From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・ボールがホールに吸い込まれる日」
というお話をさせていただきます。
寒い冬は、温かいお家の中で、
パッティングのことを思い描くのもいいですね。
調子がいいときは、入ってしまう。
長いパッティングや、グリーン外からのアプローチショットなどで、
ホールに入ってしまう日ってあります。
100を初めて切れた日とか、ベストスコアを更新できた時は、
ショートゲームでミラクルが発生していることも多いですね。
ところが、そんなミラクルが、
必ず今日この日に再現できるというテクニックは、
確立されているとは言えません。
脳科学的には、いろいろあるのですが、これをやれば、
かならずミラクルなパッティングができる日になるということを、
言い切れるやり方は、残念ながら、まだ世の中にはないということです。
しかし、ミラクルに出会うときに、
よくある共通する点を見てみることで、
ミラクルの確率を、必ずアップできる方法が見えてきます。
心が静か
ミラクルに出会うときに共通する点、
それは「心が静か」という点です。
「心が静か」ということは、読んで字のごとくですので、
何も説明はいらないことです。
ま、あえて言えば、周りに起きることに、
一喜一憂することなく、淡々とプレーする感じですね。
ここで忘れてはならない、重要な点があります。
それは、バーディーなど、良いスコアが出た瞬間も、
心が揺れるということです。
バーディーの後、崩れる場合が多いことは、
あなたもご経験があるのではないでしょうか。
同伴者のプレーに、心を揺さぶられることも多いです。
あなたよりも、遠くまで飛ばす人とご一緒の組だと、
ついつい、力んでしまっている、
あなたご自身を発見されることもあるのではないでしょうか。
そして、当然ご承知のように、
あなたご自身のトラブルでも、心は揺さぶられます。
やるべきこと
ラウンドでは、次の3つこのとを、必ず守ります。
(1)30分前行動
(2)トラブったら深呼吸
(3)スコアを知らないままプレー
この3つぐらいなら、
いつも頭の片隅に入れておくことはできますね。
この3か条のうち、(2)と(3)は、
グローブなどに、書いておいてもいいかもです。
30分前行動
これは、実は私が中央大学体育会スキー部の中に、
出身校でもないのに、社会人ながら入れていいただいて、
いっしょにトレニングやスキー合宿をやっていたときに、
なるほどと思ったことです。
そこでは、決められた集合時間より、
30分前に集合していなければならない、
というルールがありました。
当時、私は、30分も前なんて、
いじめだとぐらいに感じたことは否定できません。
実は、いじめではなく、先輩から後輩へと、
ずっと引き継がれてきた、重要な心のテクニックだったのです。
普段生活していても、頭で考えていること以外に、
けっこう多くのことが、時間を消費しています。
それが、ゴルフに出かけるという、特別?な行動では、
さらに、いろいろ想定外のことも発生しやすくなります。
そして、時間が足りないと思う焦る気持ちが、少しでもあると、
すぐにアドレナリンが噴出して、平常心が保てなくなります。
このことは、意外と軽視されがちですが、
実は心にとっては、ものすごく影響力のあることです。
30分前に行動することで、多少不意な出来事があったとしても、
心に余裕をもたせたまま行動できます。
私が、ベストスコアを更新した時は、
100%時間に余裕があった時です。
そして、焦る気持ちが、一回もなかった時です。
時間に余裕があれば、心にも余裕ができます。
余裕の中でウオーミングアップを終え、
余裕の中でショット練習を終え、余裕の中でパッティング練習を終える。
こんな、時間の流れを作ることができた日は、スコアもいいです。
そして、なんだかこれは不思議なことですが、
コースに車で向かっていて、信号待ちが少なかったときに、
スコアもいいのです。
特に自分では何も変えていないのに、
やたらと信号待ちに引っかかった時のラウンドは、
なぜだかスコアがまとまらなかったりします。
一般的に言われていることですが
「日記を付けなさい、しかも、その日のつまらないことも全部含めて、
とにかく、何があって、何をやったかを、
思い出せるだけの情報を残しなさい。」
と言われます。
これは、良い成績が出た時、その前に何をしていたのか、
