒットすると、カツンという乾いたいい音がします。
あたかも、木琴でも叩いている音です。
ま、木琴はコンという音かもしれませんが、
ま、乾いたイメージの音ということで、私は木琴サウンドと呼んでいます。
また、ティーアップの状態は、マットの練習場でも、
芝の上でも同じ状態で練習できます。
練習場で作り上げてきたスイングを、
試合のウオーミングアップで芝の上にティーアップすれば、
同じ条件で確認できます。
ティーアップ・サンドウエッジ・ショットの打ち方
さて、サンドウエッジで、
できるだけ高くティーアップしたボールを打つ打ち方について。
振り幅はサンドウエッジでの通常のノーマルショットと同じにします。
しかし、スイングリズムをゆったりにします。
そして、ショットの力感は、ノーマルショットより、
リズムをゆったりさせた分、落とします。
58度のサンドウエッジのノーマルショットが80yぐらいなら、
65yぐらい飛ばす感じになります。
ま、力感8割というところでしょうか。
力感と距離はリニアではないので、本当に出すパワーとして、
8割というわけではないのですが、
距離を2割落とすぐらいと考えていただければいいです。
また、打ち出されるボールの高さは、
ショットに使っているサンドウエッジのロフトの
半分ぐらいの高さであることを確認します。
サンドウエッジのヘッドを足で踏みつけると、
シャフトがだいたいロフト角度程度で斜めに起き上がります。
その角度の半分ぐらいというのが目安です。
なぜ、ロフトどおりではないのかというと、
大きな理由としては2つあります。
一つの理由は、ボールヒットでは、セットアップの時より、
手首が右手甲側へ折れるヒンジが深くなっているからです。
別の言い方をするなら、セットアップよりも、ハンド・ファーストになっていて、
フェースは、より立った状態でボールヒットします。
もう一つの理由は、軌道がダウンブローになっているからです。
打ち出されるボールの方向は、ヘッドにどれだけボールが張り付いているかによって、
軌道とフェースの向きの影響の度合いが変化します。
ヘッドスピードの遅いパターやヘッドに直接ボールが触らないバンカーショットでは、
ボールはフェースの向きにかなり依存して飛び出します。
ヘッドスピードが速く、ボールがフェースの上で潰れている時間が長い、
ドライバーショットやアイアンのフルショットなどでは、
ボールはフェースの向きというよりも、まずは軌道方向へ飛び出し、
それから軌道に対するフェースの向きに曲がってきます。
サンドウエッジでの力感8割ぐらいのヘッドスピードでは、
それほどボールは潰れるショットではありませんが、
ボールを潰せたほど、打ち出し方向は軌道方向へ近づきます。
うまく打てると、カツンと乾いた木琴サウンドで、ボールはロフトの半分ぐらいの高さで、
ゆっくりと飛んで行くと、覚えておきましょう。
低いけど、ゆっくり。これが、ポイントです。
なんだか、難しそうにも見えますが。
それを目指すことで、簡単そうな練習も、楽しくて没頭してしまうこと間違いなしです。
低くてゆっくりだと、本当に、良くコントロールされたという感じのボールに見えます。
高さといい、ボールの飛んで行く速さといい。
まるで、リモコン操作でボールが飛んで行く感じを受けると言っても過言ではありません。
ところで、なぜうまく打てるとボールがゆっくり飛ぶのかというと。
木琴サウンドが出るときというのは、
フェースの溝の下から2本めぐらいにボールヒットしています。
そして、その位置に当たると、ボールのバックスピンは、
ギア効果も効いて、最大となります。
そこが、サンドウエッジの本当の意味の狙って当てたい芯です。
通常は、もっと上にあると意識していて、
そのことそのものがダフる原因だったりするので、
芯の位置は注意して正しく意識してショットしてください。
さらに、ヘッドが最大に加速している状態でボールヒットするほど、
フェースの上でボールは潰れやすすなり、より長くボールをこすることで、
スピンがかかりやすくなります。
バックスピンが多いほど、ボールは落ちにくく浮き、前に進むスピードは、
位置エネルギーに変換され遅くなるばかりか、空気抵抗も増えて減速します。
ということは、最大加速中に芯でヒットするほど、
ボールはゆっくり飛んで行くように見えます。
できれば、片手ショットもやるといい
また、ティーアップしていると、ダフっても手にこないので、
気軽に片手ショットができます。
でも、クリーンヒットしたかどうか、
ヒンジのリリースがうまく溜められてリリースできたかどうかは、
はっきりとわかります。
そして、片手では、手で無理やり操作しようとしても、
なかなかうまくできません。
特に、左手片手はなおさら無理はできません。
プロでも女子選手の場合は、左手片手はみんな苦手です。
それは、力が弱くて、なおさら手でこねたりできないからです。
体で打てなければ、片手ショットはうまく打てません。
両手でも、右手片手でも、左手片手でも、
まったく同じボールを打てるようになると最高です。
あくまで、理想ですが、そうなろうとすることが重要です。
ということで、ティアップ・サンドウエッジでの片手打ちは、
完璧クリーンヒットを体で打つための、非常に良い練習になります。
うまく打てるためのコツ
ティアップ・サンドウエッジ・ショットがうまく打てるためのコツは、
通常のショットがうまく打てるためのコツと本当は同じです。
テークバック開始はもちろんスイング中ずっと、
ヘッドに対してできるだけ遠いところから順に動きます。
足の裏からヘッドまでの約3mの長さの中で、
どの部分も足の裏より先に動くことがなく、
足の裏の動きが、順に約3m先のヘッドに伝わって行きます。
どこか途中で勝手に動く部分がないようにすればいいだけです。
そんな、簡単に言わないで、という声が、あちこちから聞こえて来ていますが、
本当に、これだけのことを考えて、ティアップ・サンドウエッジ・ショットを、
まずは両手でやります。
そういえば、テークバック直前に、お腹をしっかりへこめて、
お腹の後ろ側の腰椎を安定させると、打ち出されるボールの高さは低めになり、
高さのばらつきは少なくなります。
はやり、腰椎は安定させると、ショットの連動性と精度があがります。
いいですか、カツンという乾いた木琴サウンド、
打ち出されるボールの高はロフトの半分ぐらい、
なんだかゆっくり飛んで行く感じで、妙に距離感が合っている。
めちゃ振りのフルショットで、ああだこうだと悩むより、
こんなボールを追い求めてみるのも、楽しいものです。
本当は、砂がいい
ティーアップする練習よりも、さらにいいのが、
バンカーなどの砂の上にボールを置いて、
クリーンヒットで15y~30yキャリーさせる練習です。
参考のために、私が1年間、バンカーの砂の中で8~30yキャリーの
クリーンヒットショットの練習専用に使った、ウエッジのフェース面をお見せします。
バンカーなので、ヘッドのリーディングエッジ(ヘッドの下の端)が
ボールの先で砂に入るので、リーディングエッジ全体も削れていますが、
溝の下から2本目ぐらいにボールが当たって、フェース面を押し上げるように変形しています。
バンカーではなくても、ティアップして2本目の溝でボールを打ちぬいてください。
バンカーの砂では、ボールが少し砂に沈む分、ティーアップより難しくなります。
また、ターフの形とか深さや長さを見ると、いろいろ楽しい情報が見えてきます。
本当は、砂や土の上にボールを置いて練習することも大のお勧めです。
とはいえ、一般的にバンカーで練習できる環境はそれほど多くはないし、
さらにバンカーからたくさんボールを打てるところも、どこにでもあるわけではありません。
そういった意味では、ティーアップならどこででもできますね。
では、また。
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