2016.10.16
From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「心・イメージ力でスイングを変える」
というお話をさせていただきます。
練習場でボールを打つことだけが
スイングを良くすることではありません。
むしろ、ボールを打たない方がスイングの基本は良くなります。
ボールを打つのは一応確認のためと、
応用の幅を広げるために打つというぐらいの感じです。
これは私の経験と、とあるツアープロの経験からの確信です。
とあるツアープロの話
ゴルフ場に所属しているとあるツアープロは
なかなかシードが取れず、苦悩の日々が続いていました。
そこに来て、その年、ゴルフ場のいろいろな仕事が舞い込んできて、
落ち着いて練習やラウンドすらできない日々が続いたそうです。
そこで、考えたのが、シャドースイングです。
シャドーシィングと言ってもちょと変わっています。
野球のバットを使って振るのですが、
次のように一風変わったシャドースイングでした。
(1)ハーフウエイダウンで一旦止まってシャフトの位置を確認
(2)そこから再びトップに行ってフルスイング
(3)フォローで右足の内側を地面にズリズリ擦ってフィニッシュ
(4)右足の擦れた痕を30ヤードとかまっすぐな跡を残す
これって、靴がすぐにすり減ってしまい、
まさにプロで靴とかも何足も支給されていないとできないことですね。
でも、この右足ズリズリフォローが内転筋群を
しっかり使った動きを行う誘発剤となります。
そして、その超~忙しかったその年のQT
(ツアーに参戦するために上位に入らなければならない試合)
に見事通過して、次の年のツアー参戦の権利をゲットしました。
こんなちょっと変わったシャドースイングまで行かなくても、
普通にゆっくり一回のスイングを20秒以上かけて行えば
効果はてきめんに出ます。
ボールフライトを見てしまう問題
ボールが飛んでいく様子であるボールフライトを見ると、
どうしてもターゲットにボールを運ぼうとしてしまいます。
ターゲットとは違う方向へ飛び出して
さらにターゲットとは離れる方向へ曲がるボールを打ってしまったら、
次の打球は絶対に修正してしまうものです。
しかし、ここに落とし穴があります。
それは、せっかく良い方向にスイングは変化してきているのに、
それを帳消しにしてしまう調整をすることです。
スイングを改造している時は、
ボールをうまくコントロールできなくなる魔の時間を
ゴルフと一緒に過ごさなければならない場合もあります。
そして、ボールの行方は無視して、
正しいスイングを行いながらボールを打ち抜いていれば、
ある日突然ボールがあなたの意思に従ってくれる日が訪れます。
ですから、スイング改造ではボールを打つとしても、
屋内練習場などで、ボールフライトがそれほど見えないところで
じっくりスイングを作り変えます。
本当は、ボールは打たないでシャドースイングや長い棒などを
振っていた方がいいにはいいのですが。
時々ボールが飛んでいく様子がわかる大きな練習場で
ボールを少し打って、ボールフライトを確認します。
そして、また屋内練習場に戻るというやり方が、
スイング改造には最高に良いやり方です。
ボールフライトを見ないことで、
イメージしている体の動かしかたがやりやすくなります。
ゆっくりシャドースイングを否定したくなる気持ち
ところで、私がゆっくりシャドースイングをお勧めすると、
よく言われることがあります。
それは、普段どんな風にスイングしているかなんてよくわからないから、
ゆっくりなんてスイングできないというお言葉です。
確かに、そうとも思ってしまいます。
しかし、間違っていてもいいので、
まずは意識的に体を動かしてみることが
上達のための重要な鍵を握ります。
人はショットしているうちに、
やっぱりボールをターゲットに運びたくて、
色々無意識での動きを行ってしまっています。
例えば、グリップがウィークなままボールをまっすぐに飛ばそうとしたら、
ボールヒットに向かって前腕を左にねじらなければ
ボールはまっすぐに飛んではくれず、スライスしてしまいます。
本当はグリップを正しく修正しなければならないのに、
グリップには手をつけず、スイング動作でなんとかボールを
まっすぐに飛ばそうとしてしまっていることは多いです。
