2013.09.29
From:大森睦弘
六甲国際ゴルフ倶楽部より、、、
こんにちは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)の大森睦弘です。
さて、今週は先週いったんお休みをさせていただいた
「ハービー・ペニックとの対話」を引き続きお届けします。
ハービーさんとの対話には、
引き続きあなたのご意見をお待ちしています!
今回は、、、
「セットアップでの手の位置」
について話してみたいと思います。
もしものこともあるので、、、
まだハービーさんのことをご存知でない人のために、
簡単にハービーさんの紹介から。。。
(すでにご存知の方は読み飛ばして下さいね)
ハービー・ペニック(1904-1995)は、1923年にプロゴルファーの職を得てから
亡くなるまで、トッププロからアマチュアゴルファーまでを教えた、世界的な名コーチです。
このハービーさんは、トッププロもアマチュアも分けへだてなく
「1時間5ドル」という、あってないような報酬でレッスンをし続けました。
晩年は耳が遠くて電話では直接話せないため、
奥さんを介して電話レッスンまで行ったそうです。
そして有名な話が、ハービーさんが60年以上にもわたって、
教えるときに感じたり気づいたことが書いてきたノートがありました。
そのノートは門外不出とされ、同じくゴルフコーチをしていた息子以外には
愛弟子たちにも決して見せなかったそうです。
しかし、ハービーさんが87歳のとき、その門外不出のノートを出版しようと思い立ち、
そして出版されたのが、リトル・レッド・ブック(Little Red Book)という本です。
今では全世界で100万部以上読まれている「伝説のレッスン書」となっています。
この伝説の名コーチが残した「Little Red Book」という貴重なメモをもとに、
「もし今の時代にハービーさんがいらしたら、何とおっしゃるだろう?」
という想像をもとに、
私、大森との「対談形式」でお届けしています。
それでは、どうぞ!
セットアップの大切さ~手の位置~
(大)ハービーさん、わたしはセットアップが正しく準備できれば、
後は体を揺らすだけで、良いショットが出来てしまうと思っています。
でも、なかなか本当にそう思ってもらうことは難しいんですね。
(ハ)そうじゃな。
セットアップで気をつけなければならん点はたくさんあるんじゃが。。。
とりあえず、簡単にできるところからやってもらえば、
セットアップの大切さが、だんだんわかってもらえるというもんじゃ。
(大)手の位置なんか、やろうと思えば、誰でも簡単に正しいポジションに
セットできるし、コーチからも確認しやすいですね。
(ハ)まさにそうじゃな。
で、セットアップの最後に、どんなところにグリップがあったらいいのか
ということじゃが、おぬしはどう考えてるのかな?
(大)そうですね、ボール位置とかは、
打とうとしているショットの種類にも依存しますが。
手の位置は、左右の位置で言えば、ずばり
左股関節の内側にグリップがあれば、最も自然にスイングできますね。
(ハ)そして、ボール位置は、アイアンやウエッジでは手元よりも右側、
ドライバーでは手元よりも左寄りじゃな。
(大)そうですよね。クラブヘッドの最下点にグリップを置くことで、
自然に体が揺れたら、ダウンスイングでも同じ所にグリップが戻ってきやすいですから。
セットアップで、ここに戻ってくるんだよと、手元に言い聞かせる様にして、
スイング全体のイメージを作れば、素直なスイングができますね。
(ハ)そうじゃな。
(大)そういった意味で、ウエッジやアイアンでは、
ボールより先にグリップの位置があるといいし、
ドライバーではボールの手前にグリップがあるといいんですね。
(ハ)そのクラブとボール位置の関係の理由は、なんじゃと思っておるのかな?
(大)今日は、なんだかテストを受けているみたいですね。
ハービーさんの厳しい一面を見たという感じです。
(ハ)そんなことはないぞ(笑)。
(大)そうですか? で、ボール位置の理由ですが、、、
ウエッジやミドルアイアン以下では、クラブヘッドはダウンプロー軌道で
ボールに当てることで、クリーンヒットしやすく、
バックスピンが多くなってグリーンで止まりやすくなります。
ドライバーではバックスピンを減らして、
できるだけ前に進むボールを打ちたいからですね。
それで、少しアッパー軌道でボールに当てたいからです。
(ハ)うむ。そうじゃ、その通りじゃ。
(大)セットアップのボール位置で、打ち出す球の性質が大きく変化するんですよね。
手元が左股関節内側の理由
(ハ)で、おぬしは、さっき手元の位置について、
左股関節の内側にセットすると言い切っておったが、それはなぜじゃ?
