2017.06.25
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「体・体幹は1枚の厚い板」
というお話をさせていただきます。
骨盤から首の付根にかけての体幹と呼ばれる部分の、
大切なイメージについて詳しく見てみます。
ずばり言って今回の題名の如く、体幹は1枚の厚い板とすることが、
特に何かを振ったり投げたりするスポーツでは、
パフォーマンスを出すために大切な体の使い方となります。
パワーとコントロール性を両立させるための極意として、
体幹を安定させ、手足が別々に動くことができるようにします。
と、本題に入る前に
業務連絡です。
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よろしければぜひ、ご参加下さい。
では、話を戻します。
一枚の厚みのある板のイメージを抱く
普段の生活では何気なく体を動かしています。
実際、どこをどのように動かしているのか、ほとんど意識することなく
手足や体を一緒に動かしてやりたい作業をこなしています。
ところが、その動きの中には、
精度とパワーを両立できる最良の動きではない動きが多くなています。
例えば、右腕だけ上にまっすぐあげようとしたときに、
体幹を左に曲げて右肩を上に持ちあげるようにする動作になることもあります。
そうすると、正確に右腕をまっすぐに上にあげようとしても、
右肩が全体に左にシフトしているとか、
本当にまっすぐにはあがりにくくなります。
本当は右腕だけますぐ上にあげたいのに、
代償動作で体幹まで歪めて右腕を形の上で上にあげようとしてしまいます。
これは、ほんの簡単な一例ですが、
さらに複雑な動作ではかなり深刻な問題となります。
また、体幹を中心として、手足をばらばらに動かせるようにできると、
運動は精度良くなり、さらに体幹を軸として
手足をしならせるなどの動きでパワフルに動作できます。
そのための第一歩は、
体幹を意識して一枚の厚みのある板のイメージを抱き、
体幹全体を安定させることです。
体幹が意識できて安定していれば、体幹に対して脚はどう動けばいいのかとか、
腕はどうなっていればいいかということを考えることで、
動きのパーツはシンプルになります。
そして、その単純な動きを組み合わせて、
全体の動きを構築するようにすれば、再現性の高い、
精密でパワフルな動きができるようになります。
あなたも、あるときはなぜか調子が良かったのに、
一旦不調になるとどうやって体を動かしていたか
わからなくなったりしたことがありませんか。
では、また。
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「えー、大森さん、
なんかこの先続き絶対ありますよね。。。?」
はい。
「単純な動きを組み合わせて、全体の動きを構築する」
ここで私の言いたいことはほぼ言っているのですが、
でも、もっと詳しく話が聞きたい奇特な方には
もうちょっとだけ、詳しくお話をしてみます。
というわけで、続きをどうぞ。
体幹を安定させる方法
体幹を安定させる方法は、これまで私のメルマガで何度か
お話させていただいているので、
なんとなく覚えている方もあるのではないかと思います。
ま、それほど体幹というパーツは
ゴルフのスイングでは重要だということです。
そんな体幹を意識していないとか、うまく使えていないとしたら、
あなたの体の重要なパーツの持ち腐れです。
そこで、まだ以前のメルマガを見ていないとか、忘れてしまったとか、
うろ覚えということもあるでしょうから、
ここで、体幹の安定化法を簡単にまとめて引用させていただきます。
―「体」お腹を凹(へこ)ませるからの抜粋(2013年10月27日)―
どうしてお腹を凹めるといいのでしょうか?
