From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
今回は「体力を無駄なく使う極意」について、お話ししてみたいと思います。
実は、今行われている冬季オリンピックの、女子モーグル伊藤みき選手の話を聞いて、
是非みなさんに伝えておかなきゃと思い、筆を執っています。
伊藤選手、ご存知の通り最後はとても残念な結果になってしまいました。
(予選1回目の直前練習で再び負傷し、無念の棄権)
しかし、オリンピックに至るまでの道のりは間違いなく
あなたのゴルフに役に立つ内容なので、書かせていただきますね。
放置すると衰える筋肉。。。
伊藤選手は、去年の12月上旬に右膝靭帯(じんたい)を損傷して、全治8ヶ月の重傷。
手術が必要な状態と診断されたにもかかわらず、なんとか筋力トレーニングで復活しました。
今年の1月5日には、すでに雪上で滑っていたと言います。
「全治8ヶ月の重傷」だったのに、です(驚)。
こんな話を聞くと、本当に応援したくなります。なぜかというと、、、
私も右膝半月板損傷や左股関節変形症で、どちらも「手術」と言われました。
しかし、何とか筋力トレーニングだけで、
普通にといいますが、ゴルフも普通に練習やラウンドをしています。
ハッキリ言って、年齢と共に筋力は衰えますね。
25歳を過ぎると、放っておくと
すでに筋力は低下の一途をたどるとか言われています。
もちろん、しっかり使っていればある程度は防止できますが、
やはり30歳を超えるあたりから、努力の「ド」ぐらいやらないと、
本当に筋力が段々落ちてしまいます。
80歳になってもトレーニングすれば、
やっただけ筋力は付くとも言われていますので、筋力を諦めることはないですね。
80歳で体をしっかり動かしている人と、そうでない人では
筋力では3倍ぐらい差がついてしまうという話も有ります。
そして、まず最初に衰える筋力はというと、よく「脚から衰える」とも言われます。
そして段々喉とか目とかの小さな筋肉にも
衰えが感じられるようになってしまいます(誤飲、老眼など…)。
さて、ここで話に出てきた脚、というか、下半身でも特に、股関節周り。
そうです、お尻のボリュームがなくなってくるんですね。
ですから、股関節まわりの筋肉は、こまめにしっかり動かしてあげるといいんです。
ちょっと使ってあげてやるだけで、普段の生活でも使えるようになりますし、
衰えにブレーキをかけることが出来ます。
歩く能力があれば250ヤードは可能!?
しかし、私が最もまずいと感じているのは、
いわゆる「インナー・マッスル」と呼ばれる場所です。
これは、体の表面よりも中側に多くあるため、
インナー(中側)という言い方をされます。
でも、わたしはどちらかというと、
スタビリティ・マッスル(骨格を安定させる筋肉)という言い方の方が好きです。
ですが世の中で多く使われる方を取って、ここでは「インナー」と言うようにします。
ここからちょっと難しい話も入ってくるかもしれませんが、
がんばってついてきてくださいね。
こちらもガンバってわかりやすく簡単に話しますので(笑)。
本当にパワーを出す筋肉は「骨格筋」とも言って、
ほとんどが体の外側にあり「アウター・マッスル」と言われます。
インナーは、いわゆる関節の周りなどにくっついていて、
関節が安定して動けるように、関節を正しいポジションに収めておく働きをします。
ほとんどのインナーは、小さくて比較的弱い筋肉ですが、
それが重要な働きを行ってくれます。
靭帯(じんたい)などは関節を安定させる働きをするのですが、
筋肉でもそれを補う事ができます。それがインナーです。
インナーのトレーニングは、ほとんどが30~50回やったら、
「そこがポーッと暖かくなってきて、だるく感じるような疲れが出る」
という程度の強度でトレーニングします。
実際にやってみるとわかりますが「え、こんなんでトレーニングになるの?」
という感じがちょうどいいんです。
あたかも、筋持久力を鍛える負荷と同じような感じです。
強すぎる負荷でやりすぎている場合は、逆にインナーではなくて、
アウターを使ってしまい、インナーの強化になっていない場合が多いですね。
がんばったつもりなのに、効果が出ないということがあるんです。
インナーを鍛えるためには、アウターがあまり使われない低い負荷がいいんです。
実は、アウターはそんなに鍛えなくても、インナーとか体幹(胴体のこと)さえ
しっかりしていれば、結構パフォーマンスは出せます。
ゴルフは「歩く力があれば、できる。」という人もいますが、
それもまんざら嘘とは言えません。
「歩けるなら、250ヤードは飛ばせる」という話もあります。
実際、片山晋呉プロも体幹トレーニングと18kgの重りを使ったトレーニングだけで、
300ヤード以上飛ばせるわけですし。
体幹の大切さ
ここで出てきた体幹という言葉。
それについて、運動をコントロールするために、
是非頭に入れておいていただきたいことがあります。
体幹は緩みなくしっかり安定させておいて、それにつながる脚や腕を自由に動かすことが、
「手脚をしっかりコントロールできて、大きなパワーを発揮させる」
ためになくてはならないということです。
お尻の筋肉を発揮させてパワーを出し、それを板のようになった体幹に伝えて、
その先にある肩甲骨を動かし、腕にお尻の大きなパワーを伝えます。
背筋を収縮させて体を動かすのではなく、
あくまでも体幹は一枚の板のようなイメージで、しっかり安定させます。
胴体としての体幹も、横に曲げたり、捻るというのではなく、
肩甲骨をスライドさせる事を強くイメージします。
体幹は筋肉を自分から収縮させるという感じではなく、固めておいてしならせる、
という使い方が大切です。
それによって、下半身のパワーを、腕に効率よく伝達出来るのです。
腰の回転方向と体幹の関係
さて、このように使うべき体幹を正しく使うための
腰の動きとは、どんなものでしょうか?
