「技」正しくセットアップしたら後は揺らすだけ

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2015.05.10
07

From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、

こんにちは、大森睦弘です。

今回は

「技・正しくセットアップしたら後は揺らすだけ」

について、お話しします。

ゴルフは、止まっているボールを打つ、かなり特殊な種目です。
そんな特色を最大限に生かすためには、セットアップはものすごく大切です。

そして、セットアップがうまくできたら、後はどうすればいいのか。
振り子の様に揺れればいいのです。

さて、どういったことなのか、じっくりお話します。

セットアップの正しさが出発点

セットアップが悪いと、スイング中になんらかの修正をして、なんとかボールにヘッドを当てなければならなくなります。
逆に言うと、セットアップがうまくできたなら、上半身が素直にターンして、その肩から先にくっついている、腕、クラブが振られるだけの動きがやりやすくなります。

究極はそうですが、現実はそんなに甘くはありません。

何か甘いのかというと、まず、完全なセットアップはほぼ不可能です。
私達はロボットではないのですから。
しかし、どんなセットアップがいいのかが分かれば、それに近づくことはできます。

セットアップには特殊な能力はいりません。
何が正しいのか、どうすることがあなたに合っているのかを知っていることが大切です。

セットアップには型紙のような決まった形があるというわけではありません。
それぞれのチェックポイントには許容範囲があるだけで、1億人いたら1億通りのセットアップがあります。
あなたに合っている形が完全なセットアップです。

例えば、セットアップの最後でフォワードプレス(スイングの開始動作で、手元を打ち出し方向へ少し押し出す動きを入れることなど)をするかしないか、するとしたら、どこをどう動かすか、これだけでも、数え上げたらきりがないぐらいです。

形では見えなくても、意識だけでフォワードプレスするという人もいるぐらいです。

ボールにアドレスした時の注意事項を、あなたなりにしっかり確認して、少しでも、あなたにとっての完璧なセットアップに近づいてください。

セットアップを軽く見ていると、スイング中にそのしっぺ返しに会うのは、間違いありません。

逆に言うと、セットアップしたら、後は体が揺れるだけでショットができてしまうようなセットアップが究極です。

セットアップで悩んだら、揺れるだけでスイングできるセットアップになっているかどうか考えて、そこに立ち戻れば、あなたに合った本当のセットアップが見えてきます。

セットアップでの注意点は、あなたなりにリストにしてしたためておいてください。
どんなことでもいいので、あなたご自身のチェックリストを作る事が先決です。

セットアップがうまくできる糧として

セットアップがおろそかになることに対処するためには、何らかのモチベーションが必要です。

そこで、今回の本題である、正しくセットアップできたら後は揺らすだけという、ご利益が見えてくれば、あなたにも今まで以上にセットアップに関心を持っていただけますね。

コーチングしていて、一般の方もプロもジュニアもほどんどの方は、スイングということを、難しく考えすぎて、蟻地獄に足を踏み落としています。

セットアップが悪い事をスイング中に修正しようとすると、動きはかなり複雑となり、タイミングも難しくなります。
それを調整することは、人の能力をはるかに超えることにもなります。

スイングというのは、揺れることが始まりだったのです。
そのことを忘れて、揺れ始めることができないスイングで、なんとか、ヘッドを力ずくで振り回そうとしているのです。

体を揺らし、クラブに振られる

そこで、簡単な動きをやってみましょう。
まず、普段どうりセットアップしてみます。

そこから、クラブが落ちないぎりぎりぐらいにソフトにグリップを握ります。

そうすると、両腕や肩はかなりリラックスできます。

そして、小さく体を右回転、左回転、また右回転そして左回転と、連続して右、左へと腰から上を回転させます。
出だしは、クラブのヘッドが1mぐらいしか動かないぐらい小さく回転を始めてみます。

右に回ってクラブも右に回ってきたら、今度は左に回ってということを連続して行います。

そうすると、ターンする量が多くなるほど、重心が、右足、左足、右足、左足と、左右に体を揺らすことに追従して、左右に移動してきます。

背骨を中心にターンすれば、背骨の前側の重い内臓が、ターンした方向へ移動するので、重心も黙っていてもターンした方向へ移動します。

だんだん揺れが大きくなって、クラブに腕が引っ張られる感じになってきたら、もっと大きく揺らせていきます。
手元が肩の高さぐらいまであがってもいいですね。
それ以上あがると、左右連続揺れはタイミングが難しくなりますので、肩ぐらいまでにしてください。