それは、人の体の真ん中に走っている脊椎の構造を見ることで理解出来ます。
脊椎はお腹の後ろ側の腰椎と胸の後ろ側の胸椎では、構造が異なっています。
そして、その構造の違いから、お腹の後ろ側である腰のすぐ上は
あまりねじれない構造となっています。
ですから、この部分はできるだけ安定させて体を使った方が、
より正確で高いパフォーマンスを出すことができるようになっています。
(中略)
お腹の凹ませ方については、特に難しく考える必要はありません。
お腹を凹めて肋骨の下のラインが出っ張るようにします。
腹横筋、腹斜筋というお腹の周りの筋肉を収縮させるのですが、
お腹の周りにコルセットを巻いたように、
自分の力でコルセット装着時と同じようにすればいいです。
パッティングやショットのセットアップルーティンの最後当たりで、
お腹をギュギュギュと凹ませて、肋骨の下が浮き出る様にしてみましょう。
―抜粋ここまで―
―「体」ダイエットゴルフのススメからの抜粋(2014年9月28日)―
お腹を本格的に凹める前に、
まずは、息を吸いながらお腹を凹ませていきます。
そして、セットアップルーティンのクラブヘッドを
最後にソールするために重心を落とすタイミングに合わせて、
今度は、息を吐きながらしっかりお腹をさらに凹ませます。
胸の骨の下側の肋骨が浮き出るように、お腹を凹ませます。
その凹ませているお腹に手をあててみたら、
誰もが驚く程、ものすごく凹ませてください。
これでおなかの周りがしっかり引き締められます。
筋肉で言うと腹横筋とか腹斜筋となります。
実は、お腹だけではなく、
肛門もしっかり絞めるようにします。
これによって、骨盤底筋群というお腹の下側の筋肉群が引き締まります。
そして、息の吐き方は格好を気にしなければ、
ほほの風船をふくらませるようにして、口を少し細く尖らせて
口の中の圧力を高めて息を吐くようにします。
これによって、肺と内臓のセパレーターである横隔膜がひきしまり、
先ほどのお腹の周りや、おなかの下側と合わせて、
上下と周りの筋肉群が引き締められた状態となります。
これらの追加動作によって、お腹の周りが四方八方絞められ、
お腹の中の圧力が目一杯高められます。
その結果、骨盤から胸の間がしっかりし安定した使い方ができます。
100ヤード以下のショットでは、
もう限界までお腹を凹ませると考えてください。
ドライバーショットでは、そこまで凹ませて大きなトップを作ることは、
だいぶ難しいので、私などは、お腹というよりも、
息を吐きながらお腹と胸全体をしぼめて行く程度にしています。
―抜粋ここまで―
このようにお腹を凹ませることで、
簡単に体幹を安定化させることができます。
息をお腹から吐き出しながらお腹をしっかり凹めて行って、
肋骨の下側が浮き出る様に目いっぱい凹ませます。
間違った動作
このときやってしまいやすい
間違った動作としては次の3つがあります。
(1)お腹を体の前側に曲げてしまう
(2)お腹の後ろ側を後ろに反らせてしまう
(3)肋骨の下を浮き出させようとして胸を広げてしまう
これらの動作はお腹を凹めようとすることの代償動作で、同じような形になりますが、
お腹の圧力がまったく異なったものとなりますから、注意しましょう。
お腹を体の前側に曲げてしまう問題
確かにお腹を体の前側に曲げると、お腹が凹んだ形になりますが、
それは腹直筋というまさにお腹をかっこよく見せるというか、
体を前側に曲げる筋肉を使っています。
腹直筋を収縮させても、お腹のまわりを締めていることにならないので、
お腹の圧力はたいして高まらず、体幹を安定させる働きにはほとんどなりません。
ちなみに、腹筋体操ということで、体の正面側に屈曲する前屈運動をやっても、
お腹の圧力をアップさせる腹横筋とか腹斜筋を鍛えることはたいしてできません。
やはり、お腹を目一杯凹めることが良いトレーニングになります。
特に、腰痛防止のためにも、
お腹を凹め腰椎を安定化させることが効果があります。
腰痛には腹筋が効くと言われて勘違いして、
一生懸命通常の腹筋をやってもたいして効果が出ません。
お腹を凹めることが、腰痛対策のためのトレーニングです。
お腹の後ろ側を後ろに反らせてしまう問題
そして、体を前に曲げる反対方向である、
お腹の後ろ側を後ろに反らせてしまうことでも、
確かに肋骨の下が浮き出る形はつくることができます。
しかし、後屈ではお腹を凹めていることにはならないので、
お腹の圧力は高まらず、コルセットの役割を果たしません。
また、骨盤のすぐ上を後ろに反らせる棚尻の形では、
背中側の背筋や肩甲骨の下側の広背筋を過度に収縮させることになます。
特に広背筋を緊張させてしまうと、
