From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・寒いときのウエアはこれ」
というお話をさせていただきます。
寒い冬はダウンジャケットなど着こむことも多いですが、
ウエアに関して、スイングにとってチェックすべき
重要なポイントについてお話します。
春の訪れとなるこの時期は、
冬物バーゲンなどで、掘り出し物も出てきます。
気楽に試しに買ってみて、
あなたに合っているか使ってみることもできますね。
防寒着、チェックすべき3つのポイント
今年は比較的温かい日も多く、全体的には温暖と言えます。
しかし、寒暖の差は激しく、これは今後の傾向となることでしょう。
寒暖の差が大きいと、体が対応できにくいので、
そんなに寒くはないはずでも、前の日などが温かいと、
寒く感じたり、手もかじかんでしまったりしますね。
いくら温かい冬だとか、もう春だと言っても、
スタートが早かったり、急に冷え込む日もまだまだあります。
いつも厚着ならそれなりに慣れて、ある程度動けるようにもなります。
しかし、急な冷えで時々厚着となると、
なんだか着ているものが妙に気になってしまうことも多いです。
そこで、時々着ることになる防寒着について、
そのチェックすべき点について、お伝えします。
冬場のウエアーは、結論から言うと次の3点をチェックしましょう。
(1)左肩甲骨をスライドしやすいもの
(2)頭と首はすぐに脱着できるネックチューブなど
(3)手袋ははずさなくても手だけ簡単に出せるもの
左肩甲骨をスライドしやすいもの
ゴルフのスイングで可動域をできるだけ
正常に保ちたい場所、それは、左肩甲骨です。
実は、スイングを良くするために、
厚手のセーターを着てショットするといいという話もあります。
理由は、無駄な動きができないからです。
特に、厚みのある物を着ていると、
腕を体に対して横方向へ動かしにくいですね。
スイングでは、腕の付け根側である上腕を横に動かすことは、
できるだけやりたくありません。
肘から肩にかけてはスイング中、胸の正面方向へキープできて、
遠心力で引っ張られても耐えやすい位置に、常に置いておきたいものです。
ですから、厚みのある昔のセーターなどを着ることで、
腕を左右に動かしにくくなり、知らないうちに
自らの無駄な動きがあることを知ることができます。
そして、腕を横方向へ動かしにくければ、
バックスイングの開始から腕でクラブを動かしてしまい、
右肘が体の右横にはずれて、トップではとうとう振り遅れてしまう
なんてことにもなりにくいですね。
腕を横に振りにくくなった分、下半身のターンで動くしかなくなり、
逆に下半身がうまく使えたなんて、ありがたいことにもなります。
ところが、左腕を体の正面方向へ突き出す動きは、非常に重要で、
この動きが制限されるほど、上半身のパワーは出しにくくなります。
というか、上半身のしなりが少なくなり、
その分上半身に溜められるエネルギー減って、パワーが出せなくなります。
左肩甲骨は、ゴルフのスイングでは、次の場合に、体の正面方向へスライドされます。
(1)トップに向かうとき
(2)ダウスイングのトップから腰の高さに降りてくるとき
これは、まさにボールヒットに向かって、
上半身を捻転させると言われるタイミングです。
ところで、あなたは、上半身をねじるということを、
背骨をねじるということと勘違いしていませんか。
確かに背骨もねじれます。
しかし、お腹の後ろ側の腰椎はそれほどねじれず、
腰椎の回旋可動域は約5度です。
胸の後ろ側の胸椎では約35度です。
ただし、胸椎は12個ある骨の下から上までの合計です。
胸椎はしなやかに見えますが、本来湾曲していることもあり、
胸椎をねじったりする動きはある意味複雑な動きとなります。
ですから、骨盤から首の付根までの背骨である体幹は、
ねじるというよりも安定させておいたほうがいいです。
そして、その体幹の上側に付いている肩甲骨をスライドさせるように使った方が、
より大きなエネルギーを溜めることもでき、動きもシンプルになります。
結局、スイングとして動かすのは、腰椎はもちろん胸椎まで含めた
背骨の回旋というよりも、肩甲骨のスライドです。
それがシンプルに上半身をしならせるコツとなります。
そして、ハーフウエイダウンと言われる、
ダウンスイングの腰の高さあたりからは、左肩甲骨は急激にリリースされて、
左肩甲骨は背中側へ大きくスライドされる動きとなります。
ということで、肩甲骨が存分に体の前後にスライドできるウエアが重要です。
さらにトップに向かうときは、斜め上方向へもスライドして欲しいです。
ですから上に羽織るウエアは、左腕を胸の正面方向で
右斜め上に突き出す動きをさせやすいものを選ぶことがポイントとなります。
