From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
今回は
「体・パッティングで垣間見る人のものすごい能力」
について、お話しします。
あなたのパッティングは、脳科学を味方につけることで、まだまだ伸びます。
ジュニア(小学生)のラウンドで、大人のプロのラウンドと決定的に違うと感じる点があります。
それは、パッティングのプレースタイルです。
その違いは、実は脳科学から語る事ができます。
そして、プロになって、ジュニアの時より、パターが入らない、と嘆くプロは意外と多いのです。
実際にトーナメントでも活躍している大人のプロは、ラインをじっくり読んで、きちんとフェースの向きを合わせ、決まった手順のセットアップルーティーンを踏んで、ストロークします。
そして、ほとんどの場合は、ボールにヘッドをセットする直前に素振りをします。
ところが、ジュニアで、難しいパットを、いとも簡単に決めてしまう子供たちは多いのです。
トーナメントで活躍できるぐらいのプロは、ほとんどがジュニアからたたき上げられてきています。
そして、厳しい関門をくぐり抜け、さらに並み居る強豪と競り合って勝ち抜いてきています。
当然、ショットもパッティングも、自分ができる最高のパフォーマンスを追及してきた結果、ショットやパッティングや全体のプレースタイルも、ほぼ最良のところに収束してきた結果です。
でも、なぜ、ジュニアの時の方が、いいと感じているのでしょうか。
本当に、ジュニアの時の方がよかったのか、プロの試合ではグリーンが難しいから、そう感じてしまうだけなのでしょうか。
調子いいジュニアのパッティングプレースタイル
調子いいジュニアのパッティングプレースタイルはどんな感じかと言うと。
素振りもしないで、いきなりヘッドをボールの後ろにポンと置いて、スーとストローク、そしてガツンとホールの反対側の壁にぶつけて、ストンとホールにボールを沈める。
これって、芝の一本一本が見えたともうわさされる、青木功プロのスタイルみたいですね。
少年の脳を温存した結果、青木プロのパッティングは、神がかったすごさがあるのでしょうか。
とにかく、調子のいいジュニアは、
え、そんなに遠いところから、そんなに強く打つの?
というぐらい簡単にバシッと打つのです。
当然、全員がそうでもないし、同じ子がいつもそうとは限りません。
ジュニアで調子がいいときは、ポン、スー、ガツン、ストンなのです。
脳を知れば納得「脳は知っている」
大人とジュニアのプレースタイルの違いを語るためには、脳の働きの驚きを見ないわけにはいきません。
難しい構造とか役割分担、大脳と小脳とかがあって、小脳は運動のパターンを記憶してとかいろいろありますが、その話をしなくても、脳のすごさをがわかる現象はたくさんあります。
脳は知っているです。
意識にはあがってこなくても、脳はかなり多くの、詳しい情報を処理しています。
サブリミナル効果って、お聞きになったことがあるでしょうか。
これは、人には感じない短い時間の映像や音で、人の行動を変えることができるという効果です。
有名な話では、映画館で実験されたという噂があった「ポップコーンとコーラ」の瞬間表示実験があります。
普通に映写している映画の画像に、3000分の1秒という、絶対認識できない短い時間の文字でポップコーンとコーラに関することを写し出したら、ポップコーンやコーラの売れ行きが普段よりもアップ(ポップコーン58%、コーラ18%)したという実験です。
発表当時は大騒ぎだったようですが、実は実際には行われていなかったようです。
誰にでもわかりやすく表現されたことで、話としては一人歩きしたということです。
しかし、サブリミナル効果は、実際にちゃんとした実験でも実証されています。
いろいろ前提とかがあるので、説明が簡単ではないため、「ポップコーンとコーラ」ほどは、知られていませんが。
サブリミナル以外に、意識では感じないことをビジネスにしていることがあります。
それは、ハイレゾ音源、昔でいうと、スーパーオーディオです。
人は20kHz以上は聞こえない、認識できないとされていて、その理由から、CDでは、サンプリング周波数がその約倍の周波数44.1kHzまでとされ、20kHzまで再生できるように規格が決まりました。
実際に、音を鳴らすと、確かに20kHzよりも上の音では、ほとんどの人は音が鳴ったとは感じないのです。
ところが、20kHzよりもはるかに高い周波数である100kHz近くまで再生できるハイレゾ音源が、普通に売られています。
そして、その違いを聞きわけることができるのです。
そして、そのハイレゾ音源を聞くと、録音状態にも依存するので、単純に再生周波数だけでは語れない部分もありますが、20KHz以上の音を、音として認識できない人でも、リアル感がアップすると感じるのです。
脳を知れば納得「脳は勝手に処理している」
さらに、脳は、あなたの知らないところで、いろいろな情報の処理をやってくれています。
だまし絵、ミュラーリヤー錯覚など、絵や図形を見て判断するときに、脳が勝ってに行う判断の不思議です。
だまし絵では、一枚の絵が、見方を変えるだけで、別の物や形にみえる絵です。
ミュラーリヤー錯覚は、一本の線の両端の形で、線の長さが違うように見えたり、へこんだり、出っ張ったりして見えるというものです。
