From:古賀公治
尼崎テクノランドより、、、
こんにちは、ティーチングプロの古賀公治です。
さて今日のテーマは、
「スポーツ、日本が勝てない理由」
ということで、お話ししたいと思います。
タイトルにも書かせていただいた通り、
子どもの頃野球をやっていた方、高校球児だった方には
ちょっとご批判を受けてしまうような話かもしれません。
ですがこの話は、ゴルフにもとても関係のある話なので、
あえてさせていただきます。
さて、これはとある高校の野球部での話なんですが。。。
良かれと思ってやったことが…
とある学者が、ある高等学校の野球部に
こんな提案したことがあるそうです。
「1週問に1日、子どもたちに自分を見つめるための
休みを与えたらどうですか?
先生はその7分の1だけ損したと思われるかもしれませんが、
今までの20パーセント以上、
子どもたちの心と体は逞しくなることを保証します」
そんなことを言われて、普通はそんなこと
すぐにできるわけがないと思いますよね。
ですがその野球部の指導者は聞く耳を持った立派な方で、
このように答えたそうです。
「では土・日は他校との練習試合があるので、
月曜日を一日休みにしてみます」
ということで、その学者先生の話を早速実践してみることに。
ですが。。。
1か月ほど経って、高校球児たちの父兄から
次のような苦情が出たそうです。
「先生、子どもたちを今まで同様、グラウンドに置いといてください。
へたに休みを与えると、勉強の仕方はわからない、
野球仲間以外に友だちは一人もいない、
遊び方も知らないということで、
家のなかでゴロゴロして目障りでしようがないんです」
つまり、球児たちに良かれと思って与えられた休みに、
身の処し方がわからなくなってしまったんですね。
命令に従うのが良い子?
もちろんこれはあくまで一つの例といえばそうですし、
こうした生徒さんばかりではないのはもちろんです。
ですが、野球を通していつも号令1つで監督の命令に服従するのがいい子で、
自らものを考えて行動するという習慣を失なってしまった。
野球浸けになって、監督やコーチの指示通りに
100パーセント行動する生活が習慣となって、
いつの間にか自分のことを自分で判断できなくなってしまっているのです。
リトル・リーグ時代から彼らは、土日も朝から晩まで、
日が暮れるまで野球漬けになっています。それなのに、
「野球は集団でやるのだから
社会性を養ううえにおいては、非常に優れたスポーツだ」
と、いろいろな人がいろいろなところで語っておられます。
ところが私に言わせれば、とんでもない誤解をしています。
彼らは、野球仲間以外は友だちゼロという、
非常にかわいそうな存在なのです。
ヒナのころからわが家で長年飼っていたフクロウが、
成長したので森へ戻してやろうとしたところ、
翌朝起きてみたら軒先にいた。
もちろんここで申し上げたような生徒さんばかりではないでしょうが、
そういう現象が彼らにも起きているのです。
いわゆるチームスポーツのボールゲームだけを経験すると、
仲良しになるというのは、
イコール相互依存だと錯覚してしまう恐れがあります。
実際、集団ゲームだけを体験した人は、
社会に出てから個人で解決しなければならない問題とか、
窮地に陥ったときの問題解決能力が低いのではないかと分析する学者がいます。
たとえば野球などの場合、ピッチャーが
「今日はバックに救われました」とか、
野手が「今日はピッチャーがよく投げてくれました」とかいうのは、
社会学者にいわせると、寄り掛かりだというわけです。
一方、ゴルフではどうか?
ゴルフはどうでしょう。
ゴルフのような個人スポーツなどは、どんな窮地に陥っても、
自らの力で切り開いていかなければならないわけですから、
精神的にも肉体的にも逞しい人問に育っていくのではないでしょうか。
個人スポーツをやっている子どもは、
概して独立心が旺盛のような気がします。
ただ個人スポーツだけで集団スポーツの経験のない子どもは、
自己主張が強すぎるきらいもあります。
ですので子ども時代はやはり、個人と集団のスポーツの両方を
取り入れたほうが、「個の問題解決能力」も養われますし、
人問的にも立派に成長すると思います。
水泳をやったり、野球をやったりといろいろな種目を
やる機会を与えてやれば、基礎的体力はもちろんのこと、
多面的な運動能力の向上が非常に期待できます。
欧米では、こうしたことは当たり前に行なわれています。
その証拠にジュニア国際大会では、日本と欧米とではそんなに差がありません。
実際ジュニアのゴルフ大会では日本人が優勝することも多々見られます。
それはなぜか?