ずっと統計をとってみると、思いもよらぬ行動などを発見できる
という意味で、ものすごく重要です。
その良い結果が出た時に、共通してやっていることを、
こんどは積極的に取り入れて行えば、良い調子を引き込むことができます。
当然、調子が悪い、なんだか、自分のせいではないのに、
運悪くドラブルになってしまうという時に、
共通して行っていることが、見えてきたりします。
これは、論理では説明できないことです。
ま、私の信号の話は、なんとなく信号待ちで、
心に乱れが発生?とも言えるのかもしれません。
私は、スキーのアルペン競技で、
とにかく重力を極力無駄にしないで、滑らかにコースどりをして、
100分の1秒でも早くゴールを切ることをやっていました。
そのため、途中で止まることには、私自身も気づかない、
何かのストレスがあるのかもしれません。
いずれにしても、詳細な日記などにより、
頭では考えられない、行動とスコアの関係が見えてきます。
トラブったらゆったり深呼吸
ゆったり深呼吸のご利益は次の点です。
(1)副交感神経を強め、トラブて交感神経が強くなりすぎて
自律神経全体がアンバランスな状態を、バランスした方向へ傾ける
(2)抹消血管を拡張して、トラブって、
カッカとなって上昇した血圧を下げる
トラブルに遭遇すると、誰でも交感神経が強くなり、
体の中ではアドレナリンが噴出して、呼吸は浅くて速くなり、
血圧が上昇します。
アドレナリンは、その噴出量によっては、
少量では逆に血圧が下がったりしますが、
ま、トラブった時は大量に噴出して、血圧が上昇するレベルに達します。
そんな、アドレナリンをはやく鎮めて、通常の心のレベルに
素早くもどらなければ、ミスショットのオンパレードになります。
ここで、深呼吸には、実はテクニックがあります。
まず第一に、息を口から吐くことに、
ゆったり時間をかけて行うことは、深呼吸の効果増進にとって大切です。
そして、特に、トラブった直後のテクニックとして、
最初に大きく吐きます。
吸うことを先に大きく行うのではなく、
まず最初に目一杯吐き切るという点が重要です。
そして、肺というか、体の中からすべての悪いものを、
しっかり時間をかけて外に出してしまうイメージを強烈に描きます。
それから、おもむろに、鼻から良い空気を、
体の中に、たっぷりと入れていきます。
しかし、心だけではなく、体にとっても、
最初にしっかり吐き切ってから深呼吸を行うことは、
より効果的な深呼吸となります。
また、2回目以降は、吐くと吸うのどっちが先でも同じでしょと、
あなたはお考えになるかもしれません。
ところがしかし、もし2回以上行うとしても、
実は、最初にしっかり吐くことを意識して、
吐き出してから吸うほうが、その後の深呼吸でも、
吐くことに意識を集めやすくなり、しっかり吐き切ることができて、
深呼吸の効果がアップします。
吐くことに、意識をより強く持って行きやすくなるという点が重要ですね。
吐くことを強くイメージするといい、物理的な理由の一つは、
できるだけきれいな空気を入れられるという点です。
しっかり吐き出さないでいると、肺の中には、
まだ外に出すべき気体が残留しています。
そんな、二酸化炭素などが多く含まれた気体が肺の中に残った状態では、
せっかく新鮮な空気を取り込んだとしても、その新鮮度が薄められてしまいます。
しっかり吐き切って、真新しい空気だけを、
できるだけ多く体の中に取り込みます。
また、息を吐くために縮めた体の周りの筋肉は、
リラックスさせることで、元の長さに戻ろうとします。
この、リラックスさせる感じが、筋肉だけではなく、
あなたの心も楽にさせてくれます。
そして、いろいろなところに残っている余計な力をゆるめてくれて、
さらに大きく体を楽にふくらませることができます。
また、グリップなどでも、いきなりソフトにすることを意識するよりも、
一旦きつく握った後にリラックスした方が、よりいっそう無駄な力が抜けて、
やさしくグリップを包み込むことができます。
それと同じで、呼吸でも、一旦ぎゅ~~~とおなかと胸を絞り込んで、
息を吐き切ることで、その後は、普段よりも
上半身をリラックスさせることができます。
また、そのうちに深呼吸特集を書くつもりですので、
やり方は、今回はこの程度にしておきます。
それから、寒い冬は深呼吸では寒くなるとイメージしてしまいますが、
実は、逆で、深呼吸は、末梢血管を拡張してくれるので、
冷えた手足が温まる方向になります。
