2016.05.22
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・ゴルフだってインフォームド・コンセント」
というお話をさせていただきます。
私は、とことん説明しきることができるコーチになることをめざし、
日々自分自身の言動を振り返っては、
もっとやさしく簡単に説明できないかを考えています。
あなたが、完全に納得して、
自信を持って練習できることが私の理想です。
そのためには、私自身も努力する必要がありますが、
あなたもご自分のことをもっとしっかり理解することが大切となります。
そこで、今回はどう考えれば、あなたご自身のことを理解して、
最適な上達の道を歩めるのかについて、ご一緒に見てみたいと思います。
インフォームド・コンセントの本質
インフォームド・コンセントとは、特に手術などに際して、
医師が患者にたいして、病状や治療方針を分かりやすく説明し、
患者の同意を得ることです。
もし、自分の技量をあげるためとか、
新しいことをやってみるために、行う必要もない手術をするようでは、
患者さんに対して、納得が行くまで説明してあげることなんてできませんね。
それは、医療に限ったお話ではありません。
ゴルフだって、仕事だって、
本来行うべきことに真摯に向き合っていなければ、
ちゃんと説明することなんてできないのです。
ちゃんと説明できなければ、心からの同意、
心の底から一生懸命治そうとする気持ちなんてわいてくるわけがありません。
説明する立場では
コーチングを受けに来ていただくお客様には、
とりあえずスライスを直したいというご希望の場合もあります。
または、ゴルフの本質を理解して、それを体でもできるようになれば、
スライスだっていつの間にか直るだろうし、スコアだって自然に良くなるから、
まずは、本当はどうあるべきかを徹底して知りたいという方にも来ていただいています。
どっちがいいとか悪いということではありません。
いずれにしても、スライスをとにかく直したいとしても、
スライスしている根本的理由は何で、それはどうすれば良くなって行くのかを
理解したうえで、とりえあえずスライスをましにするには、
今どうしたらいいのかというように考えることが大切です。
まずは、一番の悩みを解決して、やる気を起こして、
根本治療に入るということも、ある意味効率良く上達するためのひとつの道です。
わたしは、それぞれのご希望にできるだけ沿えるように、
まずは現状分析を真剣に行い、
根本的問題とそれから派生するトラブルをはっきりさせます。
そしてお客様がとりあえず派なのか、じっくり派なのかを加味した上で、
どの課題から修正を始めるかの計画を立てます。
単発の1日コースなのか、半年以上定期的に来ていただけるのかも、
どの点から修正するべきかの判断材料とします。
たとえば、医療現場において、延命だけが最優先ではないのかもしれません。
生活の質を落とさないで残りの人生を満喫できるほうが、
少しぐらい寿命が縮まったとしてもいいとお考えの場合もあると思います。
それによって、同じ病気で同じステージであったとしても、
治療方針は変わりますね。
ようするに、患者さんの意思を尊重して、
治療方針の最適な解は変化するわけです。
それと同じように、ゴルフのコーチングであっても、
あなたがどんなゴルファーになりたいかによって、
どんな計画でスイングや体や心を改善して行ったら良いのかは異なります。
ですから、わたしは、どうしてここを今改善しなければならないのか
ということの判断と説明に、多くのエネルギーを投入しています。
あなたのなかに存在する誤魔化したい気持ち
インフォームド・コンセントは、
わかった気にさせることを戒めるということにもなります。
しかし、説明を受ける側についても、問題から真っ向から立ち向かおうとせず、
楽にその場から立ち去ることを選んでしまう傾向があります。
ヒトの行動は、頭ではわかっていたとしても、
実際には合理的な行動をとれるとは限りません。
行動経済学では、「目の前の利益を追ってしまう」
「富の絶対量よりも変化量により判断してしまう」など、
いろいろな現象が説明されています。
ヒトの行動のなかには、普通の経済学理論では説明できない行動があり、
そのような行動を説明するために行動経済学という
普通の経済学とは異なる分野ができてきました。
特に「時間的非整合性」「現在思考バイアス」「双曲割引」などと呼ばれる
「将来的な利益よりも、目の前の利益を追ってしまう」ということが、
日常生活のなかで、大きな影響を与えています。
あ、なんだか画面の色が濃くなってきました。
漢字が多いと、黒く見えてきて難しく感じてしまうのです。
ま、行動経済学まで引き出してこなくても、
ヒトは合理的とはいえない行動を行ってしまいます。
今回のお話で言えば、将来まったく新しい感覚で素晴らしいショットができることよりも、
今問題となっていることがとりあえず解決すればいいとして、
納得するまで理解しようとしないというようなことになります。
ゴルフで言えば、スライスボールを修正するために、
グリップがウィークであることを放置したまま、とりあえず前腕をねじることで、
ボールにスライス回転がかかることを減らすとかですね。
このように、本質的ではない点で修正を繰り返してしまうと、
スイング全体が整合性がなく、コントロールの嵐にみまわれてしまうことになります。