それはズバリ、水平回転ではなく「斜め回転」です。
腰を水平に回転しても、体の軸を斜めにしたまま回転できます。
しかし、その場合はトップに向かうにしたがって、
体幹としての胴体を横に曲げなければ、セットアップでの前傾角を維持できません。
トップに向かって左肩を下に下げるような動きを自らしなければならなくなります。
腰が斜め回転だと、左肩はトップに向かって自然に下がって、正しい軸回転が出来ます。
はい、ここでちょっと難しいなあと思ってしまった方、大丈夫です。
これを読みながら、そのとおりに身体を動かしてみましょう。
そうすることで、より理解しやすくなるはずです。
ダマされたと思って、やってみてください。
話を戻して、よく「肩を水平に回す」という人もいますが、
回転軸に対して水平ということなので、実際には斜め回転をしています。
自分の意識は水平だけど、実際には回転軸に対しての動きということですね。
ということは、腰が水平回転だと、体幹を板のようには使えないということなのです。
単純な板にできないので、複雑な動きを体幹に覚えさせなければなりません。
しかも、体幹である胴体は、かなり感覚としては鈍感な部分です。
体の動きとかの詳細を説明しはじめると、
ほぼ100%、そんな難しい事わからないとい言われます。
でも、同じことを10回ぐらい別のやり方で説明させていただくと、
「やっとわかった」と言っていただけます。
そして、頭でも理解できた瞬間から、
ご自分でスイングのイメージを作ることができ始めます。
そうなんです、いいシャドースイングができるようになるんです。
10回も聞いていただけない場合もありますが、そのような場合は
とりあえず症状に合わせた対処療法的な、ドリルをやっていただきます。
そのドリルの中で、目指した動きをできるようにしてもらっています。
前回までお話していた、「クラブのリリース問題」の場合も、
説明とドリルのどちらかで分かったと感じられる瞬間がやってきます。
(参考)
「技」ダフリの真実
http://g-live.info/?p=3989
「技」続・ダフリの真実(先週の続き)
http://g-live.info/?p=4139
「技」続・ダフリの真実(第3話。動画付き)
http://g-live.info/?p=4223
手を変え品を変え繰り返し説明して、ある程度できてしまう方。
ドリルをやりながら、ドリルが正しくできるためにはどうしたらいいのか
ゆっくりやっていく中で、動きが正しくなる方。
みなさん、理解の道は人それぞれですね。
「10人の生徒さんがいらしても、
それぞれの生徒さんから見たら、専属コーチに見える」
そんなコーチングを目指して、日々頭をフル回転させています。
ですが、今日はこれ以上お伝えすると「伝えすぎだ」と
私が尊敬するハービー・ペニックさんに怒られてしまいそうですので、
今週はこれぐらいにしたいと思います(笑)。
この続きは来週、お話しします。
どんなことをやるといいのかというのに加えて、
「心・技・体」との関係で、どんな風に考えて行動したらいいのか。
次回はそんな内容を用意していますので、お楽しみに。
では、また。
追伸:
「JSNX for Golf」「ゴルフィング・メンタル・シークレット・プログラム~強い心~」
「脱・力み」。。。実はこれらはすべて、
本来の体力を無駄なく使えるための極意を集めたものなんです。
JSNX for Golf
http://g-live.info/product/official/jsnx/
ゴルフィング・メンタル・シークレット・プログラム
http://g-live.info/product/official/gmsp/
脱・力み
http://g-live.info/product/official/rikimi/
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中国で読ませていただいています。残念ながら中国では映像を見ることができず、大森コーチが伝えたいことが言葉だけでは理解できないことが多くて残念です。
今回の腰の回転でいえば、回転軸がどういう方向を向いているかの説明があれば、斜め回転がもう少しわかるのにと思いました。水平回転は当然回転軸は鉛直のことですね?斜め回転は、アドレスしたときのボールの方に少し前掲した軸での回転ですね?
このとき股関節から前掲しないと、腰は回転軸が鉛直、すなわち水平回転で、へそから上の上半身だけ前傾させただけだからよくないということだと思うのですが、コーチの言う次の文章は全く理解できません。
「腰を水平に回転しても、体の軸を斜めにしたまま回転できます。
しかし、その場合はトップに向かうにしたがって、
体幹としての胴体を横に曲げなければ、セットアップでの前傾角を維持できません。
トップに向かって左肩を下に下げるような動きを自らしなければならなくなります。」
要は股関節から前傾した回転軸で腰を回転させなさい、ということでしょうか?
ありがとうございました。2回熟読しました。次回を楽しみにしています。
体」体力を無駄なく使う極意ということですが。説明が長いのに、分かりにくくて理解できない。
極意とは、結論は、???
大森先生 ども有難うございます。今日のお話も、とてもインフォーマティブで、読後の充実感も格別です。1.ご質問:「腰は斜め回転」;解ります。これまでのお話で、「インパクトに向けて左腰をお尻のポケット方向、且つ上方にに動かす」というのは伺い、意識していましたが、テイクバックの右腰についても同じことを意識せよということだと思いました。そうですね?2.ご報告:ウチの生け垣をネットに見立てて、バットを振る練習をしています。先生の書かれた条件で、バットを生け垣に触れさせずに振るのはかなり難しい!さらに努力します。(以上)