うまく揺れるためのコツ

最初は小さく、そして、ちょっとづつ大きくしていくことがポイントです。

いきなり、大きく振り出そうとすると、揺れるのではなく、いきなり力ずくで振ることになりますので、今回お話している本当の揺れを感じることができません。

どうですか、セットアップがうまくできていれば、後は形とか、そんなに意識しないでもいいですね。

最初は体がターンする動きから始まりました。
しかし、揺れが大きくなるにつれ、だんだんクラブの重さが、あなたを引っ張ってくれている感じになってきますね。

そして、揺れ始めとは逆に、今度はヘッドの動きに体のターンを合わせていくようにすると、さらにタイミングとか、難しく考えなくてもうまく連続左右往復揺らしができます。

振り子時計も、最初の出だしで動かしてあげるれば、後は空気抵抗とかメカの抵抗などに打ち勝つ程度の、小さな力を加えてやれば動き続けることができます。

その、振り子時計と同じように、体の無駄な動きを減らせば減らすほど、小さな力で大きく揺れることができます。

いつでもどこでも揺れる

これを、すぐにでもやってみたいというあなたに、とっておきの方法があります。
それは、500mlのペットボトルを持って、揺れてみることです。
これなら、お家の中でもできますね。

あくまでも、腕の力はできる限りゼロで、やっとでペットボトルが抜け落ちない程度に握っているということを、絶対守ってください。

腕に力が入れば入るほど、揺れている感じからはほど遠く、力で振っている感じになります。

そして、実はこの揺れるという動作をしっかりやろうとすると、体幹(腰から上の胴体のこと)がしっかりしていないと、揺れにくいことがわかります。

クラブを手に取ると、なんとなくシャキッとする体幹も、ペットボトルだと、なんだかフニャっとしてしまいやすくなります。

お腹に力を入れて、凹ませるようにして、体幹を安定させて揺らします。

腕と肩は超リラックス、体幹はしっかりです。

ゆれるための下半身の動き

うまく体幹を使って、下半身の動きを肩にまで伝えることができるほど、揺れがだんだんパワフルな振りに変貌します。
力づくでの振りではなく、下半身のパワーを体幹が受け止め、その体幹が回転することで、肩から先の腕、クラブが振られます。

体幹をしっかりさせると、腰から下の下半身の動きが直接肩の動きに連動します。

ですから、下半身の動きが重要になってきます。

前傾した上半身が、背骨を中心にして、筒の中にはいっていて、その中で上半身が回転するイメージで下半身を動かしてください。

そのためにも、揺れ始めは、小さな揺れから始めて、上半身が固定された筒の中をきれいに回転していることを感じながら下半身を動かします。

どこをどうと考えなくても、まずは、この筒の中心には背骨があって、筒の内側を胸が撫でながら回転しているイメージを描きながら下半身を動かしてください。

揺れるということにスイングの本質がある

本来のゴルフのスイングも、この揺らした感じと同じになることが理想です。

それが、リズム良く、バランス良く、強烈なパワーを生む源となります。

ペットボトルやクラブを使って、小さく揺れることから始めると、スイングって、本当は簡単な動きだったということを実感できます。

そうなんです、本当は、こんな簡単な動きをしたいのです。

昔のクラブは、シャフトが変にねじれてしまうとか、ヘッドの重心が高くて、芯に当てるための技術が高いレベルで必要だったりしました。

しかし、現代のクラブは、揺れるように打つことで、クラブの性能が発揮できるように作ってあります。

素直に揺れ始めて、最後に振り切ること。
これがやりたいことです。
これができなかった分、飛距離が落ち、ボールは曲がります。

こんな原点に立ち戻って、スイングということを考えてみることも、新しく脳を刺激してくれて、スイング改善のふとしたアイディアが見えて来るのではないでしょうか。

では、また。

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大森 睦弘
大学卒業後、世界でも有数な大手電機メーカーに勤務。社内の中央研究所や外部機関の客員研究員(東京大学)など、研究開発に従事。その類まれな分析力と強靭なメンタルは、ビジネスでの成功だけにとどまらず、スポーツでも発揮。国民体育大会アルペンスキーで優勝など、その競技力と長年の指導実績から、神奈川県アルペンスキーコーチとしても活躍。 その後、会社を早期退職し、ゴルフのインストラクターを養成するコースを卒業。卒業と同時に、コーチとして、プロ、ジュニアや一般の方々へのコーチング、ツアーキャディーなど、幅広い層に対するコーチングを行った。特にメンタルテストで「トップアスリートとして通用するレベル」と診断され、その強いメンタルを作りあげた経験を元に、メンタル面のサポートも行う。 現在、フリーのコーチとして独立。一般の方の本当の気持ちになって、どんなことでもとことん説明するなど、今まで納得できなかったと言われたことにも、やさしく解説することを信条としている。さらに、分析能力の高さを生かしてコーチングの仕事に従事するかたわら「ゴルフでのからだの使い方」をやさしく紐解くことで、ゴルフを普及させる活動を行なっている。
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大森 睦弘