(大)足を開いて上体を自然に前傾させて、左腕をだらんと垂らしたら、
左股関節の内側に左手が来るからです。
その左手の位置で、グリップをそっと持って、その左手に、
右手を肘を軽く曲げて添えるようにして、左手に余計な力が入らないように、
グリップを両手で包むようにしたいからです。
(ハ)ほう。
(大)そして、手元を後ろから覗き見ることにもなって、
ラインを出すイメージができていいですね。
手元を前から見るとターゲットを見にくいので、後ろから見ることで、
手元の先にターゲットをイメージできます。
(ハ)ウエッジやアイアンの場合はその通りじゃな。
しかし、わしの時代はクラブシャフトがヒッコリーからスチールになってきた頃じゃ。
ヒッコリーでは絶対捻ったり出来なかった。
万が一捻ったりなんぞしたら、折れちまっていたんじゃ。
ところがスチールになって、目一杯シャフトを捻っても折れないので、
それで飛ばすことが流行った時代じゃった。
(大)なるほど、そうなんですね。
ペン・ホーガンなんかは特に、前腕を捻る動作を強調していましたね。
ということは、ドライバーではインサイドから振って、
クラブヘッドを軌道に対して閉じながらボールヒットさせて、
ドローというかフックボールで飛ばしていたんですね。
(ハ)そうじゃよ。ベン・ホーガンはインサイドから振るというよりも、
腕のひねりを使い継ぎて、最初は引掛けフックで悩んでおったがのう。
いずれにしても、一般的には、少しインサイドから振らせておったんじゃ。
(大)ということは、セットアップでもインサイドから振り下ろしやすい
準備をしていたんですね。特にドライバーでは。
(ハ)そうじゃな。その当時は、クローズドスタンスで飛ばす連中が多かったんじゃ。
道具の進化とスイング
(ハ)わしはサム・スニードが右足を後ろに引いたクローズドスタンスで、
強烈なボールを打つのを観て、プロ選手として賞金で食べてゆく事は
諦めたぐらいじゃからな。
(大)そして、体も随分右に傾けていますね。
そのため、特にドライバーでは、上半身を右に傾けた分、
左股関節の前にグリップがあるのではなく、左股関節よりももう少し体の真ん中寄りの、
ズボンのチャックの前になったのではないですか。
(ハ)うむ、その通りじゃな。今では無理にインサイドから打ち抜いたり、
腕を捻ってボールヒットするような打ち方をしなくてもいいんじゃから、
ずいぶんスイングが楽になったもんじゃよ。
(大)特に最近のドライバーでは、クラブヘッドを大きくしても重くなりすぎず、
どんどん大きくなってきました。
そして、とうとう容量制限が行われるまでになっています。
そのため、特にドライバーで、腕を捻ってクラブヘッドを
無理に閉じながら打たなくても飛ぶというか、
逆に捻る操作はしづらくなったという感じですね。
(ハ)新素材、、、すごい進歩じゃな。
ドライバーとアイアンでは、ボール位置が違うぐらいで、
スイングを変えないで、ゴルフが簡単に楽しめるようになってきたと言うことじゃな。
(大)ということは、現代の用具ならば、すべてのクラブで手元の位置は、
左股関節の内側と考えてもいいですね。
(ハ)うむ、そうじゃな。ところで、、、
最近は「スタック&チルド」とか言うスイングがもてはやされているそうじゃが。
(大)はい、すべてのクラブで、セットアップから左足に多めに体重を乗せます。
トップでも右足に体重を移動させないように、そのまま振ってしまうという点が特徴ですね。
(ハ)わしらの時代ではとても考えられんスイングじゃな。
(大)そうですね。この話題は、また別の機会にさせていただこうと思います。
単純に体重の移動だけの話ではないので、この話題だけで話が長くなってしまいますからね。
(ハ)うむ、そのほうがよさそうじゃな。
(大)いずれにしても、道具が良くなったら、スイングは自然が一番。
セットアップが素直なら、本当に後は自然に体を揺らすだけなんですよね。
手元は左股関節の内側に、リラックスさせて置いてあげて。
また長くなりそうなので、今日はこんなところにしておきましょうか。
今日も、どうもありがとうございました。
(ハ)うむ。では、またじゃ。
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いかがだったでしょうか?
今回のハービーさんのこの連載は、
私の中でもちょっとした「チャレンジ」となっています。
ですのでぜひ、このメールを読んでのあなたの感想、
ご意見などを聞かせて下さい。
さあ、これからハービーさんとの対話が軌道に乗るのか。。。(笑)
どうぞお楽しみに。
では、また。