その他にも、色や大きさが本当のものとは違ってみえたり、止まっているのに動いて見えたりなど。
脳が勝手に補正とか状況判断してしまって、見え方が、え、まさかという現象は多いのです。
大人になって悩むジュニア
ところで、ジュニアの時はパターが面白いように決まっていたのが、高校を卒業して、そろそろプロテスト、または、プロテストなども合格して、ツアー参戦というころになると、何かが変わるのです。
パターが入らなくなるのです。
技術的にはむしろ進化しているのに、とにかく実戦で入らなくなるのです。
そして、入らなくなると、今までどうやっていたんだろう、何を考えてパッティングしていたのだろうと、悩み始めます。
そして、考えれば考えるほど、余計にわからなくなってくるのです。
自分を信じることができなくなり、理論や論理でなんとかなるのではないかと。
少年の頃の「脳力」を取り戻すには
でも、時々、信じられないような難しいパッティングが面白いように決まるときもあるのです。
そんな時、何がおきているのか。
そうです、何も考えていないのです。
単純に、、ホールに沈んでいくボールをイメージし、ホールに向かって転がっていくボールがイメージの中で見えている時、少年の頃の面白いように決まったパッティングが戻ってきます。
ストロークのことなど、まったく考えません。
転がって、ホールに飛び込むボールのイメージと、入るような気がするという、わけのわからない自信です。
私が出合った、パッティングがおそろしくうまい人たちから聞いた共通点、それは、
たゆまぬ練習、有りえない事に対する不思議とも言える絶対的な自信です。
たゆまぬ練習
あなたも、箸を持って食事するとき、この指はどう動かすとか考えたことはないですね。
歩いたり、自転車に乗るときもそうです。
機械相手の車を運転するときも、加速するときはアクセルを踏んでとか、止まるときはブレーキを踏むんだなんて、考えません。
漢字も一生懸命書いて覚えた後は、この字を書こうとしただけて、勝手に手が動きます。
わたしは、最近、手で漢字を書くことが激減していて、あれ、この漢字、どうやって書いていた?なんてお恥ずかしい状態です。
でも、あなたもそうだったりして。
思い出そうとして考え始めると、書けなくなってしまうのですが、ふと息を吐いて、大脳のあたふたした状態を鎮めてあげると、手が勝手に書いてくれたりします。
不思議ですね。
潜在意識は意識全体で言うと、氷山の水面下にある部分のイメージです。
氷は水面に出ている部分は、全体の1割程度ですね。
はじめのうちは、あれこれ考えながらでなければ、動かせなかった体です。
しかし、ある時から、何も考えなくても、何をやりたいかだけが明確なら、後は勝手に体が動いてくれるのです。
これは、脳科学的には「小脳プログラム」と言います。
ところで、小脳は大脳に比べて大きさは小さいのですが、細胞数からいうと5倍以上、へたすると一桁ぐらい差があるって、知ってましたか。
わたしは、その数字を聞いたとき、驚きました。
難しさのレベルや程度にも当然依存しますが、小脳にプログラムされるためには、3か月とも1000時間とも言われています。
私の実感では、3か月ぐらい毎日同じ運動を続けると、かなり自動的に動けるようになると感じています。
一生懸命練習すれば、その練習した動きが、何も考えなくてもできるようになります。
この何も考えなくてもいいという状態を作りたいのです。
そんなとき、大脳は考えないけど、小脳は目一杯働いているのです。
(さらに、小脳は体のバランス保持のための体の動きの全体の調整を行ったり、感覚刺激を処理したり、運動の予測まで行う機能があることがわかってきています。
これらの点とゴルフの関係もおいおいお話したいと思います。)
考えると体の動きはギクシャクする
考えるという事は、言語処理になりますが、ほとんどの人では左脳の動きになります。
しかし、右脳に言語中枢がある人もまれにいて、その場合は右脳が主に働きます。
それに対して、言語中枢がない側の脳は、イメージ脳とも言われ、図形判断、空間判断、イメージ処理、全体のバランス調整などを行います。
とはいえ、それほど明確に右・左、言語・非言語と分けることは、多少疑問もありますが。
いずれにしても、考えると、体の動きはギクシャクしてしまいます。
さらに、せっかく鍛えて小脳プログラムしても、大脳が邪魔をして、うまく使えなくなってしまいます。
せっかくの練習成果に、封印をして、使えなくしてしまうということですね。
これと同じように、子供から大人に変わっていくとき、小脳が持つものすごい力に封印するような、大人の考えがどんどん出てきてしまうのではないでしょうか。
大脳がちゃちゃを入れないようにするために、鼻歌などを歌って、大脳をそっちに気を取らせることで、小脳の邪魔をさせないという作戦も有効だったりするのです。
以前、パターやショットなどで、脳波計を使って、アルファー波だベータ波だなんとか波だとか、散々実験したことがありました。
でも、大脳が発する脳波を測定するのではなく、大脳と小脳の活動状況の優越を比較できたらいいのにと感じました。
なんせ、小脳の細胞数は一桁近く大脳よりも多いのですから。
イメージすると想像以上の結果が出る
考えるのではなく、イメージするのです。
さらには、自信を持って、できると思い込むのです。
できると思い込めば、イメージはさらにはっきりしたものになり、脳の中では実際に体を動かしたのと同じように信号が走り回ります。
