2016.06.05
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・飛ばしたいならゴルフ四股踏み」
というお話をさせていただきます。
誰でもボールを遠くに飛ばしたいと願うものです。
そうなると、ちょっとだけでも飛ばしに効果のある筋肉とか
神経系を鍛えられたらと思いますね。
でも、重いウエートを持ちあげるようなことまではやりたくない、
というのが心情ではないでしょうか。
そこで今回は、道具も場所も選ばないで、
あなたが気が向いたときにいつでもできる、
飛ばしに効果がある神経と筋肉の育成方法についてお話します。
お相撲さんがやっている四股踏みに、ちょっとだけ味付けしたものです。
筋肉を大きくするとか鍛えるというよりも、
素早く動けるための神経系統を刺激して、
動きの質を変えるということになります。
まずは、なぜ四股踏みがゴルフにとって効果的なのか?
というお話をお伝えします。
筋肉の性質
筋肉は力を出そうとしてから最大筋力になるまでには約0.4秒必要です。
ところが、ゴルフスイングでのトップからボールヒットまでの時間を見てみると、
動画において30分の1秒で8~9コマ。
ようするに一般的なスイングでは0.3秒以下になります。
となると、ゴルフでは、素早く動ける人のほうが飛ばせる可能性は高くなります。
筋肉の反応時間は同じでも、
どれだけたくさんの筋肉が最高の反応時間に対応できるかが重要です。
ところで、筋肉には大きく分けて2種類あります。
それは、すばやく動けるけれど、すぐにへこたれてしまう筋繊維である速筋と呼ばれる筋肉と、
早くは動けないけれど、長い時間動き続けることができる筋繊維である遅筋の二つです。
この2種類の筋肉の収縮速度の差は、なんと2倍という定説があります。
ま、定説ですから、証明されていたり、誰でもそうだとは言えないのですが。
でも、結構大きな差ですね。
となると、ゴルフでは強い速筋がたくさん欲しくなります。
でも、速筋と遅筋の数の割合はほとんど変化しないとも言われますので、
今ある速筋の割合のなかで、速筋がたくさん動員できるとか、
速筋そのものを太く強くすることができればいいわけです。
たくさん動員できる強い速筋を手に入れる理論
たくさん動員できる強い速筋を手に入れるにはどうしたらいいのか。
まさか、重いウエイトをあげるというお話にはならないのでご安心ください。
まずは、一般的なトレーニングでの常識的なお話をします。
速筋は早い動きをするときに使われる筋肉です。
ところが、この速筋を鍛えることは、意外と難しいというか、
負荷のコントロールが難しいのです。
速筋はある程度以上の筋力を出そうとしないと動き始めてくれません。
そのため、単純な重りを持ちあげるというような筋肉を収縮させて
筋肉の長さを縮めながらでのトレーニンで速筋を鍛えるとすると、
2~7回ぐらいしか持ちあげられないぐらいのウエイトで、
1セットとして1~5回をできるだけ高速に持ちあげなければなりません。
そして、筋肉を単に大きくするだけの場合とはちょっと違い、
ちょっとだけ余力を残すほうがいいので、セット間に少しは休むことができ
休憩として3分前後を入れますが、合計3セットは行ないます。
筋肉肥大なら10回前後反復できる重さで、
もう絶対あげららないという回数行ない、セット間の休憩は1分前後です。
これって、もう聞いているだけで、体を壊しそうです。
そうです、筋肉を肥大させてパワーアップするためには、
筋繊維を損傷させて、それを修復することで筋肉をより強くするのです。
こんなにしてまで、鍛えることはなかなかできませんね。
そこで、こんなつらいことをやらなくても、
速筋をまあまあ鍛えられる方法があります。
どっちみち徹底的に鍛えるわけではなく、今よりはちょっとましという、
まあまあということを前提にすれば、バーベルを持ちあげることに主眼を置くよりも
効率の良い鍛え方があります。
それは、筋肉を伸ばしながら力を出す、伸張性動作を利用する方法です。
筋肉は伸ばされながら力を入れると、速筋を鍛えることができます。
バーベルなどを持ちあげる動作では筋肉を短縮させながら動くことになり、
この動作を短縮性動作といいます。
その逆に、バーベルなどを下におろす動作では筋肉を伸ばしながら動くので、
伸張性動作と呼びます。
伸張性動作が本当に速筋を鍛えられるのかという点については、
理論的にはまだ解明されていません。
しかし、私も含め、多くの選手で実感としてあります。
そういえば、あなたも登山までいかなくても、ちょっとした山登りをやった後、
登りよりも下りで使う筋肉が筋肉痛になったご経験があるのではないでしょうか。
登りでは短縮性動作となります。
しかし、下りでは主に伸張性動作です。
なんだか、逆じゃないかと思いますね。
だって、いっしょうけんめいに重い体を押しながら山を登るよりも、
体の重りで引っ張られて山を下るほうが筋肉にとって損傷が激しいなんて、考えにくいです。
登るための筋肉も、下るための筋肉も、普段の生活では同じように使われているのに、
ダメージの受けかたに差が出てしまいます。