とりあえずスライスを修正にするとしても、
グリップがウィークであることが根本にあることを理解しつつ、
即効でそれなりにスライスしなくなる方法を行うと考えることが大切です。
まずは、大怪我にならない程度には頓服的に修正しておいて、
同時に少しずつ根本的問題の修正も行うという感じでしょうか。
いずれにしても、あなたがご自身でどのようにして上達して行きたいのか、
あなたご自身と真剣に向き合って、あなたがなりたい姿をはっきりさせることが第一歩です。
コーチとしての私は、あなたの明確な将来像に
できるだけ合致するための、コーチングを行います。
脳科学的にも
なろうとする姿がはっきりしていることで、
あなたの脳はあなたの夢をかなえるために、全力を尽くします。
その証拠を、アポトーシスという脳の現象に見ることができます。
アポトーシスとは、脳が新たな脳細胞や神経回路を増設するためのスペースを空けるために、
使わない脳細胞や神経回路を自殺させててスペースを確保する現象です。
一昔前までは、脳細胞は年齢と共に死滅して、
一日に8万5千個(妙にこまかい数字?)、一秒間に一つの脳細胞が減り、
それに伴い脳神経回路も減る一方だと言われていました。
ところがそうではなかったのです。
脳細胞も脳細胞同士をつないで信号をやりとりする脳神経回路も、
死ぬまで増加し続けることがわかったのです。
新たに神経細胞が成長することを神経発生と呼びます。
この神経発生は今からたった20年ほど前に、
キンカチョウが新しいさえずりを学習する過程を研究する場面で発見されました。
キンカチョウが後尾の時期になると新しくさえずりを学習して、
脳が大きくなり、後尾の時期が終わると脳が元の大きさに戻るという現象からわかったのです。
これは、鳥類だけではなく、人間の短期記憶をつかさどる海馬でも発見されました。
また、体の神経も、一度切れたら元には戻らないと言われていました。
が、しかし、運動をついかさどる神経の新たな発生が証明されています。
とはいえ、脳細胞や脳神経回路、運動神経も、使おうとしなければ増えません。
あなたの意志がそこに存在しなければ、
脳細胞や脳神経回路は新たには発生しないのです。
そして、1秒間にひとつのあなたの脳細胞は自殺しているだけになってしまいます。
また、脳科学では考えて実行するほど脳の多くの部分が活性化するという、
面白い実験が行われています。
指を立てるという動作をfMRIという動的に脳の内部の活動を観察できる装置で観察しながら、
いろいろやってみる実験です。
この実験で、被験者にどの指を立てるか命令して指を立てる場合にくらべ、
被験者にどの指を立てるかを決めてもらって指を立てる場合は、
脳の内部では格段に多くの部分が活動することがわかりました。
さらによく考えて決定を行うほど、脳の活動領域は広くなることがわかています。
このことは、当たり前といえば当たり前のようなことかもしれません。
しかし、そこには重要な事実が存在しています。
どんなゴルファーになりたいのかを自分から意識的に考えて練習に励むほど、
脳のより多くの部分が活動することになるという超重要なことです。
成りたい姿を明確にイメージして、本当そうなろうとして、
日夜考えをめぐらしたり、体を動かしてみたりすれば、
脳や体の神経はあなたの成りたい姿にあなたを作り変えてくれます。
脳に使われるのではなく、脳を味方につけるのです。
あなたさえその気になれば、脳はあなたに素直に従って成長を遂げます。
そういった意味で、あなたとコーチはともにあなたが成りたい姿を描き、
コーチはあなたの脳と同じように、あなたを徹底的にサポートします。
どこを改善すれば理想とするゴルファーになるのか、
そしてなぜその問題から改善を進めるのか。
今の課題をクリアしたら、次には何が来るのか。
そして、どんなスイングになっているのか。
そのことを私はあなたに丁寧にお伝えして、あなたとコーチとしての私が同意して、
あなたが目指すゴールに向かって突進するのが、
ゴルフのコーチングでのインフォームド・コンセントです。
脳神経細胞や脳神経回路は好きなことに没頭するほど、増加します。
時間を忘れて、あなたご自身のゴルフと最高に楽しく向き合ってみてはどうでしょうか。
追伸
5月24日(火)に、大阪でレッスン会を開催します。
ゴルフライブの事務局の話によると
大阪は今まであまりレッスンをしていなかったので、
案内があればすぐに埋まってしまうだろうとのこと。
15ヤードキャリーやシャドースイング等
丸一日どっぷりとレッスンさせていただきます。
ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。
残席わずか、あと2名と聞いています。
↓
http://g-live.info/click/ohml0524pdf/
※すでに満員でしたらご容赦下さい。
では、また。
追々伸
もう一つ、すっかり忘れていました。
これも事務局から連絡があり、私の教材
「3step Swing Master Program」
が、期間限定でキャンペーン中とのことです。
きっとあなたの家にもある「あるもの」を使って
あなたのスイングが良くなってしまうという
ちょっと変わったプログラムです。
詳しくはこちらをご覧下さい。
↓
http://g-live.info/click/ohs160517/
明日5/23(月)までだそうです。