From:徳嵩力一
千葉の自宅より、、、
こんにちは。プロクラブフィッターの
徳嵩力一(とくたけ・かついち)です。
このメールマガジンをお読みの方は
ゴルフのギアに興味のある方が多いと思うので
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
実はこの春先に、松山英樹プロが
シャフトをガラッと替えたことがありました。
そのシャフト、当時とても話題になって、
結構売れたんですが。。。
すぐに元に戻してしまった…
松山プロが替えたシャフトというのは
どちらかというと硬くて、
シャープに動いてしまうタイプのものでした。
自分はそのシャフトを一目見て
「ああ、多分このシャフトは
長続きしないだろうな。。。」
「スグに元に戻すだろうな。。。」
と思っていました。
そうしたところ、結構速攻で
松山プロ元のシャフトに戻していたのを見て
「ああ、やっぱりね。。。」
と思いました。
ではなんで、自分がそんなことを
前もってわかったのかというと。。。
松山プロと石川プロが同じシャフトになることはない
ご存知の通り、松山プロのスイングは
トップのところで一瞬、止まるように見えますよね。
一方、同年代の石川遼プロは全く対称的で、
「チャッ、チャッ!」みたいなタイミングで
打っていると感じないでしょうか?
これはつまり、何を表しているのかというと
「あの二人が、同じシャフトになることはない」
おそらく二人ともシャフトのフレックスで言えば
「X」とか「XX」とかでしょう。
ですが、二人が同じタイプのシャフトを使う日は
自分が考える限り、ないと考えていいと思います。
もちろん今回の松山プロのように、一瞬打ってみて
「あ、これいいかも」はあるかもしれません。
(今回のシャフトで、松山プロがそう言ったかどうかは想像ですが)
ただ、ずっと二人が同じシャフトを使い続けることは
おそらくないと考えるのが自然ではないか、ということです。
シャフト選びの重要なポイント
ここまで話をまとめる意味で話を続けると。。。
実は、シャフトの選ぶ時の重要なポイントが
大きく二つあるということです。
1.切り返しのテンポ(早いか遅いか)
2.トップでの間合い(止まるか止まらないか)
まず1についてです。
切り返しのテンポが早い人は硬めのシャフト、
遅い人は柔らかめのシャフトが合うことが多いです。
そして2について。
トップで間合いがある人、
つまり切り返しの時に止まるような
松山プロのような人は軟らかめのシャフト。
逆にトップの間合いがないような人は
おそらく硬めのシャフトが合うということです。
この合う合わないについては
シャフトのしなり戻りを想像してみれば
なんとなく理解できるのではないでしょうか?
松山プロのように、トップで一回「ぼよーん」となって
切り返す人は、柔らかい方がいいということですね。
年齢を重ねると硬いシャフトが合う場合もある
その人がスイング中に
どれだけシャフトをしならせるスイングが出来るのか。
シャフトはしならなくてもダメですし、
しなりすぎてもダメです。
適正にしなるように、
そしてインパクトでヘッドが戻って来るためには
軟らかいシャフトが合う人もいれば、硬いのが合う人もいます。
もしかしたらあなたは、年齢を重ねることで
お店の店員さんから軟らかいシャフトを薦められた、
そんな経験があるかもしれません。
ですが逆に、硬い方が合うこともあるのです。
どういうことかというと。。。
たとえばあなたは、年を取ってせっかちになって
バックスイングも上がらないままに打ってしまう人を
見たことはないでしょうか?
そのようなゴルファーの場合、
しなる量が増えすぎないように硬めのシャフトを選んだほうが
いいヒットが出るということも、少なくないのです。
「えー、そんなんだったら
どんなシャフトを選んだらいいかなんて
わからないじゃないですか。。。?」
そうなんです。
シャフトを選ぶ上で、こうした見極める重要なポイントが
自分ではなかなかわからないからこそ。。。
自分たちのような立場の人間が必要ということです。
おそらくフィッティングに来たことのある方は
よく理解ができると思うのですが。。。
1時間ぐらいお客様がボールを打っている中で
フィッターはいろいろな事に考えを巡らせています。
たくさん質問もします。対話をします。
そんな中にあって、ヘッドスピードだけで
シャフトが選べるのなら。。。
自分たちフィッターは、いらないってことにも
なってしまいますから(笑)。
お客様にどのような提案が合うか、
あなたが想像しているよりも複雑に絡み合った要素を考えて
シャフトを決めているということ。。。
シャフトの「選択肢」を知り尽くしているからこそ、
選べるシャフトがあるということ。。。
こうしたことが、今回の話を通して
少しでもご理解いただけたのなら、
自分としてはとても嬉しいです。
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それでは、また次回。
徳嵩力一
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徳嵩 力一
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