パッティングの場合でも、実は左右の肩甲骨をスライドさせるようにすると、
胸から下も固定できて、安定したストロークを行いやすいです。
また、外側に着る服だけではなく、
下着の左サイドをしっかりズボンのなかにいれていると、
左肩甲骨が上方向へスライドしにくくなります。
左肩甲骨のスライド量が制限されると、上半身のしなりが小さくなり、
パワー大きく蓄積できません。
ですから、インナーウエアも、しっかり着るというよりも、
左側だけ少しズボンから引っ張りあげておくとスイングしやすいです。
肩甲骨をスライドさせやすいという観点からも、
インナーは収縮性のある、滑りやすい素材がいいです。
左肩甲骨のスライドをやってみる
試しに、左肩甲骨のスライドをやってみましょう。
お家の柱やもたれても大丈夫な壁などに、
背骨をくっつけるようにして立ちます。
そして、左肩の前のほうにある左肩と首の付け根あたりの
胸骨を結ぶ細い骨である、左の鎖骨に、右手を添えておきます。
左肩甲骨は鎖骨だけで体とつながっているので、
左肩甲骨がスライドすると、左の鎖骨が体の前後に動きます。
肩甲骨は背中側に体に対して浮いた形で乗っているだけですので、
肩甲骨は背中に手をまわさなければ触れません。
肩甲骨を触るかわりに、肩甲骨に直結している鎖骨を触っていれば、
肩甲骨がどれぐらい動いたかがわかります。
左の鎖骨を右手で軽く触れておいて、背骨を柱などに押しつけたままで、
後は単に左腕を体の正面方向へ突き出すようにしてみます。
そうすると、左腕を体の正面方向へ突き出せば突き出すほど、
左鎖骨は斜め前に出てきます。
これが、肩甲骨のスライドの感じです。
鎖骨は前後方向へは15~30度ぐらい動くことが正常です。
ちょっと可動域の幅がありますね。
四十肩とか五十肩で肩が痛くなって動かせなくなる原因の多くが、
この肩甲骨を使わなくなって、その可動域が小さくなり、
その代償動作として肩関節が本来の動きとは異なった動き方をさせられて無理がたたり、
肩関節周辺に炎症を起こしたり、腱が断裂した状態です。
ですから、普段から肩甲骨を意識して使い、
可動域はやはり鎖骨が前後方向で30度ぐらいは動くといいですね。
頭と首はすぐに脱着できるネックチューブなど
脳に流れる血流量は全体の15%となっています。
そして、脳につながる動脈である頸動脈は
比較的浅いところにある動脈です。
ということで、まあまあたくさんの血液が流れている部分が、
外気の影響を受けやすいところを通っているのが首の部分です。
寒い時は頭と首をカバーしてあげることで、
直接外気に触れさせないようにしてあげてたいものです。
とはいえ、最近の気候では、寒いと思っていても、
太陽が出てきたら意外と温かくなるとか、一日単位での変化も大きいです。
そこで、寒い時は頭と首を簡単に覆うことができて、
温かくなったらすぐに外せることを考える必要にせまられます。
私もいろいろ今まで使ってきて、
お勧めなのが、ネックチューブと言われるものです。
元々は首を包み込む円筒形をしたあたたかい素材で、
ある程度伸び縮みするものです。
私は以前、アルペンスキーをやっていました。
頭はヘルメットですが、首には練習のときは必ず
ネックチューブをやっていました。
だって、寒い時に温かいというばかりか、雪の粒が飛んできても
直接首にあたらないので、本当に守っていてくれるという安心感もありました。
ゴルフでも、最近は風が強い事も多く、そんな風をちょっとでも
首のまわりから遠ざけてくれるとありがたいものです。
実は、首に巻くためのネックチューブですが、
これを普通のゴルフ帽子の上から耳カバーのようにかぶせると、
これが頭から耳まで温かくて快適です。
しかも、簡単にはずせるので、気温の変化にも対応しやすいです。
ネックチューブ購入のポイントは、本来の首用を頭に被せて使うために、
ちょっとゆるめなり、伸び縮みしやすい素材のものを選ぶことです。
また、首に使う場合は少し厚手がいいですが、
頭に被せる場合は、薄めがいいです。
頭には通常の帽子を被ってその上から被せればいいので、
それほど保温性がなくても、まあまあ助けになります。
手袋ははずさなくても手だけ出せるもの
手袋でおすすめが、ミトンで、ミトンを普通に着けたままの状態から、
手首はそのままで、手の平側から手を出してグリップできるタイプのものです。
ショットのたびに手袋をつけたりはずしたりするのは、
意外と時間がかかるものです。
100回とか着脱しなければならないと思ったら、うんざいですね。
その点、ミトンで手の平側から手だけをちょこんと出せるタイプの手袋は、
簡単に手が出せ、ミトンの中で指同士を絡めてあたため合うこともできます。
さらには、ミトンだと保温材も中に入れやすいですね。
寒くても温かくできる備えがあれば、ラウンドに行くのも気楽に行けます。
