From:徳嵩力一
千葉のクラブ工房より、、、
こんにちは。プロクラブフィッターの
徳嵩力一(とくたけ・かついち)です。
今日なんですが、あなたに
「徳嵩フィッティングの舞台裏…」
という話をしたいと思います。
舞台裏と聞くとなんだかものすごい大げさですが、
最近フィッティングをしていてお客様から
「あること」を聞かれまして。。。
それで、この場で裏方的なことをお伝えしておいても
いいのかなと、そんなことを思いました。
ということでまずは、最近フィッティングにいらした
お客様のN様とのこんなやりとりから。
N様とのやりとり
徳嵩 「じゃあ、次は。。。
このドライバーを打ってみてください」
N様 「わかりました。
ところで。。。これってロフト何度ですか?」
徳嵩 「まあまあ、そのへんのことは気にせずに
まずはちょっと打ってみてください」
N様 「えー、そうなんですか。
ちなみにシャフトの硬さは?
あと、ヘッドの重さは?」
徳嵩 「ああ、そのへんも今は気にせず、
まずはちょっと打ってみましょうよ」
N様 「えー、それも秘密ですか。。。
そういう情報を言うと
何か不都合があるんですか?」
実は自分が試打をしていただく時というのは、
こうしたロフトや硬さ、重さなどのスペックは
ほとんどお伝えしていません。
「まあまあ、打ってみてください」
と言って、打っていただいています。
ちょっと話がそれるかもしれませんが
以下の画像を、ご覧になってみてください。
この中央の文字は、
・縦に読むと12、13、14
・横に読むとA、B、C
というように、縦と横で読む文字が違って読めます。
まったく同じ形のものにもかかわらず、
その文脈が別であれば異なって見えるわけです。
ちょっと身近な例に置き換えるとすれば、
ここに「Pさん」「Qさん」という
二人の人がいたとしましょう。
Pさんが、その場にいない「Rさん」という人について
「Rさんという人は、負けず嫌いで
いっしょに付き合っていて疲れる人だよ」
といったRさんに対する評価を、
Rさんのことを全く知らないQさんが聞いたとします。
その後、QさんとRさんが初めて会った時、
実はRさんが聞いた評価とは正反対の人間だったとしても、
QさんはPさんから聞いた
「一緒にいて疲れる人」
という評価をもとに判断をしてしまう可能性があります。
これがいわゆる
「先入観」や「固定概念」といったものです。
メーカー時代からの「流儀」
もし私が、フィッティングの際に
「このシャフトのフレックスはSです。
じゃあ、打ってみてください。」
と伝えたとしましょう。
もしその人が、普段から「柔らかめ」と言われる
シャフトを使っているとしたら
「ええー、Sなんて硬いシャフト、
自分に振れるのかなあ。。。?」
そんなふうに思って、いつもより力んで
スイングをしてしまうかもしれません。
でもこちらとしては
「このメーカーのシャフトは、
Sでも他のメーカーのものと比べて柔らかめだから、
この人でも問題なく振れるだろう」
と思って渡しているかもしれないのです。
(実際、そのように思って自分は渡しています)
実はこれは、自分がメーカーにいた時代、
新しい商品をテストする際には
打つ人間が数字を知る前にテストさせていました。
やはりこれも「今より重くする」「軽くする」と伝えてしまうと、
人間はどうしても身構えてしまうからです。
事前情報を入れず、先入観を持たない状況で振ってもらう。
そのほうが結果としていいデータが取れて、
スムーズなフィッティングができる。
メーカー時代のからの経験で、そのように思っているので、
今のお客様相手のフィッティングでも、そのようにしています。
こんなことをしていると言うと
なんだかお客様をないがしろにしているように
感じる方もいるかもしれません。
ですがそのほうが経験則的にいい仕事ができるので、
この流儀は今でも貫いているところです。
むしろ、フィッティングが一方的にならないように、
お客様からは会話の中でたくさんの情報を
いただくようにしています。
(フィッティング前のカウンセリングで)
・普段はどのようなミスが出ていますか?
・フェースの左右のミス(スライス・フック)と
上下のミス(ダフリ・トップ)、
どちらがより多く出ていますか?
(打った後で)
・振り心地はいつもと比べてどうですか?
・いつものクラブよりも(弾道の)高さは出ていますか?
こうした情報はとても重要で、
それによって、選ぶヘッドやシャフトも
大きく変わってくるからです。
この場で何度もお伝えしている通り、
自分のクラブ選びの原点は、ゴルファーの欠点を補ってくれる
ヘッドチョイス、シャフトチョイスというのが、信条です。
というわけで、もしあなたが今後フィッティングに
いらっしゃった際には、フレックスや重さを聞きたい気持ちを
グッと押さえて、いらしていただければと思います(笑)。
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それでは、また次回。
徳嵩力一
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