2016.11.06
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・チェックポイントは1つだけ」
というお話をさせていただきます。
ショットするときスイングをチェックするなら
チェックポイントは一つだけにしましょう。
練習場で練習するときも、一回のスイングで
二つも三つもチェックすることを同時に考えていると、
どれもうまくできません。
そして、毎回チェックポイントを意識するのではなく、
時々何も考えないでショットすることもやってみましょう。
そうすると、体の動き全体に調和がとれて、
チェックしていなくても修正しようとしていたことが
できている場合があります。
そして、ラウンドに出たら。。。
二つ以上のことを同時に考えると
ラウンドでは、ボールをターゲットに運ぶことだけを
イメージしましょう。
ターゲットのこと以外を考えていると、
体の動きがバラバラになってしまいます。
二つ以上確認しようとすると、どれもうまく行きません。
試しに数を1から順に数えながら
本などの文章を読んでみてください。
聖徳太子並みの頭の使い方ができなければ、
何を読んでいるのかわからなくなってしまいます。
1から100までの数字を順に足し算するとかになったら、
さらに他のことがわからなくなってしまいます。
数字を数えたり、足し算することは日常生活でいつもやっていることで、
そんなに難しいことではありませんね。
そんな簡単なことをやろうとするだけで、
他のことはおろそかになってしまいます。
車の運転をしていて携帯電話でしゃべっていたら、
運転に対する注意力はガクッと落ちてしまいます。
電話で話すなんていつもやっていることだし、
たいしたことないと感じる行動ですね。
しかし、そんなついでに出来そうなことであっても、
他の動きに対しての影響が思った以上に大きいのです。
運転中の携帯電話使用は交通規則違反ですから、
本当に影響が大きいことを認識したいものです。
ヒトは確かに複数のことをこなすことはできます。
歌を歌いながら踊るとかは、訓練の賜物ですね。
ところがそれぞれが簡単なことだと、
一つのことをやっているときと同じように複数のことを同時に行っても
それぞれを同じようにできるとイメージしてしまう大きな罠があります。
そんな罠にはまらないようにしたいものです。
さらに状況が悪いことに、ゴルフのショットやパッティングでは
一つ一つの修正したいことは以外と難しいことばかりです。
そこで、こんな罠に陥らないための色々な方法をお伝えしますので、
これらをヒントにあなたなりに最適なやり方を見つけてください。
チェックポイントの代わりにイメージ
あなたは何もチェクポイントがない状態でショットしていては
直したい問題は修正できないと思っていませんか。
ところが、練習でもラウンドと同じように、
どこをどう直そうとしないでターゲットを狙うことだけを意識するということでも、
実はスイングの問題を修正することができます。
それは、イメージ力による方法です。
練習に来る前とかショット直前に、
どんな風に体を動かしてショットをしたいのかイメージします。
シャドースイングまでやらなくても、
ここをこう動かすという感じだけでいいです。
ま、シャドースイングまで出来れば最高ですが。
そして、実際にボールを打つときには修正点に関しては何も考えず、
ターゲットを狙います。
ただこれだけです。
これが結構効果を発揮しますからぜひ試してみましょう。
フィニッシュが大切
そして、フィニッシュが大切です。
フィニッシュして、左脚一本に静かに立って、
今行ったショットを反省します。
パッッティングならフォローの最後でしばらく停止します。
ここで、ショットでフィニッシュがぐらついているとか
左脚一本に立てていないとかでは反省できません。
左脚一本に静かに立って、左手片手でクラブを持っていたら最高です。
ちなみに、右手でクラブを握りしめたフィニッシュだと、
スイング中に右手を使いすぎた証拠となります。
ボールヒットで右前腕を左にねじろうとすると、
フィニッシュしたら右手でがっちりグリップを握っているものです。
そして、セットアップに入る段階からフィニッシュをイメージすることで、
スイングを良くすることができます。
これは騙されたと思っていただいていいのですが、とにかくやってみましょう。
フィニッシュで左脚一本で静止。
フィニッシュで右手ではなく左手でクラブを持っている。
この二つのことをイメージするだけで、あなたのスイングはどんどん良くなります。
想起のすごさ
考えるのではなく、イメージします。
