From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・ネガティブワーク・大殿筋スクワット」
というお話をさせていただきます。
「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」は、
ゴルフでの下半身のパワーの源となるお尻の大きな筋肉である
大殿筋をターゲットにした、手軽にできるトレーニングです。
と、本題に入る前に
一点、業務連絡です。
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では、話を戻します。
関節の負担減、痛みも改善
ネガティブワークは、筋肉が伸ばされる状態で力を出します。
ネガティブワークによって、
素早く動くことができる体をつくることが可能になります。
体を持ち上げるときは両脚で行い、
体を下に落とすときに片脚にして負荷を大きくする動きで、
ネガティブワークをふんだんに使って効率よく
パワーが出しやすい筋肉に仕上げます。
ゴルフの飛距離アップはもちろん、
膝や腰が痛い場合にも、少しずつ筋力を付けることで、
関節への負担も減らせて、痛みの改善ができます。
実際の動きの概要
スクワットというと、脚を曲げ伸ばししながら
体を上下させる動きです。
あなたの体重を使えば、マシンを使わなくても
そこそこ鍛えることができるので、
やる気さえあれば、手軽にできて継続できます。
しかも、両脚で行なうことを片脚にするだけで、
負荷を強くすることができます。
「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」の
やり方の手順は次のようになります。
(1)両脚でまっすぐに立つ
(2)片脚の腿を上にあげて片脚を地面から浮かせる
(3)地面に着いた片脚の股関節を曲げて体を落とす
(4)両脚で地面を踏んで立ちあがる
(5)脚を入れ替え繰り返す
体を下に落とすときには、1秒ぐらいかけて落とします。
そして、お尻の大きな筋肉である大殿筋を強く意識して
その大殿筋が体重で引き伸ばされながら
股関節が曲げさせられることをイメージします。
立ちあがるときは、1秒ぐらいでスッと立ちあがります。
膝はバランス保持できる範囲で曲げますが、
あまり曲げないほど大臀筋に効きます。
また、地面を踏む足はできるだけ外側に乗らないで、
母指球の少し後ろ辺りで地面を踏むようにすると、
ゴルフでの脚の踏み方の習得に効果的です。
ネガティブワークの概要
ネガティブワークに関しては以前にもお伝えしたことがありますが、
後でもうすこしだけ詳しくお話させていただきますが、
まずはざっと要点だけお伝えしておきます。
筋肉の種類は大きく2つに分けることができます。
素早く動く速筋と、その半分ぐらいの速度しか出せない遅筋です。
大殿筋が伸ばされながら体がストンと落ちないように力を出すことで、
ネガティブワークとなり、素早く動く速筋が使われます。
ゴルフではトップからボールヒットまでは平均的には約0.3秒ですから、
これは速筋が活躍する動きとなります。
ネガティブワークでは、
ゆっくり動いても遅筋ではなく速筋を鍛えることができますから、
まさにゴルフにとってはありがたいトレーニング方法となります。
「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」では、
お尻の大きな筋肉である大殿筋を伸ばしながら大臀筋の速筋を鍛えます。
体を落とす動作で大殿筋が伸展することで大臀筋の速筋が使われます。
この体を落とすネガティブワークのときに片脚にすることで負荷を強くし、
速筋を中心に鍛えます。
そして、大殿筋を縮めながら収縮させて
遅筋が使われる立ちあがり動作においては、
両脚にすることで負荷を軽くして遅筋はそれほど鍛えないようにします。
そうすると速筋が遅筋に比べて増大して強くなり、
筋肉量が増大して重さが増加するなかで、
単位重さ当たりでパワーアップした大殿筋を作りあげることができます。
回数や行なう場合の注意点
回数や行なう場合の注意点についてまとめてみました。
ますは、トレーニングで一番大切なことは、
鍛える筋肉を強く意識することです。
そうすることで、単にターゲットの筋肉が太くなるということだけではなく、
その筋肉への神経回路が活発になり、
より多くの信号を伝達できるようになります。
今回の「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」では、