ですから、いくら寒くても、躊躇しないて、
がっつり深くゆったりと深呼吸しましょう。
さらに、深呼吸する動きでは、体幹を安定させるための
お腹のまわりの腹横筋とか、上半身のパワーの源である
肩甲骨まわりの筋肉など、スイング重要な筋肉を動かしてくれるという点でも、
効果バツグンです。
などなど、深呼吸って、結構すごいことなのです。
スコアを知らないままプレー
スコアを知らないままプレーというのは、よく言われることですが、
なかなかできるものではありませんね。
ついつい、残りのホールを、何打以内であがらなければ、
とか、スコアを勘定していると、いろいろなことを考えてしまいます。
しかし、私自身、とんでもなく良いスコアが出た時は、
本当にスコアを知らなかった時ばかりです。
私が初めてHCを取得した時のHCは25。
そのまま、月例大会に参加したのですが、なんと77が出て、
HC25に対しての20アンダーで、そのゴルフ場の記録更新になりました。
初めて出た試合で、こんなことが起きたのですから、本当に驚きです。
結果として、翌月の月例からは、上のクラスに入れられてしまい、
周りはシングルプレーヤーばかりで、圧倒される日々が続くことになったのでした。
それまで、一度もシングルプレーヤーの方とは回ったことがなかったので、
とんでもないカルチャーギャップでした。
HC25に対する20アンダーが出たその時は、
途中までは、本当にスコアのことなど、全く眼中にない状態でした。
でも、最終2ホール前に、同伴の方が
「このままだと70台になりますね」
「70台を出す方と一緒に回れて最高です」
と言われ、そこでハッと、そこまでの自分のスコアに
気づいたことを、今でも思い出します。
それまで、スコアカードにパーだ、ボギーだ、
バーディーだと書き込んでいるのに、トータルスコアがわからないまま
プレーしていた自分が、信じられない状態です。
そして、それを聞いてからの最終2ホールは、
かなり緊張してしまいました。
ま、そんな緊張しましたが、なんとか無難にプレーできて、
HC25での20アンダーが達成できたのでした。
私は、スキーでも同じように、突然良い成績が出て、
周りのみんなを驚かせるという経験をしています。
でも、まさかゴルフでも同じような経験をできるなんて、驚きでした。
人は、一生懸命に練習していても、
なかなか伸びないプラトー(高原)状態に必ずなります。
しかし、精神的壁を作らなければ、ある日突然変異して、
まったく別の動きができることは事実です。
脳は寝ている間に、それまでの経験や知識を整理して、
脳神経同士の連結を変化させます。
仕事でも、前の晩遅くまで悩んでも、
解決策がなかなか見つからなかったことが、
一晩寝て、朝起きてみたら、なんだ、こんなことで良かったんだとか、
簡単に解決していたりしませんでしたか。
ちょっと余談になりましたが、この精神的壁を作らないことが、
本当のあなたでいられるために、なくてはならないことです。
ラウンド中にスコアを気にするということは、
知らないうちに、心に壁を作ってしまいます。
実際のレッスンでも、ショットを見る限り、
100は切れていてもおかしくないのに、
長い間100切り目前で止まってしまった方には、
はっきり100なんか言い切っていてもおかしくないと、
言ってあげるようにしています。
これは、精神的壁を取り除くという意味で、最高のコーチングです。
おだてているわけではなく、本気でそう思うからです。
そして、ワンデーレッスンであっても、その一言だけを言えばそれで十分なのですが、
本当にそれだけしか言わなかったら、もう二度と私のレッスンには来ていただけないですね。
私はその一言のために、どれだけショットを観察して必要な情報を集め、
考え抜いて、結論を出したのかなんて、伝えられませんし。
それで、弱気になって、その他のこともしゃべってしまう私を発見するのでした。
世界記録なども、破られるまでは、なかなか更新されなかったのに、
一人ぶち破ると、いきなり何人も直前の世界記録を突破することがありますね。
それから、ハーフターンで昼食となりますが、
こんな時も、スコアの話題にならないように、何か他に楽しい話題を振りまきます。
スコアの反省は、ラウンドが終わってからにしましょう。
そして、好プレー、珍プレーなど、
ラウンドでのさまざまな出来事で盛りあがりながら、
帰宅の途につけたら、また次もやろうという気持ちもバリバリ出てきますね。