この実際に体は動かしていないけれども、脳の中では体を動かした時と同じような活動が起きているということは、「運動想起における脳活動」ということで、いろいろ研究されています。
イメージすれば、予行練習を行っているのと同じ事が脳の中では起きるのです。
想起するだけで、筋力までアップするという話もあります。
しかも、小脳では先を予測して、運動が起きる前に、運動するための信号を神経に伝達しているのです。
小脳は事が起きる前に、すでに行動を起こしている、そんなすごいところなのです。
それによって、体全体が調和のとれた動きができます。
パッティングでボールを芯でとらえた心地いいコツンという音、ボールが打ち出される速さ、転がっていく様子、ホールに吸い込まれてカランという音をイメージすることで、そうするための体の活動が脳の中では発生します。
何回もイメージすれば、実際の動きとのずれも小さくなります。
脳の中で、今のイメージでは打ち出しが弱かったとか強かった、ちょっと右へ出し過ぎてホールの右にはずれたなど。あらかじめ、シミュレーションするのです。
このイメージ力をあなどってはいけません。
とにかく、イメージすれば、実際に体を動かしたのと同じ信号が、脳の中では駆け巡るのですから。
脳をなめてはいけません。
なんせ、実力を認識できているのは、氷山の頭の部分である10%にも満たない部分です。
フィクションですが、弓の名人が、肉眼でやっと見えるかどうかぐらい遠くにある米粒を、射落とす練習をしていたら、米粒がだんだん大きく見えてきて、どうやったって外しようがないぐらいに大きく見えたという話もあったような気がします。
(そう覚えていた気がしてのですが、一応、確認してみたら、実は、シラミが大きく見える練習をしていたら本当に大きく見えてきて、通常の的などは百発百中の腕になっていたという話でした。余談ですが、人の記憶というのは、都合のいいように変わってしまうんですね。だって、シラミって、いやなイメージですから。)
青木プロの芝の1本1本も、そんな境地になるまで、練習に励んだ結果なのかもしれません。
パター練習用ボールということで、通常のゴルフボールよりも大きいボールがあります。
これで、パッティング練習していると、通常のゴルフボールに戻した時、ホールがボールに対して大きく見え、簡単に入りそうな気になります。
これは、脳の中でどう認識するかが変化したからですね。しかも、この変化はすぐに起きるのです。
脳をだますなり、仲良くなって、ゴルフのスコアアップにつなげたいものです。
では、また。
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私のパッティングスタイルは素振りをしません。その代わりライン、傾斜、カップ周りをよく読みます。
素振りをしていた時期もありますが、イメージ先行の自分ですと素振りをしているうちにせっかく出したイメージが薄れてしまう事を理由に素振りをルーティンから外しました。
ライン読みをし、強く出した場合と加減した場合の両方のラインが見えてきて、その間に打てばいいとわかります。そのラインのイメージが消えないうちにセットアップし、距離をもう一度確認し、ストロークします。
後はインパクト前後でフェイスが返る?と言うか上を向かない様に気をつけています。左に行きやすいので。
ただバーディーパットになるとラインが出てこなかったり、大きくショートしたりして3パットと言うことが多いのが私の課題です。
普段は平均1,9パット、ベストは27パットです。この時はハーフで12パットもでまして、90も切れましたので、パットが如何に重要か痛感させられました。
ラインが見える事も小脳の成せる技なのでしょうか?
「ラインが見える事も小脳の成せる技なのでしょうか?」はい、小脳のお仕事です。
小脳は、シミュレーションをしてくれる、非常に強力な頭脳です。
そういえば、素振りで、距離感をイメージしている人は、まず、距離が合いません。
なぜって、せっかく小脳がシミュレーションしてくれた結果があるのに、
それを、大脳が考えた素振りで台無しにしてしまうからです。
素振りは、できれば、ボールのところではなく、ボールの後方から、体を動かすウオーミングアップとして行います。
グリップを指が白くなるぐらいきつく握って、ビシ、ビシ、ってやります。
そして、ボールのところに行って、ヘッドをボールにセットして、
足踏みしてストロークしやすいところを探したら、
グリップはできる限りソフトに握って、グリッププレッシャーを極力変化させないでストロークします。
え、なんで、素振りは指が白くなるぐらいきつく握るの?というご質問があることでしょう。
それは、力を思い切り出して、緩めると、その前より、しっかり力を抜くことができるからです。
ご質問から、ちょっと余談でしたが、また、そのうちに、素振りの極意もお伝えしようと思いますので、
お楽しみにしていていただければと思います。
小脳って、奥が深いんです。
大森コーチありがとうございます。
それではボールのそばで素振りをしないでイメージが消えないようにする私のスタイルは間違いではないのですね!?
素振りはイメージ出しの前にやるならやるんですね。しかも指が白くなるほどに強くグリップして。。
すごく興味がありますので素振りの極意を今度伝授お願いします。