広背筋は肩甲骨を内側に寄せる働きがあるので、
肩甲骨のスライドまで制限されます。
そうすると、バックスイングで体幹の下側の腰椎回りを
むしろゆるめて体幹の捻転でターンしようとしてしまいます。
それでは体幹を締めるどころが、ゆるんでしまうことで、
下半身のパワーを腕まで伝えることはできなくなります。
さらに、体幹を捻る動作では本来捻りにくいお腹の後ろ側の腰椎まで
捻転させようとしてしまうことで、
骨盤から腰椎まわりの骨や筋肉に負担がかかり、腰痛の原因ともなります。
ですから、セットアップで背筋は、本来は真っ直ぐに立っているときのまま前傾して、
上半身の重さでお腹の後ろ側は少し前側にしなっている感じにします。
直立していたときよりも、セットアップで前傾したときに
お腹の後ろ側が後ろに反っていなければOKです。
肋骨の下を浮き出させようとして胸を広げてしまう問題
さらに、胸を広げると、確かに肋骨の下が浮き出てくるようにも見えます。
しかし、胸を広げていては、体幹の安定性を高めることはできません。
肋骨の下を浮き出させるということは、胸を大きく広げた結果ではなく、
お腹が凹んで相対的に肋骨の下が浮き出るということです。
このようにあまりがんばってやろうとしすぎて、
代償動作の塊になってしまうと逆効果で
余計に動きが硬くなるだけで手足の動きが滑らかになりません。
まずは気楽に始める
お腹を凹めようとして、やり始めのころは、
息を吐きながら軽くお腹を凹めるぐらいでいいです。
まだ、慣れていないうちは、無理に凹め過ぎようとすると、
余計なところに力が入ってしまうからです。
まずは、暇なときに座っている姿勢でもいいので、
お腹をギュギュギュッと凹める運動を行なうようにしましょう。
車を運転される方なら、赤信号で信号待ちしているときにお腹を凹めるとか、
決めたときにやるようにすると良いトレーニングになります。
テレビを見ていてコマーシャルになったら
口をすぼめて息を吐きながら肋骨の下が浮き出るように、
お腹を凹める運動をコマーシャルが終わるまで行なうということも最高です。
息を吐きながら10秒ぐらいかけて一生懸命お腹を凹め、
自然呼吸を1?2回おこなって、また、10秒かけて凹めます。
この10秒は特にこだわりがあるわけではありませんが、
ま、10秒ぐらいは連続して収縮させたいです。
というのは、腹横筋、腹斜筋は筋肉の種類で言うなら遅筋、
一般的な言い方ではインナーマッスルに相当するからです。
そうなると、ゆっくりじっくり収縮させて、最大に収縮させ、
それを長く持続させることで、効果を出しやすくなります。
余談ですが10秒の数え方
ちょっと、余談ですが、10秒と言われても、
時計でも見ない限りうまくカウントできないものです。
特にちょっとでも苦しいことだと、
10秒のつもりが、8秒や7秒ぐらいに短くなってしまいます。
そこで、私がやっている時計を見ないでも
約10秒をきっちりと測ることができる方法があります。
それは、次にのように「光明真言」を唱えることです。
「光明真言」
おん あ ぼ きゃ べい ろ しゃ のう
ま か ぼ だら ま に はん どま
じんば ら はら ば りた や うん
確かに早口で唱えると5秒より短くできますが、
唱える速さを5秒に合わせるようにしておけば、案外5秒をキープできます。
ですから、「光明真言」を2回唱えると、
約10秒の間きっちりキープしやすくなります。
やたら早口で唱えるということもあるようですが、
1回を5秒かけて唱えるぐらいの速さが少し余裕もあって唱えやすいです。
これは実際に口に出さないでも時間キープはできますから、
家族や友達といるときでも変な人と思われないで密かに時間を測ることができます。
でも、無口になってしまいますから、やっぱ変には変ですが。
体幹に対して肩甲骨がスライド
肩甲骨は背中にちょこんと乗っている骨です。
そして、肩甲骨の上に肩の関節がくっついています。
この構造により、体幹に対して肩甲骨がスライドすることで、
下半身のパワーを腕に伝えることができます。
この動きを体感するもっとも簡単な方法は、
まっすぐに立って、腕を体の前後に動かすことです。
真っ直ぐに立ち、左腕を体の正面方向へ水平にあげます。
そこで、右手を左肩の前側にある細い骨である鎖骨に手を当てておいて、
左腕を前後に突き出したり引っ込めたりしてみましょう。
そうすると,右手で触っていた鎖骨が斜めに動くことがわかります。
肩甲骨は骨としてはこの鎖骨だけで体とつながっています。
ですから、肩甲骨のスライドそのものをあまり感じることができないとしても、
この肋骨の動きを触ってみてみることで肩甲骨がこんなに動くということを実感できます。
