2013.12.22
From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
今回は
「代償動作」
についてお話をさせていただこうと思います。
「え、代償動作ってなに?」
そう思ったのなら、今回の話はあなたの身体を
今後若々しく保つためのカギを手に入れられるはずです。
読み進めるとちょっと難しい話に感じるかもしれませんが、
今後どのような練習をすればいいのかの話も後半にありますので、、、
どうぞあきらめずに、お読みいただければと思います。
私、大森に起こった代償動作
特定の動きを行う時、その動きを行うときに
本来使うべき筋肉ではない筋肉を使って動作を行う事を
「代償動作」と呼びます。
これだけではイマイチわかりにくいかもしれないので、
私の身体に起こった例も交えて、お話をしたいと思います。
以前書かせていただいたコラム「リエンさんの質問・心を作る」
の中でお話したことですが、実は私は左股関節変形症で、
2つの病院で「要手術」と診断されています。
しかし、Nクリニックの中里先生には、筋肉の拘縮と癒着をなくして
筋肉の代償動作をなくしてゆけば、まだまだ使えると言っていただいたのです。
私の左中殿筋(ちゅうでんきん)は、スキーでアイスバーンで強打した時に
潰れて癒着したまま、大殿筋がその代償動作を行っていたため、
股関節の軟骨に負担がかかり、すり減ってしまっていたのです。
少し難しい話になりますが、中殿筋は足で立つときに非常に重要な筋肉で、
主に脚を外側に上げる外転動作を行うときに使います。
私の場合はこの中殿筋が損傷して、動けなくなっている間に
お尻の筋肉である大殿筋が、その替りの動作を行うようになっていたのです。
そして、その癒着に気づかず、何十年も大殿筋が脚の外転動作を
中殿筋の替りに行っていてくれたというか、行ってしまっていたのです。
そうなると、大殿筋そのものも大きなパワーを出しにくくなります。
中殿筋による脚を外転するという動作も、あまりうまくできないという状態で、
自分がごかまして体を動かしていたのでした。
それが積もり積もって股関節の軟骨に負担がかかって、すり減ってしまったのです。
この左股関節周りでの代償動作は、軟骨をすり減らすということ以外に
左サイドの動きを悪くしていました。
具体的に言うと、ダウンスイングで
左足で地面をしっかり踏めないままスイングしていたのです。
代償動作の改善
少し難しい話になってしまいましたが、現在ではトレーニング方法をいろいろ工夫して、
それによって代償動作がなくなり、普通にゴルフはできる状態を維持しています。
何よりも、股関節の問題が発覚する以前よりも、ショットしては効率良く
体に無理のないショットができるようになったと実感しています。
そして、いろいろな方を見ていると、スイングを正しくするためには
スイングに影響する体の部分のコンディションを良くしてあげることが
上達の早道だという事を実感しています。
代償動作を防ぐためには、からだがどのように動くべきかを
理解することから始まります。
とはいえ、どの筋肉がどうだと考え始めると難しくなってしまいます。
そこで、あなたにぜひ行っていただきたいのは、、、
スイングで代償動作を誘発してしまう動作を行わないようにするということで、
代償動作を防止すればよいのです。
代償動作の可能性
股関節での代償動作の例を、私の状況で説明させて頂きましたが
その他にどんな代償動作があるのでしょうか。
その種類と防止方法を説明させて頂きます。
ひとつは、地面を踏むという動作での代償動作があります。
しっかり地面に圧力を加えるためには、股関節を曲げて伸ばす事が本来の動きで
この時は大殿筋と内転筋が使われます。
ところが、膝を曲げて伸ばすという動作でも、地面を押すことができ
この場合は腿の前に付いている、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が主に使われます。
しかし、大腿四頭筋よりも大殿筋と内転筋の組み合わせの方が、
しっかり地面を踏めるんです。
実際には、ダウンスイングで右膝が体の前に出るように動くと、
大腿四頭筋が使われ、大殿筋があまり使えない状態となります。
ダウンスイングでは右膝が体の前に出てこないで、
股関節を曲げることで、それを伸ばす大殿筋を使って地面を押したほうが
より大きなパワーを出すことが出来ます。
そのためには、まずはセットアップで、
すねがあまり前傾しないようなセットアップを行います。
そして、トップまで右脚のすねを体の前に出さないで、
右股関節を中心にして捻るようにします。
すねをあまり体の前の方に倒さない事だけでも
セットアップでやってみましょう。
ダウンスイング開始は、左膝の先行動作として、
セットアップの位置に左膝を戻すことから始めましょう。
そうすれば、下半身主導のスイングなります。
この動きは、トップから一旦、両股関節を曲げるように腰を落とす動きでもあります。
ちょうど、両脚ジャンプするときに、一旦両股関節を曲げて低い姿勢になってから、
股関節を伸ばすことで、上に飛び上がるようにしますが、その動きに似ています。
ダウンスイングで上半身から動かしてしまうと、
本来の下半身の筋群を使って動作すべき動きができなくなってしまいます。
これも、下半身の筋群の代償動作として、上半身の筋群が動いてしまったことになります。
上半身では、肩甲骨を前後にスライドさせる筋群がかなり強力で、
パワーの源となるります。
しかし、肩甲骨の上にある肩関節周りの小さな筋群を使って
クラブを振り回してしまうと、弱々しいスイングとなってしまいます。
この上半身の肩甲骨周りの代償動作を防ぐためには、
両腕が体の前から横にはみ出さないようにして、腕のムダな動きを防止します。
そして、ボールヒットに向かっては、手でクラブをリリースさせないで
クラブが遠心力で引っ張られるようにスイングすることが大切となります。
いかがでしたでしょうか?
「代償動作」の防止ということで、いろいろ注意していただきたい点を
リストアップしましたが、ちょっとむずかしかったかもしれません。
ですが、一つでもいいので、
それらの点に注意してスイングしてみてください。
無駄な力が入りにくく、気持よくスイングができるようになります。
では、また。