2016.07.03
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・寝て問題解決」
というお話をさせていただきます。
寝ることを軽視していると、
あなたの脳は最大能力を発揮できなくなってしまいます。
脳の機能と睡眠の関係はいろいろ調査された結果があり、
なかなか興味深いものです。
そこで、今回はゴルフでの悩みをできるだけ簡単に解決したいとか
上達したいと願うあなたに、脳科学の観点から睡眠をどのように利用したら
あなたの願いが叶うのかいろいろお話しようと思います。
睡眠はこう利用しよう
まず、絶対お勧めな睡眠の利用方法を3つプレゼントします。
(1)悩んだら寝る
(2)寝る前にゆっくりシャドースイングの
右打ち、左打ち、右打ちと3回行う
(3)お布団のなかには6時間以上いられるように生活を調整
悩んだら寝る
悩んだら寝るようにします。
脳科学という最新の科学的アプローチで検証される以前から、
語り継がれてきた知恵があります。
それは、なかなか問題の解決策が見つからないときとか、
新しいことを決定しなければならないとき、
突発的なトラブルなどで気が動転したときは、
まずはお布団に入って寝てしまうというアドバイスです。
親の意見と冷酒は後で効くとか言われます。
若いうちは寝たってどうにもならないと思っていても、
人生をいろいろ経験してくると、睡眠をとった後にすんなりと
問題が解決することが多いことに気づくものです。
私は会社で研究開発の仕事をやっていたころ、
締め切り直前に突然トラブルに見まわれ、
すぐに解決しなければスケジュールを守れないという状況に
置かれることもありました。
当然、徹夜となるのですが、そこでおもしろい経験があります。
徹夜を覚悟でトラブルと向き合っていてもなかなか解決策が見つからず、
もうギブアップかと思ったとき、
ちょっと休もうとしてテーブルの上で寝てしまいました。
2時間ぐらい寝てしまい、はっと起きたのです。
ところが、目を覚ましてみたら妙に頭がスッキリしていて、
寝る前までまったく解決の糸口が見つからなかった問題の解決策が
いとも簡単に浮かんできたのです。
そして、それはばっちり当たりで、
すぐに対応してスケジュールをキープできました。
さらに、学校時代の詰め込み勉強のような単純な記憶にも、
寝ることは効果的だという私の経験則があります。
私は、試験の前の日は普段より早く寝ました。
今更、覚えられることなんてたかが知れていると思ったわけではありません。
試験範囲を一気に復習して、そのまま寝てしまいます。
そうすると、一夜漬け的に復習して記憶したことが、
少なくとも1日は頭のなかから引き出しやすくなるのでした。
寝るということには、脳科学で証明されている
すばらしいことが隠されています。
そのお話は、一番最後にお伝えします。
そこで、次にお話することは、
寝る前に行うゴルフにとってご利益のあることをについてです。
寝る前にゆっくりシャドースイング
寝る前にゆっくりシャドースイングの
右打ち、左打ち、右打ちと3回行います。
できるだけ寝る直前がいいです。
クラブでなくてもいいです。
30cmの物差しを手にして、それをクラブにみたててスイングすると、
グリップまで最高のグリップが定着します。
ゆっくりシャドースイングは一回のスイングを20秒以上かけて行ないます。
いきなりセットアップするというよりも、
できれば、ラウンドで実際にボールを打つときのセットアップルーティンから
行うとさらに良いです。
また、物差しはグリップの最高の先生です。
なぜなら、物差しは薄くて平な面があるからです。
物差しの平らな面に沿って両手を合わせると、
最高の両手の関係になります。
まずは物差しの細いラインに沿って、
左手の親指を物差しの右側へはみ出させて置きます。
そうすると、左手親指は
親指の幅半個分グリップセンターから右にずれた形となります。
この左手親指の位置が、
本来最もノーマルなグリップでの左手親指のポジションです。
実際にグリップを作るときは、この左手親指の位置を基準に、
他の部分を合わせて行きますから、
この左手親指をきちっと置くことは非常に重要です。
物差しはこの左手親指のポジショニングをいとも簡単に精密に
ノーマルな状態にしてくれる、グリップの大先生です。
さらに、物差しの面はクラブのフェース面を強く意識させてくれますから、
なおさら便利です。
ちょっとシャドースイングからお話が脱線してしまいましたが、
グリップはスイングの問題のかなりの部分を占めていますから、
シャドースイングとはいえ重要です。
グリップのことも含め、
むしろ寝る前は普通のクラブではなく物差しがお勧めです。
そして、左打ちのシャドースイングを行うには、
大切な理由があります。
それは、普段とは逆向きの打ち方である左打ちでは、
頭で考えていたことを素直に再現できるからです。
右打ちでは小脳に刻み込まれた代償動作としての悪い動きを
行ってしまうことがあります。
しかし、左打ちでは小脳に刻まれるほど動きを
繰り返しているわけではないはずですので、
動きはかなり意識された範囲での動作となります。
右打ちでお悩みの問題が、実は左打ちのゆっくりシャドースイングだと
問題になっていなかったりすることもあります。
それなら、良い左打ちシャドースイングでの動きを