さらには、できると思い込みます。
できると思い込めば、イメージはさらにはっきりしたものになり、
脳の中では実際に体を動かしたのと同じように信号が走り回ります。
この現象は「運動想起における脳活動」ということで、
いろいろ研究されています。
イメージすれば、予行練習を行っているのと同じ事が脳の中では起きます。
想起するだけで、筋力までアップするという、
とんでもぶっ飛んだ話もあります。
さらに小脳は先を予測し、運動が起きる前に
運動するための信号を神経に伝達しています。
それによって、体全体が調和のとれた動きが実現されます。
ですから、そのような小脳の機能を最大限に活用するために、
セットアップ前にしっかりイメージして、
あとは何も考えないでショットしてみましょう。
このイメージ&無の境地のショットは本当は一番オススメですが、
なかなかうまくできないという場合、最低限次のような作戦を実行しましょう。
一回のスイングでチェックするポイントは一つだけ
一回のスイングでチェックするポイントは一つだけに絞ります。
ただし、セットアップでは
複数のチェックポイントを設定しても問題ありません。
実際にスイングを開始してからのチェックポイントは
一つだけにするということです。
ただし、30分以上練習場でボールを打つという方には、
もう一つアドバイスがあります。
練習でのチェックポイントの設定方法
15分以上同じ動きを続けていると、脳は飽きてしまいます。
ですから、15分以内ぐらいに色々動きを変えるといいです。
練習ですから何か直したいチェックポイントを設定して、
それをクリアしたいと願いながらショットしますね。
しかし、同じ修正点を30分以上も続けていては、脳が喜ばなくなります。
脳はなかなかできないと判断すると、それ以上は追い込まなくなります。
これは脳のあきらめ行為です。
その代わり、夜寝ている間に神経回路をつなぎ直して脳の中を整理整頓し、
それまでできなかった問題に対して対応できるように変化します。
そのためのあきらめなのかもしれません。
その場では脳は今の回路ではこれは無理だ、
回路をつなぎ変えてから対応しようとするという感じでしょうか。
ですから、15分ぐらいやったら別のチェックポイントに移ることで、
脳はあきらめるタイミングを逸してリフレッシュされて、
次のチェックポイントに向かってまっしぐらに走り出してくれます。
だいたい3?5つのチェックポイントを設定しておいて、それぞれを15分ごととか、
毎ショットごとにひとつずつぐるぐる回してチェックしていくといいです。
そうすると、脳が常にリフレッシュされながら効率よく練習することができます。
仕事でも一つのことだけをやっているよりも、幾つかの仕事を抱えていて、
それを30分?2時間ぐらいに区切って取っ替え引っ替え行うと効率が良いです。
努力していないように見えて上達する人
時々感じることですが、努力していないのに
物事をうまくこなせているように見える人がいます。
本当は影で努力しているのかもしれませんが。
でも、脳の仕組みからは努力すればいいというものではないことがわかります。
とにかく一生懸命になって同じことを
毎日1時間とか4時間とか練習しようとして、
長い時間連続して練習したとします。
しかし、それは実は最高の効率にはなりません。
実験的には、1時間同じ練習をするなら同じ時間かけるとしても
15分づつ4日に分けて練習したほうが小脳への運動の定着率が高くなります。
私もそのように実感しています。
寝ているうちに脳はそれまでできなかったことへの対応を
一生懸命に行います。
ですから、1日にまとめて行うよりも、
睡眠を挟んで複数回に分けて行った方が、素早く順応できます。
サボっているように見える人は、実は脳が飽きたらぼーっとすることで
脳神経回路の再構成を行うことの良さを本能的に知っている人かもです。
実際、脳は睡眠時以外にもぼーっとすることで脳神経回路のつなぎ変えを行います。
小脳プログラム
動きを定着させるためには、正しい動きを一定の時間、
3か月とか1万時間とか続けることで、
やろうとしている動きは小脳にプログラムされます。
「1万時間の法則」と言われることがあります。
これはフロリダ州立大学のK.アンダース・エリクソン博士が
いろいろな分野で名人と言われるまでには
どれぐらいの時間がかかっているのかを調査した結果です。
色々な分野でトップに立つ人たちは、
それまでに練習時間の合計が1万時間を費やしているという統計です。
これは毎日8時間練習したとして約3年半です。
「石の上にも3年」ということわざもありますが、
3年ぐらいそれに全てをかけて一生懸命にやれば、