では、また。
<本日のオススメ>
・バンカーや池超えで緊張してしまう
・傾斜や深いラフなどの悪いライからミスショットが出る
・OBが1回のラウンドで最低2回は出る
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大森先生 おはようございます。
ゴルフ場に行くのに関しては「道中何があるかわからない」と考えて集合時間ではなく「練習を終えたら」集合時間になる位を目指して行ってます。
トラブった時の吐ききってからの深呼吸は練習時から取り入れたいと思います。
スコアを知らないままプレー…
実は算数が苦手なので本気で立ち止まって数えないとスコアカードの計算が出来ません(笑)
いつもハーフ終了時とラウンド終了時のスコアの確認時に同伴者の計算を聞いて記入しています。
だからいつもハーフ終了時とラウンド終了時までスコアは気になりません。
大森先生の記録を出した時の様に他人に言われるまでわからないと思います。
「心を静かに」
先日のパターがその状態を意識せずに保つ事が出来ました。
まだ大きな傾斜の時しかグリーンを読むことが出来ないので基本的に「直線でホール真ん中狙い」だけを心掛けて打ってました。
その結果が前半14、後半20になったんだと思います。
同伴者からも「よくそんなにスッと打って入れるなぁ」と言われる位でした。
後半はさすがにパット数なら計算出来てしまい色気というか何か「邪心」が入ってしまったみたいです…
本当にゴルフって「心」の占める割合が高いんだなぁと最近改めて感じております。
「グリーンを読むことが出来ないので基本的に「直線でホール真ん中狙い」」
せっかく心の重要さを実感していただけたところですが、ちょっとパッティングの技術的なコメントをさせていただきます。
方向性さえ正しければ、短いパッティングなら、1mぐらいオーバーさせるつもりで、ホールの反対側の壁にぶち当てて入れるという感じでもいいですが、そう、甘くはないですね。
ということで、迷ったら、傾斜の上に打ち出せばいいです。90を切れない場合のほとんどが、傾斜の下に外すことが多いです。思ったよりも、傾斜の上に狙いをつけて打てば、意外と、入ってしまうこともあります。傾斜の下では、絶対入りませんが、傾斜の上なら、まぐれで(失礼)入ってしまう可能性もゼロではないし、なんといっても、傾斜の上からの方が、ホールは大きくなり、同じ打ち出し精度なら、入る確率は高いです。そして、何より、傾斜の上側からなら、だんだんホールに近づいて止まりやすいですね。そして、グリーンを遅く使えます。ホールの下側に打ち出してしまうと、だんだんホールから遠ざかることになるります。また、グリーンを速く使うことになり、わざわざ難しくしているよなもので、精神的ダメージは大きくなります。
大森先生 ありがとうございます。
これからは傾斜を確認出来たら「傾斜の上」を狙っていきたいと思います。
先日のラウンドでは一日通してソールする事なく打つ事が出来ました。
個人的にはそれも安定に繋がったと思っています。
SWのハイティー打ちをやっている時は気付かなかった「ご利益」が次々と出てくるので本当に驚き、感謝しております。
ペンキ塗りやワックス掛けが成果に繋がった「ベストキッド」のような気分です(笑)
大森コーチへ
良いスコアーが出た時、一日のプレーを終わってから、なんて今日のゴルフは簡単だった
のだろうと不思議に思えることがあります。
それとは真逆で、何をやっても上手くいかず、出るのはマイナー志向の愚痴ばかりの時は
スコアーカードを見るのも嫌になってしまうほどゴルフが荒れてしまっています。
これが同じ人間の出している結果だとしたら、メンタリティーがいかに大切かが判ります。
『心・技・体』どれをとってもゴルフを長く楽しむためには、欠くべからざる要素ですが
一番高めていくことが難しいのが『心』だと痛感しています。
せめて、ミスショットの後の深呼吸を、思いっきり悪い空気を出し、新鮮な空気をいっぱい
吸い込んで、次打で心静かなショットを打ちたいものです。
今回は、調子が良くなる確率を高くする戦略をお伝えしたわけです。しかし、一旦調子が悪いとなった時の対処も大切になってきます。ま、そういった意味では、深呼吸は調子を取り戻すためにも、役立しますので、是非取り入れてください。また、ヒトは考えるほど、手が動いてしまいます。深呼吸で上半身が少しでもリラックスできるだけでも、手からの無駄な動きを減らせますし。