時々寒い、でも、寒い時は本当に寒い。
そんな変化の激しいときでも、
今回ご紹介させていただいたグッズを味方に組み入れれば、
寒さなんて平気ですね。
では、また。
追伸
3/23(水)に、千葉にて私のレッスン会があります。
ぜひ、ご参加下さい。
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また、3/18(金)に名古屋方面(ニッケゴルフ倶楽部 岐阜センター)にてレッスン会を開催予定です。
(来週早々ご案内いたします)
追々伸
私のレッスンでも取り入れている、
ボールを打たない練習「シャドースイング」について
梶川プロが出演・指導をしているレッスンプログラムがあります。
『梶川武志のシャドースイングを極める』
実はこのプログラムの制作に私も関わっているのですが、
この練習なしにスコアアップはできません。
もしまだチェックしていないのであれば、
この機会に一度チェックしてみてください。
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大森コーチ こんばんは。
冬のウェアの話の日に思い切り暖かくなってしまいましたね(笑)
私は冬期はキャップの上にニット帽を被ってさらにネックウォーマーも着けてます。
ニット帽だけでは日差しが眩しいのでキャップを下に被ると日差しの対策にもなりますし、冬の冷たい雨の時でもニット帽だけよりも下のキャップが雨避けとして役立ちます。
私も皆様と同じように肩甲骨ストレッチは朝のトイレ(笑)で続けています。
その他の「ドリル」はやらなくなってしまったり、練習も寒かったり風邪をひいてしまったりで出来てなかったりなのですが、肩甲骨ストレッチだけは毎日続けてます。
暖かくなってきたので今週末から練習も再開します!
まずはSW15yキャリーから身体を動かしていきたいと思います。
「肩甲骨ストレッチだけは毎日続けてます。」
肩甲骨周りは絶対しなやかさを保ちたい部分です。他のところは普段の生活の可動域でもいいのですが、肩甲骨だけは可動域があればあるほどボールは飛ばせます。体が細くて筋力もさほどなそそうでも、肩甲骨周りがしなやかだと、飛ばすことができるのです。ま、飛ばすだけではなく、ボールコントロールにも肩甲骨は重要です。
ウエアにはこだわりがないのですが、機能面には興味があります。
ミトンで手の平側から手だけをちょこんと出せるタイプの手袋は試してみたいと思います。
今回のことを参考に、着方も含め、来冬のウエア選びの参考にします。
残念ながら、厚みのある昔のセーターはだいぶ前にリサイクルに出してしまいまた。
しかし、『腕の付け根側である上腕(肘から肩にかけて)を胸の正面方向へキープすること』は、厚みのあるセーターを着ているつもりでスイングするとイメージしやすいですね。
パッティングは、お腹を凹めること以外に、左右の肩甲骨をスライドさせるようにすると、胸から下が固定され、安定したストロークを行いやすくなるのですね。
安定したパターストローク習得のため、意識して(意識しなくてもできるまで)練習してみます。
今回も楽しく練習するためのヒントを色々と頂きました。ありがとうございました。
「上腕を胸の正面方向へキープすることは、厚みのあるセーターを着ているつもりでスイングするとイメージしやすい」
はい、やってみた人だけがこの厚みのある窮屈とも思えるセーターのご利益を得ることができます。練習用として、なんとか調達してやってみるといいのですが。最近は、フリースはあっても、厚手のセーターは激減ですしね。ま、あまり厚みがありすぎると、こんどは逆に右肘の余裕を作りにくくなりますので、限度はありますが。
「左右の肩甲骨をスライドさせるようにすると、胸から下が固定され、安定したストロークを行いやすくなる」
パッティングで動かす部分をしっかり意識する人はあまりにも少ないですが、ぜひ、この肩甲骨のスライドでのストロークをイメージしていただける方が増えるといいです。だって、肩甲骨のスライドなら動きがシンプルで、しかも可動域が大きいですから、ストロークの再現性が良いのです。
大森コーチへ
左肩甲骨のスライドのお話が出ていましたので質問させてください。
昨年から左右の手を交差して上方に引き上げたり左右に肩甲骨を引き延ばすストレッチを続けて
8か月になりました。
最初は後ろ手で両手を触ることが出来ないほど固かった肩甲骨も右手が上で左手が下で行うと
右指先で左手の第二関節まで触ることが出来るようになりました。
間違いなくストレッチの効果が出ていて続けてよかったなあと思っています。
ところが、逆手にすると(左手を上から)指先で数センチも間隔が空いています。
この状態だとゴルフスイングに良くない影響を与えるでしょうか?
