「技」なぜ腰をフルターンする必要があるのか?

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2014.11.09
omori

From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、

こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。

今回は、

 「技・なぜ腰をフルターンする必要があるのか?」

について話してみたいと思います。

今回は、サンドウエッジで15ヤードキャリーさせる
「ショット基礎アプローチ練習」において、
フィニッシュで腰をフルターンさせるという話になります。

サンドウエッジを使って、
15ヤードキャリーさせるショットを打つのですが、

単にキャリーさせればいいというのではなく、
全てのショットにつながる練習となるための、
大切なチェックポイントをお伝えします。

腰をフルターンの重要さを実感した経験

まず、フィニッシュで腰をフルターンさせる事に関して、
私の経験でのお話になりますが、
その大切さを実感した2つの出来事があります。

一つは、アプローチがうまいと感じる選手は、
サンドウエッジのノーマルアプローチショットで、
30ヤード以下であっても、ほぼ確実にフィニッシュで
腰をフルターンしていると気づいた事です。

何か特別な技を使う時は、フルターンさせない事もありますが、
自然なショットではフルターンさせます。

私がうまいと感じるのは、この様なショットでボールが低めに出て、
ゆっくり飛んで、落ちてから、どれぐらいで止まりそうか
わかるようなボールを、リズムよく打っている人を見た時です。

こんなボールを打つためには、クラブヘッドが加速しながら、
ボールにクリーンに当たる必要があります。

もう一つは、私がバンカーアプローチの練習をしてた時

(バンカーで、ボールをクリーンにヒットさせる
 30ヤードキャリー以下ぐらいのショット)

ボールをクリーンに打てている時は、
いつもフィニッシュで腰がフルターンできていた事です。

いろいろ上半身の動きの事を考えて打っていると、
つい下半身の動きが悪くなって、
腰がフルターンしない場合があります。

そうすると、急にダフり始めたりするのです。

そこで、下半身の動きを意識して、
腰をフルターンさせるようにすると、
またクリーンヒットが連発できるのです。

なぜ、15yで腰をフルターンさせるといいのか?

ではどうして、15yキャリーで
腰をフルターンさせるといいのでしょうか。

一番の理由は、ボールをクリーンに打てるからです。

背骨を中心に回転すると、背骨の前側には
重い内蔵などがくっついているので、
回転した方向に体重も移動します。

テークバックで右にターンすると体重は右に移動し、
ダウンスイング以降、左にターンすると、体重は左に移動します。

ボールヒットの先に重心があれば、ほぼダフりません。

なぜなら、人は、重心ライン
(体の重心の、体の正面方向に引いたライン)
に向かってクラブをリリースしやすいからです。

もう一つの理由は、下半身が上半身に勝てるからです。

フィニッシュで腰がフルターンしているようにしようとすると、
下半身はかなり積極的に動いてくれなければなりません。

上半身はその下半身について行くだけの感じになります。

下半身が上半身に勝っていると、下半身から順番に動いて、
最後に手首のヒンジ(手首の甲側に折れる事)が開放されます。

手首のヒンジが、ボールヒットぎりぎりまで保たれることで、
クラブヘッドは加速しながらボールに当たります。

そうすると当たり負けしにくく、
しっかりボールを撃ち抜けるのです。

さらにダフらずに、ボールをクリーンに拾う事ができるという、
ご利益も付いてきます。

ちなみに手首にコック(親指側に折れる事)は、
グリップがトップからは一旦深まりますが、
胸の高さあたりでリリースされ始めます。

コックをあまりタメすぎると、
ボールヒットが点になってくるので、難しくなります。

しかし、ヒンジはいくらタメても、
ボールヒットは点にはなりません。

(この違い、詳しくは、また別の機会にお話したいと思います。)

フルターンしてみてわかること

さらに、腰のフルターンができていると、
15yキャリーで腰をフルターンさせると、
腕のムダな動きを使っているかいないかを、
簡単に判定できるというご利益もあります。