右打ちにコピーすればいいのです。
また、左打ちではこうなったのに、右だとなぜこうなんだろうとか、
いろいろ疑問が出てきます。
この自然発生的に湧いてくる疑問が、
寝ている間に脳細胞をとんでもなく整理&統合してくれることになります。
運動に関する睡眠での脳科学的効果
運動に関する睡眠での効果を、
脳科学的に見て簡単にお話しておきます。
カリフォルニア大学バークリー校の
マット・ウォーカーという人が行った実験があります。
それは、指をタップさせる運動の習熟度と睡眠の関連を調べたものです。
手の指に番号を対応させて、人差し指から小指まで
1~4の番号を付けておきます。
そして、連続して対応する数字の指をタップします。
1~4までの数字をいろいろ並べ、
数字どおりにタッピングしていくわけです。
練習をはじめると、最初のうちはどんどんスピードアップしますが、
あるところからそれ以上早くできなくなります。
そこで、二つのグループに分けます。
一方は一日じゅう寝ないで12時間後に
タッピングの速度のチェックを行うグループです。
もう一方は通常の夜と同じように睡眠をとることをはさんで
12時間後にタッピングの速度の確認を行うグループです。
この二つの寝ないグループと睡眠を入れたグループでの結果は
どうだったのでしょうか。
睡眠なしのグループでは12時間前と同じ結果となりました。
ところが、睡眠をとったグループでは、
多くのメンバーのタッピング速度が勝手に早くなっていて、
1分間にタッピングできる速度が2割もアップしたのです。
そこで、寝ないでいたグループでは指が他の動きに使われたからかもしれないと考え、
あらためて手に袋を被せて手を使えないようにして同じように
寝ないで12時間後にタッピング速度を測定することを試みたのです。
しかし、やはりタッピングの速度の向上は見られませんでした。
結論として得られたことは、睡眠が運動の記憶を強化したということでした。
寝ることだけで、より技能が向上するのですから、こんなうれしいことはありませんね。
睡眠を味方につけることを積極的に利用したいものです。
お布団のなかには6時間はいられるように生活を調整
お布団のなかには6時間はいられるように生活を調整してください。
睡眠は大きく分けて2段階に別れます。
目玉が動かない深い眠りの状態であるノンレム睡眠(non-Rapid Eye Movement)と、
目の玉がキョロキョロする浅い眠りであるレム睡眠(Rapid Eye Movement)の二つです。
そして、このノンレム&レム睡眠は順に発生して、
だいたい70~110分周期で繰り返します。
この睡眠周期の頭が深いノンレム睡眠となり、
ノンレム&レム睡眠を繰り返す睡眠周期の3回めまでのノンレム睡眠は
まあまあ深い状態を繰り返します。
そして、睡眠にはいってから3時間半~5時間半ぐらからは
ノンレム睡眠であっても、急激に浅い眠りとなります。
ですから、6時間はお布団のなかで寝ていられるようにすることで、
ほぼ完全に睡眠効果を得ることができます。
ま、人によっては4時間ぐらいで、OKな場合もありますが、
睡眠周期の変化なども考えて、6時間はお布団のなかに入っていられたらいいですね。
睡眠は最高のサプリメント
睡眠によって運動記憶が強化されるお話をさせていただきました。
他の記憶などはどうなんだろうと、
もっと知りたくなったのではありませんか。
しかし、睡眠は単に運動記憶に効くというだけではなく、
その他にも絶大なサプリメント効果があります。
ということで、運動以外のことに関しても、
睡眠がかなりありがたい働きをしてくれているということが、
脳科学ではいろいろ発見されていますので、そのことについて少しお話させていただきます。
脳の睡眠によるサプリメント効果をお話する前に、
まずは睡眠不足では何が起きるのかをみてみましょう。
睡眠不足でアルコール摂取状態となる?
徹夜をしたらどうなるかという実験が行われています。
睡眠不足では、あたかもアルコールを摂取したときに
似た状況になるというものです。
体のいろいろな部分が強調して動かなければならないような運動で、
飲酒時のような現象が発生します。
例えば何かを見ながらそれを手で操作するという、
目と手の強調動作が必要な作業においては、起きている時間が
1時間経過するごとに血中アルコール濃度が0.004%増加した場合と
同じだけの運動の遅れが発生します。
20時間目を覚ましていたなら、日本酒2合に相当するアルコール血中濃度である
0.04~0.08%と同じ程度の反応速度となります。
これは、一発免許停止となる呼気1リットルあたりのアルコール量
0.25mg以上に達するぐらいのアルコール摂取状態と同じぐらいです。
ちなみに、日本酒1合では血中アルコール濃度0.02~0.04%は
呼気1リットルあたりのアルコール量に換算すると0.1~0.2mgとなります。
さらに、若い年代のほうがこの睡眠不足による
反応速度低下の影響を受けやすくなります。
年齢を重ねるほど、睡眠不足に
体を対応させやすくなっているとも言えるようです。
思考についてはそのなかでも脳の多くの部分が関係する複雑な思考として
創造、直感、柔軟性、改革思考などが睡眠不足の影響を受けやすくなります。
これらの思考は脳のなかでも前頭前皮質に関係する働きです。
睡眠ではなにが起きる?