そして、いつしか前腕を左にねじりながらボールヒットさせている動きは
意識には登らなくなり、無意識で自動化されてしまいます。
そのときグリップを正しくすると、ボールは左に引っかかってしまいます。
なぜなら、無意識で前腕を左にねじっているわけですから。
ですから、グリップを正しくして、
それまでグリップがウィークで悪かった状態からの前腕を
左にねじるという代償動作をだんだん消していく作業を
していかなければならないのです。
でも面白もので、無意識で前腕を左にねじっている人の
ゆっくりシャドースイングを見ると、やっぱりゆっくりな動きの中でも
前腕を左にねじりながら仮想のボールヒットに向かう動きを行っています。
前腕を左にねじっているご本人は全く意識できていないのに、
ねじってしまっています。
そうです、普段どんな風に体を動かしてスイングしているのかなんて
意識していない人でも、ゆっくりシャドースイングをすることで、
え、こんな動きをしていたんだということが見えてきます。
見えてきた動きに対して疑問を持ち始めたら、
もう良いスイングを半分は手に入れたようなものです。
疑問に感じたことに関して実際にはどうあるべきなのだろうと
考えをめぐらせ始め、色々やってみる日々が始まるからです。
ですから、普段どんな動きを行っているのかわからないとしても、
まずはゆっくりシャドースイングをやってみることが
あなたのゴルフを劇的に飛躍させる第一歩となります。
そして、無意識での動きと意識的な動きを
はっきりさせることが大切となります。
スイングで意識したいポイント
スイングで意識していただきたいポイントは無限大にあります。
しかし、その中で私が一番大切にしているイメージがあります。
それは、下半身で上半身をしならせるイメージです。
スイングは上半身の力を意識的に出して
ボールを打ち抜くものではありません。
下半身で上半身の筋肉と腱を伸ばして、
それが勝手に縮もうとすることに任せてリリースすることが理想です。
まさに、弓の弦を引っ張って、ポンと放すようなイメージが大切です。
上半身は自ら筋肉を縮めて動くのではなく、
下半身の動きによってしならされて、
そのしなりが戻ることが主体として動くことが一番大切なイメージです。
そして、しなりを意識しないで長年スイングしてきた場合、
体をしならせる動きは全く別次元の感覚となります。
クラブを腕の意識的な力で振り回していたなら、
しなった腕が勝手にクラブを振ってくれるなんてイメージすらできません。
やはり、この上半身を下半身の動きでしならせるイメージは
ゆっくりシャドースイングで作るしかありません。
まずは、クラブを手にしてバックスイングしてみましょう。
バックスイングの出だしで下半身が先に動き、
上半身、クラブヘッドの順に動くことができたなら、
下半身の動きで上半身をしならせる動きのきっかけの感覚が体験できます。
下半身が右にターンし始めて、
それによって体幹である腰から肩の間の胴体か回転してきて、
体幹の先につながった腕が動き、腕の先にあるクラブが動いて
一番最後にヘッドが動けば上出来です。
そうです、ヘッドが一番最後に動くような
ゆっくりシャドースイングをやってみようとするだけで、
あなたのゴルフのイメージは一新して、
最高の体の使い方の世界に突入です。
動画でのイメージトレーニング
そういえば、ボールを打たないでうまくなる
もっと楽ですごい方法があります。
本当に楽なのかどうかは?ですが。
おすすめしたいのは
動画を観ることによるイメージトレーニングです。
あなたが望むスイングをしている動画を、毎日30分、
3か月ぐらい観続けることができた暁には、
あなたのスイングはその動画のスイングにかなり接近してきます。
ヒトの脳の中にはミラーニューロンというモノマネをする神経細胞があります。
ミラーニューロンは目で見た動きを、
あたかも自分自身が同じように体を動かしたように
脳の中で神経を活動させます。
あくびをする人を見たら、
ついあなたもあくびをしてしまったなんて経験が
あるのではないでしょうか。
美味しそうなものを食べている人を見たら、
同じものを食べたくなりますね。
これらの反応は全てあなたの脳の中にある
ミラーニューロンの働きによるものです。
動画を見るイメージトレーニングはこのミラーニューロンを活動させ、