クラブの自然なリリースというのは、
腰の回転が遅くなり始めたあたりから、その減速の度合いによって
リリースの速度も変化します。

急減速するほど、リリースも一気に行われます。

15yキャリーより短い距離ではスタンスが狭い分、
いくら下半身を目一杯使ったところで、腰の回転速度は遅く、
リリースの力も弱いものになります。

結果として自然なリリースに任せるだけなら、
ほとんどリリースされないのと変わらないぐらいになります。

そこで、ものすごく大切な、腕の無駄な動きがあるのかないのかの
確認ができる、チェックポイントが見えてきます。

それは、次の2点です。

(1)トップよりフォローが低い

(2)足のつま先のラインに沿って、クラブシャフトなどを置き、
   フィニッシュでクラブヘッドがシャフトの右側(体の正面側)に収まる

トップよりフォローが低い事をチェックする

では、(1)のトップよりフォローが低い事をチェックすると、
どんなことがわかるか、詳しくお話してみたいと思います。

テークバックして、トップからダウンスイングにかけて、
手首をやわらかく保っていると、自然にヒンジができます。

そしてボールヒットでは、トップからできたヒンジが開放され始めます。

ところが、15yキャリーぐらいの腰のターンの速さだと、
ヒンジが解けきりません。

そのため、ヒンジが残った分だけ、トップよりも、
フォローでのクラブヘッドの高さは低くなるのです。

もしスイング中、自らヒンジを開放させる力を出そうとして、
右手甲側に折れたヒンジを、左手甲側に折れるまで戻そうとしていたとしたら、
フォローがトップよりも高くなります。

一般に言うすくい打ちですね。

このすくい打ちの傾向があるうちは、クラブのリリースタイミングが狂い易く、
その結果として、ダフったり、トップしたりしやすくなるのです。

そして、クラブヘッドが減速しているため、
ボールも強く打ちぬく事ができません。

15yよりも遠くに飛ばす場合ですと、腰の回転速度も早くなり、
ヒンジを自然に開放させたとしても、ボールヒット後に
ヒンジがセットアップの時と同じか、それ以上に開放されて、
左手甲側に折れるまでになります。