ここまで、睡眠不足だとどうなるとか、
睡眠の現象的な面をみてきました。
ところで、睡眠ではヒトの脳のなかでは
いったいなにが起きているのでしょうか。
あなたも普段の生活で、整理整頓やってますよね。
整理整頓することで、使いたいものをすばやく探すことができ、
整理整頓という一手間かけることで、整理整頓にかけた手間以上に生活が便利になります。
ヒトの脳の構造は、脳神経細胞があり、その神経細胞同士をつなぐ
通信経路としてシナプスというものがあります。
そして、一つの脳神経細胞に着目すると、
そこにつながるシナプスからの信号の合計がある強度を超えると
その脳神経細胞は他の脳神経細胞につながるシナプスに信号を発生させます。
脳が発達するというのは、脳神経細胞につながるシナプスの数や
つながりが増えるということです。
そして、ここ20年の間の脳研究の結果、それまでシナプスは
増加しないと言われていたことが覆され、
シナプスは死ぬまで増え続けることが可能だとわかってきました。
ところが、一つの細胞に入ってくるシナプスの数が多くなってくると、
それ以上結合が増えても意味がなくなってきます。
シナプスが結合しすぎた細胞では刺激が過剰となり、
正常な機能を果たさなくなってしまいます。
普段の生活では目や耳、皮膚感覚など莫大な情報が私たちの体に入ってきます。
しかし、その大部分はあなたや私にとって記憶する必要のないものです。
そんな、不要なことにまで脳が反応してシナプスを増加させていたら、
刺激過剰の脳細胞がどんどん増えて、脳全体も本来の働きを果たせなくなってしまいます。
また、へたをすると、脳の容量におさまらなくなって、
脳が爆発してしまうなんてとんでもないことにもなってしまいます。
そこで、私たちの脳は不必要と思われる情報を消し去る動きをします。
ウィスコンシン大学のシアラ・シレリによるショウジョウバエの実験で、
シナプス恒常性モデルというものが立証されました。
シナプス恒常性というのは必要なシナプスは残し不要なシナプスは消し去って、
脳を最高にあなたのために働けるように整理することです。
ショウジョウバエの実験では、他の多くのハエと接触したハエでは、
孤立させたハエよりもシナプスが増加しました。
ところが、睡眠ちゅうにシナプスの整理が行われ、
シナプスの量が元に戻ったのです。
同じことが、ヒトでも検証され立証されました。
このように、睡眠中に脳の中では、集めてきた情報から必要な情報を残し
不要な情報を破棄することで、効率よく脳を活動させるための整理が行われます。
睡眠をとらないと、このような脳のなかの整理ができず、
脳の性能を活かせなくなります。
単純な運動技能も簡単な記憶も睡眠による脳の整理で強化されます。
しかも、たった10分程度の睡眠でも変化が見られます。
あたかも睡眠によって雑音が取除かれ、
あなたにとって重要と思われる記憶が強化されるのです。
さらに、睡眠では、個別に記憶されたことを関連付け、
古い情報と新しい情報を統合してお互いに連想可能な記憶として強化します。
記憶の断片を連合して、より一般的な概念にすることも行ないます。
単に整理整頓以上のことを行っているのです。
これらの睡眠ちゅうに脳が行う整理整頓と連合作用によって、
未来予測としてまだ起きていないことを予測したり、新たなことを創造したりなど、
単に単発の記憶では発現できないさまざまなことが私たちの脳は処理するようになります。
ちなみに睡眠不足の影響を受けない能力もあり、運動能力、IQテスト、文章理解力、
さらに、論理的推論や比較的思考も睡眠に影響されません。
記憶は感情と結びつくと寝ていて強化される
また、記憶などは感情と結びつくと寝ているうちにさらに強化されます。
楽しかったり怖かったりなどの感情ですね。
楽しい記憶はよく覚えていたりしませんか。
また、起きているときにあなたご自身で重要だと意識したことは、
脳ではしっかり残さなければならないこととして、
整理整頓とか連合処理において影響を与えます。
こんな実験があります。
二つのグループで覚えたことをひと晩寝たあとにテストをします。
一方のグループでは、明日テストしますと伝えます。
ところがもう一方のグループにはテストをすることは伝えません。
結果、テストすることを伝えたグループでは明らかに成績が良かったのです。
このことかわもわかるように、脳に使われるのではなく、脳に明確に指示をあたえることで、
寝ていてもあなたの脳はあなたの意志に従って変化しようとします。
あなたがどんなゴルファーになりたいのか、
それを寝る直前のゆっくりシャドースイングで思い描きながら実行しましょう。
そうすれば、あなたの脳はできる限りの努力を行って、
あなたに従順に従って変化します。
では、また。
追伸
毎回、参加者にお喜びいただいている限定レッスン会ですが
今月も関東地方(千葉県)で開催します。
しかも今回は日曜開催もありますので、
平日にお仕事がある方も参加可能な日程になっています。
ぜひ、下記を確認しておいてください。
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追々伸
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