今、鍛えようとしている筋肉であるお尻の筋肉である大殿筋が、
体の重さで伸ばされる動きを強く意識しましょう。
行なう回数としては、片脚ずつ毎回入れ替えて左右で1回として、
10回ぐらいを目安に1セットから始めると良いです。
片脚ずつ連続で行なうと体を歪めやすいので、
左右交互に行なう方がいいです。
ある程度慣れてきたら、だんだん沈み込む深さを深くするとか、
3セットまでできたら最高です。
最初からがんばりすぎて、深く沈み込みすぎると膝が痛くなったりしますから、
無理のない範囲で続けることが大切です。
一日に何回もやっても、負荷が大きくなければ問題ありません。
ただし、もしきついと感じるぐらいがんばるなら、
日を空けて週に2~3回にします。
筋肉痛になるようでしたら、筋肉痛が消えてから行なうようにしましょう。
本当につらいぐらい行なうと、筋肉には小さな損傷が発生します。
その損傷が修復するときに筋肉が太くなります。
そして、筋肉の損傷の修復が完了すると、
トレーニング前に比べて一時的ですが筋力がアップします。
これを超回復といいます。
トレーニングはこの超回復のタイミングを使って
さらにトレーニングを重ねることで、筋力を最も効率的にアップさせることができます。
この回復時間は年齢に依存しますが、
若い頃はトレーニングして48時間ぐらい、
年齢とともに長くなって、3日以上かかることもあります。
目安は、またやりたくなるというタイミングです。
膝や腰痛への対応
逆に、痛くない範囲で継続できれば
脚全体の筋肉も付いてきて、膝や腰痛などの防止にもなります。
年齢と共に膝や腰が痛くなる原因の一つとして、
筋力低下があります。
筋力が低下すると、それだけ関節を支えきれなくなって、
関節への負担が増加します。
そういった、関節への負担を減らすためにも、
筋力を落とさないようにしたいものです。
痛いから使わないでいると、
余計に筋力が低下して、悪循環になります。
大切なことは、痛みのない範囲で無理せず、
少しずつ負荷をアップさせていって、必要十分な筋力に達したら、
同じ負荷でいいので継続して行なうことです。
私自身、スキーのアルペン競技をやっていたときの怪我で、
右膝半月板損傷に加え、左中殿筋損傷による左股関節変形症のため、
右膝と左股関節は手術が必要な体です。
しかし、ドクターと相談しながらトレーニングで必要な筋力を付けて、
現在のところ手術しないで、トレーニングとコンディショニングだけで
普通にゴルフができています。
スイングで脚を主体に使ったとしても、
適切なトレーニングと無理な負荷を加えないスイング技術があれば、
かなりの重症でも楽しくゴルフを続けることができます。
ですから、膝や腰など体に痛みがあるなら、
まずはその原因を整形外科などではっきりさせます。
そして、ドクターと相談しながら最初は小さな負荷から
少しずつ筋力を付けていけば、病状によっては痛みから開放されることもあります。
私の左股関節は人口股関節置換手術と言われているかなり重い症状のなかで、
手術をすでに何年も回避できているのですから、
やる気さえあれば、希望はあると感じています。
左股関節は常に違和感はあるのですが、
痛いわけではないので、まだまだ持ちそうです。
右膝半月板損傷はすでに15年以上は手術を回避できていて、
現在は違和感もないため、
手術が必要だったことを忘れていることが多くなりました。
では、また。
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「ええー。大森さん!
手術の話をして終わりですかー」
え、ちょっと今日は長めに話してしまったんですが、
まだ先を聞きたい?
では、そういう奇特な方のために、
もう少しだけ話を続けてみることにします。
というわけで、続きをどうぞ。
ネガティブワークの詳細
以前のメルマガ
「体」飛ばしたいならゴルフ四股踏み
でネガティブワークについてお伝えしていますので、
その中から要点を抜粋させていただきます。
―「体」飛ばしたいならゴルフ四股踏みからの抜粋―
バーベルなどを持ちあげる動作では
筋肉を短縮させながら動くことになり、
この動作を短縮性動作といいます。
その逆に、バーベルなどを下におろす動作では
筋肉を伸ばしながら動くので、伸張性動作と呼びます。
そういえば、あなたも登山までいかなくても、
ちょっとした山登りをやった後、登りよりも下りで使う筋肉が
筋肉痛になったご経験があるのではないでしょうか。
登りでは短縮性動作となります。
しかし、下りでは主に伸張性動作です。
なんだか、逆?
