2017.06.18
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・ダウンスイングの右脚の意外な動き」
というお話をさせていただきます。
少ない力で楽に正確に遠くまで
ボールを飛ばすためのキーとなる話題ですから、
できればじっくり読み解いていただけるとうれしいです。
まず、あなたに質問です。
ダウンスイング開始で最も多い問題は何だと思いますか?
トップ3をあげると、次のようになります。
と、本題に入る前に
業務連絡です。
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では、話を戻します。
ダウンスイング開始で最も多い問題3つ
(1)腰を回そうとする動き
(2)上半身からの打ち急ぎ
(3)バックスイングの力が抜けない
この3つの問題には右脚の使い方が大きく影響しています。
この中の、(2)「上半身からの打ち急ぎ」は、
誰でも実感しているというか、打ち急ぎたくないのに、
ボールを目の前にして打とうとすると打ち急ぎになる問題です。
そして、打ち急ぎのためにトップから頭が打ち出し方向へ突っ込んで、
軸がぶれてしまって振り切れなくなります。
さらに、打ち急ぎでは下半身で上半身をしならせるというよりも、
上半身の力でクラブを振り回してしまうことにもなります。
ところが、意外と気づかれていない、
トップからの打ち急ぎになる大きな原因のひとつが、
リストの(1)の「腰を回そうとする動き」です。
え、手で振ろうとしないで、脚を使ってクラブを振ればいいと思って、
一生懸命に腰を回そうとしているのに、それが良くない動き?
そうです、腰は回そうとしないで、
脚を力の方向に対して縦に使うことが、実は良いショットの要です。
そして、腰を回そうとする動きには、右脚の不要な動作が介入します。
また、おもしろいことに手打ちになっている方のほとんどが、
トップから右脚をいきなり動かそうとして下半身の無駄な動きとなっています。
下半身の動きに無駄があれば、
それだけ上半身は自ら動こうとして余計な力を出し始めてしまい、
結局手打ちになります。
トップに向かう切り返しからダウンスイング序盤では、
右脚は左右にはあまり動かさないで、右股関節が少し入ってきて
セットアップの深さぐらいにする動きを入れましょう。
切り返しでは、下半身はセットアップの形に戻ろうとして、
両脚で地面を踏むことを一生懸命に考えればそれで十分です。
では、また。
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「えー、大森さん、
今日はこれで終わりですか。。。?」
いや、ここまでのところでも、
今回の話の核となる8割ぐらいは
お話ししてしまっています。
でも、もっと詳しく知りたいという奇特な方に向けて
それでもちょっとだけ、詳しくお話をしてみます。
というわけで、続きをどうぞ。
バックスイングの右脚
今回はダウンスイングでの右脚の動きをお話したいのですが、
そのためにはまずはバックスイングでの右脚の状態を理解する必要があります。
バックスイングの右脚の動きは、私もいろいろなところでお話しているので、
そろそろ耳にタコができるぐらいの方もいらっしゃることと思いますが、
ちょっと復習します。
バックスイングにおいて右脚の動きに着目すると、
次のような動きになります。
セットアップで前傾させた骨盤の前傾角度を維持しながら、
右足母指球の少し後ろで地面を踏みながら、
右脚を長くする動きで右のお尻を右後ろポケット方向へ押し込みます。
右の膝も股関節も伸びて来ますが、
右股関節はセットアップでの前傾角度を維持する程度には入れたまま、
右脚をしっかり伸ばします。
そうすると、背骨の前側の重い内蔵や両腕は
背骨を中心として右斜め上に向かってターンしてきます。
右股関節は入れたまま、右脚を伸ばすということが
骨盤を自然にターンさせる極意です。
また、このときに右の腿の向きが右を向くなど、
あまり腿の向きが変化しないほど、
右脚でしっかり地面を踏めている証拠となります。
右の腿が右を向いてしまうほど、右脚で地面をまっすぐに踏めず、