そうだとした場合、左手上~右手下の状態での可動域を更に広げる良い方法はあるでしょうか?
ご教授下されば幸いです。
「左右に肩甲骨を引き延ばすストレッチを続けて8か月」
継続は力なりで、最初は変化がないように見えても、あるとき急に可動域が大きくなることがあります。そして、今では、可動域が広がっているのですから、本当にやり続けてよかったですね。
Q:「左手を上からで指先で数センチも間隔が空いているとゴルフスイングには良くない影響を与えるでしょうか?」
直接的にはスイングに問題はありません。真っ直ぐに立ったままで、腕の動きだけ行って、シャフトが水平になるトップの形を作ることができるなら、トップが浅くなりすぎることにもなりません。とはいえ、肩甲骨はしなやかなほど大きなエネルギーを溜めることができますから、左腕を体の正面方向へ突き出す、左肩甲骨が体の正面方向へスライドする可動域は大きいほど、飛ばすためには有利です。筋力の割に大きなエネルギーを溜められるという意味です。
また、ゴルフのスイングに直接は関係なさそうな方向であったとしても、肩甲骨をしなやかにしておくほど、ゴルフに使う方向への可動域も広がりやすくなります。
Q2:「左手上~右手下の状態での可動域を更に広げる良い方法はあるでしょうか?」
まずは、タオルなどを使って、両手をタオルで引き寄せるようにするといいです。そうすれば、無理のない範囲で、少しづつ伸ばすことができます。息を吐きながら、1分程度、痛くない範囲で伸ばすといいです。痛いと感じると、余計に筋肉が収縮しょうとしてしまい、腱を伸ばすことにはプラスにはなりますが、筋肉に対しては逆効果となります。
大森コーチへ
ご回答いただいた内容につきまして
『真っ直ぐに立ったままで、腕の動きだけ行って、シャフトが水平になるトップの形を作る』
このことはスムースにできますので安心いたしました。もう一点の下記の内容ですが
『タオルなどを使って、両手をタオルで引き寄せるようにするといいです。』が判りません。
もう少し詳細に実行できるようご指導願えませんでしょうか?
Q:「『タオルなどを使って、両手をタオルで引き寄せるようにするといいです。』が判りません。」
ひょっとして、背中側に手を上下に回して(例えば左手は左肩から回し、右手は右下から回して、背中で手を近づける)両手を握るストレッチではないのでしょうか。タオルを使うというのは、背中側で両手でタオルを引っ張るように持って、両手の間のタオルを少しづつ短く持つようにすることで、両手がち近づき、両肩甲骨と肩関節がストレッチされます。
大森コーチへ
ご回答ありがとうございました。
太いゴムバンドを背中に回し、両手を少しずつ近づけるようにして
やってみました。
右肩と肘を野球で痛めていて、そのせいでしょうか右手を下から
あてがった時に前腕がまっすぐ上に伸びずに斜めになっている事が
奥様に後ろから見て貰って判りました。
左手上~右手下での指先が届かない理由が判りましたので、今まで
通りのストレッチを続け左肩甲骨の柔軟性を高めていきたいと思います。