あたかもあなたが見た動画のスイングを、あなたご自身も行っているような
神経活動がまさにあなたの脳の中で発生します。
まるで、同じように体を動かしているように脳の中では信号が行き来します。
ですから、見ているだけで、
あたかも同じ動きを練習したかのような効果が出てきます。
そして、同じ動きを見続けたなら、3か月もするとその動きは
小脳にプログラムされ、大脳の活動としての意識にはあがってこなくなります。
そうです、目で見た動きが自動化されます。
やろうとしなくても、
勝手に小脳プログラムで体が動いてくれるようになります。
ですから、頭、ようするに大脳でごちゃごちゃ考えなくても、
同じような動きができるようになります。
大脳で論理的に考えて動きの指令を出さなくても、
小脳が勝手に無意識下で運動を制御してくれます。
大脳での指令では体全体の動きのバランスは悪く、
なかなか良い動きはできません。
しかし、小脳からの運動指令は
体全体の動きの調和がとれたものとなります。
ですから、たまには小脳プログラムだけで
ショットしてみることも大切です。
練習していてもチェックポイントをいつも考えるのではなく、
時々何も考えないでショットしてみればいいです。
そうすれば、大脳の指令ではなく
小脳からの調和のとれたコントロールが働きます。
また、このミラーニューロンのおかげで
霊長類は効率よく動きを学ぶことができるようになりました。
さらには、相手の行動を脳の中でシミュレーションすることで、
相手を理解することにもつながります。
社会的活動を円滑に行えるようになったのです。
こんな進化の過程で発達してきたミラーニューロンの力を
信じてみるのもいいですね。
実際にお勧めしたい動画
実際にお勧めしたい動画として、
YouTubeにはたくさん良いイメージのショットがあります。
私はサム・スニード(Sam Snead)が好きです。
(YouTubeの検索でできるだけたくさんヒットできるために、
英語表記も入れておきました)
サム・スニードは時代を超えて素晴らしい動きをしています。
年齢を重ねても変わらぬ世界一リズム良いショットを放っています。
まさに、下半身で上半身をしならせてショットしています。
PGAツアー82勝で歴代1位、その他優勝回数165回、
52歳10ヶ月8日でのPGAツアー優勝の最年長記録、
67歳2ヶ月21日でのPGAツーア最年長予選通過記録など、
数々の記録を打ち立てています。
サム・スニードで検索するだけでかなりの量の動画が出てきますから、
ぜひ見てみて、気に入ったものがあれば毎日続けて見るようにしてください。
また、ジェイミー・サドロウスキー(Jamie Sadlowski)
2008,2009のRE/MAX World Long Drive Championshipの2年連続優勝、
パーソナルベストは445yのドラコン王者のショットも、
学ぶ点が多く参考になります。
ジェイミー・サドロウスキーの場合はパワーを体の柔軟性、
すなわち体を大きくしならせ、それを一気に解放する使い方の天才です。
また、ボールヒットでフェースをターンさせないように
左肘を引くようにしてフェースの向きを安定させています。
さらに、左肘の絶妙な使い方に加え、
右手甲側に折れるヒンジをボールヒットで一気に解放することが絡み合って、
爆発的なパワーを精密にボールに伝えているところも魅力的です。
などなど、数えあげるときりがありませんが、
この二人はぜひご覧になっていただけたらと思います。
サム・スニードもジェイミー・サドロウスキーも
体の使い方はかなりわかりやすくはっきりと動いてくれていますから、
観てあなたのミラーニューロンを活性化するには最高の動画です。
秋の夜長を利用して良い動画を眺めて、
知らないうちに上手くなっているといいですね。
追伸
来週、10/23(日)、10/24(月)、10/25(火)
岐阜でワンデーレッスン会を開催します。
ご興味のある方はぜひ、下記のご案内をお読みの上
お申し込み下さい。お待ちしております。
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※定員に達し次第終了です。お早めに
では、また。
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