1つは、欧米では、個人個人がいろいろな種目をこなしますので、
一つの種目に巧みになる時問がありません。
2つは、欧米では勝ち負けにこだわりませんから、
勝つための作戦については、あまり時間をかけて指導しないからです。
ところが、大学やオリンピックとなると、
日本はまだまだ欧米に太刀打ちできません。
それは、欧米では子ども時代に培った多面的な運動能力や
問題解決能力が、大人になって開花するからです。
このように、まだまだ日本では勝ち負けだけにこだわって、
パフォーマンス(運動過程)を評価しません。
戦前の日本では、一つのスポーツに巧みな子どもは、
いろいろな種目に引っ張り出されました。
それが怪我の功名で、大人になってから国際的に通用する選手や、
偉大な指導者として名を馳せたのです。
第十回ロサンゼルス・オリンピックで、アジア人として初めて
100メートル10秒3で入賞し、「暁の特急」と呼ばれた吉岡隆徳選手は、
学生時代は器械体操を含め、数種目の選手でした。
この例からもわかるように、多面的なスポーツをやると、
肉体的にも精神的にも基盤がしっかりした、
底辺の広い運動能力が身につくのです。
そうしたことが、頂点をますます高く、そして鋭くするのです。
今日はこんなところにしておきます。
もし疑問については、コメントいただだいたものから
お答えできる範囲で順次お返事を書いています。
画像付きでないと説明が難しいものについては
お答えできないことがあることをご承知ください。
なおお読みになった方は、そちらについても再度コメントをいただけると
「既読」かどうかが私から見てもわかるのでありがたいです。
それでは、今日はこのへんで。
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持橋さん(facebookより)
教育の目的は、社会に出て通用する人格を育成するところにあります。その為の一つの手段としてのスポーツであるべきと考えます。
自分で考え行動させる
このことが、さまざまな問題が絡み合う現代社会に於いて自ら課題を見つけて解決出来る、真のグローバルリーダーを育てることに繋がります。
古賀プロのお話、同感です。私自身も高校までずっと野球をやっておりました。現役の時はあのまるで軍隊式の指導や画一的な練習特に疑問を感じていませんでした。でも、いざ自分が指導者の端くれとなって選手の心や体の成長や将来性を長い目でみた場合、中学生ぐらいまではひとつだけでなくいろんな競技(運動)を経験させるほうが絶対いいと確信しています。ゴルフの選手も同様にゴルフ以外の運動も積極的に取り組むべきではないでしょうか。勝つためには強い体と精神力が必要でしょうし。
ゴルフは片方だけ偏った動作ばかりを行うスポーツですよね。それで体のバランスを崩して故障する人も多い。その点、古賀プロはどう考えておられますか。
晋作 さん
チームスポーツ、サッカーや野球など連帯感を高めるスポーツもどんどん経験させることは大切ですね。
これらのスポーツの中で自分の潜在能力を発見するチャンスもあります。チーム内でのいざこざも大切な経験となります。解決するための術を探すことが、人間的に成長するからです。
子どもをスパーアスリートゴルファーにするためには「ゴルフ漬けにしない」、一見相反することのように思えることですが、実はこれこそがスパーアスリートゴルファーにする秘訣なのです。
バランスを取るためには必ずクールダウンとして左打ちの素振りをする、または左打ちの練習も取り入れる様にしています。
古賀プロの言っておられることは、子供のキャリア育成面からも賛成です。色んなスポーツをさせることによって体を鍛えるとともに、勉強もしっかりさせないと大人になってから困ります。小職の知り合いの御嬢さんは、テニス、スケート、水泳など色々スポーツをたしなまれ、テニスではジュニア時代全国で優勝もされました。その後、世界でトップクラスになるのが体格的に難しいと悟ってからは、法律の勉強に転じ、現在弁護士として活躍されています。
球児の中でもプロ野球選手になれるのはごく一握り。夢がかなわない場合に備え、柔軟に進路を変えていける力を付させるのも指導者の大事な役割のように思います。
チャーリー さん
まさにその通りです。ジュニアゴルフの場合エチケット、ルールから入る場合が多いですね。
「エチケットはこうあるべき」
「こうしないとルール違反」
と、教えるわけです。そもそもエチケットとはお互いがどうすれば気持ちよくプレーできるかを考えさせれば自然に身につくものです。ルールについても、自由にプレーさせどうすれば整合性がとれるか考えさせなければならないと思うのです。
例えば野球の場合、私が小学生の頃人数が少ない場合三角ベースというルールを作り楽しみました。
チームスポーツの中で自分の潜在能力を発見するチャンスもあります。チーム内でのいざこざも大切な経験となります。解決するための術を探すことが、人間的に成長するからです。
