2015.04.26
From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
今週のLPGAジサンケイで、いっしょに練習してきた松森彩夏が、優勝まであと一歩で、わたしも興奮ぎみです。(2015.04.26 日 12:00)結果はどうであれ、これからが楽しみです。また、今年の宮崎合宿では、セットアップからスイング開始で、いい感触を得たようです。みなさんも応援よろしくお願いいたします。
さて、今回は
「技・セットアップでのわざ特集」
ということで、一気にまとめてご紹介します。
「え、セットアップなんて、技なんてないでしょ?」
そんな事を言っているあなたは、本当に損をしています。
なぜなら、セットアップには、特別な能力もいらないのですから。
セットアップというのは、いまさらですが、
スイングを始める前に行う、体勢作りです。
どんな事を目的としていて、そのために何をすればいいのか、
そしてどうなっていたら最高なのかという、知識だけでもあるかないかで、
そのあとに続くスイングには、雲泥の差ができてしまうのです。
コーチとして、わたしがいつもチェックしている事を、あなたにもお伝えします。
セットアップの真実
スイングの問題の80%以上が、
セットアップにあるというコーチは多いですね。
私も同じように実感しています。
実際にコーチングしていて、セットアップが悪すぎて、
それが当然スイングにかなり悪影響を与えている事が多いのです。
それほど、スイングを始める前に大切なことが、
セットアップには、たくさん詰まっているのです。
しかし、そのコーチングを受けるお客様も、
もし、セットアップの事しかやらなかったら、
「なんだ、このコーチは」
こんな事しか言わないのかという気持ちになるのではないでしょうか。
また、セットアップの中のグリップは、
変えるとボールがうまく打てなくなる場合もあります。
それは、グリップの違和感からくる動きの変化のためなのです。
グリップが悪くて、余計な動作をして、
うまくボールに当てていたとします。
そして、良いグリップを作ってみたとします。
本来は、グリップが良くなったので、
それに合わせて自然な動作をすればいはずです。
しかし、余計な動作が体にしみこんでいるため、
その動きが出てしまい、自然に振れないのです。
良いグリップに合わない無駄な動作を消すには、
しばらく慣れるための時間が必要となります。
コーチの多くは、グリップを直したがりません。
それは、すぐに効果が見られる場合もあるのですが、即効性が得られにくく、
あたかもスイングを改悪したかの様になる場合があるからです。
そうですよね、そのグリップで何十年もスイングしてきた人にしてみれば、
それのグリップがベースとなって、スイングが構築されているのですから。
グリップの話だけでも、いくらでも話をできてしまいます。
しかし、今回は、セットアップにおける技というものがどれぐらいあって、
どんな事があるのかという、全体のイメージを描いていただきたいので、
グリップなど、それぞれの項目に関しては、また別の機会でお伝えします。
外見に見えにくい点が多い
スイングの中でセットアップは、
外見としては、なかなか分かりにくい点も多いのです。
例えば、グリップの力感。
これは、動画でお知らせしようとしても、なかなか伝わるものではありません。
言い方としてはいろいろありあますが。
小鳥が逃げない程度とか、水をタップり含んだおしぼりから水が滴り落ちない程度とか。
実は、先日、私が講師を行ったセミナーで、
こんな場面がありました(二次会での話ですが)。
「グリップの力感がわからないので、
正しいグリップの力感で手を握ってみていただけませんか?」
とおひとりの方が、私に手を差し出してきました。
そこで、わたしは、いつものグリップの力感で握ってあげたのです。
そうしたら、「え、こんなにソフトでいいのですか。」の第一声。
そうしたら、私も、わたしも、という感じで、
押し寄せて来ていただいたのには、びっくりでした。
グリップを取り上げてみても、力感以外に、
左手のVの字(左手親指と人差し指でできる形)の締り具合とか、