ですから、15yキャリーでのチェックが重要なんです。

15yキャリーで、ヒンジが力づくで開放されていたとしても、
フィニッシュで腰のターンが浅いほど、
クラブヘッドはフォローでトップよりも高くなりません。

ですから、手首のヒンジの開放の程度を明らかにするために、
フィニッシュで腰をフルターンさせて、
クラブヘッドの高さを確認することが大切なのです。

フィニッシュでのクラブヘッドの収まり

次に、(2)のフィニッシュで、クラブヘッドがシャフトの右側
(体の正面側)に収まる事をチェックすることで
どんな事がわかるか、詳しくお話してみたいと思います。

スイング中に、前腕を捻ってクラブを操作していると、
15yキャリーのフィニッシュで、
クラブヘッドがシャフトより左に出てしまいます。

クラブヘッドは、テークバックに向かって、
手首のコックを作って、右肘を曲げる事で
右肩の方向に上がりながら、開いてきます。

前腕を捻って開いて来るわけではありません。

ダウンでは、コックと肘の曲がりを元に戻す事で、
クラブヘッドはセットアップの向きまで戻ってきます。

要するに、骨格の仕組みでクラブヘッドは勝手に閉じてくるのです。

スイング速度が早くなるほど、コックが解ける速度は早いので、
クラブヘッドが閉じてくる速さも速く、勢いで前腕もねじれて
セットアップよりも閉じてきます。

さらに、クラブヘッドのオフセット
(シャフトに対して、重心が離れている事)
がプラスされて、より勢いを増します。

このチェックポイントも、フィニッシュで腰をフルターンさせていないと、
ごまかせてしまえます。

しかし、腰がフルターンしていると、すぐにわかる事なのです。

15yキャリーで腰をフルターンさせる意味。
こんなにも深い意味があり、なんとか伝えられたかと思います。

是非、実際に練習に取り入れていただけたらうれしいです。

では、また。

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大森 睦弘
大学卒業後、世界でも有数な大手電機メーカーに勤務。社内の中央研究所や外部機関の客員研究員(東京大学)など、研究開発に従事。その類まれな分析力と強靭なメンタルは、ビジネスでの成功だけにとどまらず、スポーツでも発揮。国民体育大会アルペンスキーで優勝など、その競技力と長年の指導実績から、神奈川県アルペンスキーコーチとしても活躍。 その後、会社を早期退職し、ゴルフのインストラクターを養成するコースを卒業。卒業と同時に、コーチとして、プロ、ジュニアや一般の方々へのコーチング、ツアーキャディーなど、幅広い層に対するコーチングを行った。特にメンタルテストで「トップアスリートとして通用するレベル」と診断され、その強いメンタルを作りあげた経験を元に、メンタル面のサポートも行う。 現在、フリーのコーチとして独立。一般の方の本当の気持ちになって、どんなことでもとことん説明するなど、今まで納得できなかったと言われたことにも、やさしく解説することを信条としている。さらに、分析能力の高さを生かしてコーチングの仕事に従事するかたわら「ゴルフでのからだの使い方」をやさしく紐解くことで、ゴルフを普及させる活動を行なっている。
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大森 睦弘

大森 睦弘 について

大学卒業後、世界でも有数な大手電機メーカーに勤務。社内の中央研究所や外部機関の客員研究員(東京大学)など、研究開発に従事。その類まれな分析力と強靭なメンタルは、ビジネスでの成功だけにとどまらず、スポーツでも発揮。国民体育大会アルペンスキーで優勝など、その競技力と長年の指導実績から、神奈川県アルペンスキーコーチとしても活躍。 その後、会社を早期退職し、ゴルフのインストラクターを養成するコースを卒業。卒業と同時に、コーチとして、プロ、ジュニアや一般の方々へのコーチング、ツアーキャディーなど、幅広い層に対するコーチングを行った。特にメンタルテストで「トップアスリートとして通用するレベル」と診断され、その強いメンタルを作りあげた経験を元に、メンタル面のサポートも行う。 現在、フリーのコーチとして独立。一般の方の本当の気持ちになって、どんなことでもとことん説明するなど、今まで納得できなかったと言われたことにも、やさしく解説することを信条としている。さらに、分析能力の高さを生かしてコーチングの仕事に従事するかたわら「ゴルフでのからだの使い方」をやさしく紐解くことで、ゴルフを普及させる活動を行なっている。

 

「技」なぜ腰をフルターンする必要があるのか?」への4件のフィードバック

  1. 宇田川 潔

    アプロ―チの練習は自分でも驚くくらい熱心にやっています。
    腕で打つのではなく腰の回転で打つ感覚がなかなか掴めずに
    いましたが、バックスウイングで右ひじを軽く絞める形で
    行い右腰でリードしたところ左への回転もスムースに行くように
    なりました。やっと同じようなボールを連続して打てるようになりました。
    週に2~3回庭で5メートルぐらいの処に的付きの籠を置いて入れる練習をウエッジ3本で
    していますが、100球位打って80~90%ぐらい的に当たって入る様になりました。
    この腰の回転が手打ちになっていたアイアンのスウイングの改善に早く影響するように
    練習したいと思っています。

    返信
  2. 田中信行

    9/9レッスンで15ヤードショットでも腰をフルターンさせよ!
    指導されました。その時は何故?理解出来なかったのですが、
    最近フルターンを意識してアピローチをトライしています。
    短い距離(5~15ヤード)でも、狙ったところにボールを運べ
    ます。コントロールができる様になりつつあります。早々

    返信
  3. 津田靖久

    大森先生 しばらくご無沙汰しましたが、ヤッチャンです。今回も、「ヤッテくれました!」流石は大森プロです。下半身、上半身。腕、手の動きの関係というメインテーマ以外にも、何故ショートアプローチでオープンスタンスにする必要があるのか?、「テイクバックではトップに向けて手のひらを開いて行け」と教えるコーチは正しいのか?、インパクトとコック、リリースの関係の考え方などなど、多くの疑問が一気に解けました。感服つかまりました。有難うございました。

    返信
  4. 高橋 誠治

    本日の講義で15ヤードキャリーさせる「ショット基礎アプローチ練習」のチェックポイント意味が良く分かりました。恥ずかしながら、チェックポイントの形だけを意識して練習していました。
    これからは、15yキャリーで腰をフルターンさせる意味をしっかり理解して練習を継続します。
    ありがとうございました。

    返信

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