こういった経験した子どもは伸びる子どもとなります。国立大学と言えども伸びる子どもが欲しいのです。今まではガリ勉で、国立大学に合格することも出来ましたが、徐々に真の伸びる子を獲得する動きがようやく動き始めています。
医師資格、弁護士資格等を持ったプロ選手が出てくることを期待します。
古賀先生自身は、どのような育ち方をしたのでしょうか。若いころは何にあこがれていたのでしょうか。日本人の特性(長・短)はどのように考えておられるのでしょうか。ゴルフには直接関係ないことですが、お子さんはおられるのでしょうか。もしおられるのなら、どのような教育をされてきたのでしょうか。ご回答は無理でしょうが、いつも魅力的でユニークな解説をして下さる先生からの回答は大変興味があります。(71歳のへたの横好きゴルファーより)
田沼さん
私はゴルフスクールの他に、幼児頭脳開発教室の運営にも27年間携わっています。
多くの子どもと親を拝見し、1歳児の段階を見ると将来どうなるかがほぼ分かります。
しつけの基本は、考えて行動させるということです。ほとんどの親が指示をしつけと勘違いしています。その結果、27年前に2歳児が当たりまえに行動できたいたことが現在の3歳児で出来るかどうかという、自発性の発達の遅れに繋がっています。
実際その手法で育てた子どもたちは、手前味噌になりますが私が理想とする様に育ち、生き甲斐を感じて仕事に取り組んでいます。
ネットでこういうことを書くと炎上しやすいのですが、少しでも多くの方がそのことに気付いていただきたく敢えて話題にさせていただいている次第です。
同感です。
今の若い子が暇な時にする事がないなんて、不思議に思いますが、中には居るのでしょう。
私も、野球を現在していますが、若い時はサボる事が得意でレギュラーにはなれませんでしたが、
他の人との交流は多くありました。
笹井さん
自発性の発達した子どもは好奇心が旺盛です。ですから、人の話も興味を持ってよく聞けます。
そういう子どもが、することがないなんてあり得ません。自発性の遅れが影響している訳ですね。
古賀プロに賛成です。私も、高校野球を見て、監督の作戦、指示に従ってゲームを進めていくやり方には前からどうなんだろうと、疑問を持っていました。自分で考えて、自分たちで作戦、攻略法を導いて戦うことができないものかと、思っています。
監督、コーチの役割はアドバイス的なもので、主体は子供たちです。子供たちの後押しをすることに徹底すべきだと思います。
PL学園も監督が不在で、廃部のニュースが出ていました。監督は大人の代行がやって、経験がなくても立場でやって、子供たちに自主的運営を任せてもいいのではないかと思います。
千葉さん
それは少し難しいかもしれません。
考える為には当然知識が必要となります。当然知識を持った指導者は必要です。ただししつけと同じで考えて行動させなければいけません。
考えて行動させていれば、当然質問も出てくるはずですで、そういう子どもは間違いなく伸びます。しかし、今のジュニアゴルファーで「何故そうしないといけないか」等、質問が出てくることは非常に少ないのが現実です。
それは、そのことが自分のことと、とらえていないからです。
千葉さん、こんにちは。晋作ともうします。
うちの子供は先日卒業しましたが高校まで野球をしておりました。
そこの監督さんの指導法はとてもユニークで云わばノーサイン野球というものです。
監督は試合中まったくサインを出さず見ているだけです。選手たち自身が勝つために最良の方法を考え行動します。
練習メニューや方法も選手たちが考え、ほぼ実践形式で練習します。
監督は、試合後や練習中に選手を集めて戦術面や技術面の指導を与えるだけです。
この野球で実際に県大会や地方大会優勝などの実績を残しました。この監督さんは過去、まったく無名だった大学を大学選手権優勝に導いたこともあります。
うちの子もこの指導法のおかげで選手としても人間としても大きく成長させてもらったと思っています。
手前味噌のような話で恐縮ですが、中には千葉さんが思われているような野球に取り組んでいるところもあるということをご紹介させていただきました。
私も高校球児でしたが、休みの日はほとんどなくても、
休みの日には色んな事を楽しんでました。
その為に頑張れた気がします。
たまたまその子は情報量が、少ないだけと思います。
やるやんさん
今回のお話は上記でも述べているように「真のグルーバルリーダー」にするためにも必要とご理解いただければ幸いです。
集団の中に自己を置くか、自己の中に集団を、置くか、この意識が自立において、影響していると思いました。
やるのみ さん
理想的な人格を形成するためには
情動の安定
自発性の発達
適応能力(EQ)の発達
が重要で、これが出来ていれば知的能力は自然に発達していきます。