右脚の軸が打ち出し方向である左に傾いた状態になります。
これを、右脚スピンアウトと呼びます。
バックスイングで左脚が骨盤の動きを邪魔するように踏ん張ってしまうと、
右脚スピンアウトになりやすく、注意が必要です。
左脚はあたかも重い鎖のイメージで、
骨盤の左サイドは右つま先方向に向かって落ちる様にします。
また、右脚が打ち出し後方である右方向に倒れてしまっても、
右脚の軸で地面を踏めません。
これは右へのスウェイと言います。
バックスイングで右脚は地面をまっすぐに踏んで行くようにしましょう。
そして、この右脚を長く伸ばす動きで右のお尻を
右後ろポケット方向へ押し込みます。
そうすれば、頭の高さは上にあがらないで、
上半身の前傾角度を維持したまま骨盤は背骨を中止にして右にターンし、
体の前側のパーツは斜上にターンしてくれます。
右膝がしっかり伸び、左脚が重りなら、
それだけで腰は右に45度ぐらいはターンできます。
トップに向かう切り返しでの下半身のイメージ
気持ち良く、力みなくスイングできるための、
トップに向かう切り返しでの下半身のイメージがあります。
それは、トップに向かう切り返しから下半身を先行させて、
ヘッドがトップに向かっている最中に、
下半身がセットアップのところに戻ろうとすることです。
このヘッドと下半身の真逆の動きで、上半身をしならせ始めます。
この下半身とヘッドの真逆の動きが、
楽にじくり時間をかけてエネルギーを蓄積して、それを一気に吐き出し
大きなパワーをボールヒットに集めるための第一歩です。
ダウンスイング序盤の右脚
さて、やっとでダウンスイング序盤での
右脚の使い方の核心に迫るお話をできる準備がでいました。
ダウンスイング序盤では、右脚は自らは積極的に動こうとしないことが、
パワフルなショットのために大切なイメージです。
そんなばかな、じゃ、右脚はどう使えば、
下半身のパワーを発揮するのかということになります。
ボールヒットに向かって全身のパワーを一気に吐き出すためにも、
その前段階では慌ててエネルギーの無駄遣いをしないようにします。
さらに、トップからはいきなり打ちにいかないようにしたいわけですから、
下半身もゆったり動きたいものです。
まさに、車でカーブを曲がるときの、
スローイン・ファーストアウトのイメージです。
そして、バックスイングでは背骨を中心に
背骨の前側の重い内臓や両腕が右上にあがってきていました。
胴体は体重全体の約46%が平均的です。
そうなると胴体の半分としても、体重70kgの人なら
40kgぐらいの重さがトップではセットアップのときに比べて
20cmぐらい上にあがっていることになります。
さらに、片腕は平均で全体重の約6%ですから、
両腕を足すと約8kgもの重さがセットアップからトップに向かって
50cmぐらいは上にあがります。
これらの胴体と両腕が右斜め上に持ちあげられた分は、
位置エネルギーとしてトップでは蓄積されています。
この位置エネルギーを使ってダウンスイング序盤を動くようにすれば、
楽に再現性良く動くことができます。
トップから下半身をセットアップのポジションに戻そうとするだけで、
下半身はセットアップのポジションまで動くことができてしまいます。
ヘッドがバックスイングの勢いでまだトップに向かっている最中に、
両脚で地面を踏もうとすればいいです。
このときの両脚の形を体の正面方向から見たなら、がに股に見えます。
このように、腰がボール方向であるセットアップのときの向きに戻るまでは、
自ら力を出すというより、重力を使うことを意識すると、
エネルギー効率の良いショットができます。
上半身からの打ち急ぎ
リスト(2)の「上半身からの打ち急ぎ」を詳しく見てみます。
先ほど少しお伝えしたように、ダウンスイング開始は
車の運転で言うならカーブの入り口にあたります。
車の運転ではカープの入り口にさしかかったらアクセルを緩めるとか、
さらにはブレーキをかけて車速を遅くします。
ゆっくり車を動かすことで、精度良くカーブにそって走り始めます。
ですから、トップからいきなり腕の力を使ってクラブを振り回そうとすることは、
カーブの入り口でアクセルを踏むようなものです。
それでは、ボールヒットというヘッドスピードが速くなったタイミングで、