いっしょうけんめいに重い体を押しあげながら山を登るよりも、
体の重さで引っ張られて山を下るほうが
筋肉にとって損傷が激しいなんて、考えにくいです。
登るための筋肉も、下るための筋肉も、
普段の生活では同じように使われているのに、
ダメージの受けかたに差が出てしまいます。
なぜ伸張性動作で速筋が鍛えられるのかはわかっていませんが、
伸張性動作ではすばやく動くことができる速筋が積極的に使われる
ということまではわかってきています。
逆に言うと、早く動かさなくても、
伸張性動作なら速筋が鍛えられるという、
なんとも不思議なことになります。
―抜粋ここまで―
「体」飛ばしたいならゴルフ四股踏み(2016.06.05)
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速筋と遅筋の本数の割合は生まれたときに決まってしまい、
その後変化しません。
ですから、素早く動ける体のためには、
できるだけ遅筋ではなく速筋を太くすることを考えます。
がんばってウエイトトレーニングしても遅筋が太くなると
重くなって逆に動作は遅くなってしまいます。
ですから、よく考えて重いウエイト持ちあげなければ、
単純に力と速度の掛け算としてのパワーがアップできません。
鍛え始めた最初は、簡単にパフォーマンスアップになります。
しかし、少し鍛えた後は、
速筋と遅筋の増大の割合をうまくコントロールする鍛え方をしなければ、
良い結果には繋がらなくなり、逆効果になることもあります。
確かに、とにかくウエイトをあげれば、ゆっくり出す力は大きくできますが、
パワーという速度も関係する要素となると、
鍛え方は慎重に選択して行わなければなりません。
がんばったのに、結果が出ないなんて、悲しいですから。
「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」では、
脚を曲げ伸ばしするスクワットで体を上下させます。
そして、体を下に落とすことで
大殿筋の伸長性動作となるネガティブワークのときには、
負荷を強くし速筋が発達できるように片脚にします。
体を持ち上げるという短縮性動作のときは
両脚にすることで負荷を軽くします。
もし、トレーニングで速筋を鍛えようとしたら、
かなりきつい負荷となります。
速筋はある程度以上の筋力を出そうとしないと動き始めてくれません。
そのため、単純な重りを持ちあげるというような筋肉を収縮させて
筋肉の長さを縮めながらでのトレーニンで速筋を鍛えるとすると
かなりきつい運動となります。
2~7回ぐらいしか持ちあげられないぐらいのウエイトで、
1~5回を1セットとして、できるだけ高速に持ちあげなければなりません。
これでは、体が鍛えられる前に故障してしまいそうです。
しかし、ネガティブワークならこんなきついことをしなくても
速筋を鍛えることができます。
そして、スクワットは片脚だけで行なおうとすると、
とてもできるものではありません。
しかし、落ちるときだけ片脚で行なうなら、たやすくできます。
「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」の副次効果
さらについでながら、両脚から片脚にすることで、
骨にかかる力が大きくなるので、骨密度アップにもつながります。
そして、まだまだ「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」の
ポーズの中にはご利益があります。
それは、体を下に落とすときに片方の脚を浮かせますが、
この浮かせる動きで腿を体に引き付ける力を使うことになります。
腿を体に引き付ける動きを強化すると、ゴルフでは骨盤を前傾させるとか、
さらには普段の生活での歩くときのつまずき防止になります。
腿を上にあげるなどの股関節を体の前側に曲げる筋肉は、
太ももと骨盤や背骨を結ぶ筋肉である腸腰筋が使われます。
腸腰筋は体の内部に走っているので、外からはほどんど触ることはできませんが、
ゴルフはもちろん普段の生活でも重要な筋肉です。
そして、ゴルフでも普段の生活でも、腿を体の前側に曲げる動作は
それほど早くないので、腸腰筋の中の遅筋を鍛えると効果的となります。
走るとなると、腸腰筋の中の速筋を太くさせたくなりますが、
ゴルフや普段の生活では腸腰筋の速度はそれほど必要にはなりません。
「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」では、
腸腰筋はゆっくり短縮性動作することになるので、
ゴルフや普段の生活にマッチした関節を安定させる目的としての遅筋が鍛えられます。
いつでもどこでも
さらに、「ネガティブワーク・大殿筋スクワット」は、
