2020.06.14
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「スイングで体重使ってますか」
というお話をさせていただきます(ビデオ&おまけあり)。
体重を使ってスイングしていないとすると、
飛距離はもちろんショットの精度でも損をしています。
実際、体重70kgで階段1段分のだいたい20cm落ちたら、
どれぐらいの飛距離分の位置エネルギーになるか
計算してみると驚きの数字となります。なんと。。。
(続きはビデオにて)
スイングで体重使ってますか
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(おまけ付き)
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↓
https://g-live.info/click/omrpdf200614/
※印刷してファイルなさる方にはこちらが便利です。
約220ヤード!
・重力加速度9.8m毎秒毎秒
・ミート率1.5
・ボール初速(m毎秒)の4倍が飛距離(y)
とすると、なんと
root(2×9.8x70x0.2/0.2)x1.5×4=約220yです。
こんなにもすごい重力をうまく利用していないとしたら、
本当に勿体無い話だと思いませんか。
そして、重力は飛距離のためのエネルギーとしてだけではなく、
ショットを簡単にしてくれる大きな味方となります。
スイングで体重を使う代表格は、次の3つです。
(1)バックスイングの出だしでの左脚の重さを使う
(2)ダウンスイングで腕とクラブの重さを使う
(3)ボールヒットで上半身の重さを抜く
最低でもこれらのことは強く意識して、
飛距離やショットの精度をアップしたいものです。
今までも、これらのことを個別にお伝えしていますが、
今回は体重を使ってスイングに貢献できることを
まとめて見てみたいと思います。
バックスイングの出だしでの左脚の重さを使う
まずは、バックスイングの出だしでの
左脚の重さを使うことについて。
バックスイングして、トップ近くで苦しく感じませんか。
これからダウンスイングの軌道の出発点となるトップで、
力みが入っていては良いダウンスイングができるはずはありません。
そして、ダウンスイング序盤では、さらに体をしならせて
エネルギーを溜めたいタイミングです。
そのときに、力が入っていてはエネルギーは溜まりにくくなります。
なぜなら、同じ力でしならせるなら、しなやかなものほど
より多くのエネルギーを溜めることができるからです。
さらに苦しいと腕の力でクラブを上にあげようとしたりすることになり、
ダウンスイングで腕が下に落ちにくくなるばかりか、
トップの位置も不安定になります。
そこで、楽なトップを作るためには、
バックスイングで下半身の重さと可動域を正しく大きく
使うことを意識しましょう。
そのためにはまずは、バックスイング開始で
左股関節から先の神経をプッツンと切るイメージで、
左脚全体の力を抜いて重りにしてみましょう。
そうすれば、左腰が右斜め下に落ちてきて、
骨盤はセットアップでの前傾角度を維持たまま
楽に右にターンしてくれます。
ダウンスイングで腕とクラブの重さを使う
そして、ダウンスイングでは、腕とクラブの重さで
できるだけ下に向かってグリップエンドが落ちるようにしましょう。
そうすることで、ダウンスイングの早い段階で
クラブがインパクト面に乗るので、
その後コントロールすることが少なくなります。
その結果、クラブを振ることに専念できて、
ボールを遠くに飛ばすことができます。
当然、腕とクラブを落とすと、その分、
エネルギーとして使えて飛距離アップにも貢献できます。
ボールヒットで上半身の重さを抜く
また、上半身の重さもバカにできません。
トップでは左脚にあまり体重は乗っていない形になりますが、
ダウンスイングしてくると左脚で地面を支えるように
体重が乗ってきます。
そのときに、上半身の重さを一瞬抜いてあげると、
体重を支えていた左脚がそれまでの体重を全部
支える必要はなくなります。
そうすると、左脚はそれまで脚を伸ばす方向で
体重を支えていたものが、体重が抜かれた分、
腰の回転に左脚のパワーを使うことができます。
ボールヒット直前に遠心力に対応するイメージで
頭を振り出し後方へ押し込もうとすれば、
頭を含めた上半身全体は右斜め下に落ちます。
そうするだけで楽にクラブを振ることができて、
飛距離が伸びます。
これらの動きを積極的に意識して行い、
高い再現性と飛距離をゲットしましょう。
まだまだ体重を使えるところがある
その他にも、まだまだ重力を使えるところは山ほどあります。
バックスイングで位置エネルギーとしてお腹を右斜め上にあげて
それをダウンスイングで使えば、
その分、スイングパワーがアップします。
バックスイングで背骨を中心に
腰から首の付け根である体幹を右にターンさせれば、