インパクト面に手元やヘッドを乗せるためのコントロールをしなければならず、
清々と振り切れません。
本来は、ヘッドスピードがまだ遅いところで、
インパクト面にヘッドもシャフトも乗せてしまえば、
その後はパワーを全開して振り切ることができます。
車の運転だって、カーブの入り口で良いラインに乗せることができれば、
早い段階でアクセルを踏んで加速することに集中できます。
打ち急ぎを誘発する右脚
先ほど少し触れさせていただいたことですが、
実は、トップからの打ち急ぎは、上半身だけの問題ではありません。
トップからいきなり腰を回そうとしてしまうと、
腰の急激な左ターンに連動して上半身が左に回ってきます。
このときに左肩甲骨をリラックスできていれば
上半身の左ターンによって左肩甲骨まわりがしならされ
エネルギーが溜められ始めます。
しかし、左肩甲骨をリラックスできていない、
要するに腕の力でクラブを振り回そうとしていると、
大きな問題が発生します。
それは、体のターンに連動して腕がボールの方向へ出てくることです。
この腕がボール方向へ出る動きは、
インパクト面に対しては上に浮いた状態となります。
腕が浮けばヘッドも浮きやすくなります。
ということは、ボールヒットに向かて、
ヘッドをインパクト面に乗せる落差が大きくなり、
その分スイングは難しくなります。
しかも、ヘッドスピードが最高潮に達しようとしているインパクトに向かう最中に、
インパクト面にヘッドを乗せなければならないとなると、
清々と振り切ることはできません。
右膝外回り問題
ところで、トップから腰を回そうとすると、水平に左に回そうとします。
水平左回転すための右脚の力の入れ方としては、トップで前傾している形だと、
右脚を体側に引きつける力の使い方となります。
股関節を曲げると言うよりも、
膝を曲げて右足を自分のほうへ引き付ける動きとなります。
走るときで言うなら、着地して足が体の真下に来るまでの動きです。
走るとき、パワーを発揮するのは
脚全体をお尻の後ろ側に蹴り出す動きです。
となると、トップから腰を回そうとする動きでは、
最大のパワーを発揮できる状態ではないということがわかります。
そして、この時の右脚の動きは、右膝が外を回る、
ようするに両腿の間に隙間ができる動きとなってしまいます。
右膝外回りでは、腰は左に45度程度までしかターンできません。
そして、お尻の大きな筋肉である大殿筋を最大限に発揮することができません。
ようするに、がんばった割に結果がついてきません。
さらに、トップではかなり多くの体重が右脚にかかっています。
ということは、左脚は宙に浮いたような状態です。
それでは、左脚で地面に対してパワーを伝えることはできず、
そこでがんばったとしても右脚の力だけで動くようなものです。
そんな状態では全身のフルパワーを発揮できるはずはありません。
ですから、両脚でパワーを発揮できる両脚で地面を踏めるまでは、
ゆったり重力にまかせます。
そして、腰がセットアップの向きになるまで待つことが、
最大のパワーを地面に伝えてボールをぶっ飛ばす要となります。
バックスイングの力が抜けない
リストの(3)「バックスイングの力が抜けない」について。
今回のお話とはあまり関連はないように見えますが、
実は腕が下に落ちやすい状態でなければ、
下半身は待ちきれずに手元が下に落ちる前に動いてしまいます。
それでは右脚は上半身の強烈なリリースの反作用を受けて
耐えるというようりも、勝手に動き出してしまいます。
そうなると、ボールヒットに向かって手元が上に浮いて、
ヘッドスピードが速いときにインパクト面にヘッドを乗せるという
難しい作業が必要となり気持ちよく振り切れません。
バックスイングで腕の力を使ってクラブを上に持ちあげようとするほど、
ダウンスイング開始で腕が下に落ちないということになります。
ゴルフのダウンスイングでは、
インパクトの面にできるだけ早い段階で乗るほど、
スイングは簡単になります。
そして、インパクト面に早く簡単に乗れるための腕の動きとしては、
トップからは真下に落ちることです。
筋肉は力を出してから力を抜き始めても
その力の出力がゼロになるためには、約0.4秒かかります。
