2015.09.13
From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・体幹の大切さが身に染みて分かった出来事」
というお話をさせていただきます。
体幹というのは、骨盤から肩にかけての
胴体の部分のことです。
そして、体幹の使い方に大きく関係している、
捻転差についても触れさせていただきます。
以前に、
「技・力みにつながる大きな勘違い~トップでの捻転差」
というお話しで、捻転差を作るタイミングとか、
体の使い方での勘違いのお話しをしました。
体幹に関しても、その他のところで、
ちょこちょこお話ししていますね。
以前の
「技・力みにつながる大きな勘違い~トップでの捻転差」
はこちらから
↓
https://g-live.info/?p=13904
スキーのトレーニングで驚きの経験
わたしは以前、アルペンスキーをやっていて、
いろいろなトレーニングを経験してきました。
プロテインもしっかり飲んで、挙げるウエイトを、
どんどん増加させてることに集中したことがありました。
どんどん重いものを挙げられるようになるのが、
面白くて止まらない感じで、
ついついエスカレートしてしまったという感じです。
ところが、そんな徹底ウエイト・トレーニングに励んだシーズン、
スキー競技での成績が落ちてしまったのです。
次の年も同じことを繰り返した結果、同様に成績が出ませんでした。
ウエイト・トレーニングしたら、すかさずスキーやゴルフなどでの実際の動きを行えば、
ウエイト・トレーニングで強化した筋肉を、プレーの動きの中で使えるようになります。
ここで、すかさずというのは、できるだけ早いほどよく、数分以内というぐらいです。
しかし、ゴルフでは可能ですが、スキーではなかなかそんな理想的やり方はできません。
そんな中で、私の考え方を大きく変える出来事がありました。
仕事の関係で、それまでのようには、ウエイト・トレーニングで
フリーウエイトやマシンを使ってできなくなった時のことです。
そのため、公園で行える範囲で、
いろいろなトレーニングを工夫してやることに決めました。
その中で、特に新しく取り入れた方法があります。
それは、アンバランスな中で、鍛えるということです。
例えば、ブランコのまわりの鉄管の柵は、
ちょうど膝ぐらいの高さで、ブランコの周りを取り囲んでいます。
その鉄管の柵の上を、バランスを取りながら歩いたり、
その上で片脚スクワットをやったりするトレーニングです。
負荷としては、片脚スクワットでは、
せいぜい体重の半分ぐらいのウエイトを挙げる程度となります。
マシンでウエイトトレーニングをやっていた頃と比べたら、
とても低い負荷です。
さらに、鉄管の上を歩くとなると、
筋力としては、たいして鍛えることはできません。
ところが、そんな公園トレーニングをやり始めたシーズンから、
スキーの大会での成績が、急激に伸びたのです。
なんだ、これはという感じでした。
アンバランスの魅力
実は、アンバランスな中で、体を操作する練習をすると、
体幹がしっかりして、その体幹に繋がる手足が勝手に動けるようになります。
これは、体幹を安定させるための筋力は多少強化されるのですが、
それ以上に、体幹を安定させるやり方がわかってくるという、
神経系の変化の影響が大きいといえます。
体幹に繋がる手足が勝手に動くということは、
例えば、左脚片脚でスクワットしながら、
右腕を大きくぐるぐるまわすなどという動きです。
体幹が安定していれば、手足の動きをバラバラにコントロールできます。
下半身は上半身よりも大きなパワーを出せます。
安定した体幹があれば、強靭な下半身で出したパワーを、
うまく上半身に伝えて、腕などを力強く振ることもできます。
スキーでは、手足を独立して動かせることで、
筋力はむしろ落ちているにもかかわらず、成績が伸びたという結果が出ました。
ゴルフなら、体幹が安定すれば、
下半身のパワーをうまく腕に伝えられるという、本来やりたいことができます。
このことについて、もう少し詳しくお話しています。
捻転差という誤解
ところで、ゴルフでは、下半身と上半身の捻転差が大きいほど、
パワーが出せて、ボールを飛ばせるとも言われます。
しかし、下半身と上半身の捻転差ということを、
ほとんどの場合、誤解されています。
ひょっとして、あなたも、下半身と上半身の捻転差て、
体幹をねじるとお考えではありませんか。
実は、体幹をねじることがメインではないのです。
じゃ、どこをねじるの?
