ゴルフメーカーにとっての不都合な真実

2016.08.11
tokutake

From:徳嵩力一
千葉のクラブ工房より、、、

こんにちは。プロクラブフィッターの
徳嵩力一(とくたけ・かついち)です。

今日なんですが、あなたに

 「ゴルフメーカーにとっての不都合な真実」

という話をしたいと思います。

お盆休みにちょっと刺激的なタイトルで恐縮ですが、
この話をしようと思ったのには理由がありまして。。。

実はお客様と一緒にクラブを選んでいると、
こんなふうに言われることがあるんです。

○度でフレックスは△じゃなきゃダメなんだよね

クラブをご提案する前に、よくお客様から
上記のようなことを言われることがあります。

 「オレは9度のSじゃなきゃダメなんだよね」

おそらく今までもそれでうまくいってきたわけですから、
そうしたロフト角やシャフトのフレックス(硬さ)を
選ぶ基準にされるというのはわかります。

なんですが。。。

ゴルフクラブというのは実は、
「統一された規格」というものが存在しないのです。

ゴルフクラブが好きな方の中には、
このことは、すでにご存知の方もいらっしゃると思います。

ですので極端に言うと、フレックスでRという硬さも
A社とB社では硬さが違います。

それだけではありません。

実は同じA社の中でも、アスリート向けのブランドと、
シニア向けのブランドでも、硬さが違うんです。

いわゆる工業製品の「JIS規格」のような統一規格がないからです。

ゴルフクラブの場合は「重さ」を除いて、
それ以外の共通の数字は存在しません。

(もちろん重さの単位はグラムなので、そもそも客観的な数字なのですが)

シャフトの長さまでも…

これはシャフトの硬さだけではありません。
長さについてもそうです。

メーカーによって、同じ「45インチ」でも長さが違います。

でも、こんなことを言うと

 「え、だってクラブには、
  48インチ以内というルールがありますよね?」

とおっしゃる方もいるかもしれません。

はい、確かに長さについては、ルールで「48インチ」という制限があります。
ルールに適合しているかを確認するための測る器械もあります。

ですが、明らかに48インチを超えないものについては、
メーカー側が独自に長さを変えて表示している可能性があります。

正直に言えば、メーカーさんが「45インチ」と言っているのに、
測ってみると「45.5インチ」ということもあり得るわけです。
(というか、けっこうあります 笑)

これもいわゆる統一規格というものがなく、
どこから測るのかで長さが違うからです。

そうすると「45.5インチ」と言っていても
「45インチと書いたほうが売れる」とメーカーが判断すれば。。。

そのクラブを「45インチ」のクラブとして
出す場合もあるということです。

それであなたがメーカーに

 「これは45って書いてあるけど、45.5インチじゃないか!」

と言ったとしても、
「これは弊社の表示だと45インチなんです」
を返されるだけです(笑)。

ロフトについても同様です。

ロフトで「10度」と表示されていても、
実際に測ってみると「12度」というメーカーもあります。

その逆もあって、ロフトが「10度」と書いてあっても、
実際に測ると「9度」ということもあります。

これについても、メーカーとしては
「うちの測定方法です」でまかり通ってしまっています。

表示の決め打ちで選ぶことは危険

そうした業界の事情があるので、冒頭に出したお客様のような

 「オレは9度のSじゃなきゃダメなんだよね」

というお客様の場合、メーカーの「9度のS」の中から選ぶと
本当に合ったクラブを選ぶのが極めて難しくなってしまうのです。

他のメーカーなら、合うのが「10度のR」かもしれませんし、
実際に「9度のS」を渡したら、打てないかもしれません。

でも、そうした事情を理解せずに、
かたくなに「9度のS」から選ぼうとすると、
ゴルフクラブは探しづらくなってしまうということです。

言い方は悪いですが、ただ単に
「S」と書いてあるだけの「R」という可能性もあります。

余談ですが、いろいろなメーカーのものを混合させて
クラブセッティングを行った場合、シャフトの硬さが
ドライバーはRだけど、短いクラブがSRということもあり得ます。

