From:服部コースケ
東京・代官山のスタジオより、、、
こんにちは、服部コースケです。
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7月23日
メジャー全英オープン第3戦
雨が降る中迎えた13番パー4
今まさにティショットを
打とうとしているジョーダン・スピース
小雨の中放ったショットは大きく右に曲がり
深いブッシュに一直線に飛び込んでいった。
アップヒルでグリーン方向へは
スタンスもまともにとれない状態。
何しろ打った直後のスピース自身が
スイング直後に頭を抱えるほどのミスショット。
そこでスピースが出した決断はアンプレヤブル。
ココで質問です。
この後スピースはどこからの
ショットを選択したでしょうか?
ちなみにアンプレヤブルで与えられる選択肢は3つ
・最期にプレーした所のできるだけ近く
・ホールと球があった箇所を結んだ線上でその箇所よりも後方
・球の箇所から2クラブレングス以内でしかもホールに近づかないところ
大事な一戦だった。
2位に3打差を付けて出た最終日。
スピースは序盤4ホールで3ボギーとし、
マット・クーチャーに並ばれてしまう。
そしてむかえるは13番パー4
スピースにとっては絶対に落とせない
勝負のホールだったのです。
ここでのミスは命取り。
だからこそスピースは
決して妥協をしませんでした。
勝負の1打になることを分かっていたから。
アンプレアブルを選択した後
スピースは頭をフル回転させました。
もちろん次の一打を
どこにドロップするかについて。
球をドロップするのに適した場所はないものか?
小高いマウンドの上、はるか遠くにグリーンを見て
思案に暮れていると、スピースはふとあることに気が付きました。
20分
20分にもおける中断
競技委員と相談の末に選んだのは
隣接する「練習場の中」という異例の場所でした。
この場所を選んだ理由はただひとつ
「ティの方向からは遠ざかってしまうが傾斜もなくライもいい。
ここより打ちやすい場所はない。」
スピースがそう判断したからです。
つまり固定概念に縛られること無く
“自分のスイングが最もしやすい場所”
ソレだけを基準に選んだのです。
一番驚いたのは23歳という若さで
勝負場面でのミス直後にそんな冷静な
状況判断ができるということ。
絶体絶命に追い込まれても
ドロップのポイントを20分以上もかけて探し
自分にとっての最高の選択肢を見つけたのです。
レジェンドの過去
そういえばあの伝説のゴルファー
セベ・バレステロスも過去に
同じようなショットを打ったことがあります。
セベ・バレステロスの場合は
駐車場からのショットでしたが。
二人に共通しているのはそのリカバリーの凄さ。
技術ももちろんそうですが、
常に冷静に今の状況を見る眼と
揺るぐことのない決断力です。
調子がいい時をどれだけ伸ばせるかということも
ゴルフではもちろん大事な事なのですが
思いもよらぬ自体に陥った時
どういう選択をし、どうやってリカバリーするか
ゴルフでは後者の方が
大事なような気がしますね。
スコアメイクに直結していますから。
同じ1打でもまったく重みが違います。
型にはまらずにその状況で常に最善の選択をすること。
これぞ自然の中で戦うゴルフの醍醐味
いや~ゴルフって本当にいいものですね。
こんな楽しいスポーツは他にありません。
生涯現役を再確認した瞬間でした。
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服部プロは、あのような無茶苦茶な時間を使った決断を無条件で肯定されていますが、あれほどの長時間大会関係者をあっちでもないこっちでもないと引っ張り回し、最適な判断をすることが許されるでしょうか。私は疑問に思います。自分に不利なことは、何は何でも避けようとする欧米人のやり方が素晴らしいとは私には思えません。普通でしたら、大会関係者から早く決断するよう言われるのに、関係者が長時間の考慮を許したのは何か特別な理由があるのでしょうか?それとも、我々も優勝がかかった時はあんな勝手が許されるのでしょうか。お聞きしたい。
suzhoumiさんコメントありがとうございます。
今回のケースでは
最終的には、協議員の判断によって決まりますので
関係者としても悩ましい箇所であった為に時間を要したのかなと思います。
それでもあそこまでの中断は大変珍しいので
suzhoumiさんがおっしゃるように
「なぜ?」と思ってしまいますよね。
詳しくはわからないですが
プロとして勝つための最善を尽くそうとしている。
協議員がそう判断したのかなと私は思いました。
深く考えさせられる問題です。
「没」にされるのかなと思っていましたが、真剣に取り上げていただき、感謝致します。TVを見ていて、打つ方向に人を立たせたりしていて、いらだちました。長時間待たされた同伴競技者のことを、だれも言わないのが不満でした。心中不満が渦巻いた中で,あの後殆ど不満を表に出さずプレイしたのには感心しました。スピースを失格にしても良いケースだったと思うとともに、ショットにウッドではなくアイアンにさせたのはキャディーだったと新聞にありましたので、スピースよりキャディーの交渉力の問題だったのかもしれません。