こんな細くて弱そうな鎖骨だけでかろうじて体との位置関係を維持しているのが肩甲骨。
ですから、肩甲骨の動きにはかなり大きな自由度があり、
さらには、大きな筋肉群がくっついていて、
可動域もかなり大きなものとなっています。
まさに、体幹の上を肩甲骨がスライドすることで、
大きなパフォーマンスを出すことをイメージさせてくれます。
ゴルフでの体幹のイメージ
ゴルフのスイングでお腹を凹め、
体幹を安定させることはパワーと正確性のためには重要です。
ここで、スイング動作での体幹のイメージについて少し簡単に見てみましょう。
パッティングからドライバーショットまで、
骨盤から首の付根までの体幹は、まさに一枚の厚みのある板とイメージします。
そして、その体幹の上を肩甲骨がスライドすることを強く意識することで、
体をしならせるストロークやスイングができるようになります。
パッティングでは、バックスイングで右の肩甲骨を
背中側へスライドさせるイメージです。
体幹を出来る限り一生懸命に固定して、
右肩を上にあげる動作を行おうとすれば、右肩甲骨は体の後ろ側にスライドします。
そのとき同時に、左肩甲骨が胸の方向へスライドされて、
左肩甲骨の背中側は伸ばされて、しなりのエネルギーが溜まります。
その左肩甲骨回りのしなりがダウンスインでしなり戻ることと、
パターヘッドの重さでボールヒットに向かいます。
ショットでは、下半身の動きを使って、骨盤から上を一枚の板として、
動かすようにすれば万事がうまく行きます。
下半身の動きで、セットアップでの前傾角度を維持して体幹がターンすれば良いです。
そうすれば、トップに向かう切り返しでは、
下半身を使い切ったあたりからヘッドの勢いで
左肩甲骨が胸の方向へスライドをはじめます。
トップに向かう切り返しからダウンスイングでは、
下半身がセットアップのポジションまで戻ろうとするだけで、
左肩甲骨はかなりしっかりスライドさせることができます。
さらに、ボールヒットに向かって、
左脚を伸ばして左のお尻を左後ろポケット方向へ押し込めば、
体幹はさらにターンして左肩甲骨をスライドして大きなエネルギーが溜まります。
そして、ボールヒットに向かって、
下半身のパワーのピークとなる腰が左に45度ぐらいターンしたところで、
上半身は勝手にしなりもどります。
このとき、腰から首の付根は一枚の板ですから、
胸も左に45度ぐらい回転しています。
しかし、左肩だけが下を向いているほど、
左肩甲骨が胸の方向へスライドしていることがわかります。
もし、胸が真下を向いてボールヒットしていたら、
左肩甲骨のスライドは開放されてしまっています。
それでは、ヘッドが加速中にボールヒットできず、当たり負けして、
ヘッドスピードの割にはボール初速があがらない
弱々しく曲がりやすいボールとなります。
体幹に対する左肩甲骨のスライドの形でエネルギーが溜まり、
下半身のパワーのピークを越えた瞬間に、
一気にしなりもどりエネルギーを放出します。
これが、ボールヒットに向かってエネルギーを集中的に叩き出す動きです。
体幹は縁の下の力持ち
一枚の厚みのある板としての体幹は、この大切な動きの中の脇役に見えます。
下半身の動きは骨盤を動かし、
骨盤から上の体幹がターンすることで肩甲骨をスライドさせ、
しならせて、それがしなり戻るだけです。
体幹は脇役ですが、パッティングストロークでは
肩甲骨が精密にスライドする土台となり、
スイングでは下半身のパワーを使って肩甲骨まわりをしならせる軸となります。
肩甲骨のスライドのイメージなくしてゴルフの動きは語ることはできません。
しかし、その肩甲骨をしっかり機能させる大切な部分が体幹です。
脇役にも見える体幹のお話でしたが、まさに体幹は縁の下の力持ちです。
そして、この体幹を意識して、安定させて使うことが、
すばらしい体の動きを実現してくれる唯一の方法です。
あなたも、体幹、そして肩甲骨をそれぞれ別々のパーツだと意識できた瞬間、
それまでとはまったく異次元の体の使い方に目覚めることでしょう。
そんな日が、あなたに一日でも早く訪れることを願いつつ、
今日はこれぐらいにしておこうと思います。
ちなみに、冒頭でもご案内している私のワンデーコーチングでは、
こうした身体の適切な使い方についても
随時レッスンをさせていただいています。
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これで、今日は本当のおしまいです。
では、また。
<本日のオススメ>
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