同じメーカーの同じ商品なら、それほどブレはないですが、
やわらかめのメーカーなら硬いフレックスのものを選ぶこともあります。

たとえば、フルセットをご注文になったお客様から

 「え、これってSとRでバラバラに入ってますけど?」

という指摘をいただくことがあります。

ですが、その理由はそういう話です。表示が全てではないのです。

メーカーの責任も…

これも余談ですが、シャフトの硬さだけではなく、
トルク(クラブのねじれる度合い)についても、
ねじる場所の距離が違います。

スパンが長くなれば、ねじりの数値が大きくなるわけです。

ですので「トルクが3.0じゃないと打てない」という人も
何の基準で「3.0」なのかはわかりません。
メーカーごとに違うわけですから。

ゴルフクラブのバランスについては、
ほとんどが「14インチバランス法」なので、大きな違いはありませんが、
測る計器が違うと、微妙な誤差は出ます。

ここまで話をしていて思ったんですが、
これは洋服や靴などでも同じことがありますよね。

自分はMだと思っていても、着てみたら小さかった、とか。
このメーカーだったら自分はLがピッタリ、とか。

こうした違いがあっても、
試着して買えば、失敗はありません。

実はこうした統一規格がない問題については、
ユーザーが困るということで、業界内で統一する動きもありました。

ですが結局のところ、うまくまとまりませんでした。
(一部メーカーが反対したのか、詳しいことはわかりません)

正直、業界で仕事をしている人間が
こんなに違うということを言うのは申し訳ないのですが。。。

お客様をクラブ選択で迷わせてしまう原因、
「クラブ選びはやっぱり難しいんだよね」と言われてしまう原因の一つには、
こういう事情もあるのだと思います。

とはいえ自分も、お客さんとフィッティングをする際には
納得していただくために、数値や表示でご説明をしています。

ですがそれは、メーカーの表示を鵜呑みにせずに
メーカー、ブランドの特徴や特性を理解した上で、
かつ、全て自分の計測という、同じ基準の中での話です。

同じ基準のなかで測っていさえすれば、
あなたに合った最適なクラブは確実に見つかります。

もちろん、唯一絶対の答えはありません。

ですが、こうした事情から、信頼のおけるフィッターに
一つの機械、同じ測定方法で測ってもらうことは、
やはり重要なのかな、と思います。

なんだかいつもより熱の入った話になってしまいましたが、
少しでも今後のクラブ選びに参考にしてみてください。

それでは、また次回。

徳嵩力一

追伸

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徳嵩 力一

徳嵩 力一

高校・大学とゴルフ部に在籍。大学卒業後、クラブデザイナーの第一人者である故竹林隆光氏が設立、代表を務めた 株式会社コンセプト(現、株式会社フォーティーン)に入社。当時ゴルフクラブを数値で表して、クラブ設計を行う、中空アイアンの発明、 タラコ元祖UTなど革新的なクラブ設計で著名だった竹林氏の元でクラブ理論、フィッティングを学び、3,000名以上にフィッティングを行う。 また、プロゴルフツアーにも参加し、選手のフィッティング、セッティングの提案に従事。有名ツアープロも多くフィッティングしてきた。 在籍時代に競技出場中の小原プロと出会い、小原プロのクラブフィッティングを担当。その後、小原プロのスタジオ、フォースワンカスタムフィッティングの代表としてアマチュアゴルファーのベストスコア達成に貢献中。これまでにクラブに費やした金額は軽く1,000万を超えるほどのクラブ博士。古今東西あらゆるクラブに精通する生きるゴルフクラブ辞典。
カテゴリー: ゴルフクラブ, ゴルフ業界, メルマガ, 新着メルマガ | 投稿日: | 投稿者:
徳嵩 力一

徳嵩 力一 について

高校・大学とゴルフ部に在籍。大学卒業後、クラブデザイナーの第一人者である故竹林隆光氏が設立、代表を務めた 株式会社コンセプト(現、株式会社フォーティーン)に入社。当時ゴルフクラブを数値で表して、クラブ設計を行う、中空アイアンの発明、 タラコ元祖UTなど革新的なクラブ設計で著名だった竹林氏の元でクラブ理論、フィッティングを学び、3,000名以上にフィッティングを行う。 また、プロゴルフツアーにも参加し、選手のフィッティング、セッティングの提案に従事。有名ツアープロも多くフィッティングしてきた。 在籍時代に競技出場中の小原プロと出会い、小原プロのクラブフィッティングを担当。その後、小原プロのスタジオ、フォースワンカスタムフィッティングの代表としてアマチュアゴルファーのベストスコア達成に貢献中。これまでにクラブに費やした金額は軽く1,000万を超えるほどのクラブ博士。古今東西あらゆるクラブに精通する生きるゴルフクラブ辞典。

 

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