指で握っているのか手の平で握っているか、小指側が強めか弱めか、親指の位置はどうか、
グリップの太さが合っているのかどうか、など。
左手だけでも、まだまだたくさんチェックポイントが出てきます。
さらに、右手、両手の関係、グリップによる肘の位置の変化など、
掘ればほるほど、映像を見ただけではわかりにく話題がたくさん出てくるものです。
レッスンを受ける方もそうですが、コーチもついつい
形に現れる点を、あれこれ言うことを好みたがります。
しかし、実は、形という水面の、さらにその下にある、
スイングの結果に大きな影響を与える、重要な点も多いのです。
そんな水面下の世界を、少しでも意識していただければ、
なかなか前に進めないとお感じの場合の、突破口となるかもしれませんね。
技のリスト
では、今回はセットアップでの技のリストをお見せします。
たくさんあるのですが、このどれをとっても、
スイングの結果に影響を与えるものばかりです。
これらのどれかが悪いと、スイングの形にも影響を与えます。
リストというのは、文字数は少ないのですが、
一つひとつの項目には、かなり重い内容が詰め込まれています。
このリストをじっくり見て、
できれば、音読を10回とかしていただけるといいです。
それだけで、あなたのゴルフは別の世界に入ることができます。
印刷ではなく、手書きで書いて、練習の前には必ず見るとか。
練習に行く前に、一通り手書きしてから出かけるなど、
本当にやっていただきたいのです。
それぐらい、重要ですから。
(1)攻め方のイメージを描く
(2)(テイーグランドなら)立ち位置の決定
(3)必要な球筋を決める
(4)打とうとしている球筋を打つための素振り
(5)ターゲットラインを決める
(6)グリップを決める
(7)グリップの力感
(8)ヘッドをポンと地面に落とす
(9)フェースをターゲットに向けてボールにセット
(10)足踏み(ボール位置、スタンスの向き、スタンスの幅、重心位置…など)
(11)ターゲットをしっかり見る
(12)ワッグル
(13)息を吐きながらお腹を凹める
(14)重心を落とす
(15)フォワードプレス
(16)ターゲットを狙う
(17)下半身から動かす
(18)セットアップルーティーン(動作、時間)
このリストを見ていただき、一つずつ、
あなたはどうしているのか、思い起こしてみてください。
今回の目的は、セットアップの大切さと、
どれだけの事を考えていただきたいか、それを感じていいただくことです。
ですから、詳細な説明は省かせていただきます。
しかし、このリストの最大の活用方法は、
これらの項目の一つひとつについて、気づき、
これって何だろうと興味を持っていただくこと。
そして疑問があったら調べてみるとか、コーチに聞いてみるとか、
試しに、こうかな、あかな、と、とにかくやってみようとすることです。
今まで、意識していないがゆえに、適当にやっていたということは、
本当にもったいない事ばかりです。
スイングを開始する前に、これだけ100%できたら、
あとは実はすごくシンプルで簡単なスイングが、
あなたを待ち構えていること間違いなしなのですから。
補足説明「ヘッドをポンと地面に落とす」
見ていただいたリストの中で、意味が分かりにくい点について、
簡単に補足説明させていただきます。
「ヘッドをポンと地面に落とす」というのは、グリップを決めて、
ソフトに握った状態で、ヘッドの重さで地面にボンとヘッドを落とす動作です。
脱力したいときは、クラブのヘッドを、ボンっと地面に落とし、
そのタイミングで上半身からすべての余分な力を飛ばしてしまいます。
ヘッドがポンと落ちるようなソフトな力感が、
グリップ、前腕、肩、上半身全体にできていると、
それから始まるスイングでは、上半身は無駄な力を使いにくくなります。
地面への落ち際で、ソフトだけど緩まないように、
ポンとヘッドを地面に落とします。
ボン(濁点入りホ)ではなく、ポンです。この違いは大きいのです。
手首、グリップ、前腕、肩の力を抜いて、ヘッドをポンと落とすのです。
グリップが悪いと、このとき、グリップがずれてしまいます。
グリップは右手Vの字(親指と人差し指で作られるライン)以外は、