いつでもどこでもできる運動です。
電車の待ち時間で行なうこともできますが、
変な人なんて見られてしまいはずかしいので演る人はいないと思いますけれど、
やろうとしたらできます。
お散歩の途中でちょっとやってみるとか、仕事の途中の気分転換でとか、
ご飯を食べる直前に椅子に座る前にやるとか、
ちょくちょく行なうタイミングを決めて行なうといいです。
トレーニングの原則は、少しずつ負荷をアップさせるという意味の漸増、
そして、継続は力なりです。
先ほどお話したように、楽にできて痛みが出ない範囲で始めて、
やりたいと思う範囲で負荷を段々強くしたり
セット数を3セットまで段々増やします。
そして、ある程度のレベルに達したならば、負荷などは変えなくてもよいので、
日々の生活に溶け込ませて継続させましょう。
ちなみに、ここで紹介しているトレーニングなどは、
私が開催しているワンデーレッスン会でもお伝えしています。
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これで、今日は本当のおしまいです。
では、また。
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大森コーチへ
大森コーチから伝授して頂いたストレッチや筋力を維持向上させるトレーニングを継続しています。
肩甲骨や股関節の柔軟性を高めるものや、両脚の後ろ側の筋力をアップする体操をJSNXから抜粋して実践しているのですが、スクワットは自己流で行っています。
2Kgのダンベルを両手に持ってゆっくりスクワットするのですが、上下それぞれに3秒位をかけ上半身を真っすぐに伸ばしながら取り組んでいます。
本日紹介して頂いた方法を拝見し、自分流で良いのかどうか不安になってきました。
コーチの解説からすると、今の自分のやり方では遅筋を一生懸命に鍛えているような気がしたからです。
方向性が違っているようでしたら、すぐにでもスクワットの仕方を変えようかと思いますのでアドバイスをお願いいたします。
Q:「方向性が違っているようでしたら、すぐにでもスクワットの仕方を変えようかと思います。」
そうですね、かなり継続してダンベルでのスクワットを行ってみえるようですので、基礎的筋力は付いてきていると思われます。そうであることを想定したなら、次のようにすると良いです。
行なうとしたら、今回紹介させていただいたように、上にあがるときは両脚で、降りるときにだけ片脚にすると、重さの割にパワーを出せる体をつくることができます。
片脚にすることで、実際に使える筋肉と神経系が鍛えられます。アンバランスな状態で運動することがキーです。これはネガティブワーク局面での負荷を大きくするということだけではなく、本当に使える神経系が鍛えられるということで、絶対に大切なことです。メルマガ本文ではこのことまで詳しくお話すると文章が長くなるので、割愛させていただいていますが。このアンバランスな状態でのトレーニングについてもいずれ詳しくお話しようと思います。
本文でも少し触れさせていただいたいますが、まったくトレーニングをしていない状態から、少しでもウエイトをあげるなどを行なうと、確実にパフォーマンスアップすることが可能です。しかし、ある程度基礎的筋肉が付いてくると、今度は、重さの増加に対する筋力アップについて考えながらトレーニングしないと、がんばった割にというか、がんばったのに余計にパフォーマンスがあがらなくなるというような状況にもなります。
実際、私もスキーのトレーニングのときに経験したことですが、1シーズンを無駄にしたことがあります。野球の清原選手も同じ罠にハマっていたのではないかと思われます。ようするに、トレーニングで体は重くなったけれど、欲しい速筋を効率良く鍛えることができず、遅筋の量を増やしてしまい、体は大きく重く、一見パワーアップしたように見えるけれど、トータルでは行いたい運動に対するパフォーマンスが低下してしまう。そして、それにともない、無理な体の使い方を行ってしまうことで、怪我にもつながるということにもなります。その点、イチロー選手のような体の作り方や使い方ができれば、しなやかで速筋がしっかり鍛えられ、結果としてパフォーマンスが高いレベルで維持できます。
本文でも少し触れさせていただいたいますが、まったくトレーニングしていない状態から、少しでもウエイトをあげるなどを行なうと、確実にパフォーマンスアップすることが可能です。しかし、ある程度基礎的筋肉がついてくると、今度は、重さの増加に対する筋力アップについて考えながらトレーニングしないと、がんばった割にというか、がんばったのに余計にパフォーマンスがあがらなくなるというような状況にもなります。