大森 睦弘 について

大学卒業後、世界でも有数な大手電機メーカーに勤務。社内の中央研究所や外部機関の客員研究員(東京大学)など、研究開発に従事。その類まれな分析力と強靭なメンタルは、ビジネスでの成功だけにとどまらず、スポーツでも発揮。国民体育大会アルペンスキーで優勝など、その競技力と長年の指導実績から、神奈川県アルペンスキーコーチとしても活躍。 その後、会社を早期退職し、ゴルフのインストラクターを養成するコースを卒業。卒業と同時に、コーチとして、プロ、ジュニアや一般の方々へのコーチング、ツアーキャディーなど、幅広い層に対するコーチングを行った。特にメンタルテストで「トップアスリートとして通用するレベル」と診断され、その強いメンタルを作りあげた経験を元に、メンタル面のサポートも行う。 現在、フリーのコーチとして独立。一般の方の本当の気持ちになって、どんなことでもとことん説明するなど、今まで納得できなかったと言われたことにも、やさしく解説することを信条としている。さらに、分析能力の高さを生かしてコーチングの仕事に従事するかたわら「ゴルフでのからだの使い方」をやさしく紐解くことで、ゴルフを普及させる活動を行なっている。

 

「技」正しくセットアップしたら後は揺らすだけ」への3件のフィードバック

  1. stampylake

    Bto80Ⅱ期受講生です。前回の先生のブログで「セットアップ時の両膝の位置」について質問したのですが、今回「1億人いたら1億通りのセットアップがあります」と明言されておられることと合わせ、だんだん得心が得られるようになりました。小生の場合、膝を適度にリラックスさせたセットアップはテークバック時の上体に何の力みが発生しないのだと実感しております。今迄先生のユックリスウィング映像の右足ぼぼ一直線九らしき形だけ見て真似ていたのですが、自分の場合はどうして上体に力みが入るのかわかりませんでした。自分の場合はどうも膝がKFSだった?ようにかんじております。ただ真似ることは恐ろしいものですね。尤も間違っている可能性もありますが・・・・。
    ところで、今回の「揺らすだけ」スウィングでの質問が一つあります。
    振れ幅がだんだん大きくなると、「往」はそれほどでもないのですが、「復」時ヘッドが下のゴムティーに素直に当たる確率が減少します。これを意識して修正しようと、両太腿の内転筋群をぐっと引き締めて対処するしか、自分の場合はうまくヘッドが「復」時当たってくれません。何か良い方法はあるのでしょうか?手で強引に合わせることだけはしないように心掛けていますが・・・・

    返信
    1. 大森 睦弘大森 睦弘 投稿作成者

      ご質問:「復」時ヘッドが下のゴムティーに素直に当たる確率が減少」について。

      振り幅が大きくなるほど、当然、軌道の誤差も大きくなるので、ゴムティーなどに素直に当たる確率は減ります。
      ただし、スイングのどこかに無駄があるほど、軌道が狂いやすくなります。

      無駄というか、ご自分から軌道を作ろうとしているほど、調整しなければならなくなります。

      内転筋を引き締めることで、下半身がしっかり動け、手が下半身の代償動作をしなくてもよくなり、
      その分、、ヘッドの重さを感じて、素直な軌道でスイングできることになります。
      通常スイングでも同じですので、普段から内転筋をしっかり使って、スイングしてください。
      ボールヒットに向かって、左膝の裏に、右膝頭が収まる感じで、スイングしてみても、
      内転筋を使うスイングになりますので、試してみてください。

      返信
  2. ヨッシー

    ドライバーで力を抜いたハーフショットで 楽に
    ドローを出せて230飛ぶんだ、とわかった時に
    本当に力みは邪魔者だと思いましたし、
    フルスイングする必要はないと思いました。

    DVDの詩プロの様な、ガルシアの様なタメの
    出来方がわかりました。ありがとうございます。

    返信

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