実は、下半身と上半身の念点差というのは、
左肩甲骨をスライドさせることが主な動きです。
肩甲骨のスライドとは
ところで、肩甲骨のスライドさせると言っても、
ピンとこないというあなた。
そんなあなたのために、ちょっとやってみていただきたいことがあります。
どこか硬い壁に背中を押し付けて、背骨を壁に固定します。
椅子の背もたれに押し付けてもいいです。
そして、背中を壁などに密着させたまま、
左腕を体の正面方向へ突き出してみます。
背骨が壁にピッタリくっついたままでも、
腕は壁から離れて、体の正面方向へ出せますね。
さらに、左の鎖骨(肩と首の付根あたりに走る細い骨)の上に、
右手を乗せて、鎖骨の動きがわかるようにしておきます。
鎖骨は、肩甲骨を胴体である体幹とつなぐ骨になります。
肩甲骨の動きは、この鎖骨を触っていると、よくわかります。
先ほどと同じように、背骨を壁に押し付けたまま、
左腕を体の正面方向へ突き出してみます。
どうでしたか、腕を付き出した左側の鎖骨に乗せた右手には、
左の肩甲骨が体の正面方向へ移動すると、
鎖骨が斜め前に出ることがわかりましたね。
結構、鎖骨が動きます。
ということは、肩甲骨も思った以上に大きくスライドしていることになります。
クラブを振り回すゴルフから、ボールを投げるとか、
腕の先に体のパワーを伝えるスポーツでは、
この肩甲骨のスライドを大きく使うことが、パフォーマンスアップに直結します。
意外と気付かれない肩甲骨の動き
ここまでで、肩甲骨といっても、
それほど大きく動いたとは感じないという場合。
肩関節への負担が心配になります。
肩関節というのは、肩甲骨の上に乗った、
腕をいろいろな方向へ動かす関節です。
腕を動かすとき、肩甲骨とその上に乗っている
肩関節の動きをうまく組み合わせています。
ところが、肩甲骨をあまり動かさなくても、肩関節を動かすだけで、
まあまあ腕を動かすことができます。
そのため、肩甲骨を意識していないと、
肩甲骨はだんだん動く範囲が小さくなります。
そして、肩甲骨の動きが鈍った分、肩関節で代償動作
(本来の動きの代わりに動作すること)を行なってしまいます。
そうすると、肩関節は本来の動き以外の動作を強いられ、
負担が大きくなります。
四十肩、五十肩と言われる肩関節まわりの故障は、
この肩甲骨の動きが悪くなり、肩関節が代償動作をさせられたことが
原因となることが多いのです。
肩関節で肩甲骨本来の動きの代わりの様な動作ができてしまうことで、
肩甲骨の存在はもちろんのこと、肩甲骨を意識して動かすということが、
忘れ去られてしまうことになります。
ボールの手投げとか、ゴルフでの手打ちと言われる動作は、
肩甲骨をうまく使っていないで、肩関節で肩甲骨の動きの代償動作を行って、
ボールを投げたり、スイングした結果です。
下半身と体幹と肩甲骨の関係
さて、肩甲骨について、
しつこいぐらいお話させていただいたのには、理由があります。
それは、下半身と体幹、さらに、肩甲骨をうまく役割分担させてあげることが、
ゴルフでは楽に最高のパフォーマンスを出すための王道だからです。
体幹を中心として、下半身と肩甲骨から先の
それぞれの動きを明確にすることが重要です。
下半身のパワーで体幹を回転させ、
体幹にくっついた肩甲骨を大きくスライドさせて、
肩甲骨まわりの筋肉と腱を引き伸ばします。
そして、肩甲骨が勝手に元に戻ろうとする力を使って、
その先の腕とクラブを強烈に振ります。
背骨は複雑
実際、背骨の構造を見ると、おなかの後ろ側の腰椎は、
あまりねじれる構造にはなっていません。