何かが達成できるという経験則です。
ただし、この統計は達人の統計を見たものであり、
小脳にプログラムされるまでの時間というわけではありません。
こんな名人という統計まで行かなくても、
あなたの普段の行動は小脳にプログラムされます。
あなたも、箸を持って食事するとき
指はどう動かすとか考えたことはないですね。
歩くとか、自転車に乗るときもそうです。
車を運転するときも、加速するときはアクセルを踏んでとか、
止まるときはブレーキを踏むとか考えません。
勝手に体が動いてくれます、不思議ですね。
潜在意識は意識全体で言うと、氷山の水面下にある部分のイメージです。
氷は水面上には全体の1割程度が出ているだけです。
やり始めのころは、考えながらでなければ動かせなかった体です。
しかし、ある時から何も考えなくても何をやりたいかだけが明確なら、
後は勝手に体が動いてくれます。
これは脳科学的には「小脳プログラム」と言います。
ところで、小脳は大脳に比べて大きさは10分の1ぐらいですが、
脳細胞全体の半分ぐらいの数の脳細胞を持っています。
わたしは、その数字を聞いたときあまりにもの小脳の凄さに驚きました。
難しさのレベルや程度にも当然依存しますが、
小脳にプログラムされるためには3か月とも1000時間とも言われています。
まあまあのレベルなら24時間、
要するに毎日1時間練習すれば約1ヶ月で到達できます。
私の実感では、3か月ぐらい毎日少しでも続けると、
自動的に動けるようになると感じています。
小脳プログラムとして定着するまで練習すれば、
その練習した動きが何も考えなくてもできるようになります。
この何も考えなくてもいいという状態を作りたいのです。
そんなとき、大脳は考えないけど小脳は目一杯働いています。
考えると何が起きるのか、考えるという事は言語処理になりますが、
ほとんどの人では左脳の動きになります。
しかし、右脳に言語中枢がある人もまれにいて、
その場合は言語処理では右脳が主に働きます。
それに対して、言語中枢がない側の脳はイメージ脳とも言われ、
図形判断、空間判断、イメージ処理、動きの調整などを行います。
とはいえ、明確に右・左、言語・非言語と分けることは多少疑問もありますが。
いずれにしても、考えると体の動きはギクシャクしてしまいます。
せっかく鍛えて小脳プログラムしても、
考えるということにより大脳が邪魔して、
小脳はうまく使えなくなってしまいます。
せっかくの練習成果に封印をして、
使えなくしてしまうということですね。
小脳プログラムを最大に活用
小脳に良い運動プログラムが構築されていても、
それを動員できなければもったいないですね。
そこで、小脳プログラムを活用できるための作戦を一つお伝えしておきます。
それは鼻歌などを歌って
大脳のうちの特に言語野の中心的な働きを持つ左脳をそっちに気を取らせ、
右脳や小脳の邪魔をさせないという作戦です。
先ほどの一つのことに集中ということの真逆的発想です。
特にパッテイングでどうしても動きがぎこちないという場合は、
まさに鼻歌を歌いながらストロークするとぎこちなさが消えて
スムーズにストロークできます。
さらには、滑らかなイメージが出る声を出します。
例えば、スースーという声を出します。
バックスイングしながらスーと声を出し。
ダウンスイング開始からまたスーと声を出します。
恥ずかしい感じはしますが、
とにかく滑らかなストロークのために絶大な効果があります。
このスーというのがいいのかどうかは、いろいろやってみるといいです。
私はいろいろやってみて自分にはこのスースーが合っていました。
スーシュパーンというのも良かったですが。
こっちはちょっとだけしなりを多くしてボールヒットに向かって
放り投げるように直線的にヘッドを出しながら
ヘッドの加速を強めにしたいときに効果的です。
声を出すときは他には技術的なことは何も考えません。
ひたすらターゲットと声を出すことだけに意識を集中させます。
意識することについていろいろお話してきましたが、
いくつも同時にチェックしたい気持ちはなかなか抑え切れませんね。
とはいえ、それではいつまでたっても良い練習はできません。
脳が最高にうまく働いてあなたのために変貌してくれるためにも、
チェックポイントは一つだけに絞れるようにしましょう。
それによってキビキビした練習ができて、
良い動きが効率よく小脳にプログラムされ、あなたの体をより滑らかに
よりバランスよく自然に動かしてくれるようになります。
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