From:小原大二郎
千葉の自宅より、、、
おはようございます、小原大二郎です。
今日は「自分のゴルフを知る」ということについてお話しします。
よく「自分探し」なんていう言葉を聞きますが、
自分は探してはいけません。
自分というのは、純然とここにいます。
しなければならないのは、探すのではなく「自分を知る」ことです。
のっけからちょっと小難しい話に聞こえるかもしれませんが、
気持ちを楽にして、構えずにお読み下さい。
■ブレまくりの生徒さん
数年前でしょうか、私が教えた生徒さんの話です。
50代の男性で、ゴルフ歴は15年ぐらい。
仮に、Aさんとしておきましょう。
スコアは、1度だけ100を切ったことがあるけれども、
それ以来一度も100を切ったことはなかったそうです。
「ゴルフは大好きなので、楽しむだけじゃなく、やっぱりうまくなりたい」
ということで、知り合いのつてで、私のところにやってきました。
レッスンを始める前に、それまでのゴルフのことをうかがいました。
今までプロからのレッスンというのは受けたことがなく、
我流でずっとやってきたけれども、ゴルフの教材を見ながら、
見よう見まねでいろいろやってきたとのことでした。
そして、試した教材の数を聞いたのですが、、、
なんと大小合わせて「100本以上」(!)とのこと。
小原 「Aさん、その100本も見て、結果としてどうだったんですか?」
Aさん「うーん、完全に消化不良ですねえ。。。」
小原 「たぶんそうですよね」
Aさん「しかも、いろいろなものを見れば見るほど、
自分に合っているものがどれなのかが、わからなくなっちゃって。。。」
■自分探しの勘違い
多くの人は、自分に合ったやり方、自分に合った上達法が、
あたかも外の世界にあると思っています。
確かに、ゴルフというのはある意味とても「素直な」スポーツで、
やり方によって劇的に成果が出ることがあります。
実際、私が教えた生徒さんでも、今まで何をやってもダメだったのに、
ビジネスゾーンのティーの連続打ちだけをひたすら練習しただけで、
今まで120前後をうろちょろしていたのが、スイングが安定して、
あっという間に100を切ってしまった、、、なんていう人もいますから。
しかし、その出会いを「偶然」に任せたままにしていては、
いつまでたっても変わらず今のまま、、、ということだって考えられます。
それをあたかも、偶然の出会いによって「白馬の王子様」がやってくることを
期待しているのと同じなのかもしれません。
あれもだめ、これもだめ、、、そんなふうに試しているのでは、
自分に合ったスイング、自分に合った上達法を手に入れることはできません。
いやむしろ、その試した中に自分にとっての「宝物」があったとしても、
あれこれと試すだけの態度では、せっかくのその宝物をスルーして
通りすぎてしまう可能性だってあるのです。
せっかく「宝物」に出会えているのに、それではあまりに悲しいですよね?
■探すのではなく「自分を知る」こと
では、どうすればいいのでしょうか?
これにはいろいろなやり方があるのでしょうが、
先ほどのAさんの場合、このように私は言いました。
「Aさん。自分でうまくなろうというその姿勢はとてもすばらしいです。
でも、やり方次第で自分のゴルフをどうにかしようとするのは、
今はいったん横に置いておきましょう。
もちろん、レッスン中にやり方は教えます。
でも、今のAさんの場合は、練習中にいろいろ質問をしますから、
その質問について、ハッキリと答えられる努力をしてみて下さい」
初めはAさんも何のことだかわかっていなかったのですが、
Aさんのスイングを見させていただきながら、いろいろな質問をしました。
「今、アドレスをしていて、重心はどこにかかっていますか?」
「今は少しストロンググリップ気味ですけど、
じゃあ、思いっきりストロンググリップにして打ってみて下さい。
どんな感じがしますか?」
「腰から腰のバックスイングで、フェースの向きはどっちを向いていますか?
少しフェースの向きを意識して打って下さい。何が違いますか?」
「今の自分のグリップの強さはどれぐらいですか?
少しグリップで強く握ったり弱く握ったりして打ってみてください。
どんな感じがしますか? どれぐらいの強さが打ちやすいですか?」
「思いっきりスライスさせて打ってみて下さい。
その時、インパクトで胸のラインはどの方向を向いていますか?」
とにかく執拗に質問をして、Aさんが実際にどんなスイング、
どんなゴルフをしているのかをひたすら気づかせる作業を続けたのです。
初めはAさんも半信半疑で、こんなのでうまくいくのかと思っていたはずです。
(正直私も、この方法でうまくいくという確信はありませんでしたから。。。汗)
ですが、この作業を続けていくうちに、
「このようなアドレスで振っていると、
『自分の場合は』クラブフェースがこっちに向きやすいんだ」
「このグリッププレッシャーで振ると、
『自分の場合は』ボールが右に曲がりやすいんだ」
「『自分の場合は』インパクトを安定させるには、
この切り返しのテンポでいったほうがいいみたいだ」
そんなふうに、自分なりのゴルフのルールを知ることができたのです。
言ってみれば、自分のゴルフを知って、
「自分なりのスクエア」を知ることができたというわけですね。
■自分を知るのは怖いこと?
その後、Aさんは自分のゴルフを確立することができたのか、
今では100をオーバーすることはほとんどなくなったそうです。
このAさんの事例は、私にとってもちょっとした「賭け」だったのですが、、、
このやり方がうまくいったので、今では少しホッとしています。
多くの人は、自分を知ることを嫌います。
それはもしかしたら、自分の可能性に限界があることを知るのが怖いから、
なのかもしれません。
しかし、それは誤解です。
このAさんの例のように、
自分を知ることで、自分の可能性を広げることができるのです。
自分の可能性を広げるためには、
答えを外に求めるのでは得ることができません。
これは人生にも通じるところがありそうですが、
ゴルフでしなければならないのは、自分を探すのではなく
「自分を知る」
ことなのです。
またメールします。
小原大二郎
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