そのため、バックスイングで腕を上に持ちあげようとする力が強いほど、
ダウンスイングで腕が重力で下に落ちることが、
それまで使われた力に邪魔されます。
そうなると、腕は下に落ちにくくなります。
ということで、バックスイングで腕を上に持ちあげようとするほど、
ダウンスイングではインパクト面に早く乗りにくくなり、
その分スイングは難しくなります。
ではどうすればいいのか。
それは、バックスイング前半で脚を使ってヘッドを打ち出し後方へ振り出すことで、
ヘッドの勢いで腕とクラブをトップまで動かしてしまえば良いのです。
トップに向かう切り返しでの「間」
どんなことでも「間」があることで、
溜めができたり、動きに躍動感が生まれます。
「間」とは、時間や距離の間隔などとも解釈されます。
ゴルフのトップに向かう切り返しでの「間」というと、
まだトップに向かているヘッドに対して、
下半身がダウンスイングを開始する時間差となります。
また、先行動作とはいかないまでも、
トップからいきなりクラブを振り回すのではなく、
一旦重心が下に落ちる少しの時間を確保することも「間」となります。
トップに向かう切り返しでは、右股関節が少し入ってきて、
セットアップのときぐらいに曲がってくると、
自然に「間」をつくることができます。
そして、右股関節は自ら曲げるというよりも、
重力で潰されることに耐える感じで曲がって来るという感じが大切です。
ようするに、右脚は重力を受けて体を支えるように曲げさせられ、
重力のエネルギーを右脚の曲がりということで右脚に蓄えるイメージです。
あなたも両脚で垂直ジャンプしようとしたとき、
単に股関節を曲げてくるというよりも、体の重さで股関節を曲げさせられることで、
お尻の大殿筋が伸ばされる感じがしませんか。
そして、先ほどお伝えしたように、
車の運転でいうカーブにさしかかったところが、トップに向かう切り返しです。
ヘッドと反対方向へ重力を利用して動こうとする下半身の動きで、
ヘッドにブレーキをかける感じで、上半身をしならせ始めます。
これが切り返しでの「間」です。
ボールヒットでの右脚
ボールヒットでの右脚の動きについても、多くの誤解があり、
がんばった割に結果を出せないケースが多いです。
ボールヒットでは右脚は地面を踏まされているという感じが
パワフルなショットの要です。
別の表現をするなら、特にヘッドスピードが速いドライバーショットでは、
右足の前でクラブを振っている感じです。
しかし、右足前でクラブを振ろうとすると、良い結果にはなりません。
良いショットでは、ボールヒットに向かって上半身がリリースされて
左に回転するその反作用を右脚が受けているために、
右脚はかなり強い圧力を受けます。
そのため、あたかも右足の前で振っている感じになるだけということです。
このボールヒットに向かう右脚の動きについては、
また別の機会で詳しくお話させていただこうと思います。
ダウンスイングの右脚の動きのまとめ
ダウンスイングにおける右脚の動きをまとめてみます。
と言いながらも、まとめるもなにも、
ダウンスイング序盤では単に両股関節を入れて、
セットアップのときのポジションに戻るだけです。
右脚は右股関節が入って少し曲がっていて
右膝はほぼ真っすぐになるぐらいまで伸びているトップの状態から、
右股関節を少し入れようとすればいいです。
張っている右脚を少し緩めるだけで、
体の重さで右股関節は曲げさせられてきます。
この右股関節が入って来ることに任せ、
ボールヒットに向かって襲ってくる上半身の強烈な回転の反作用を
受け止められる体勢を整えておきます。
この、上半身からの圧力にひたすら耐える準備をすることが、
ダウンスイング序盤の右脚が行なうべき大切なことです。
冒頭でもご案内している私のワンデーコーチングでは、
こうしたスイングの動きについても
徹底的にレッスンをさせていただいています。
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これで、今日は本当のおしまいです。
では、また。
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