グリップと手が、力ではなく、形で密着しているようにします。
そうすれば、このポンの時も、スイング全体でも
グリップは力で握らなくても、ずれにくいのです。
補足説明「足踏み」
「足踏み」について。ヘッドをターゲットに向けて、ボールの後ろにセットしたら、
そのフェースの向きを、できるだけ変えないで、両足とも足踏みをしながら、
打とうとしている球筋を打つためのスイングが、楽にできると感じる足場を探します。
この「足踏み」がはいるだけで、リズム良くスイングしやすくなるので、驚きです。
それはそうでしょう。
あながご自身が、今、打ちやすいと感じるところを、探せばいいのですから。
打ちやすいと感じれば、気持ちよく動き出すことができますね。
ポジティブにイメージして、スイングできるのですから、
自然にリズムだって良くなります。
また、「足踏みは」ボール位置、スタンスの向き、スタンスの幅、重心位置などを、
最終的に確定させる、重要な作業になります。
ボール位置一つをとっても、ショットの難易度は大きく変化します。
ボールが上がる高さも変わります。
バックスピンがどれだけかかるかにも影響することになるのです。
補足説明「重心を落とす」
「重心を落とす」とは。ワッグルをするために、いったんボールの後ろに
ターゲット方向をきっちり向けてセットしたヘッドを、上に浮かせますが、
この時、少し股関節を伸ばして上にあげます。
そして、ボールの上でリラックスさせて
手首の動きでヘッドを振らせてワッグルを行います。
次に、その伸びた股関節を曲げていって、
ヘッドがボールに届くところまで体を下に落としてきます。
この両股関節を曲げていく感じが、重心を落とすという感覚です。
ヘッドをボールに届かせるために、上半身を動かすというより、
腰から上の形は変えないで、脚を使って、体全体を下に落とす感じです。
重心が下に落ちることで、スイング中も上に浮きにくくなります。
また、股関節を曲げ直すことで、両股関節が入って、
テークバックからスイング全体で、股関節を使って動きやすくなります。
こんなちょっとした動きですが、スイング全体に大きな影響を与えます。
補足説明「ターゲットを狙う」
気持ちがターゲットに行って、全身の細胞の一つひとつが
ターゲットを狙うよう持ちです。
外から見たら、誰が見ても、この人は狙っているなという、
体勢から見えてくる狙っている感、それが醸し出させるように、
全身全霊をもってターゲットをねらいます。
セットアップにはいったら、狙う気持ちではなく、
スイングの技術などにこだわっている場合ではありません。
そのために、今回リストアップさあせていただいた項目は、
頭に入れて、普段の練習の時から、何も考えなくてもできてしまうように、
訓練を積み上げてください。
そうすれば、実際のショットでは、何も考えなくても、
体が動いて、知らないうちにターゲットに意識が強烈に
集中していくことができるのです。
止まっているボールを打つという、
ゴルフがほかの多くのスポーツとは異なる特別な点。
これをできるだけ有効に活用しようではありませんか。
そのためにも、セットアップを極めるという事の大切さをに、
気づいていただけたでしょうか。
気づきは、大きな進歩です。
では、また。
追伸
今回から連続して、セットアップからスイング開始、
スイング全体に影響する、クラブを振る感覚などについて、
順にお伝えする予定です。
どれも、外見には見えにくい、
動画などでは表現しづらいことなのです。
そいういった項目は、ついつい軽視されがちなのですが、
わたしもなんとかいしょうけんめいお伝えしてみます。
100をまだ切ったことのない方は、
どうしても形にとらわれすぎてしまいます。
本当はもっと簡単に改善できて、効果がある点も多いのに、
本当にもったいない話です。
追々伸
今回新しく出た、私の新プログラム。
何度も何度も自分で撮影をし直して完成させました。
↓
http://g-live.info/click/ohmori150421/
結果的に、3時間もの長編プログラムになりました。
新発売キャンペーンは明日4/27(月)までだそうです。