胸の後ろ側の胸椎は、まあまあねじれます。
ところが、背骨全体としては、真っ直ぐな棒ではなく、
前後に湾曲しているのが正常です。
そうなると、その湾曲した背骨を捻るということは、
想像を絶する複雑な動きになってしまいます。
特に、そもそもねじりにくい腰椎を捻転させようとすること自体、
神様が設計した体を、その設計時に想定された使い方をしていないことになります。
それでは、どこかに無理がくるばかりか、本来のパフォーマンスは出せません。
ところで、下半身と上半身の捻転差が大きいほど飛ぶと言われ、
テークバックで下半身をできるだけ動かさないとか、
腰が右にできるだけターンしないようにしようとしていませんか。
テークバックで下半身や腰の動きを止めるということは、
腰椎から上を捻る動きとなります。
下半身を止めても、もし、肩甲骨をしっかり意識していれば、
背骨はさほどねじらないで肩甲骨をスライドするということもできるにはできます。
いずれにしても、テークバックで上半身をねじるということは、
おなかをゆるめて、体の右サイドの筋肉を収縮させて、硬くすることで、ねじります。
そうなると、体幹には、ゆるみという、体幹本来の役割をゼロにしてしまうことと、
筋肉を収縮させて、軸を歪めてしまうという、2つの悪いことを行うことになります。
お勧めの動かし方3ポイント
お勧めの動かし方のポイントは、次の3つです。
(1) おなかの後ろ側の腰椎はお腹をへこめて固定
(2) テークバックでは腰を右に斜めターンさせて
上半身はその上に乗っかっているだけ
(3) ダウンスイングで下半身の左斜めターンを使って
左肩甲骨をスライド
こんな動きなら、トップまで体幹を安定でき、
かつ、肩甲骨まわりはかなりリラックスできます。
なんせ、下半身を止めなければ、体幹をゆるめて、
体幹の右サイドで筋肉を縮めて背骨を捻転させなくてもいいわけですから。
さらに、下半身固定で上半身をねじりあげるテークバックは、
腰椎をねじるために、体幹をゆるめることで、
ダウンスイングでは最悪になります。
体幹を締める筋肉は、いわいる遅筋といわれる部類で、
反応速度は遅く、とてもトップから締め直しても、
ボールヒットまでに体幹を安定させることはできません。
ダウンスイングで、クラブが胸の少し下あたりまで落ちてきたところから、
下半身は最大のパワーを出し始めています。
それまでには体幹が安定していなければ、
下半身のパワーを、腕から先に100%伝えることはできません。
反応が早いと言われる速筋を使って動かす下半身の動きですら、
通常のスイングではボールヒットまでに最大筋力には到達できません。
ただでさえ、最大パワーを出せない下半身を補佐するためにも、
下半身のパワーはあますとことなく腕から先へ伝えたいものです。
肩甲骨、普段の生活でも、意識してあげてください。
何か物をつかもうとするときも、
手先でつかもうと肩関節を中心にして腕を動かすのではなく、
肩甲骨をスライドさせながらつかもうとするだけでいいのです。
では、また。
追伸:
先週もご案内した通り、私の2時間のシークレットセミナー映像を
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ですが、このビデオが無料で見られるのは
明後日の火曜日(9/15)までだそうです。
↓
http://g-live.info/click/olo150908/
参加者の方が感想のコメントをたくさん書いてくださっていて
まるでお祭りのようです。お早めにどうぞ。