前傾している分、重いお腹は右斜め上にあがります。
そのお腹を落としてきてセットアップのところまで戻そうとするだけで、
体幹は左にターンする力を受けることになります。
トップからは単に落ちようと意識するだけで、
それまで溜めてきた位置エネルギーで体幹がターンして
上半身がしなってきます。
まさに、位置エネルギーがしなりのエネルギーに
勝手に変換されて蓄積できます。
ダウンスイングの反動で左脚を蹴る
さらには、ダウンスイングしてきて両脚で地面を捉えたときに、
その反動を使って左脚の蹴りの最大のパワーを発揮させることも
飛距離アップに有効です。
その反動を使う様子は、以前にもお伝えしていますが、
もう一度確認してみましょう。
トップでは左脚が浮いた状態です。
そこから両脚で地面を踏もうとすることで、
左脚に体重が乗ってきます。
そうすると、トップで伸ばされていた左脚は
曲げされられる方向へ力を受けます。
そのとき、お尻の大きな筋肉である
大臀筋が伸ばされることになります。
左脚で体重を支えようとすれば、大臀筋は伸ばされながら縮もうとする
「伸張性収縮」の状態で力を発揮することになります。
筋肉は自ら力を出して縮みながら収縮しようとする「短縮性収縮」では、
「伸張性収縮」の半分以下のパワーしか出せません。
まさに、この左脚で地面を踏んで潰されないように耐えている動きは、
「伸張性収縮」による最大の能力を発揮できるための大切な瞬間です。
そのときに発揮される大きなパワーを使って
左脚を正しい方向へ伸ばし始めることで、腰は鋭く左にターンします。
左脚は左足母指球の少し後ろで地面を踏みながら
左脚を伸ばす動きを使って、左のお尻を
左後ろポケット方向へ押し込むようにすれば良いです。
自分の重さを案外感じていない
ところで、体の重さは、普段の生活では案外
感じていないものです。
私はアルペンスキーをやっていたので、
自分の体重の凄さやそれをいかにうまく利用するかを
身にしみて体験しています。
スキーの加速の原動力は、重力ですから。
両腕の重さは平均的には体重の12%で、
体重70kgならだいたい8kgもあります。
しかし、そんな重さは慣れてしまっていて、
普段の生活ではなかなか感じていないものです。
普段とは異なる動きとして、例えば寝転んで本を読んでみて、
はじめて腕の重さを感じるぐらい慣れということは恐ろしいものです。
落下のエネルギーを使うために
そして、落下のエネルギーを使うためには、
トップから下に落ちやすくすることが大切です。
もし、トップに向かって腕の力で
クラブを高くあげようとしていたとすると、
それは重力で落ちにくくなる要因となります。
筋肉は力を入れると、力を抜いたつもりでも
約0.4秒はゼロになりません。
そのため、トップ近くで上向きの力を入れるほど、
落ちにくくなります。
トップからボールヒットまでは平均0.3秒ですから、
トップで入った力はボールヒットまで抜けきることができません。
では、どうやったらトップ近くで
上向きの力を使わなくても良いのかとなると、
それは、バックスイングで脚を使ってクラブを動かすことです。
脚から動いて体幹を右にターンさせれば、
ヘッドは体幹の周りを回転しながら右斜め上にあがってきます。
そして、ドライバーショットぐらいスタンスの幅を広げていれば、
脚を使い切ったら手元は胸の高さぐらいにまであがってきます。
また、バックスイングで手元は円軌道を描くように
インサイド寄りに動きながらヘッドを真っ直ぐに動かそうとすれば、
手首が親指側へ折れるコックが入ってきます。
そうすると、手元が胸の高さあたりでは、
コックでシャフトは垂直の手前で
ヘッドは最上死点近くまできています。
そのときそれまでのヘッドの勢いで何も力を入れなくても、
ヘッドは勝手にトップに向かおうとしています。
そして、コックが最上死点を過ぎたら
クラブの重さでシャフトが倒れる力を受けるので、
さらにトップに向かう力が加わってきます。
結局、脚とコックで手元が胸の高さぐらいまでバックスイングしてくれば、
後は自らは上向きの力を入れなくてもトップまで到達できます。
トップ近くでは右腕はシャフトを支える
ただし、右腕だけはシャフトが押してくる力を受けて
支えるようにすることで、右腕が支点でヘッドが力点となって
作用点としての左手を引っ張ります。
そうすると、左腕が引っ張られることで
左肩甲骨が胸の方向へスライドする形でしならされてきます。
胸の高さより上では、左肩と手首をリラックスさせて
右腕を支点として使えば、クラブをあげるというよりも
しなりを強めながらトップに向かう最高の状態にできます。
何れにしても、重力を最大限に利用するためには、
無駄なコントロールのために余計な力を使わないことが大切です。
リラックスした正しい構えのセットアップから、
脚を使った動きでスイングをはじめることで
最大限に重力を使い倒してボールを飛ばしましょう。
では、また。