なぜ伸張性動作で速筋が鍛えられるのかはわからないとしても、
伸張性動作ではすばやく動くことができる速筋が積極的に使われるということまでは
わかってきています。
逆に言うと、早く動かさなくても、
伸張性動作なら速筋が鍛えられるという、なんとも不思議なことになります。
これって、普段バリバリにトレーニングしていない人にとっては朗報です。
だって、ゆっくりでいいのですから。
伸張性動作で鍛える方法
では、伸張性動作でゴルフで主にパワーを発揮したい筋肉を鍛える方法をご紹介します。
それは、冒頭でお話した四股踏みです。
ゴルフで、自らパワーを出す部分は主に脚を伸ばす筋肉です。
上半身の筋肉は、下半身からのパワーを受けて、しなって戻るだけです。
下半身を鍛えて、後は実際のゴルフスイングのなかで正しく上半身をしならせることで、
上半身の必要な筋肉群はちょうど良い具合にパワーアップさせることができます。
ですから、まずは、ゴルフでは下半身の筋肉群が自ら動こうとしたときに、
高速にパワフルに動けるようにすることが効率の良い体の鍛え方となります。
四股踏みでは、まさに、脚を伸ばすための筋肉にたいして、
伸張性動作を行わせることができ、
まさに、お相撲だけではもったいなくて、ゴルフのためにも最高の動きです。
でも、単にお相撲さんがやっている四股踏みよりも、
もっとゴルフに直結するプラスアルファーで、あなたのゴルフは変わります。
やり方の手順は次のようになります。
(1)スタートポジション:
両脚をすねが斜めにならない程度まで大きく広げ、
つま先は開き、股関節を曲げて腰を下ろす
(2)トップポジション:
片脚と両腕を上に高くあげ、下の足はつま先立ちで立ち、
2秒ぐらい静止できるといい
(3)ダウン:
脚と腕を同時に落とし、
着地からはできるだけゆっくり体を支えながら
スタートポジションに戻る
片脚で体をささえている時間は2秒ぐらいあると、
全身の関節を支える筋肉と神経系を鍛えることができますので、
あなたができそうならこれぐらいまで静止できることをめざしてください。
また、ここが重要ですが、上にできるだけ高くあげた脚を床に落としてきて、
足が床に触る辺りから腿の内側とお尻の筋肉を働かせて、
できるだけゆっくり着地するようにします。
このゆっくりした着地で、腿の内側とお尻などのゴルフで脚を伸ばすときに使う筋肉群が、
伸ばされながらそれをがまんしようとして伸張性動作が発生します。
特に、両腿の内側の内転筋群とかお尻の大きな筋肉である大殿筋を意識して使うといいです。
ヒトは使う筋肉を意識することで、脳細胞がより強く刺激され、
脳のより多くの部分が活性化されます。
使う筋肉を意識するとしないのとでは、
トレーニング効果は大きく変わるというのが私の実感です。
かならず、腿の内側とお尻は強く意識しましょう。
ゴルフ四股踏みは筋力そのものの向上というよりも、
むしろ速筋を活動させるための神経系統の活性化となります。
また、このゆくりソフトに着地するところが効果を最大に引き出すためにはミソです。
負荷としてはまあまあ軽いですが、伸張性動作によって速筋が使われて、
ゴルフのスイングで速筋をたくさん導入できるようになり、
素早く動くための体が作られていきます。
普段の生活ではなかなか使われない速筋を使うということが、
このゴルフ四股踏みでのゆっくり着地です。
さらに、真上にできるだけ高くあげた両腕を下半身が落ちる動きに連動させて落としてくることで、
ゴルフのダウンスイングにおける下半身と上半身の感じが出せます。
これは、この両腕の動きは筋力強化が目的というようりも、
ゴルフのスイングのためのイメージトレーニングです。
下半身が先行して動き、トップから腕とクラブを下に落としてきて、
それを両股関節で受けるイメージができると最高です。
また、腕が落ちるエネルギーを下半身で受けることで、
伸張性動作がより強調できて効果がアップします。
行う回数や頻度
行う回数としては、左右往復を連続して行ない、往復で10回ぐらいできるといいです。
また、初めてやっても筋肉痛になることはそれほどありません。
しかし、もし筋肉痛になったら、痛みがなくなるまでは行わないようにします。
実は、筋肉痛のメカニズムは科学的にはまだ解明されていません。
諸説ありますが、決定打はないという状況です。
ただ、一般的には運動後筋肉痛がするときは、
運動で使われた筋繊維が部分的に損傷して、太くなるための修復をしているとされています。
また、筋肉痛があってはパフォーマンスは出せませんから、
筋肉痛状態でやっても効果はありません。
筋肉痛がしているときは、筋肉がやった動きに対応できるために
進化している最中だと考えて、むしろ休ませてたくさん栄養を与えてあげます。
筋肉痛がないなら、毎日やってもいいです。
また、気が向いたときに、行うなとか、
朝、晩決めた時間に行うようにしてもいいです。
基本的にはそれほど体には負担にならない動きですので、
継続して行うことで、あなたの体が爽快にボールを飛ばすゴルフに役立つ体に変貌です。
では、また。
追伸
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